リナの星間貿易異聞録   作:ayasaki

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フロントミッション11月発売予定なってるけど、パッケージ絵とか正確な日付どうなってんだろ?

今回はメソラで三人称やってみました。


メソラの営業

「これが今回の新商品です」

 他の皆がアーケード設置作業と営業している時、メソラはキャラクターショップでジグゾーパズルを紹介していた。

「へえ、今回はマルデアでも売っている商品と同じ感じなんですね」

 メソラにとって馴染みの店長であるが、新しもの好きでもあるが昔からある商品に対しても、その良さをきちんと理解している。

 なので、ジグソーパズルという変わらない魅力を提供し続ける商品は一定の理解があるのだ。

「はい、うちで販売しているゲームの絵を中心に、初心者向けの100~300ピース。

 幼児向けのや上級者向けの1000ピースをご用意しております」

 営業でもあるので、メソラはいつもの口ぶりでなくきちんとした言葉遣いに切り替えている。

「また額縁も専用の商品がありますので、セットで購入できるような形にもしています」

「ふむふむ、相変わらずガレリーナさんとこはお客さんが欲しがるツボを理解してくれてるねえ。

 汎用の額縁は使い勝手いいんですが、拘る場合はやはり専用を用意しておくと喜ばれるんですよ」

 会話しながらメソラは実物を数個取り出す。

「ああいいですね。ゲームの絵も好きですがジグソーパズルとしての絵もいい感じです」

 店長が新しい絵を見て少し表情を崩す。

「ふむ、これでしたら売れそうですね。発注させてもらいます」

「ありがとうございます。では販売リスト用意してますのでお渡しいたしますね」

 メソラはすぐに発注用の商品を掲載した販売リストを渡す。

 店長はそれを受け取ると、すぐに商品を見ていく。

 そして、その中で今回ある意味さり気なく入れていたとも言える商品に目を見開く。

「……これ地球の景色なんですか?」

 少し難色を示すかのような表情の店長。

 既に地球産の商品であることは理解してもらってるし、メソラとしても信用できる取引先と思っているのだが。

「はい。地球で実際にある綺麗な景色になります」

 ウユニ塩湖・セルフォスの滝・アイスランドの夕日などの自然風景。

 本来であれば昔の人工物などの世界遺産なども定番と言えるが、リナの選別で一旦そちらは省かれている。

 ゲームによって少しずつ地球への忌避感は減ってきてはいても、ゲームそのものには地球を連想させるような要素は殆ど無い。

 しかし、世界遺産などは完全に地球の色を前面に出してしまうため、販売は現時点では難しいと判断したためである。

 だが自然風景であればマルデアでもお馴染みであるし、たとえ地球の風景であろうともメソラや他社員から見ても綺麗と思えたので大丈夫と判断したのだ。

 しかし、店長の反応を見る限り早計だったかとメソラは一瞬考えてしまったのだが、

「少しびっくりしています。正直地球にこんな綺麗な景色が本当にあるのかって」

 その言葉に少しホッとするメソラ。

「なんでしょうね、今迄地球の事なんて全然考えたことなかったですから想像だけだと荒廃してるイメージしかなかったんですよ。

 でも考えてみたらそうですよね。

 こんな面白いゲームや可愛いキャラクターを生み出してきたんですから、地球全てが荒廃してるわけないですよね。

 確かにこんな風景があってもおかしくない……かあ」

 それは心の奥底で根付いていた先入観を取り除く微かな手がかりとなる。

 メソラにとってもそれは同じだった。

 メソラもゲームをする前は地球など野蛮認定どころか興味を抱くなど有り得ないと認識していた。

 しかしゲームを知ることで地球への先入観は少しずつ変化する。

 実際メソラはガレリーナ社に転職する前は、正直仕事はあくまでも生活する為でしかなかった。

 労働して金を稼ぎ、その金で生活し、偶に遊んだりするだけで、そこまで散財するような趣味も無かったし夢中になるほど楽しいと思う趣味も無い。

 そんなどこか鬱屈していた時に興味本位で買ったゲームに出会った。

 遊んでみれば今までに無かった新しい体験。そして今迄の自分の考え方では思いつかないような遊びにすぐに夢中になったのだ。

 そこからは早かった。

 ゲームからガレリーナ社のサイトをチェックして、今度はどんな新しい情報が来るだろうか?

 どんな遊びが出来るだろうか?

