「う~ん、候補に挙げるならこのソフトで行こうかなあ?
いや、今後の販売計画考えるなら、こっちのソフトの方がいいかもしれないなあ」
自室で販売を考えているソフト一覧を見ながら、私は販売計画を練っていた。
「フルボイス計画が進展しそうだし、そうなったらより一層魅力を感じられるソフトが出せる」
超乱闘スマッシュブルザーズがもう少しで発売日を迎える平日の事。
声優事務所から正式な見積もりが、ガレリーナ社に届いたのだ。
その内容を確認したところ、規模次第だが2000ベル~3万ベルの金額を提示されている。
必要人員数・声優の質・規模・制作期間次第の為、ガレリーナ社が求める内容次第で幅広い金額になると明記されていた。
その内容に確かにそうなるなあと納得する。
特に声優は人気商売でもあるので、指名した人次第ではスケジュール調整とか契約期間。
そして相手の仕事の都合もあるから合意できても、実際に仕事してもらえるのが当分先とかもありえるらしい。
また事務所からは予算の都合がつくなら、まずは低予算のお試しで制作してから、本題の製品を作成してみてはという提案もしてもらったりする。
確かに同じようなこと考えてたから、そこはやっぱり同じように考えるんだなあと納得した。
ガレリーナ社としては、そうして曲がりなりにも制作したことで見えてくる問題点や経験を活かして、完成度の高い製品にしていけばいいかとも考えた次第である。
確かに新商品開発ってそういうものだよねって納得する。
①まず自分達は何をしたいのか明確にする
②明確にした目的を達成する方法を考える
③意見をまとめ、具体的な形とする
④試作品を制作
⑤制作から反省点・改善点・実体験を理解する
⑥改めて①~⑤を繰り返して、完成させる
企画段階から一歩進んだ今の場合、簡単にまとめると上記のような感じだ。
現状だとガレリーナ社としては③まで進めた段階かな?
PDCAサイクルとかに近いものがあるようだ。
それともう一つお願いしてるのは、どうやって制作してるか理解したいので、私やガレナさんや他メンバーも見学させてほしいと依頼している。
事務所側もそれを承知してくれているが、その場合事務所側の都合もあるので、まずは正式に依頼してもらったら日程を決めますとの事だった。
まあそりゃあそうだよね。
正式な仕事として受注したわけでもないのに、見学だけさせてくれと言ってるようなもんだしね。
見学して信用できると判断してから正式に仕事依頼というのも当たり前と言えば当たり前だが、それはそれで事務所側に時間と人員を無駄に使わせることにもなる。
と言う事で、完成したら30分ほどのドラマCDになる台本を事務所に渡して依頼する事にした。
試作した作品をそのまま売る予定じゃないからね。
同時に言い方は悪いかもしれないが、事務所側がどれだけ信用できるかもわかる、
新規の仕事だから事務所側もそこは理解してる。
それでも正式な仕事として受けてくれたので、まずそこで一安心。
あとは、試作でもあるから基本的に事務所側にお任せだ。
餅は餅屋。口だしするなら曲がりなりにも完成するまでの手順を理解してからだ。
なので、多分実際に見学できるのは早ければ来月上旬になる。
結果的に考えれば、これは投資だ。
だけど私としては仕事でもあるんだけど、とても楽しみだったりする。
それは正式に地球の商品制作に、マルデアの人間が制作に協力してくれると言う事。
この事実だけで私は嬉しくてしょうがない。
スウィッツ売り出し当初の営業を思い出せば、地球産と聞いただけで露骨に嫌な顔をされたこともあった。
野蛮認定してる星の商品なんてお断りという言葉だって浴びせられた。
それでも私がマルデアにゲームを広めたくて頑張った思い出でもある。
だからこそ感慨深い。
前世が地球人という私だから、地球人は野蛮という認識は無かった。
いや全部は否定できない部分もあるけど、ゲームを楽しんでくれてる人達の先入観を取り除けてきたという証明でもあるのだ。
