リナの星間貿易異聞録   作:ayasaki

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新作ゲームをゲーム機に差し込む時は幾つになってもワクワクします。
カセットっていう言い方はまだ通用するみたいね。
すいませんけど感想返信は後日しますね。


子供達の仁義なき戦い

 会議。

 それは自分達の今後の行動を参加者同士で考え、お互いに意見を出すことで集団としての行動を迷わず自信を持って行動できるようにするもの。

 例え少々考える事が苦手だったとしても、他の誰かが考え付かないような意見が出る事もある。

 その為に、彼らは自分達のホームに集結する。

「では、これより新作超乱闘スマッシュブルザーズの会議を執り行う。

 議長に俺トビー・補佐カレン・書記トッポだ」

 つまりリナのお母さんのお店は、子供達にとっては最早完全にホームなのだ。

「それでは、まず確認だがスマブル購入が確定したやつはいるか?」

 そう、まずこれが大事だ。

 あのガレリーナ社の配信を見た後、子供達は皆欲しいということで心は一つになった。

 しかし、悲しいかな自分達は子供。

 1.2カ月に一度発売される新作ソフト全てを買えるお小遣いは無いし、毎回親に強請って買ってもらえるかは分からないのだ。

「はい! 自分は親も遊んでるので、既に予約してくれています」

 だが、中には親がはまってるんで、毎回何も言わずとも遊べる家庭もある。

『いいなあ』

 思わず羨む他の子供達。

「僕は誕生日が近かったので、それを要求して成功しました」

 子供のおねだり常套手段の1つであり、伝家の宝刀とも言える誕生日プレゼント。

「その手段はオールスター5で行使したから、今回買ってもらえそうにないんだよー」

 だが動かしようのないタイミングでもあるし、年に一回しか使えないのでは難しい。

「はい! 俺はお小遣い前借りすることで何とか予約に持ち込めた。

 40ベルを何とか貯金してたから、説得できました」

 中には堅実にお小遣いを管理していたからこそ、予約まで持ち込めた子供もいる。

「……アーケード遊んでたから、お小遣い無いの」

 そして日々の誘惑に負けて、お小遣いが残ってない子もいるのはよくあること。

「僕は家のお手伝い+毎日勉強することを条件で、買ってもらう約束をこぎつけました。

 でも、サボったら取り上げられる……」

 反対に親と交渉して、自らの自由を犠牲にしてでも手に入れようとする猛者。

「……私はお父さんに思いっきり甘えて確約させました」

 そう言うのは、少し計算高く動く女の子。

「俺らにその方法は使えない。てかそういう時女はいいよなあ」

 うん、まあお父さんからすれば可愛い娘が膝に乗って甘えてきて、可愛くおねだりしてきたらデレデレになって、何故それをするかの下心が分かっていても了承してしまうのは父親の悲しい性であろう。

「皆よくやった。少なくとも4人以上は確保できたと言う事だ。

 だったら、ここで遊ぶ時に少しだけ貸してもらえれば皆遊ぶことは出来るだろう」

 トビーは購入に成功した仲間を祝いながらも、次回作だってあるのだから油断はしない。

「そうね。あとはコントローラーは各自で持ってきて頂戴。

 それと発売日じゃなくても買えそうな人はいるかしら?」

 カレンも買えるようだが、この調子の販売ペースだと買えない機会も出てくるとのこと。

 子供達からすれば発売日に買って遊びたいが、中には親の都合もあるから休日や来月くらいに買う事を考える親もいるだろう。

「僕は来月が誕生日なので、遅くなるけど買えると思う」

「自分はお小遣いがそこで貯まるので、問題なければ買う予定です」

 ちらほらと他にも買える可能性を伝える子供もいる。

「よし、なら今回のスマブル予約した面子の中で、まだ遊んでないゲームソフトはあるか?

