リナの星間貿易異聞録   作:ayasaki

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こちらも第二部構想前に書いてたやつです。
書いてて楽しく暴走していた自覚があります。
冷静になればこんなオールスター出せるかー! と自分で突っ込む内容でした。


没ネタ その2

オールスターキャラクターゲーム集

 

「さてと、今回はちょっと趣向が違うオールスターになります」

 90年代後半、この時代は恋愛シミュレーション全盛期だった。

 火種となったどきメモとか同等生だとかで、ゲームする人が男性中心だったこともあり、可愛い女の子と恋愛するゲームがいっぱいだった時代でもある。

 ……ゲンも何だかんだでプレイしていたようで、お勧めしてくれたソフトを私や会社の人で遊んでみたりする。

「……これどう宣伝するんすか? 確かにやってみると面白いのはわかるけど、今まで以上に客選びそうっす」

「うむ、確かに地球の恋愛感覚とマルデアの恋愛感覚で違いはあるが、物語としてみれば楽しめたぞ」

 メソラさんは不安なようだが、ガレナさんは反対に気軽に楽しめる部分で安心している。

 実際、私も今回はソフト内容的に、商業的にはかなり冒険だと考えている。

 勿論ソフトのラインナップとしては、地球では売れていた作品である。

 そのラインナップはと言うと、

 

 ~悠永幻想曲~

 仲間たちと絆を深めながら町の信頼を取り戻す育成+恋愛シミュレーション。

 ~エンジェリーク~

 使命と恋で揺れ動く女性向け恋愛シミュレーション

 ~マリリーのアトリエ~

 落ちこぼれ錬金術師が一人前になるために、仲間と共に錬金と冒険をするRPG。

 ~同等生~

 一年に一度しかない夏休みに君は恋をする町探索型恋愛シミュレーション

 ~久永の絆~

 千年の時の中で転生を繰り返しながら、悲しくも美しい物語の恋愛ノベル型アドベンチャー。

 ~どきどきメモリアル~

 自分を育成しながら、学園生活の中で彼女を作る恋愛育成シミュレーション。

~シスター・プリンセラ~

 家族として愛するか? 異性として愛するか? 異色の恋愛シミュレーション。

 ~ガロパレード・マーチ~

 学徒動員された学園を舞台にして、登場人物ごとのシナリオを体験するアドベンチャー。

 ~スター・ローシャン2nd~

 星の運命を救うべく、仲間と共に闘いながら絆を深めるアクションRPG。

 

 ……自分で選んでおいて何だけど、ソフト選びに迷走しているような気がしないでもない。

 でも、地球では今も熱心なファンがいるゲームソフトだから、販売するのにちょっと勇気はいるがコアなファンに売れる自信はある。

 ちなみに一部作品は古い作品でもあるせいで、権利問題がこんがらがっていたようだが、私が政府にお願いしたら、政府とnikkendoが仲介してあっさりと解決したらしい。

 同時にマルデアで販売するおかげで、知名度が桁外れに上がり一部はリメイクとレトロ方面もダウンロード販売が決定したそうだ。

 これにゲンが狂喜乱舞していた。

「確かにこれまで販売してきたソフトとは毛色が違うのもありますが大丈夫です。

 それに恋愛というのは、誰もが一度は経験するものですし、今までのゲームでも好きになったキャラクターがいるのと同じような物だと思いますよ」

 法務のエヴァンスさんが答える。

 キャラゲーは私も子供の頃にやっていたが、あくまでも漫画原作が中心だったし、転生してからは女性だから恋愛ゲームってピンと来てないんだよね。

 なので、こういうゲームだと地球では変なオタクも湧き出るらしいが、マルデアでどうなるか考えるなら、法務のエヴァンスさんが想定するほうが確実と判断した為、この会議に出席してもらった。

