私と父親は話し合う為に、近くのレストランに入り席に着いた。
「えっと…な、なんでも注文して良いからな?」
「いい、必要ない」
「えっ…あっ…そう、か…」
「………」
「その…随分見違えたよ、変わったね…」
「何を当たり前の事を、あんな環境にいれば嫌でも変わる」
「あ…ごめん…」
何やらしょんぼりとしているが、私を捨てておいて今更父親面しようとでも言うのだろうか?
店員が運んできたセルフサービスの水を1口飲んで、息を吐く。
「はぁ…で、何?」
「えっいや…久しぶりに会えたから…家族らしく話でも…」
「そう、私を捨てて逃げ出した癖に家族とか言うんだ」
「そっ…れは…」
「私がどんな目にあったかも知らないくせに、私を捨てて逃げ出してのうのうと暮らしてたアンタらなんか家族だと思うわけないじゃない」
「ぐぅ……!」
「あの時私がどれだけ絶望したのか知ってる?毎日毎日学校行っては殴る蹴るの暴力を振るわれたし、ご近所からは影口暴言に窓は石で割られる、家に帰っても誰も居ないしお金も無いから何も出来ない、そのせいで拒食症になって今じゃ何も食べれないんだよね、生きる気力すら失って何度も自殺しようと思ったし」
「…………」
言葉も出ないって感じかな?俯いて震えて、まさか後悔なんてしてないだろうし。
「ひ…響は…どうやってここに…」
「お金も無いのに来れたのかって?決まってるでしょ、そんだけ追い詰められたら犯罪にだって手をそめる。当然の事でしょ」
「犯罪って…!」
「私を見捨てたって事は私に死んで欲しかったんでしょアンタ達は?その癖して犯罪に手を染めたからって口出ししないでよ、見捨てたら楽だったでしょ?邪魔なガキがいなくなって自分達は迫害されないもんね」
「そんな事…!」
「ある、でしょ?本当に後悔してるなら私を探すくらいしたハズ。それもせずにのうのうと暮らしてた時点で捨てた事を後悔してないって事じゃない」
「………」
沈黙は肯定って知らないのかな、本当に馬鹿な男
やっぱり殺した方がスッキリするかな、どうせ殺すなら母親と祖母も殺したいし、場所くらいは聞いておくかな。
「ねぇ、どこに住んでるの?」
「……!あっあぁ、今はここから近くの一軒家に3人で暮らしてる。」
一軒家…ねぇ、アパートとかの貸し賃では無く一軒家。
余程お金あったんだねぇ…バイトしてるみたいだけど、少なくとも私を捨てて逃げ出した時点で一軒家買える程度にはお金あったんだね
残ったセルフサービスの水を飲み干す。
「案内してよ、一応会っておきたい」
「…! もちろんさ!きっと母さん達も喜ぶよ!」
…なんで喜んでるのかな、私が善意で会いに行くとでも?
本当に馬鹿な奴…今から殺されるとも知らずに…
次回は母親と祖母にも会います。
ちなみに次回は最初のif分岐点です。
この作品における両親は普通に屑で書いてるので、ビッキーの血の繋がった家族という最後の繋がりを捨てるか捨てないかで分岐します。
捨てれば正史、捨てれなかったら悪魔合体ルートへ行きます。
ビッキーは復讐に手を染めて殺しもしましたが、あくまでもまだ子供です。無意識に親の愛情に飢えてます。それ故にその繋がりを捨てるか捨てないかは今後のビッキーに強く影響を及ぼすわけですね。
ifルートはどうする?
-
ifルート用の章を用意して書く
-
ルート分岐点の後に書く
-
別冊で書く