おかげでインフェルノでオンやると、武器が面白いほど集まります。
「いつも通りで行く?」
翌日、私は出社して早速ガレナさんと相談する。
「はい、地球と連絡は再度取り直して、あくまでも品質重視の上でネズム王国と相談していきます。
時間はかかるでしょうが、その方が後々に繋がると考えました」
「だがリナ。それだと発注完了までどれだけ待たせることになるんだ?
私としてはこの機会は逃したくないんだが」
少しガレナさんらしくない言葉だ。
それだけこの発注をどう解決したらいいか悩んでいたんだろう。
「確かにその通りです。
でも、少々の無理なら大丈夫でしょうが、本当に少々で済みますか?」
私の言葉にガレナさんの眉間に皺が寄る。
ガレナさん自身理解している。いくら今から人員の増員をしたとしても、会社としての処理能力が追い付かないと言う事を。
「……無理だな。
単純に商品を渡すだけじゃない。
商品をきちんと理解してもらうための説明。適切な販売方法。
受け取りやクレーム対応だってある。
いかん、考えるだけで頭が痛くなってきた」
ああ、やっぱりガレナさんも根は真面目すぎたんだろう。エヴァンスさん・メソラさんと相談はしても最終的に私に打ち明けるまで、解決方法が抽象的なままだったから1人で背負い込む状況に近かった。
その時間に耐えきれなくて、冷静さを失ったんだ。
「ガレナさん。ありがとうございます。
そこまで必死に考えてくれて」
「リナ?」
「私も昨日ガレナさんから聞いた時は凄く悩みました。
でも、両親と相談することで落ち着けたんです。
だからガレナさん。無理に頑張らないでください。
確かに私はガレナさんにいっぱい頼ってますけど、偶にはガレナさんが私に頼ってくれてもいいんですから」
その言葉にガレナさんは虚をつかれたようで、口をポカーンとする。
ただ、そこから理解が追い付くと、あっさりと表情が変わっていく。
元々ガレナさんは頭の回転も速いし切り替えもできる。
だから少しの切っ掛けがあれば、すぐに冷静になれる能力は高いのだ。
「くくく、そうか。今度は私が視野狭窄になっていたのか。
ああ、なるほど。これが自分で墓穴にはまっていたと言う事なんだな。
まったく、オゾン修復で相談した時のリナを笑えんよ」
そう言って、両肩を動かして軽く深呼吸しだす。
「中々いい経験になった。
普段冷静沈着に考えられていると思っていたが、いざとなると冷静になれないものなのだな。
相互理解や互助する意味合いを改めて実感できた」
おどけるように両手をひらひらさせて、体から余計な力を抜いていくガレナさん。
「実を言うと、昨日の相談後にBEATMAXを遊んでいても、どこか集中しきれていなくて失敗ばかりでな。
まったく、勿体無い時間にしてしまったよ。せっかく新作を遊んでいたというのに」
「あ~分かります。結局気になってしまって楽しめなくなっちゃいますもんね」
そこからはお互い今後の事を相談しなおす。
とは言えども、地球からの連絡待ちなので販売の事となる。
「それじゃあまずは計画通りアーケード販売から始めよう。
サニアにはお知らせで新作アーケードの宣伝動画を今日中に流してもらう。
昨日散々遊んでいたからな。そのテンションで動画編集してたそうだ。
あとで確認して問題無ければ配信してもらっておく。
メソラも一緒に動画編集で楽しんでたようだから、多分修正は必要ないだろうな」
本当にあの二人はゲームする感覚で、仕事も楽しんでいるなあ。
「ジグソーパズルに関してはキャラクターショップや玩具屋もそうだが、ホビーショップで販売していこう。
既にジグソーパズルを販売している所なら受け入れられやすい」
「はい。他にも可能なら風景画を売っているお店とかもいけるでしょうが、新作の説明だけで大変ですから、まずは営業してきたお店中心にします」
「だな。既にワープ局に商品は頼んでいるから、新作関連だけに集中できるはずだ」
昨日の時点で、既存商品は既に社員達に渡しているので対応済みだったりする。
そうしておかないと、新作の営業が疎かになるかもしれないからだ。
「私もこの後は営業に行く予定です。
既に購入を決めてくれているブラームスさんの所とマジック・ランドに行ってきます」
「こちらも改めてネズム王国と連絡しておくよ。
地球側が納品計画を立てていると言えば、経過報告になるからな」
「う~ん、やっぱり人員確保必須ですね」
どう考えても今後の仕事量考えたら、数人程度では足りないだろう。
「実際、来年度は新卒採用も視野に入れている。
中途採用は無論だが、偶に就職活動に関する問い合わせもあったんだよ」
「……マルデアでゲーム広めたい一身で始めた会社がどんどん予想以上になっていくんですが」
「私も想定外だらけだ。だが今後も想定外だろうな。はっはっは」
起業した当初が懐かしくなってきた。
いやマルデアの皆がゲームを全力で楽しんでくれてることは凄く嬉しい。
ただ、その分色んな業務が増えてくるし、仕事量も変わってきている。
でも、それによってマルデアにゲーム文化が広がっていく。
少しずつ、少しずつ地球とマルデアが歩み寄っていっている。
まだまだ時間はかかるだろう。でも努力しているのは私だけじゃない。
「とりあえずは目の前の事から片付けていこう。
私は予定していた社内業務を済ませておくよ」
そう言ってガレナさんは仕事に取り掛かる。
私も既に用意していた商品がちゃんと輸送機に入っていることを確認して準備は万端だ。
「それじゃあ営業行ってきます!」
そうして私は手を振ろうとしたとき、
「頼んだ」
ガレナさんはその手にハイタッチしてくれた。
「私もあとから営業に行く。今回はローカライズメンバーにも営業を手伝ってもらってるからな。
今後の為にも、営業先に顔を覚えてもらおう」
これも計画していたことで、営業先が増えてきたので、状況によっては今いる人員に大体の業務をこなせれるようになってもらおうということだった。
翻訳も大事だが、仕事はそれだけでは済まないのだ。
まあ、うちの人員はゲーム馬鹿が多いけど、その分ゲーム愛も凄いから同志を増やす事にも積極的である。
営業で同志を増やせられるなら、頑張ってくれるはずである。
そうして私は会社から営業先へ向かうのだった。
今回はここまで。
まだまだ先のお話で登場する掲示板回作成したけど、お話として使えるのが当分先だったりする。