続きを頑張って書こうという気力がわいてきますw
「では大使。この後は予定していた通りよろしくお願いいたします」
商談というより雑談になっていた部分もあったが、無事に超乱闘スマッシュブルザーズを受け取った私。
「はい、楽しませてもらいますね」
「お? 昨日言ってたこと?」
担当さんの言葉に私が返すと、フェルも反応する。
「そうそう、早速遊ぶって事だよ」
つまり試遊するってことさ。
「お二人は好きに遊んでくだされば充分です。
私どもの方がお膳立ていたしますので、お渡しした新作をそのまま楽しんでくれれば大丈夫ですよ」
ということで、早速私とフェルは準備された部屋に向かう。
そして部屋の中に入ってみると、そこには大画面で、超乱闘スマッシュブルザーズwithマルデアと表示されていた。
「おおおお。わちしとリナがいる」
タイトルの中に私とフェルがマルデアと表示された部分を持ち上げている感じだ。
「マルデアの皆さんがゲームを楽しんでくれたからこそ、このwithマルデア版という作品を完成させる事が出来たという感謝の気持ちも込めております。
ただ、あくまでも地球版の大型ダウンロードした後の表記になります。
そしてその宣伝の一環として、お二人の遊んでいる様子を掲載させていただきたく」
「おし、わちしはスレン使うぞー」
「こらこら、説明してもらってるのに」
フェルが説明を聞く前にプロコンを持ち上げて、早速操作しだす。
「ははは、構いませんよ。
大使も早速遊んでみてください」
そう言いながら担当さんがもう一つのプロコンを渡してくれる。
だけど私も早く遊びたくて仕方が無かったので、その言葉に甘えてキャラを選ぶ。
昨日フェルにお願いしたのは、試遊時に撮影とその動画を使っていいかって事だったのだ。
可能なら担当さんも交えて四人対戦するのもいいかなあと思ったけど、まずは私と満足するまで遊びたいそうだ。
「んじゃ自分を選んでやってみますか」
やはり自分が登場してるのは気になるので、早速選んでみる。
その姿は普段私が地球訪問してる時の姿。
他にもあるのは私が動画を投稿してた時に着ていた服だったり、フェルは防寒着を着ていた時の姿だったりで、コスチュームチェンジした時の恰好もきっちり再現されている。
さすがスマブル。登場キャラをきちんと尊重しているのがよく分かる。
「それじゃあフェル、まずは……」
「タイマンじゃい」
「良かろう。お互いこの新作は初めて触れるのだ。条件は同じ」
「ふっふっふ、雌雄を決しようではないか」
早速ボケてくれるフェルに私もそれにのっかって、私もフェルも撮影されてる事なんて考えずにゲームを楽しみだす。
「先手必勝!」
フェルが早速突っ込んできて攻撃をしてくる。だが近づきすぎだ。
「ガードキャンセルからのスマッシュ!」
そこからコンボを狙うが、さすがにフェルも回避してくる。
「お主やるではないか」
フェルも色んなゲームやってるせいで、覚えた言葉で遊んでるなあと思いつつ、こういう時はノリノリでやるほうが楽しいよね。
「ふ、後の先程度常識である。この程度も予想できぬのか?」
「……最早言葉は不要。後は拳で決着を付けようぞ」
「で、あるか」
うん、何やってんだろうね私ら。
でもスマブル楽しい。とりあえず切り札使いたいです。
Side:担当
想像以上に二人が楽しんでくれてるので、宣伝動画として申し分ないなあと仕事としては考える。
だけど自分も子供の頃は兄弟や友達と遊んでいた記憶を思い出せば、こんな風に楽しそうにギャーギャー言い合いながら楽しんでいた。
そんな時間は大人になった今でも大切な記憶であり、いつまでも色あせない。
それでも仕事として考えれば油断することは出来ない。
確かに現状を顧みれば、今のnikkendoとマルデア大使との関係は蜜月と言っても過言ではないだろう。
マルデア大使が二度目の訪問をしたときは、地球人の一人としてワクワクしていたことを思い出す。
映画・漫画・小説・ゲームなどで地球外生命体と交流・戦闘・旅行などで様々な形で空想は紡がれている。
だけど、空想はあくまでも空想で、自分が生きている間どころか未来においても地球外生命体との交流が出来るようになるなんて想像もしていなかった。
