リナの星間貿易異聞録   作:ayasaki

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リナに声あてるなら、誰になるかねえ?
横山智佐・丹下桜・堀江由衣・林原めぐみ?
ガレナだと折笠愛・榊原良子しか思い浮かばん。
私が理解できる声優の年代が古いのは自覚しているw


収録体験

「ふわああ。収録場所ってこんな感じなんですねえ」

「ん~、3時間で200ベル。今回は試しですからいいっすけど、毎回の経費として考えると結構金額いきそうっすねえ」

 フィオさんとメソラさんが思い思いの感想を言った。

「うむ、そこに人件費と収録時間次第では更にかかりそうだからな。

 だが出費をけちってゲームの完成度を下げてしまえば本末転倒にもなりかねん」

 ガレナさんは経営者としての考えも入れながら、機器の使い方を確認している。

 そう、本日は私達ガレリーナ社メンバーは収録を経験すべく、スタジオを3時間レンタルして体験することでフルボイス企画を前に進めようとしているのだ。

 勿論すぐにフルボイス企画を進められるわけではないので、エヴァンスさんとの経営戦略における保留は忘れているわけではない。

 でも実践していくことで課題を見つけていけば、そのうち乗り越えていけると言う事だ。

 これはオゾン層修復計画にも適用されるが、相談前の私は責任と重荷に感じすぎて視野狭窄になってしまった。

 そう考えればまだまだ私は1人で考え込むところがあるんだなあと実感するのだった。

「とりあえず体験なんだし、細かい事考える前にやってみましょ。

 収録の準備はしてもらってるんだし、台本読むわよ」

 サニアさんは我が社の配信担当だから、録画は慣れてるからなあ。

「というより私は何故参加になってるんでしょうか?

 演じるとか考えた事も無かったんですけど」

 フィオさんはうちの問い合わせ担当なんだから、話すだけなら慣れてるはずである。

 私は私で地球で歌ったから、一応経験者になるらしい。

「異なる意見を出すには、多数の体験者が必要と言う事だ。

 それにフィオ、お前はお前でゲームしてる時も歌ってるだろうが」

 ゲーム中楽しそうに口ずさんでいるフィオさんである。

「話進めるわよ。

 まずはリナお願い」

「了解です」

 そうして私はマイクの前に立ち、頭にヘッドフォンを取り付ける。

 本来なら声を出すタイミングとかあるだろうが、お試しなのでとにかく演じてみる事が大事だ。

 さあ、とにかく気持ちを切り替えよう。

 私はゲームの主人公、主人公。

 そして敵に立ち向かう戦乙女なのだ!

 臨場感たっぷりに、恥ずかしがらずに、演じるキャラになりきって叫ぶ!

『死の先を行く者たちよ!』

「……うぅく」

 メソラさんが吹き出しそうになるのを抑えるような表情になる。

「メソラさん後で覚えといてくださいね」

 分かってる、分かってるんですけど。

 こっちは今大真面目に演じたんですよ。

「だって、いつものリナさんが絶対言わないような言葉だし~」

「くくく、確かにな。理解しているが実際に聞くとイメージがな」

「普段の声量でもないですし、声色も違うのでびっくりです」

 あ~もう、仕事なのに~。

「そんなもんでしょ。私も配信だと意識してるけど素面で考えたら駄目な時もあるのよ」

 サニアさんが唯一真面目に応えてくれる。

「でもやっぱりその台詞だと音響みたいなのがあるから、そこがネックね。

 そこらへんは収録後にいじくる感じかしら?」

「そうだな。簡単にはスタジオの従業員に教えてもらったが、音量・音質・音響を編集するらしい。

 やはりうちだけで仕事を完結させるのは厳しいな。

 1から作り上げようとしたら、いつ出来るようになるか予想できん」

「うわあ、経費物凄い事なるっす。

 外注するほうが絶対安上がりになるでしょうね。

 それにうちの規模だと人手取られるのも致命的です」

「問い合わせ担当人数は今でもぎりぎりですから、担当部署としては人欲しいくらいなんですが」

「順調に会社は大きくなってますけど、安易に人員増やすのは怖いですし」

 各々の意見がどんどん飛び交うようになる。

 たった一言演じただけで様々な課題がどんどん浮かび上がってくる。

 しかし、とりあえずここで出来る事を先にしていこう。

「じゃあ次は私ですね。

 ……何で現実で彼氏できたことがない私が恋愛ゲームの攻略キャラなんでしょうか?」

 誰がやっても同じと言う事で、渡される台本がくじ引きだっただけである。

 他意はないのです。

『朝~朝だよ~。朝ごはん食べてがっこ行くよ~』

「ぶふ!」

 駄目だ、想像したら私も吹く。

 いやある意味、フィオさんには合ってるかも?