 そのゲームならクリア済みで貸してもいいやつは挙手してくれ」

 その言葉に幾人かの手が上がる。

「トビー君、それなら僕もいけるよ。

 でもセーブデータだけはちゃんと残しておいてほしいかな」

 たとえクリアしていて友達にソフトを貸すのに抵抗は無いが、自分の遊んだデータを消されるのは嫌だろう。

「おう、それは厳守してもらおう。

 俺だって消されたら怒るぞ」

 そんなこんなで、子供達は如何に新作を皆で共有するかの会議をし続ける。

 自分一人だけでは足りない。

 だが皆がいるからこそ、お互いが協力し合うことで毎回の新作ゲームを遊ぶことが出来るのだ。

「だけど今回の新作は本当に驚いたわ。

 私達が普段からどっちが強いかって言ってたのが、本当にゲームになっちゃったんだもの」

「ああ、だからこそ発売されたら教えてやるよ。

 マルオの強さってのをな」

「私のピハちゃんが負けるわけ無いでしょ」

「勇者の力が発揮されれば、皆倒してみせるよ」

『お気に入りキャラで負けられない!』

 なんとなく、子供達の視線上にバチバチ感が演出される。

 だが他にも男の子たちが気になっていることがある。

「そういえば、アリルも登場するからマリーナちゃんも買うのかな?」

 男の子達にとって、ちょっとした高嶺の花になっている女の子。

 ぷやぷやの可愛さにはまって、スウィッツで遊べるようになっているけど、今でも偶にアーケード版のぷやぷやを遊んでいる。

 男の子達は対戦したら、話す切っ掛けにも繋がるしお近づきになれるかもと思う子もいる。

 だけど、マリーナは色んな習い事もしているので、そんなに長い時間遊ばないのだ。

 しかし、スマブルが発売されたら、やはりそこはパーティーゲームでもあるから対戦もしたくなるはずだろう。

 つまり、男の子達にとっては一緒に遊ぶ千載一遇のチャンスになるのだ。

「買うと思うわよ?

 お母さんが予約してるの見たから」

 その言葉に男の子達がガッツポーズする。

 ならば後は自分達次第であるのだから。

「ではもう一つの課題だ」

 少し騒がしくなりそうだったので、次の議題を提供することで改めて子供達は真剣になる。

「どうやってリナ姉ちゃんの口を割らせるか」

 ちなみに子供達は大まじめだ。

 発売日がどんなに近くても、子供達にとっては待ちきれない。

 そしてここにはそのゲームを持ってきてくれた人がいる。

 ならば、上手い事やれば自分達だけが知る情報を手に入れることが出来るのだ。

「はい! 皆でまずは捕まえることを提案します」

「はい! この前みたいに魔法で逃げられないようにしよう」

「はい! 出口とかは確保するべきです」

「はい! 誤魔化せないようにするのも大事だよ」

 次々と提案が上がる。

 その内容をトッポ君は記入していき、どう纏めるか考える。

「はい! リナお姉ちゃんは優しいから皆で泣き落とししましょう!」

「はい! 年上の女性は褒めるのがいいって聞いたから、褒めまくって油断させようぜ」

「はい! 一緒に遊んで油断した瞬間に質問しよう」

 色んな意見が飛び交うが、その方法が通用するかは分からないだろう。

 しかし、やらなければ餌をただ待つだけのひな鳥のように、自分達はただ座して待つだけだ。

 それが出来ないからこそ、ここに皆は集まって意見を交わしているのだから。

 だが、子供達は見落としている部分がある。

 ここは子供達にとってホームであるが、リナのお母さんのお店である。

「……今日の子供達の様子っと」

 そして近所の集合場所でもあり、近所の親御さんたちが都合のいい時に手伝っているという事を。

 結果、手伝っている親御さんが子供達の様子を、同じ親御さんたちに情報共有してるのであった。

 その送信内容に微笑ましく思ったり、お腹を抱えて笑ったり、頭を抱える親御さんたちがいることを子供達はまだ知らないのであった。




今回はここまで。
子供時代は友達同士で色んなゲームをする為に貸し借りしたなあ。
ゲームカセットを専用プラケースで渡したり、ディスクになってからはケース開けたら違うゲームディスクが入ってたこともよくあることでした。
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