リナの星間貿易異聞録   作:ayasaki

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空想の第二部構想前に作ってたやつです。
完全に別次元の一発ネタですので、細かい事気にせずに読んでくださいね。


没ネタ その1

「このゲームをマルデアにも販売させてください!」

 目を蘭々と輝かせながら、自分の押しゲーを訴えるのはガレリーナ社の女性社員の一人の言葉だった。

 地球とマルデアによるゲーム貿易が本格的に軌道に乗り、様々な名作をマルデアで販売するようになってから、はや数年。

 最初の頃は私がマルデアで売るソフトを決めていたが、未翻訳ソフトを遊んでいた社員が段々と自分達が遊んだソフトもリリースさせてほしいという要望が高まっていた。

 まあ社内じゃないと未翻訳ソフトは遊べないし、マルデアで未販売のソフトは持ち出し不可だしね。

 そのせいで未翻訳ソフトを遊んだ後の社内会話は、自分が好きなゲームを語り合い、どんなキャラが好きかなどで時には論戦をするほどに白熱している。

 しかし、それはあくまでも社員同士だけで社外では機密情報でもあるので、社外で語ることは許されない。

 ……ちなみに事情通ゲーマーとして掲示板に書き込んでた社員には一度減給処分もしている。一応あれも盛り上げ役になってはいるが、見逃してるだけなんだから。

 閑話省略。

 さて、とりあえず改めて社員が持ってきたソフトを確認する。

「……あらわれしものですか」

「はい! こんな感動できる物語のゲームですから、絶対に売れます!

 シミュレーションとしては確かに微妙ですけど、物語は絶対にいけますよ。私だけじゃなく他にプレイしたメンバーも翻訳頑張ると言ってくれてます」

『あらわれしもの』

 初めて販売されたのは2002年。

 当時はコンシューマーゲームでなく、PCソフトとして販売されている。

 物語の始まりは記憶喪失になった青年が寂れた村で目覚めたところからはじまる。

 何故自分は記憶喪失なのか?

 自分は一体何者なのか?

 そして……自分の顔から外れない仮面という謎。

 プロローグとしては結構シリアスな始まりを感じさせてくれるが、いざ物語を進めてみるとコミカルなシーンは頻繁にあって楽しい。

 でも本筋においてはその人間ドラマで感動が感動を呼んで、涙する場面も多い。

 実際その会社の看板作品でもあるし、海外でも評価は高い。

 ただ、……これ大本はエロゲなんだよね。

 制作会社がコンシューマー向けに移行したんで、第二部は普通にコンシューマーで売ってるのも理解してる。

 むしろ元エロゲだということを知らない人もいるであろう。

 他にも「運命が佇む夜」とか「マブ恋」とか。

 元男としては自分があのまま地球で大人になってたらエロゲーもプレイしてたのかなーと思いながら、今の自分の立場として考えると……エロゲ輸入の切っ掛けになるのは目に見えている。

 ちなみにエロゲの存在は社内では知られているが、さすがに持ってきてはいないから話題になることはない。

 いや、別にいいと言えばいいんだよ?

