三年目訪問からで既に15話。
……改めて確認すると話長いな三年目。
アーケード設置とジグソーパズルの営業を行って一週間。
順調に設置場所は増えていき、これまでに販売してきた商品の補充も順次完了してきた。
ドワフ国側の営業も済ましてきて、X-TYPEを受けいれてくれている。
結果、営業先でアーケードによる盛り上がりを見せてきて、ガレリーナ社へも問い合わせがいっぱいきてフィオさんが大忙しだった。
それでもまあ、ようやくこれでオールスター5の準備に専念できると思った矢先、地球よりネズム王国の発注に対しての返答が来た。
あれだけの大量発注だからまだ時間はかかるだろうと思ってたから、地球の対応には頭が下がるよ。
そしてその内容を確認した私は、改めてガレナさん・メソラさんに相談する。
「これが地球側からの納品計画になります」
二人に書類を見せると、二人は内容を咀嚼しながら考え込む。
「スウィッツ本体については地球用スウィッツ本体製造工場を一部マルデア用に変更し、月生産数の増加することでネズム王国以外の販売も問題無いようにしながら半年以内の納品計画。
ソフトとグッズに関しては全てのメーカーが協力することで生産効率化。
アーケードは現在増産中の為、スウィッツ本体より先に納品可能。
多数の在庫を一時的に抱える可能性は否めないが、これまでのマルデアにおける販売推移を見る限り将来的に必要になる可能性は高いと判断できる。
また2月中旬マスターアップ予定で次回訪問時に輸出できるゲームはマルデアでも高い確率で売れると判断しているとのこと。
私もそれについては同感ですから、あとは詳細を詰めてネズム王国と商談しようと思います」
この納品計画内容を、私が連絡してから一週間だよ?
連絡してからどれだけ頑張ってくれてたんだろう。
本当に有難い限りだ。
「自分の予想だと大型の納品計画なんて、早くても2週間くらいかかると思ってたからびっくりっす」
「同感だ。正直こんなに早く返答してくれるとは思わなかった」
二人も迅速すぎる地球の対応に驚きながらも、今後の指針が決まっていく。
「だがおかげで今回持ってきたスウィッツ本体の半分は安心してネズム王国に販売できるな。
発売済みのソフトに関してもマルデア・ドワフでは品切れにならないようにすれば、その分回せる。
グッズ・アーケードに関しては発注前の計画していた通りがいいだろう。
ネズム王国ではまだまだ浸透していないからスウィッツを知ってもらって遊んでもらう時間が必要だ。
グッズやアーケードはゲームをまず楽しんでから、目を向けていくだろうからな」
ガレナさんが納品計画から計算していく言葉。
「そうっすね。地球の納品計画をネズム王国の担当の人と改めて商談の上で、初回の納品と次回からの計画を詰めていきましょう。
……しっかし本当に営業利益が見たことない数字になるっすね。
さすがにこんだけの金額扱う事考えたら、社長と自分だけだと怖くなってきたっす」
「う~む。魔石や縮小ボックスを取り扱ってる会社に発注はするが、最早一回の取引で済まなくなってきたぞ」
あ~うん。私も実感が伴わない。だって億超えてるし。
いやまあ、あくまでも全ての発注を完了させたらだが、本気でこのお金どう使えばいいんだ?