 それを早く知りたくて毎日サイトの更新を楽しみにしていると、求人応募のページを目にした。

 メソラにとってそれは転機としか思えなかった。

 ゲーム目当ては勿論だったが、今の自分の現状を変えられるかもしれない。

 幸いメソラは会計知識は持っていたので、起業したばかりのガレリーナ社からすれば喉から手が出るほど欲しい人材でもあったのが良かった。

 そして実際入社してみれば未翻訳とはいえ様々なゲームに触れることが出来、自分好みのゲームもいっぱい遊ぶことが出来る。

 仕事においても任してもらえる業務が沢山で、自分の意見が通りやすくて役立っているという承認欲求が満たされていく。

 周りも頼ってくれるし、同じゲーム好きであるから会話していても楽しい。

 また人員も同年代に近い人達ばかりなので接しやすく、肩ひじ張ることも殆ど無い。

 勿論その分大変に思うこともあるが、メソラは仕事が楽しいと心の底から思えるようになっていった。

 それに毎日の仕事が終わった後は、皆とすぐにゲームをしていると楽しくてしょうがない。

 失敗したら笑い合い、上手くやれれば褒められて、そして同じゲームが好きになれば会話してればいつのまにやら過ぎていく時間。

 気付けばお腹が空いてきて晩御飯食べる時間がとっくに過ぎていたことも笑い話の1つである。

 とりあえず自然風景のジグソーパズルに話を戻すと、

「まあうちはキャラクターショップですから、こっちはお店としては注文対象じゃないですね。

 ただ、個人的には気に入ったので1個買わせてください」

「ありがとうございます!」

 個人的な注文でも一つ売れた。メソラにとってはそれだけで充分嬉しいものだ。

 早速縮小ボックスから取り出して、商品を手渡せばお金を受け取る。

 デバイスに個別発注を記入しておき、お店注文は後でデバイス連絡から受け取ればワープ局から発送する流れになるのであった。

 その後もメソラは幾つかの店舗に営業を行い、少ないながらも発注を貰うことが出来た。

 これまでの信用と実績で、地球の新商品でも何だかんだで営業先が見もせずに断ることが無くなってきたのもメソラにとっては嬉しい事である。

 そして本日の営業予定を終わらせて、会社に戻ればフィオがいつも通り通話対応をしているようだった。

「はい、アーケードについてはこちらの店舗で稼働しておりますのでよろしくお願いいたします。

 まだ設置作業中の為、稼働場所のお知らせはお待ちください。

 オールスター5も2月中に販売予定ですので、内容に関してはもう少々お時間をください」

 そんなフィオの業務にメソラも安心する。

 出会って当初は頼りない人だなあと思っていたが、何だかんだで2年近く一緒に仕事しているので、頼れる部分もきちんと分かっている。

 フィオは通話対応が中心の為、お客さんからの多種多様な問い合わせで臨機応変な対応を求められる。

 ゲーム内容・商品説明・販売計画・ゲーム機不良・営業先からの質問などなど、多岐に渡るのでリナやガレナに教えてもらったり、メソラにも会計的なことで相談してきたこともある。

 なのでフィオには自覚が無いが社内だと結構色んな事情に詳しくなっているのだ。

 とはいっても本人は自信が持てないから必死にやってるだけだったりする。

 しかし、結果としてフィオが通話対応と会社で留守番してるからこそ、メソラたちは安心して営業できるのである。

 そして通話対応が終わったら、

「メソラさんお帰りなさい。

 営業お疲れ様でした。営業先から発注書届いてるので確認お願いしますね」

「了解っす。

 明日の午前中にはまとめておきます」

「あと、飲み物用意していますから良かったら飲んでくださいね~」

「感謝! ちょうど欲しかったところっす」

 このさり気ないフィオの気遣いが嬉しいメソラであった。

 そうして仕事をしていれば、他にも営業してきたメンバー達が続々と帰ってくる。

 受注できた数字に喜び、ゲーム好きを増やせることに喜び、自分の仕事の成果に満足する人や、もっと売れてほしいとぼやく人もいる。

 営業先での出来事で雑談もしていれば、終業時間が近づいてくる。

 そうしたら後はいつものお楽しみである、会社でしか遊べないゲームで盛り上がる時間だ。

「私はボムバーマンやるから一緒に遊ばない?」

「自分はダークソウラやるー」

「シミュレーションゲームやる予定~」

「アクションゲーム一択じゃい!」

「オールスター5で五郎右衛門二人プレイするよー」

 という感じで各自好き勝手に遊びだす。

 そして、皆のお決まりになっている愚痴が飛び出す。

「……持って帰って思う存分遊びてえ」

「気持ちはものすっごく分かるが、一応機密情報扱いなんだぞ」

「家族から仕事終わったのに、残業でもないのにいつまで会社にいるんだって怒られた」

「1人暮らしの俺勝利」

「くそう、マルデアで正式販売はよしてくれ。そうしたら堂々と家で遊べるのに」

「同感だけど、仕事として販売計画考えたら当分先なんだよね」

「副社長が羨ましい……」

 皆社内規定は理解してるので、時々休日に会社に来て遊んでいる社員達であった。

 

 

 

 

 余談。

「……なにこの死屍累々」

 リナが家に帰って自室に入ると、フェルクル達がうつ伏せで倒れていた。

 そしてゲーム画面を見てみれば、あの歴史ゲーを作った会社の競馬シミュレーションゲームで育成幼駒・現役競走馬・繁殖牝馬・種牡馬が所持限界の状態。

 そして、全ての馬をきちんと必死に管理しようとしていたのが理解できる状況。

「リナ、これ手間かかり過ぎて難しすぎる」

「目的と目標をどうするかと、手段方法が多岐に渡り過ぎて疲れたよー」

「最初に遊んだゲーム繫がりでやってみたんじゃが、考える事と馬の管理が大変すぎるのじゃ」

 フェルクル達と草むらの長老の言葉。

 ただ、リナもこのゲームはあんまりやりこんでなかったりする。

「あ~、今度制作会社に攻略法教えてもらっておく?」

 とりあえずフェルクル達なりに頭を使ったが、皆熱出ちゃったことが理解できたリナと、リナの自室で会社の人達以上にスウィッツを満喫しているフェルクル達であった。




地球防衛軍6でエアレイダー・レンジャーのハード難易度終了。130時間越え。ただハーデスト以上の難易度やると無線内容変わることあるからなあ。
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