 他にも考えていることがある。

 これまでもゲームキャラをグッズとして販売してきたが、今回のオールスターも地球ではキャラクターのグッズ販売をしていた。

 つまりは、ゲーム以外でも正式なグッズ販売を手がける事も可能な為、収益を更に広げられる可能性があるのだ。

 実際ポツモンのぬいぐるみはクレーンゲーム以外でも、普通に販売するようになったし、ゼルドやドラクアのフィギュアは予約限定で販売もしている。

 結果、今のガレリーナ社の収益でファングッズが結構な割合になってきているのだ。

 ということは、キャラクターを全面に押し出した作品が成功すれば、ファングッズの売り上げも期待できるから、挑戦してみる甲斐がある。

 ちなみに地球側の掲示板だと、

『リナちゃん最高! 悠永幻想曲をもう一度遊べる!』

『ちょw 地球の恋愛ゲーいけんのかよ』

『ゼフィル様のカッコよさなら、マルデア人もとろけるわよ』

『このラインナップにスターとマーチ……。キャラゲー解釈は否定しないけど、どういうことだってばよ』

『やっぱ日本人は変態だな。さて英訳出来る奴捕まえよう』

『YesロリータNoタッチ!』

『早速海賊版みたいなのが売ってるんだが……』

『やべえ、対応機種のゲーム機本体とソフトに攻略本の値段がストップ高を嘲笑ってやがる』

『えっちいシーンも少しあるけど、大丈夫なのかな? 地球でさえ煩く騒ぎ立てるやついるからマルデアで大丈夫か気になる』

『HAHAHAHA、性欲は万国共通さ!』

『また新たな靴下フェチが増えるのだろうか……』

 

