少し前の話で新作出ないかなと書いたので、新作情報来てびっくり。
「タクティクスオウグのやり込み応募書類・魔石・縮小ボックス・木の実は準備良し」
オールスター5の販売も落ち着き、地球からの新作ソフトの連絡が届いてから、私は再び地球へ行く準備を進めていた。
既に二つ目の輸送機は購入済みで、地球へ持っていく貿易品をまとめている。
「リナ。忘れ物は無いか?」
ガレナさんが私に確認してくる。
「はい、今回も忘れ物はありません」
「フェルも問題無いか?」
「委細問題無し」
フェルがなんかかっこつけるように言う。ゲームで聞いた台詞を真似してるなあ。
「うん、なら今回も頼んだぞ。商品数が一気に増えたから気を使うことも多くなるだろう。
地球側が準備を事前にしてくれてるとはいえ、受け取り時に確認を怠らないようにな」
ガレナさんはそれを軽く流して、私に念押しする。
「ですね。今回は日本に直接行く予定です。
あの要求に応えてくれたnikkendoさんにちゃんとお礼言いたいですから」
「そうだな。
私からも感謝していると言っておいてくれ」
その言葉にガレナさんの地球への気持ちが軟化したんだなあと実感する。
まあ、それでも一緒に行ってくれる予定は無いだろうけどね。
「こちらもお前が行ってる間に声優の事務所に問い合わせしておく。
この場合営業でなく発注になるから、私が対応するほうがいいだろうしな」
「お願いします。私だと未成年者になるから、きちんと対応してもらえるか分からないですから」
営業だと自分が下の立場からだから、相手も余裕持てるだろう。
でも依頼となると、色々考えることが多いから正直私だと相手しにくいと判断できるからだ。
「大丈夫だ。エヴァンスさんにも協力してもらってるからこじれる事はないはずだ。
それに事務所は一つだけじゃないから、対応が悪ければ他の事務所に問い合わせるさ」
「分かりました。
それに商談成功しても、最初のボイス化は難しくないやつにする予定です」
「だな。
データは今回貰ってくる予定だろう?」
「はい。
今迄出してきたゲームでドラマCDってやつです」
ドラマCD。
それは声・擬音・BGMとナレーションだけで物語を演出する娯楽品。
絵なしアニメとも言われ、ゲームでもよくある初回生産限定版とかに付いてくるやつである。
地球の現代でもラジオは盛んであり、運転中・お店・作業中のBGMとして人気だ。
ゲームやアニメの声優さん達が放送中はずっとゲームキャラを演じながら、視聴者を楽しませてくれている。
アニメだと絵の動きに合わせてタイミングよく、声優が演じるわけだがドラマCDであれば演じ方の幅は広がるのだ。
だけど収録と編集なら製作費はそこまで必要でなく、お試し感覚で制作できるのも魅力だったりする。
「そのCDというのはよく分からんが、確かにマルデアでも音声案内というのはあるからな。
ある意味その延長戦みたいなものなのだろう?」
「ええ、これならマルデアでの初めてのボイス企画に適しているはずです」
「うむ、事務所側もまったく未知でなく、制作方法が分かるほうがやりやすいだろう。
まずは取っ掛かりが欲しい。相手も一度商売した相手からの再度の依頼なら相談にのりやすく成ってくれるだろうしな」
そんなこんなで地球訪問前のガレナさんとの会話を終える私であった。
「さてと東京に設定したぞ。
地球側もこのワープの不安定さは言わないだけで理解してるようだからなあ」
「……もう暗黙の了解ですよ。
正確な方のワープは個人的にか確実に動きたい時だけのつもりです」
そして私とフェルはいつも通り地球へと移動する。
その瞬間、私の眼前に広がるのは雪原のような公園であった。
「……さてと電波届いてるかなあ」
「さぶ!」
地球より支給されたスマホを確認するとアンテナは立っていた。
「フェル、とりあえず前回渡した服出すから、ちょっと待ってね」
輸送機からフェルの防寒着を取り出して着せる。
「東京予定だったんだけどなあ。ここどこだ?」
電波は一応立っているから、場所が表示されるのだが、
「……北海道北広島市……」
そりゃあ寒いはずだよね。
「日本の上だったっけ? 北海道は何となくわかる」
モム鉄のおかげで、フェルがある程度日本の形を理解している。
「うん、そうそう。とりあえず……東京からは結構離れてるよ」
東京なのに、気分は秋葉原降りた感じに近いなあ。
「おい、あれもしかしてリナちゃんとフェルクルじゃないか?」
「フェルクルは浮いてるし、一緒だもんな。コスプレじゃないだろう」
どうやら近くに人がいたようだ。
なら普通に声かけても問題なさそうだ。
「こんにちは、また訪問させてもらってます」
そう言いながら、私は笑顔で手を振る。
同時に手っ取り早く本物と思ってもらえるようにするべきだろうか。
となると魔法で浮いてみるべきか。
「今回は北海道への親善ですか?
前回はノルウェー観光でオーロラだったし、動物とも触れ合ってたし」
よく見ると、その人はカメラを持っている。
「ええまあ、ちなみに何か撮影してたところですか?」
さり気なく話を逸らしながら聞いてみる。
「見ますか? 先程撮っていたんですが、まだそこにいますよ」
「いる?」
そう聞くと、その人が指先で視線を誘導する。
そこには、
「か、可愛い!」
小さく真っ白でフワフワな丸っこいつぶらな瞳をした鳥がいたのだ。
「シマエナガという鳥です。
基本的な生息地は北海道が中心で、別名『雪の妖精』っていうんですよ」
説明を聞いて、私は確かに雪の妖精という言葉に納得する。
そして思わず自分のデバイスで撮影。
動画も撮ろうとすると、こちらに気付いたシマエナガがまるでな~に~? と問いかけるような仕草で首を傾げる。
「可愛すぎます」
魔法でデバイスを操作し、動画できっちりその仕草を撮影しておき、自分の目にもきっちり焼き付けておく。
「お気に召してくれて嬉しい限りです。
良ければこちらの動画も見てみませんか?
これは春に生まれた幼鳥の頃じゃないとやらない行動で、別名エナガ団子っていうんですが」
その人がスマホ画面を操作して、目当ての動画を見せてくれる。
「……この動画ください」
その動画には、シマエナガの幼鳥が10羽行儀よく並ぶ姿。
そして親鳥が必死に餌をあげているというシーンだったのだ。
思わず動画を要求した私は悪くない。
「でしたら他にもライチョウとかも気に入るかと。
あと、美しさで言えばカワセミもいますし、アフリカオオコノハズクもいいですよ」
うああああ。カワセミは覚えてる。
あの綺麗なサファイアのような背中とお腹のオレンジ。
あとライチョウも冬の高原での真っ白な姿は確かに神秘的だ。
でも生で見たことはない。今シマエナガで悶えてしまった身としては見に行きたくなってしまう。
「マルデア大使を確認しました!
これより警護に入ります」
そして可愛い鳥に夢中になってる間に、警察官に発見される私であった。
ちなみに余りにも可愛かった為、ガレナさん達にデータを送ると、
『写真と動画とグッズ関連も貰ってくるように』
という指令を頂戴することになるのであった。
可愛いものは正義だよね。
最近になって「ぐらんぶる」にはまった。
登場人物達全員がぶっ飛び過ぎてて、腹がよじれ内容で咳き込む。
今年一番の大当たりした漫画です。