リナの星間貿易異聞録   作:ayasaki

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歴史と勉強

「ふむ……ふむ。

 こうやれば、更に魔力を効率的に発動できるか」

 アルセイアの朝の次の日である。

 ゲームはしたいが、今後の星間貿易の為に、私はマルデアの図書館で訪れていた。

 地球での天災排除・環境浄化で私は魔石を使って魔法を行使した。

 マルデアなら専門家チームは魔石無しで行う作業だが、地球では魔法を使えるのは私一人なので魔石の補助は必須である。

 だが台風の時は成功したとはいえ魔力切れ。

 火山ではフェルの助けがあったからこそ成功したという事実。

 確かに星間貿易は少しずつ大きくなってきて魔石の数が増えているとはいえ、今後も絶対に成功するとは言えない。

 それを考えれば、私自身が魔法の使い方をもっと勉強しなければならないと思った。

 またマルデアの歴史も調べている。

 マルデアの歴史は地球より古い。

 だからこそ今のマルデアがあるわけだが、だからこそ何故ここまでマルデアが地球を野蛮認定したという事実も調べたいと思ったのだ。

 確かに学校の授業では教わった。

 だが、それとて教えてもらったと言う事で自分で正確に調べたということではない。

 なので、ネットだけでは偏った情報ばかり検索してしまいそうなので、図書館の方が調べれる場合もあったりする。

 ちなみに図書館は自動化されていて、こちらがあやふやな内容でお願いしても結構的確に欲しい情報を探してくれたりする。

 それでもやはり偏った情報になることもあるので、最期は司書さんに助けてもらったりする。

「……やっぱり地球に来てたんだ」

 そう、正確な時期は書かれていないがマルデア人は地球を長年観察していた。

 そこで目の当たりにしたのは、侵略戦争をしている地球人。

 しかも争う切っ掛けは生存競争の為でなく、権力者と国の欲望を満たす為だったので、それを見たマルデア人にとっては余計醜悪に思えたんだろう。

 それとて一度だけで野蛮と認定せずに時代が変化していくと地球を窺っていたそうだ。

 だが、時代が進むたびにそういった侵略戦争を繰り返しているということで、結果として野蛮認定としたということだ。

 全ての地球人が野蛮ではないと言いたいところではあるが、ユウジ時代でも私は授業で教わった歴史を思い出すと難しいなあと考える。

 アヘン戦争・春秋戦国時代・源平合戦・欧州による植民地時代・第二次世界大戦などなど。

 ただ一方的な現代の考え方で見るのでなく、その時代はその時代での理由があるからだが、関係の無い他者から見れば、結局は醜い争いとしか思えない。

 見方が変われば考え方も変わるが、そこまでの興味を持たない限り詳しく調べたりはしないしね。

 そして今でも最低限は地球を観察しているそうだ。

 とりあえず今日のところはこれで調べ物は終わろう。

 知識は必要だが、今の私の優先順位を考えれば、魔法を更に実践して腕を磨く事も必要だ。

 いつか誰かが理解してくれて、私と一緒に地球に訪れてくれるかもしれない。

 でも、それまでは私は地球ではたった一人の魔法使いでもある。

 少し考えすぎているなあと思えども、私は頑張れる。

 私が地球から娯楽を持ってくるたびに皆は喜んでくれている。

 私もそんな笑顔や声が嬉しいし、私自身もその娯楽を楽しめている。

 そして、いつかマルデアと地球が本当の意味で仲良しになれる日がくるかもしれないとのだから。

「まあ、気負い過ぎずに私らしくやればいいって、あのお医者さんが教えてくれたから大丈夫」

 ドイツで相談にのってくれた人の言葉を思い出しながら、私は図書館を出るのだった。

 

 

 

 ここでリナは自分を過小評価していることで調べなかった事実がある。

 上司に報告しても殆ど放置されている為でもあるが、上司は仕事である以上リナの報告書をきちんと管理している。

 これにより実はマルデアで一般には掲載されていないが、リナの立場を明確に活用すれば検閲できる資料がある。

 地球に関する情報について、昨年マルデア国は新しい文面を更新している。

 『マルデア国地球親善大使リナ・マルデリタによる最新調査報告書』

 現代のマルデアで政に関わる人間の価値観では、誰も読むことは無いが正式な資料として保存されている。

 

 

 

「ということで、魔法技術を勉強していこうと思うんだ」

 帰宅後、皆で一緒にご飯を食べながら私は家族全員に伝える。

「……無理してへんか?」

「リナ、今でも地球からすれば十分やねんで?」

 奈良のお父さんとお母さんは、物凄く心配してくれる。

「魔力切れ……ね。

 確かにリナの魔力は大きいけど、それだけの事だと確かに必要ねえ」

「何だったら魔力の使い方上手い人紹介しようかい?」

 反対にマルデアの両親は楽観的である。

 ここら辺は感覚の違いだ。

 地球は天災に悩まされてきた歴史がある。

 反対にマルデアは天災を克服したことで、天災に関する危機感に実感が無いのだ。

 それが理解できるのは、ユウジの前世での記憶があるからこそだが。

「大丈夫だよ。

 無理するつもりは無いから心配しないで。

 機会があれば紹介してもらえる?」

 両親に答えながら、私は美味しい食事をするのだった。

 その後はいつも通り所用を済ませたら、ゲームである。

「追加シナリオ楽しい~」

 主人公のライバルだったキャラと後輩キャラの活躍を見ながら、バトルの決め技やカットシーンが楽しい。

 何だろうね、この演劇みたいなシーンがめっちゃ面白い!

 そして仮面5Rは挿入曲が色々あるのだが、そのシーンにあった英語の歌詞だから意味が理解できると、更に気分を盛り上げてくれるのだ。

 よくいう中二病みたいな台詞だったり、時々意味不明だけどかっこよく感じたりもする。

 ただ、2週目するかと言われたら結構迷うところである。

 ……ぶっちゃけ私の部屋には積みゲーが山ほど溜まっている。

 いや順々に消化していってるが、地球行くたびに新作や昔の名作渡してくれるのだ。

 明らかに輸出リストに入るようにする思惑は理解してるが、実際遊んでみると面白いから見事に術中にはまっている自覚があったりする。

 3DXV LL・PSTでしか発売されていないゲームもあるし、寝転んでプレイできるのはやっぱり楽である。

 まあ、画面が小さいから少し目が疲れやすかったりもするけどね。

「次は何のゲームしようかなあ」

 地球でもう少ししたら発売するゲームも有るし、ゲーム以外でもマルデアの人が楽しめそうな娯楽も持ってきたい。

 ただまあ、偶には1日中ゲーム漬けになりたい時も有ったりするのだった。

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