誰だってそうだが自分が嫌と思ってしまったら、考え方は悪い方向に進んでしまう。
これは仕事だからと自分の感情を抜きにして割り切ってくれたとしても、どこかで出し惜しみをされるだろう。
それでも仕事を引き受けてくれること自体に感謝するしかない。
そのおかげで今があるんだし、今後の計画を考えれば声優事務所だけではおさまらない。
現段階でのゲーム音楽・キャラクターグッズ・ゲームセンター・アニメだけの提供ではなくなっていくだろう。
つまりは他産業に本格的に手を伸ばすと言う事なのだ。
地球産であるから他社と真正面から競合するわけではないが、実際どうなるのか全然先が見えない。
「今のうちに顔を繋げておくべきなんだろうか?」
思い出すのは、あの新進気鋭の企業が集まる会場だ。
あそこでブラームスさんと知り合えたのが一番の収穫であったことは間違いない。
でも他にも、うちの商品に対して先入観を抱くことなく見てくれていた人達は多かった。
「コラボ?」
実際に地球でもあちこちで行っているビジネスモデルだ。
日用品・装飾品・服にも使われているのだから、それを活用すればマルデア企業と上手くいけば違った形で取引先が出来るのかもしれない。
ただ、そう考えると、
「なんか違う」
それだとゲームを楽しんでもらう為じゃなく、マルデア産業とガレリーナ社を結びつけるために利用してるだけのように思えてしまう。
一つの案としては悪くないんだろうけど、目的意識が違う方向に行ってる気がする。
「だああああ!
今日はもうやめやめ!
こんな考え方が出てきてほしくない」
行き詰まりそうだから、ちょっとずるい方向の考え方が出てきている。
「よし!
今日はこれで終わって、ゲームするぞ!」
PrayStatic5立ち上げて、地球防衛戦5だ!
こういう風に考え方が変な方向に行くときは、思いっきりスカッとするゲームするのが一番だ。
そしてこういうゲームするなら、フェルも呼ぶとしよう。
「フェル―、地球防衛戦5を二人プレイしない~?」
居間でおやつ食べてるフェルに聞こえるように声をかける。
「食べ終わった後ならいいぞ~」
という返事をしてくれたので、その間はソロプレイするか。
「空爆誘導兵楽しい~♪」
空軍に攻撃要請することで出来る範囲爆撃。
戦車乗って大砲撃ったり、人型兵器に乗って怪生物ぶっ飛ばす。
他にも歩兵隊でバズーカ砲に、飛行兵で遠距離チャージ攻撃。
そして重武装兵で高速移動しながら突貫するのも楽しい♪
重武装兵なのにある意味一番高速移動出来るとはこれ如何にだが、このゲームで細かい事気にしてはいけない。
他にも三国無敗で大暴れするのもいいし、歯応えのあるゲームを求めるなら死にゲー会社やCAPKENのを遊べばいい。
常に動き回って楽しむのもいいが、他のジャンルだっていい。
育成・経営・想像・戦略・物語・キャラ・パズル・探検・恐怖・未知・幻想。
そんな事がゲームでは楽しめて、そこには無限の世界が広がっている。
ある程度の遊び方は決まってはいても、どう遊ぶかはプレイヤー次第。
紋章の謎だったら縛りプレイだろう。
戦略ゲーなら高性能キャラ不可とかもありだ。
スポーツゲームなら浪漫まっしぐらなチームを作ったっていいだろう。
性能関係なしに好きなキャラだけでパーティーを組んで遊ぶのだって構わない。
RTAだってTASだってゲームの楽しみ方だ。
友達同士ならおふざけ満開のプレイで対戦したっていい。
そしてお喋りしたり、時には不満点語ってみたり、もっと遊びたかったという一言が嬉しくてしょうがない。
「あ~あ、もっともっとゲーム持ってきたいなあ」
思わずつぶやいてしまうが、これが私の正直な気持ちだ。
「リナ~来たぞー」
フェルが喰い終わったようだが、口元にクリームが付いたままだ。
「白いおひげがついたままだぞ~フェル」
「ぬお」
すぐに口元を拭うフェルだが、いまいち取れてない。
「しょうがないなあ、拭いたげるよ」
「頼んだ」
……一瞬、息吹きかけて、ふいたというボケをやるか考えたが、普通に拭いておいた。