真・女神転生シンフォギアif   作:宇迦之たま猫

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非常に遅くなりました……
一応次話で最終回の予定です……


VS魔人フィーネ II

 

【Devil Summoning Program Start up】

 

・・・Processing completed】

 

【System All Green】

 

【Summon a New Devil】

 

 

【魔神 オーディン】

 

 

────────────────────

 

煮え滾る怒りに身を焦がしていると、ガントレット型c.o.m.p.から激しい光が溢れる。

眩く輝く魔法陣から凄まじく強烈な雷が放たれ、中から背の高い男性の姿をした悪魔が現れた。

蒼きマントをたなびかせ、青いラインの入った金色の鎧に身を包み、穂先が雷の様な形をした槍を持っている。

その悪魔は私を一瞥するとカ・ティンギルへと向いて、手に持つ槍を空へと向けて掲げた。

そしてゆっくりと降ろし、その槍の穂先をカ・ティンギルへと向けた……その瞬間

眩い閃光が走ったかと思うと、凄まじい轟音と共に激しく砂埃が舞い上がる。

数秒して砂埃が収まると、そこには崩れ去り瓦礫の山となったカ・ティンギルがあった。

 

「ば……か…な…」

 

その光景に絶句しているフィーネを見つつ急いでステータスを確認する。

 

────────────────────

 

魔神 オーディン Lv.85

 

HP MP

728 312

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 ― 反 ― ― 吸 反 耐 耐

 

能力 力 魔 体 速

数値 33 34 27 26

 

スキル

・真理の雷 ・グングニル

・メギドラオン ・貫く雷の闘気

・ソウルドレイン

 

アビリティ

・物理プレロマ ・物理ギガプレロマ

・電撃ギガプレロマ ・衝撃吸収

 

 

・真理の雷

敵全体に電撃属性で特大威力の攻撃

・グングニル

敵単体に物理属性で特大威力の攻撃(貫通効果)

・メギドラオン

敵全体に万能属性で大威力の攻撃

・貫く雷の闘気

使用後1ターン(約1分程)の間、味方全体に電撃属性の攻撃に貫通効果を付与する

・ソウルドレイン

敵単体から万能属性でHP・MPを吸収する

 

────────────────────

 

 

魔神オーディン……北欧神話の主神、武人にして魔術師でもあり、知識を得る為には如何なる犠牲も惜しまなかったと言う探求者…

そして、私の胸に突き刺さったガングニール…いや、グングニルの本来の持ち主…

それほどの悪魔が……魔神が……私をジッと見ている、まるで品定めをするかの様に。

 

 

一歩踏み出す

グッとプレッシャーが増す

 

更に一歩踏み出す

まるで重力が増したかの様に足が重くなる

 

そして隣に立つ

オーディンが問い掛けてくる

 

 

『我が魔槍の欠片をその身に宿せし娘よ、卿は何故戦う』

 

「復讐の為」

 

『何故復讐する』

 

「信じた者から裏切られ、捨てられ、奪われた。だから奪う、何もかもを、そして全ての元凶が目の前にいる、ならば殺して怨みを晴らすまで」

 

『卿の復讐の先に何が待つ』

 

「何も、強いて言うならクリスや仲魔達と何処か自然溢れる場所で余生を過ごすのも良いかもしれない」

 

『卿の望みは何か』

 

「貴方の力を貸して欲しい、具体的にはあの残骸になってる塔をもっと壊して」

 

『良かろう、卿の望みを叶えよう』

[グングニル]

 

問い掛けが終わると、オーディンは空高くジャンプして、グッと槍を構えて壊れ崩れたカ・ティンギルへ投擲する。

凄まじい衝撃が周囲を襲い、轟音を轟かせながらカ・ティンギルを粉砕した。

そしてそのまま地下にある謎のエネルギー源も破壊してしまったらしい。オーディンは私を見て問う。

 

『卿の望みは叶えたが、これだけで良いのか』

 

「後1つ、フィーネを殺すの手伝ってくれる?」

 

『ふむ、まぁ良かろう』

 

そう言うとオーディンは槍を呼び戻してその手に構えた。

魔法か何か?

 

そして私はフィーネへと向き直ると、その顔は憤怒に染まっていた。

 

「よくも……よくもやってくれたな……永きに渡り望んで来た我が悲願を……人類の相互理解を阻むこの呪いを、今宵の月を破壊する事で解き!そして世界を再び一つに束ねる!………その、はずだったのにっ!!!」

 

怒りに呼応する様に、フィーネの魔力が可視化出来る程に強まり、暴風が吹き荒れて渦を巻く。

 

 

─────それを見逃すほど、私は馬鹿では無い。

 

「オーディン、メギドラオン」

 

『承知した』

 

私の指示に応え、オーディンが槍の穂先をフィーネへ向ける。

まるで何もかもを飲み込む闇の様な真っ黒の球体が槍の穂先に現れる。

その球体を撃ち出すと、フィーネが慌てて魔力の盾を貼り、その盾に球体が触れる。

音が消え、空気が爆ぜる。爆発の余波が辺りを吹き飛ばし、土煙が舞い上がる中、私は目を凝らし、耳を澄ませる。

…………先程フィーネがいた辺りから、僅かに荒い呼吸が聞こえる。

防ぎはしたが、重症の様だった。やがて土煙が晴れて行き、視界が開けていく。

そこには血塗れになりながらも、何とか立っているフィーネの姿があった。

だが、その姿は満身創痍だった。

 

「ハァッ…ハァッ…クソっ……この私が……こんな……!」

 

「………オーディン、トドメお願い。ソウルドレイン」

 

『ふむ……承知』

 

 

カツカツとオーディンが歩いてフィーネへと近付き、その顔面を鷲掴みにする。

俗に言うアイアンクローだった。

そして、その手から何かの力を吸い取る様な白い光が溢れると……

フィーネが絶叫を上げた。

 

「ギッ……あああああぁっ!?な、なんだ……これ……は……」

 

フィーネが悲鳴を上げると同時に、その体がどんどん干乾びてミイラの様になっていく。

そして全身がひび割れていき、ボロボロになって崩れ落ちていった。

それを見た私の顔には笑みが浮かぶ。

憎い憎い元凶が死んだ……正直言えばこの手で殺したかったが、流石に格上だから手傷を負わせるのが精一杯だったからね…

 

「終わったんだな……姉貴」

 

なんだか空気になってしまっていたクリスが近付いて話し掛けてくる。

 

「うん、終わったよ。帰ろ『響…なの…? 』う…か…?」

 

 

名前を呼ばれ振り向くと、そこに居たのは私を見捨てて逃げ出した……自称親友が見つめていた。

 

 





大体予想通りだったであろうオーディン様のご登場
空気と化したクリスちゃん&出会ってしまった393
なおフィーネはソウルドレインで魂奪ったので転生出来ない模様


(次話はとても短く淡白な物になります…)

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