「自分としてはフルボイス計画を本格的に考えられると思いますよ。
声だけでいいんですから、演技の上手い俳優や声優さん・スタジオと短期契約して、簡単でもいいですからゲームにボイス入れてみましょう。
そうすればノウハウもそうですし、具体的な金額と制作日数も見えてくる。
現時点ではとらぬ狸の皮算用っすけど、一度納品して売り掛け金で計算出来る時に行動できるようにしたらいいと思います」
メソラさんが提案する内容に、私は賛同する。
「タクティクスオウグを受け取る前の時は、当分先になると納得してましたが思わぬ形で進められそうですね」
「だな。なら本格的に調べておくか。
だが確実にやっていこう。金額が凄くなってきたせいで、気持ちが浮つきやすくなってるからな」
「ですねえ。会社の金なのになんか金持ちになった気分っす!」
「あ、分かります。でも同時に扱いきれる自信が」
「巨額の資金を右から左へ動かす人達を羨ましいじゃなくて、凄いと思えるようになってしまったよ」
最後は三人で笑って、相談を終えるのであった。
その後、ネズム王国に連絡を取ると、ネズム王国の担当が会社に来る流れとなった。
あっちもあっちでとんでもない発注してる自覚はあるので、一度ガレリーナ社を訪問したかったそうだ。
いやビルの一部を賃貸してる20人程度の零細企業なんですが。
と言う事で後日エヴァンスさん・フェルも加えて商談を行うこととなる。
とはいっても既にガレリーナ社で話し合ってきた内容を伝えると問題無かったようで、結果としてネズム王国との商談は無事に契約を交わすことが出来、ガレリーナ社皆がホッとする結末になるのであった。
ネズム王国側も迅速すぎる地球の対応に予想外だったようで、正直2月いっぱいまでにある程度の計画を教えてもらえれば早い方だろうと思ってたそうな。
どちらにしても私が地球に訪問して商品を受け取ってこないと、具体的な行動に移れないから、それまでに準備を整えておくとの事。
契約最初の納品に関しては、ネズム王国側も国民に対して大々的な発表をする予定は無い。
ある程度商品が揃ってない状況で始めてしまえば、需要に全く追い付かないのは目に見えているし国民達だって心の準備が必要だしね。
それと中古のアーケードは全て整備と掃除が終われば、半額以下の値段で引き取る契約も盛り込まれる。
既にアルカナイド・サニック・ぷやぷや・超スタ2もネズム王国で少ないながらも稼働しているので、設置作業については自分達でも可能と言われたからだ。
ということでオールスター5発売までの行動はようやく会社計画の範囲に収まる事となる。
「やっと一息つけるようになったっす。
万全を期して仕事してても、怖くて何度も見直してました」
「同感だ。本当に今回は皆に頼らせてもらったよ」
「これだけの大きな商談なんて1人じゃ絶対に出来なかったですから」
「私も商談前にもう一度法律見直して確認しましたね。こんな大きい商談に立ち会うなんて滅多にありませんから、必死に取りつくろってました」
メソラさん・ガレナさん・私・エヴァンスさん皆で安堵しながら息を吐くのであった。
そして皆で少しの間ほけ~っとしたら、気持ちを切り替えていく。
「さてと、皆仕事を再開しよう。
私とメソラは書類整理・オールスター5と新アーケードの商品登録手続きをしていく。
エヴァンスさんは書類が出来たら、省庁へ提出する前に確認。
リナはサニアと共にいつもの配信を頼む」
「了解っす」
「承知しました」
「ええ、私がこっちにかかりきりの間、配信準備はサニアさんが全部やってくれてましたから取り戻さないと」
そうして私以外の三人は仕事に戻る。
う~ん、やっぱここらへんで皆気持ちの切り替えが上手いなあと思ってしまう。
「リナ~、もういい?」
さっきの商談に参加してもらっていたフェルが私を呼ぶ。
実際には商談中にいてもらうだけで、商談自体には口出しすることは無いからフェルにとっては退屈な時間だっただろう。
でも、フェルなりにこの商談が大事な事なんだと感じていたようで、頑張って大人しくしてくれていたのだ。
そんなところに私はフェルにも助けられているんだなと思えてくる。
最初の頃は自由奔放こそフェルクルという種族でもあるんだろうと思っていたが、時が経てば経つほどフェルクル達にも色んな子達がいるんだと理解できたから。
「うん、フェルありがとね。
おかげで商談も無事終われて助かったよ」
「にしし、それなら良かった。
感謝せい」
「ははあ」
ちょっとおどけるフェルに私もそれに乗る。
なんだろうね? この子が私の地球行きに偶々付いてきてからずっと続いている縁が、色んなところを芽吹かせてくれている。
最初の時は少し計算していた部分があった私でもあったけど、今は自然と付き合えている。
今後もフェルとの縁は続いていくんだろう。
反対にこの子がいなくなるほうが、もう私には違和感を覚えるようになってきているんだから。
家で普通になじんで生活してるのもあるけどね。
両親にも可愛がられ、店に来る子供達と一緒に遊び、仲間のフェルクル達と対戦もしたりする。
これが手間のかかる弟か妹みたいな感覚なのかな? と考える私だった。
ネズム王国との商談内容構想してたけど、本当に普通の商談にしかならなくて書いてて面白くなかったのでカットしました。
それと今回のオールスター5販売終わったら、期間限定で一般公開に戻してみようと考えています。
んでお気に入り限定戻すときは続き出来上がったらのつもりです。
次回販売予定ゲームは気づいてるでしょうが伏線入れまくってるしね!