 エロゲだって面白いゲームがあるのは知ってるし、今までにもマルデアでちょっとエッチいところがあるソフト販売したことはある。

 その時の掲示板でやっぱり盛り上がってるのも確認したからね。

 男性社員同士がエッチいシーンがある未翻訳ゲームで秘密裏に盛り上がってるのも女性社員全員が知っている。

 それに、本気で私が地球の政府にお願いしたら、全力でエロゲ用ゲーム機制作してくれる自信はある。

 真面目に地球の経済関連を考えたら、私の行動だけで1000兆円規模の行動してたんだよね。

 ……正確に拡散した経済指数も累計すると京超えみたい。

 結果、私の行動により地球全体の雰囲気が良くなることで、地球規模で財布の紐も緩んでるそうな。

 天災の排除・自然環境の回復・ゲーム市場の発展・物流の改革・エネルギー革命などなど。

 地球からすれば、魔石は消耗品だからいくらあっても足りないし、輸送機なんて数十億~数百億単位の価値で扱われてるからなあ。

 偶に秘密裏にゲンとポツモンで遊んだり雑談してる時に、私の行動が如何に地球全体の経済をバブルにしているか教えてもらったし。

 今もマルデア関連の話題は地球でトップニュースとして扱われ続けてるから、元庶民感覚としては付いていけない部分も多々である。

 さて、とりあえず社員と話し合おう。

「まずは落ち着いてください。

 確かに名作ではありますが、会社としては既にリリース予定のソフトがありますし、本格的に進めるにも地球側の制作会社と詰める必要があるのです」

「連絡のやり取りなどは許可いただけるなら、私が全力で対応させていただきます。

 これまでにも翻訳の文章などで微妙なニュアンスのところは、地球側とも相談してきましたので大丈夫です。

 確かに最終的な受け取りは副社長にお願いするしかありませんが、それ以外の作業は全てお任せください」

 ……やばい。思った以上に本気だ。

「し、しかしその手のゲームは音声も重要です。

 確かにガレリーナ社の認知度は広まってきましたが、吹き替え作業はまだやったことがありません。そこはどうするのですか?」

 そう、今までのゲームはあくまでも字幕を入れたり、そこまで声に比重を当てていないゲームソフトを販売していた。

 つまり社内作業だけで完結できなくなるので、外注関連という新たな業務が発生するのだ。

 しかもこういう物語がメインだと、やはり声の有無は大きい。

 その為、吹き替えをするならば声優や施設が必須となるが、まだまだそこまでの規模をマルデアでは用意できていないのだ。

「ご安心ください。

 私の知り合いのゲーマーで音声施設関連に勤めている人がいますから、相談する事も可能です。

 それにお忘れですか? 既に映画業界の中でもゲーマーはいるのです。

 社長と副社長が許可していただけるなら、法務のエヴァンスさんにもご協力いただいて法律とかの業務は手伝うと約束してもらいました。

 そうすれば映画業界で声色と声の演技が上手い人を探して、仕事として依頼すればいいだけです。

 経費に関してはこちらで交渉いたしますし、スケジュール管理もやらせていただきますのでご安心ください」

「手回し良すぎませんか!?」

 行動力ありすぎでしょ。この社員さん才能の無駄遣いしてない!?

「あらわれしものの為なら、私はやってやりますよ!

 社内規定があるのは理解してます。だから社内でしか語れないのは分かってる。

 ですけどね!

 社外のゲーマーと語る時に!

 このゲームを語れないフラストレーションが分かりますか!?

 私は同志を!

 増やしたいんですよーーーーー!!!」

 ゲーマー、それは時にとんでもない行動力を発揮する。

 結果として、私はその情熱に降参し、地球側にソフト依頼の連絡をすることとなる。

 当然のことながら、地球側のソフト会社は狂喜乱舞しながらマルデア用ソフト制作準備と原画家に追加CGとマルデア用オープニングムービー制作もするとの連絡があった。

 まあゲーム内容自体は既に完成してるから、そこまで製作期間も必要ないからなあ。

 ただ、これを切っ掛けにエッチいゲームを作ってる会社にも希望の光が差し込むことになる。

 いや、まああらわれしものはエロなんて無いも同然なんだけど、可能性が出てきたというだけで、日本人はマジでやる時はやるからなあ。

 ……土の塊がシンボルのメーカーの一部だけならいけるか?

 あそこの地域制圧型シミュレーションゲームは独特だが、中毒性高すぎるが面白いとゲンから聴いている私であった。

 後日、地球のエロゲ掲示板が数百個単位でスレを一日で消費する日が存在したことをここに記すこととなる。




いやまあ自分が面白いと思ったら、よほど趣味が合わない限り遊ぶ。
原作でも多分PC9801のMS-DOSでゲームしてたみたいだし。
個人的には古いけど、大番長お勧め。
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