 やっぱり不安になってきたけど、ここまで来たらやるしかない。

 まあ、ニッチになりそうだし、ソフトの輸入数は3万本なんだけどね。ついでに初回限定版とかいうのも試してみる予定だ。

 というわけで、まずはいつも通り馴染みの玩具屋さんに営業だ。

「ほう、今回は今までより可愛らしいキャラクターがいっぱい登場するんだね」

 早速ソフトを試してもらうが、やはりキャラクターの可愛らしさに目を惹かれてくれる。

「はい、今回はキャラクターをより魅力的に感じてもらえるようなゲームになっています。

 今迄のゲームと違う点は、プレイする人がゲームに出てくるキャラとの疑似恋愛を楽しむ事が出来るという形です」

「なるほど……また新しいジャンルのゲームなんだね。確かにこれまでのゲームでも主人公とヒロインが恋愛する物語はあったが、それはあくまでも主人公だったしね」

「ええ、今回の場合はプレイヤーが恋愛しているような気分になるんです。なのである意味プレイヤーにとって理想の恋愛とか憧れとかを自覚できたりなんかします」

「ふむう、地球人は本当に色んなゲームを思いつくんだねえ。

 とはいえ、これが売れるかどうかは判断しにくい」

 店長が眉間に皺を寄せて考え込む。

 確かにこれまでも新ジャンルのゲームを売ってきたが、それはあくまでもゲームとして楽しんでいた。

 でも、今度は架空のキャラクターとの疑似恋愛体験が多い。

 となれば、体験程度だとその魅力を完全に理解できるとはいいがたいし、マルデアの恋愛観との相違でどうなるか分からない部分もやっぱりある。

「まあ、ガレリーナさんの商品なんだから大丈夫だろう。

 でも今回は30本で頼もうかな」

「ありがとうございます」

 人気シリーズなら100本以上発注がある事を考えれば、厳しめの発注数だ。

 だが、新しいジャンルでもあるのだからしょうがない。ならば発売されてプレイした人達からの口コミを期待しよう。

 そして今度はブラームス専門店だ。

 最近のブラームス専門店は店舗が広がってからは、デートスポットにもなっているようで客層がゲーマー以外にも遊び場としての御用達になっている。

 この調子なら、いつか写真のやつも入れれるかもしれないなーと考えている。

 そして肝心の新作ソフトを紹介してみると、

「こ、これはまた斬新な……」

 新作に対して期待してるのはいつも通りなんだけど、内容を確認すると困ったようだ。

「う、う~ん。面白いとは思うんだが……正直買ったことを知られたくないような」

 あ、ちょっと気持ちは分かる。

 自分の性癖を自覚するから、最初は抵抗ある。

 だがプレイしてはまると、抜け出すのが困難になるのが恋愛シミュレーションゲームの恐ろしい所でもある。

 しかし私は気づいているが言葉にしない。

 さっきからチラチラと男子がポスターとソフトを見ているということに。

 普段なら新作ソフトの話をしていたら、聞き耳どころか邪魔にならない程度にガブリ寄ってくるのに今回だけは寄ってこないのだから。

「……ん? 初回限定版?」

「はい、今回は初版のみゲームの設定資料集をお付けする形です。

 以前からゲームをもっと知りたいという問い合わせがあったので、そこで今回は試験的に添付してみたんです」

「ほうほう、それはいいですね。確かに私も好きなゲームだと、開発秘話とか細かい設定とかはもっと知りたいって気持ちはよくわかります」

 うん、まあ間違ってはいない。

 だがもう一つの理由は予約発注数を増やす目的である。

 予約しておかないと、もしくは発売すぐに買わないと手に入らないかもしれないという心理作戦だが、他にも設定資料集という添付にどんな評価が付くかも知りたいのだ。

 地球だと電子書籍の販売形式にすれば、決まったコストで売り出せる。

 しかし、マルデアではまだ地球商品をネットで売るのは難しい。なので書籍にするしかないが発行部数が読めないから、商業的に考えると少しでも参考になる数字が欲しい。

 地球側は地球側で魔石・輸送機貿易の為には、少しでも売れる品を増やすのに必死なのだ。

 掲示板だと大真面目にコスプレ衣装のプレゼン方法で盛り上がっていたから、実際にプレゼンされたらどう反応すればいいんだ。

 まあ、そこはともかく、

「では100本発注します。

 それとクレームゲームの商品も補充したいんで、そちらも次回持ってきてください」

「ありがとうございます!」

 そうして各店舗で営業を終えて、会社に戻って集計をするのだが、

「発注合計数が12000か。

 いつもと比べたらかなり厳しい数字であることには間違いないな」

「キャラクター販売店は評判良かったけど、デパートや魔術店には今回見送ると言われたわ」

「プレイしてみたら楽しいのだけど、やっぱり心理抵抗がねえ」

「でも、ネットのコメント内容はいつもより濃いです」

 そう言ってフィオさんがデバイスを見せてくれる。

『こんな可愛い子達と恋愛できる? ふおおおおおお!』

『何だろう。マリリーを見たら興奮してきた』

『頭を撫でたい……これが父性!?』

『エンジェリーク男性陣がかっこよすぎるー!』

『こ、今回のオールスターはえらくぶっこんでるな』

『う、う~ん。だが新作オールスターだからガレリーナを信じて買おう』

『様子見てからと思ったけど、初回限定版とかいうのがあるから一応予約しといた』

『初回限定? なんだそれは』

『開発秘話とかキャラ設定が詳細に書かれた冊子らしい』

『何それ!? それだけでもどんなのか知りたい』

『今回はデバイス経由で予約した。店長! 予約した事秘密にしといてよ!?』

『ここで言うなよ……まあ俺もそうなんだけど』

 とりあえず想定していた反応があるので、一安心とも言える。

 