『うぐう、酷いよー。タイ焼きでお詫びして』

「あははははははは!

 だ、駄目だ。もう耐えきれん」

 普段のガレナさんがしないような笑い声をする。

「社長のこんな笑い方初めて見ました。

 何なんすか? ここは黒歴史を作る場所っすか?」

「笑い話にするべきであって、羞恥会場じゃないわよ!」

「んじゃうちも行きますか。

 もうノリでいくっす」

 フィオさんが皆の反応でダメージ受けて消沈中の間に、メソラさんがいった。

『社長さん~。この物件売ってきたのね~』

「私の屋台骨物件何度赤字に転落させられたかしら」

「……イメージそのまんまで反対につまらんな」

「こっちは大笑いされたんですから、メソラさんも笑われてほしかったのに」

 サニアさん・ガレナさん・フィオさんが順々に感想を言う。

 いやネタ提供する為じゃないんですが。

「台本通りに言っただけなのに、酷い言われようっす。

 こうなったら、この雰囲気じゃないと出来ないような内容いきます」

 あ、メソラさんが悪乗りすることにしたようだ。

『こちらスネイル。

 ツチノコは筋肉質だが美味かったぞ』

 情緒たっぷりに渋オジ声を演じながら、ジェスチャーまで加えた演技をしてくれる。

「おお~。

 メソラさん上手い! いい演技です!」

「あの会話は聞いてて楽しかったっすからね。

 あのゲーム作ってる人はいいセンスです」

 面白いんだけど、地球の事情知ってないと結構意味分からない所もあるし、冷戦時代の話でもあるから、マルデアで売るなら結構大変である。

「それじゃ次は私かしら。

 まあ私の演じるのは無難だし、笑われないでしょ」

 そう言いながらサニアさんが深呼吸する。

『ビリー? ウエスター?』

 あ~バイアの女性役か。

 しかし、名前を呼んでるだけなので演じてるようではない。

「サニア。もう少し長文のやつをやってくれ。

 他の演じる役もあったはずだ」

「う、それはそうだけど」

「あ、サニアさん隠してますね。

 私達もやったんですから、サニアさんもやるべきですよ」

「そうですよ、仲間はずれにはさせませんからね」

 こういう恥の上塗りみたいな時は一蓮托生である。

「……くう、出来れば避けたかったのに」

 そう言いながらサニアさんが違う台本の台詞を言い始める。

『今回はこのゲームを紹介するニャ!

 クラの好きなゲームニャ』

「……それゲームでしたっけ?」

 トルといっしょ……かな?

「いや、確かにあれはあれで可愛らしいが」

「クラのほうが見てて面白かったっす」

 あ~皆、週間ゲーム紹介バージョンの思い出してる。

 毎週更新してたらしくて、ゲームよりトル達の掛け合いの方が楽しかったりする。

「うっさいわね!

 というか何でこんな台本あるのよ!?」

 とりあえず変な空気になりそうなので、流しておこう。

 そしてトリはガレナさんである。

「さて皆やったのだし、私も演じてみるか。

 しかし、このキャラを演じるのは変な感じだな」

 どういうことだろう?

 とりあえずガレナさんの演じるキャラが気になる。

『あなたは優しいわね。ファッティマン。

 私は選ばれなかった。でも、さよなら。これでよかったのよ』

 あ、アーマーズ・コア。

 いつ遊んでたんですか!? ガレナさん。

「……なんか妙にしっくりくるんすけど、気のせいっすか?」

 メソラさんの言葉に私も同意するしかなかったのであった。

「あのゲームは中々、各キャラクターの心理を研究できるからな。

 機体だけなのに、あそこまでの人間模様というのは面白いぞ」

 なるほど、そういうことかあ。

 でも現時点では販売は難しいだろうなあ。

 確実に一部の人間には受けるだろうが、大衆向けではないしね。

 その後も私達は収録した音声を改めて聞いてみたり、編集してみたりしていると、あっという間に終了時間が迫ってくる。

「ふむ、そろそろ終わりだな。

 では、最後に皆で一斉に掛け声もしてみるか。

 これなら実際に収録時でも、モブキャラなら私達でも問題無いからな」

「ですね。それじゃあ皆さん今日最後の収録です。

 この後は、皆でご飯食べに行きましょうね」

「了解っす」

「はい、水分欲しいですねー」

「では皆さんご一緒に」

『MDF!! MDF!!』

 凶悪な異星人からマルデアを護るため、私達は立ち向かう戦士を演じるのであった。




ヘルシングの少佐演じた時の飛田展男さんは、本当に少佐としか思えんかった。
てか、ヘルシングOVA版の声優達の完成度高すぎ!
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