その上、自分が関わるなんて夢にも思わなかったところに、突然の極秘通達。
しかも社内最高機密として連絡されて、指定された部屋に向かってみれば、我がnikkendoが誇るスウィッツが地球初の星間貿易商品として選ばれたとの事だった。
正直、自分としてはドッキリ企画でもしているのかと警戒したが、部屋にいる社員全てが怖い顔になっていたことで自分も本当なんだと実感したのである。
そして、それからは星間貿易だけでなく地球側の商売でもnikkendo全社員が貿易当初は激務と化す。
無論、増員に次ぐ増員で対処していくのだが、今も人員は採用しており、今後数年はnikkendoの歴代最高収益を更新し続けられるだろう。
しかし、それはあくまでもnikkendoの長い歴史の中で、数々の人気作品を生みだしてきたからこそだ。
確かにまだまだマルデアに自信を持って輸出できる作品はあるが有限である。
つまり新たにマルデアへ輸出出来る程のゲームを生みださねば、この関係は維持することが出来ないだろうという事は誰もが思いつく事だ。
その為にnikkendoは社内コンペを更に拡充させるべく、開発ラインを増やす事と開発ペースを上げるために大幅な人員拡張をした。
ゲームというのは不思議なもので、社内では高評価を得ても実際に売り出せば想定以下の売り上げにしかならないこともよくあること。
反対に開発者が考えもしなかった形で、ゲーマー達からの高評価を得る事で人気作品になることもある。
無論、販売までに様々な角度から検討することで販売まで持っていくのだが、結局は人気作を生み出すには数多のソフトを作り出さねばならない事は、業界人なら誰でもわかっている事である。
地球とマルデアの星間貿易という枠で考えれば、日本だけでなく海外の名作も応援するべきであるが、やはり自社の商品を推したいところではある。
でも、それは短期的に考えれば悪手であり、長期的に考えるならゲーム業界全てが栄える方針にしていくほうが、地球の為にもなる。
また地球においても様々な恩恵を受けている。
ゲーム原作のアニメ制作の増加とリメイクは勿論だが、漫画やアニメ制作も活性化してきている。
ドラクアとポツモンアニメが輸出されたことで、他のアニメにも可能性があるということだ。
これに気付いたアニメ業界は既に動き出している。
だが忘れてはならない。あくまでも面白い事が当たり前の条件なのだ。
となると確実に人気の原作は限られてくる。
これまでもリメイクという形で昔の人気漫画を使っていたが、アニメ業界は本腰を入れて人気作品の奪い合いをしている。
完成度も勿論重視しなければならないが、制作側から考えればたった三ヶ月程のアニメが選ばれてマルデアに輸出できても、元々の量が少なければ、うまみは少ない。
元々のパイが少ないのだから、それでは意味が無いのだ。
結果として、新たに制作されるアニメはどんどん絞られていき、制作側は人気になったアニメは簡単に終わらせず、尚且つ手放さなくなってきている。
そういった意味では、マルデアに輸出されると言う事は一攫千金ともいえる。
それにゲームではアニメも多用するのだ。
となれば、地球側でも大きく稼げる機会が転がっていて、猶更良いものを作らなければならないという風潮も出てきている。
そうなると地球側の消費者達も喜んでくれて、財布の紐が緩くなってくれる。
すると生産者側への収入も上がって、制作費も潤沢な資金が用意されて、またいいものを作れる可能性が高まるという好循環になっていく。
マルデアとの星間貿易という特大の社会現象どころか地球全体を巻き込む世界情勢のおかげで、現代の日本を中心とする娯楽業界はとんでもない好景気を迎えているが、時流だけで終わらせてはいけないのだ。
その為にもnikkendoは油断しない。
新しい何かを生みだして、次の未来を紡ぎだす。
技術を進化させることで、今までに無かった娯楽を提供し、そして明るい未来を創造する。
それこそが社会貢献でもあり、皆に楽しい時間を提供することがnikkendoの使命なのだ。
地球側の現状を知りたいというコメントから、私なりに考えてみたことを少し語らせてみました。
他にも考える事はあるけど、今回のお話に入れるのは蛇足かなって事でまたの機会かな。
とりあえず今回はここまで。