3年目はまたこれから書き溜める予定なので、また暫くお待ちください。
大会も紹介も終わり、そろそろ閉会の時間が近づいていく。
観客の人達も、限定販売で目当ての物は既に買い物済み。
休憩コーナーで軽く飲食しながら、観客同士や家族・友人同士で雑談をしている。
つまり殆どの人はこのイベントでやることは済んでいて、帰ろうと思えば閉会前に帰ってもいいという状況だ。
だが、帰らないと言う事はそういうことだ。
つまり昨年のように新しい情報を提供してくれるだろうとの期待だ。
「予想通りね」
サニアさんも想定していたし、私もそうだがガレリーナ社皆もその準備はしていたのだ。
「ですね。でもまあ今回はオールスター5じゃないんですけどね」
「うむ。
さすがに大作が出たばかりで新作は出せんからな」
そういうことだ。
12月下旬に発売されたタクティクスオウグ。
そして末の日と考えれば、まだまだタクティクスオウグは旬さえも迎えてないと言ってもいい。
この段階で1月中にオールスター5など、さすがにタクティクスオウグの魅力が勿体無さすぎる。
新年を迎えた時にもじっくり遊んでほしいゲームなのだから。
とはいっても次なる新作情報が欲しいのは、ゲーマーの性でもある。
だから、私はまた違った方で、皆に楽しんでもらう内容を地球から輸入した。
そう、これもまた日本が世界中に誇る王道的な娯楽。
同時にゲームをしていた時に、いつも頭の中で想像していること。
さあ、今年最後の新しい娯楽を提供しよう。
これもまたゲームを更に楽しんでもらうために。
「皆様そろそろ閉会時間に近づいてまいりましたが、今年も楽しんでもらえましたでしょうか?」
私が壇上に立ち、そうやって声を掛ける。
そうすると、待ってましたとばかりにお客さんは応えてくれる。
「今年も楽しかったよー」
「限定販売品も普通に売ってくれー」
「来年も来るからなー」
「末の日以外でもイベント開催してくれたら行くよー」
肯定的な返事が来るので嬉しい限りだ。
「有難うございます。ガレリーナ社一同その言葉で今後も頑張れます。
ですが、皆さんが今私が言う言葉で期待してるのはそれだけじゃありませんよね?」
少し茶目っ気を見せる感じで、私が言えば皆は笑ってくれる。
「皆さんは昨年この場でクロナを含んだオールスターを発表したことは覚えておられるでしょう。
しかし、今回はゲームに関連はしますが、新作ソフトの情報ではありません。
でも楽しんでもらえると思いますので、画面に御注目お願いいたします」
私の言葉が終わると、サニアさんが映像を映し出す。
それは絵で描かれた風景。
「アニメ?」
「え? もしかして」
まあマルデアでもアニメはあるから、大体予想できてきたのだろう。
でも理解したとしても、嬉しいものは嬉しいと思えるのだ。
「ピッハチュウ!!」
画面いっぱいに登場したのはポツモンの顔であるピハチュウ。
「嫁ーーーーー!」
……うん、聞いた瞬間にネズさんだと分かりました。
そうしてポツモン達が動く映像を映し出し、最後にゲームプレイヤーとも言える主人公であるサトルが登場する。
「皆さんもう想像できたと思いますが、地球でもポツモンは大人気で長年ポツモンのアニメを制作していました。
それを我がガレリーナ社の公式サイトで毎週1話ずつ投稿していきます。
ただ申し訳ありませんが、さすがにマルデア語で吹き替えは予算と会社都合によりご用意できませんでした。
その為、字幕放送になりますが翻訳はガレリーナ社が責任もって行いますので、内容は地球側と相違ありませんので、お楽しみいただけることは間違いありません」
そう、これもまた1つの文化交流だ。
ゲームのフルボイス化という企画はすぐには出来ないということは理解している。
だが、出来る事はあるのだ。
確かにマルデア語で準備は出来ないが、それって絶対に必要か?