「何だかんだで一部には受けてると思います。ちなみに私はルラヴィス様推しです」

「まあ、大丈夫でしょう。

 前面に出てるから注目されるのはしょうがないけど、スターやマーチも面白いんだから発売日になったら、そっちも盛り上がるはずよ」

 ちなみにフィオさんはきっちりエンジェリークにはまっている。社内女性陣の同士でキャーキャー騒いで仲良くなっている。

 サニアさんはマーチで各キャラで違うクリア目的やら世界の謎を解く為に、四苦八苦してたが面白かったらしい。

「とりあえずいつも通り発売日は電話応対になるのだから、各自気を引き締めてくれ」

 ガレナさんが最後に締めてくれる。

 そう、やることは変わらない。

 今回もソフトの力を信じて、その力を十全に発揮できるように私達が頑張ればいいのだから。

 そして発売日を迎えた電話対応。

「キャラがすぐに問題起こして、仕事失敗する」

「そのキャラと話しましょう」

「誰か一人なんて選べない」

「大丈夫です。キャラ人数分周回すればいいだけです!」

「この主人公、デート誘うの早すぎない?」

「見境ないですから」

「選択肢多すぎて、目当ての女性ルート行けてるんだろうか」

「そこも楽しんでいきましょう」

「不意にえっちいシーンが来て、家族と気まずくなったじゃないか」

「恋をしたら、そういう事も有り得ますよ」

「1人で特攻して袋叩きされるあのキャラどうにかできない?」

「身動きできないようにしましょう」

「地球でだと近親相姦ありなの?」

「……一応違います」

「地球はモンスター相手だと爆弾投げたくなるの?」

「敵が吹っ飛ぶと楽しいですから」

「魔法使いと銃使いの女性キャラとも恋愛できるの?」

「そこは親交を深めてみてください」

 こんな感じで、新しいジャンルのゲームを楽しむプレイヤーからのデバイス対応に必死になっていた。

 そして夜9時になって対応終了になるのだが、皆死屍累々だった。

「恥ずかしくて、そんな選択肢選べないとか知るかっつーの」

「貴方ならどんな台詞にときめくの? って私にきかないでください。私は告白されたことないんですよー」

「デートする前のおしゃれがうんたらかんたらは本人同士で何とかしてほしいっす」

 と言う感じで、恋愛経験の無い人達からアドバイス求められていたところもあった。

 まあ、喜びそうな選択肢を分かりやすくしてるんだけどね。

 一部はこんな選択肢誰が選ぶんだというのもあるが。

「まあこの調子なら、少しずつ評判も良くなっていくでしょう。

 明日もありますから、今日はゆっくり休みましょう」

 ちなみにネットの反応はと言うと。

 

『彼氏に髪型褒められた。嬉しいんだけど今まで髪型注視してなかったのに何故?』

『彼女に耳元で歯の浮くような台詞言ってと言われた』

『うあああああ、セーラ可愛いよセーラ。ミロディやミリアとかメルの赤ら顔最高!!!!』

『何で現実で彼女たちはいないんだあああああ』

『耳がとろける~~~~』

『む、胸が締め付けられる。これが恋!?』

『私女なのに、彼女達が可愛くて仕方ないわ』

『……俺も同性のカッコよさにしびれちまったよ』

『地球人め! 俺達の性癖をどうするつもりだ』

『いや、マルデアに持ってきたのはリナ・マルデリタだから、彼女に小一時間問い詰めたいんだが』

『こんなゲームがあるなんてけしからん! ガレリーナ社もっとください』

『サブキャラクターが一番お気に入りなのに、攻略できない悲しすぎる』

『こ、これが初回限定版についてる設定資料集……3サイズは大事だな』

『同志よ』

『設定資料集いいなあ。これ今まで販売してたゲームにも無かったのかな?』

『フェルクルにお使い頼んでみたくなった』

『スターのラストダンジョンとボス強すぎるわー! 何回茹蛸にされたか』

『メトルでもそうだったんだが、メカって何であんなにときめくんだろう』

 

 と言う感じで、口コミやら同志を増やしたい人のおかげで、ゆっくりと販売数は増えていった。

 結果、増産を地球側にお願いする程になったので一安心した私であった。




なんか自分の黒歴史公開してるような?
私の性癖は正常だ!
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