忍の末裔が呪術師になるようです   作:H-13

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書く時間とやる気に満ち溢れているので更新です。呪術廻戦0は次の1話で〆として、その次から原作開始に移りたいと思います。どうぞ宜しく。

サブタイトルに意図は無いです。ぼんやりとしてたら出てきました。


逢魔が時

もうマフラーを巻く時期になった。此処での生活にも、もう完全に慣れた様に感じられる。

 

「なんかちょっと嫌な感じが……」

 

「気のせいだな。」

 

「おかか。」

 

「私も嫌な感じがするから憂太側だな。」

 

「真希がそっちなら俺も憂太を信じてみようかなー。」

 

「ちょ、みんなーッ!……真希さん巡君はありがとう。」

 

「憂太の呪力感知ザルだけど、真希の五感なら信じられるか。」

 

「しゃけ?」

 

「狗巻君のしゃけって便利だね。」

 

任務はあれど穏やかな日々が続いている。

 

真希と巡は日課として毎朝ランニングをしているけれど、天与呪縛が覚醒してからは呪力を身体に纏わせないと真希に追いつけなくなってきている。速すぎ。無理。と言った所、弱音吐くんじゃないと真希に叩かれた。解せぬ。

 

入学当初は体術と武器術は巡と真希のツートップだったが、今では完全に真希の独占状態。ランニングと同じく呪力ありきならば巡も渡り合えるといった所だ。呪力操作は巡、次いで棘。憂太に対しての指導は最初は巡だったが棘の言葉を分かってきてからは棘も加わるようになっている。

 

 

ここ最近で変わったことと言えば、ズバリ階級。巡は禪院直毘人、それに対抗する様に五条先生からの推薦……では無く五条先生からの依頼を受けた冥冥の推薦を受けて一級術師に昇格した。真希、それに真依さんも直毘人さんともう一人に推薦を貰い二級に昇格した。

 

単独の任務がある時に保険として特級呪具でもある瓢摩を初めて担がせて持って行ってもらった時に、過保護だと三人からニヤニヤされたのはいい思い出でもある。

 

巡の戦闘スタイルは瓢摩無しで完結している。領域展開を習得はしていないが、多彩で広範囲高火力の術式に、写輪眼の切り札まで持つ。遠間から質量による圧殺が初手故に、特級呪具の手持ち無沙汰感が拭えなくなってしまった為でもある。

 

そして、真希さんは眼鏡を呪具から伊達眼鏡に変えた。センスの悪い丸眼鏡ではなくて、キリッとした顔に似合うシャープなものだ。無くても可愛いが、眼鏡も掛けていて欲しいと云う巡の要望で一緒にデートと言う名前の任務後に買いに行った。

 

「来んぞ。巡、呪具よこせ。」

 

「はいな。そんなにヤバい?」

 

「巡ならやれそうだが底が分からねェ。」

 

まだ自分達には見えない空を確りと見つめる彼女に躊躇なく万華鏡写輪眼になれば、左目の能力にて瓢摩を手渡す。

 

万華鏡になったからこそ、自分も漸く捉えられた。ペリカンらしき巨大な鳥型の呪霊に、袈裟を着た呪術師。バタバタと校舎の中が慌しいことから、呪術師ではなく呪詛師だと当たりをつける。

 

「変わらないね、ここは。」

 

胡散臭い前髪に、夏油様と呼ばれる男。次々と呪霊の口から出てくる上裸の男、女、女。

 

「侵入者は許さんぞ、憂太さんが。」

 

「しゃけ、しゃけ。」

 

「とっとと帰んな!憂太さんが怒る前にな!」

 

「初め、……おっと、君達には用は無いんだけどね。噂より優秀じゃないか。」

 

一瞬で距離を詰め憂太と握手をしようとしていた夏油と呼ばれた男と憂太の間に体を割り込ませて瓢摩で手を弾き、ゆっくりと構えたのが真希だ。その隙を突き、左側から動脈を狙う様に指を突き付け、万華鏡写輪眼で観ているのが巡である。

 

「失礼、では少し離れて話でもしようか。」

 

そう前置きしてから、二三歩後ろにさがりつつ夏油は演説を始める。

 

曰く、強者が弱者に適応している世界は矛盾である。

曰く、人類の生存戦略を見直すべきだ。

 

故に、非術師を皆殺しにして術師だけの世界を作る。

 

そうのたまうわけだ。

 

「僕の生徒にイカれた思想を吹き込まないで貰おうか、傑。」

 

「悟!久しいねー。そうか、粒揃い。それも飛び抜けたのがいると思ったら君の受け持ちか。特級被呪者、突然変異呪骸、呪言師の末裔、天与呪縛、そして、うちはの生き残り。」

 

「傑、どういうつもりでここに来た。」

 

「宣戦布告さ。来る12月24日。日没と同時に我々は百鬼夜行を行う。新宿、京都。合わせて二千の呪いを放ち命ずるは無論鏖殺だ。」

 

「地獄絵図を描きたくなければ死力を尽くして止めに来い。思う存分、呪いあおうじゃないか。」

 

「その前に私達に祓われる事は想定してなかったのか?」

 

「しゃけ。めんたいこ。」

 

「彼女達が木下通りのクレープを食べたいと言って聞かなくてね。……さて、私の予想よりも強い子が多いから、ちょっと奮発しておいたよ。頑張ってくれたまえ。……それでは皆さん、戦場で。」

 

彼らが飛び去る頃には周囲100は下らぬ呪霊の群れ。その内20は二級以上の呪霊。瞬時に殲滅に取り掛かるものの片付け終わる頃には夏油一派は影も形も見えなくなってしまった。

 

 

 

「総力戦だ!今度こそ夏油という呪いを完全に祓う!!」

 

「総力戦だ。今度こそ夏油という呪いを完全に祓~う。なんて息巻いてるんだろうな。あの脳筋学長。」

 




公式ファンブックに呪術高専スキルグラフがあるのでそれを元に巡、真希、ついでに真衣の数値を出そうかと思います。参考にして頂ければ幸いです。

巡:呪術センス10.座学7.運動神経9
真希:呪術センス0.座学7.運動神経13(限界突破)
真衣:呪術センス9.座学9.運動神経4

ちなみに甚爾さんの運動神経を数値化すると15辺りだと思います。

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