そう言われると違うのだ。
根本的に考えれば、お客さんにとっては娯楽を楽しむことが重要であり、そこにフルボイスがあれば尚良しということだ。
つまり字幕放送だろうがなんだろうが、楽しんでもらってから更に満足感を得たいなら吹き替えを要望してもらうようにする。
ガレリーナ社としては最初に字幕版しか用意できないと答えれば、引け目を感じる必要も無いし、いつか吹き替えも計画しているとすればいい。
それと、このアニメ予定はゲーマー以外でも視聴可能というのも大きい。
ゲームを知らなくてもアニメを見ている人はいっぱいいる。
地球でだって、アニメから入って好きになったから元ネタのゲームを買った人も沢山いる。
その方法を使って更なる顧客獲得に繋がる手段になってくれるだろう。
また上手くいけば、声を仕事とする企業が目を付けてくれる可能性も出てくるかもしれない。
それにこれはあくまでもガレリーナ社の公式サイトでしか見れず、無料放送する予定だ。
つまり宣伝にはなるが、明確な営利目的にならないので、マルデアのアニメ会社との競合とか考えなくていいと言う事だ。
実際アニメというのはテレビが基本ではあるが、90年代だとオリジナルビデオアニメーションと言う形でテレビのルールに囚われない形でビデオ販売もされていた。
私もレンタルビデオ屋さんでOVAをレンタルして見ていたものだ。
天命無用・神秘な世界アルザード・捕獲しちゃうぞ・うしとら等々。
でも、ガレリーナ社としては無料放送するだけで、相当の効果を見込んでいる。
①視聴者によるファンの維持と好感度上昇
②新規ファン獲得
③ゲームソフト購入意欲増進
④アニメにより、発売以降の人気継続
⑤日本の単語が少しでも理解してもらえる
最低でも上記内容が見込まれるし、最悪人気が出なくてもコスト的にはそこまでかかってないので会社のダメージは少ないはずだ。
ただ、さすがに1つだけ載せる予定でなく、
「ん? もう一つはドラクア・……か?」
そう、こちらもマルデアで人気となったドラクアのアニメも載せる。
「肩に乗ってるスレイム可愛い!」
「おお、魔王と部下がドラクアらしくていいなあ」
こちらも地球でドラクア3が社会現象を起こし、その後テレビ放送された作品。
勇者カインの龍王伝説だ。
人によっては漫画連載されて人気を博したリメイクアニメを求めるかもしれない。
だが、やはりドラクアらしいアニメと見るならこちらだろう。
まずはこの二つを提供する。
好評次第では、他のゲーム原作のアニメも考えている。
あくまでもガレリーナ社としてはゲームが主体なので、現時点ではアニメで収益は考えていない。
これはゲーマー達に楽しんでもらい、今後もファンでいてもらうための方法だ。
「今回は新作情報ではありませんが、時期が来れば勿論新作情報をお届けいたします。
ですが、一言だけお伝えいたしましょう。
勿論オールスター5も新作アーケードも近日中にお知らせする予定です」
だって、私も皆に早く届けたくて仕方ないんだからね。
さすがに昨年のクロナの時ほどの盛り上がりではないが、お客さん達は来年の楽しみを待ち望んでくれるようだ。
「俺のルザードンはいつ登場するかねえ?」
「ミウの動いてる姿が見たいわ」
「表情豊かなポツモン達の姿が見れるなら何でもいい!」
「ドラクアだから色んな町に行って、冒険するんだろうなあ」
「勧善懲悪だから安心して見れるのもドラクアのいいとこだしな」
早速内容を想像しながら雑談しているお客さん達。
私はそんな光景にホッとする。
受け入れられるかどうかはいつも心配でもあり、楽しみでもある。
自分の大好きなものはいつだって誰かに教えたいのだから。
そうして第二回末の日イベントは閉会を迎える。
「皆さん今年もお疲れ様でした!」
閉会後、会場の後片付けをしてから、ガレリーナの社員全員による慰労会。
「今年も無事仕事を終わらせることが出来た。
年始休みは皆ゆっくりしていってくれ」
ガレナさんは社長らしく締めてくれる。
「ゆっくりはするけど、やっぱり会社でゲームしてるっす」
「モム鉄しようとしたら、皆でわいわいやるのが一番ですからねー」
「私は布団の中でタクティクスオウグやるわ」
皆も思い思いの過ごし方を言ってくれるが、ある意味サニアさんの寝正月こそ王道なんだろうなあ。
まあ私も仮面5Rやってる最中なんだけどね。
100時間以上プレイして、ようやく主人公の因縁をぶちのめしたところだ。
ここから更に追加のボスのシナリオなんだが、各キャラの絆シナリオ進める順序で頭を捻っている。
とりあえずは、雑魚相手なら死んでくれる? もいいが各キャラの決めは何回見ても楽しいのが仮面であった。
「来年も来年でまた色んなゲーム持ってくる予定ですので、よろしくお願いいたします」
「死にゲーの新作を早く頂戴!」
「ホラゲーもお願いしますよ」
「カービアの新作もう少しですよね? 会社で首を長くして待ってます」
「女神転承の新作ください」
「FPS系統も頼みます」
「妖魔セイヴァーの格ゲーしたいです」
皆ここぞとばかりに好きなゲームを要求してくる。
うん、まあこれがガレリーナ社員だ。
最早殆どの社員が未翻訳なのに、普通に文章を流し読みで理解してるのだから、やっぱ娯楽は学習力を向上させるんだなあ。
そんなこんなで私達ガレリーナ社は末の日を終えるのであった。
遅くなりましたが誤字報告して下さりありがとうございます。
見習いさん・雪代トウカさん・にぼし蔵さんに感謝。
確認してても、やっぱどこかで抜けるもんですね。