忍の末裔が呪術師になるようです   作:H-13

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虎杖君が出ると言ったな。それは嘘だ御免なさいアンケートあんなに答えてくれると思ってなかったんですまだ原作始まらないの許してくださいまだどうやって進めて行こうか考えてないとかないんだかんね!(2回目)

巡と真希のデート回になります。R18は書くか知りません。書いたらお知らせします。


幕間

「真希、おはよう。」

 

「おはようさん。ほら、ぼんやりしてないで行くぞ!」

 

どうにか二人一緒に2日間の休みをもぎ取ることが出来た。準一級に一級。本来ならばあるはずも無いのだが、前々から五条先生や学長に相談していたお陰でこうして私服でのお泊まりデートを楽しめる。

 

真希は薄手のロングコートにくるぶし上の短めなGパン、茶色いショートブーツを身に着け、髪は巡の希望でいつも通りのポニーテールにし、首元には巡が誕生日に送ったお揃いのネックレスを付けている。

 

対する巡は黒のカッターシャツにブルーのジーンズを着ている。その上から明るい茶色のコートを羽織り、第1ボタン開けた所にサングラスを引っ掛けている。左腕に付けているシンプルなシルバーの腕時計は五条先生に勧められたものだ。

 

巡の首元にはいつも通りのネックレスがあるが、2人とも普段の黒い制服とは違い大人びた雰囲気醸し出している。もっとも今年で19歳の巡に関してはほぼ大人なのだが。

 

 

五条先生に腕時計以外にも色々といい所を教えて貰ったが、桁が予想の1桁上で腕時計以外は断った。シャツ1枚で6桁はまずいです先生。そして腕時計1つで7桁もする奴を高校生に勧めないでください。余裕で買えるから買いましたけど!金銭感覚狂ってんなこの人(褒めてない)。でもお菓子をお土産として持って帰ってくることを約束したら、色々とお店紹介して貰えたのでそれは感謝している。

 

デートといえば現地待ち合わせからの待った?が定番だとわかっては居るが、ちゃんと思い出してみよう。呪術高専が東京の癖に山の中の更に山の中にある事を。大人しく一緒の車で向かいましたとも。

 

車に揺られる中色々と携帯を弄りながらどこに行こうかと見せていたが、昼飯はハンバーガーがいいと候補の中から即答されたので六本木の『ALDEBARAN』に向かう事にした。

 

高校生の身分を超えた金を2人とも抱えている。真希も巡には及ばずとも四級時代と比べれば何十倍も稼いでいた。ただ、呪具を購入したりと巡よりも出費が多い事を知っている為、今日のお金は全て巡持ちである。

 

車から降りる前に思い出した様に万華鏡写輪眼の倉庫から2人分の荷物を吐き出す。高専内だとほぼ全て手ぶらで動いている2人にとっては荷物を態々鞄に入れて持つのも久々である。

 

六本木ヒルズ辺りを軽く散歩しつつ、普段はしない恋人繋ぎをしてみる。歩幅を合わせて歩くことはあれどパンダと棘、憂太の前でこんな事をしては五条先生も追加で揶揄われるのはもう分かりきっていること。巡自身長身であるが真希も女性としては長身で、ブーツの底もそれなりに高い為難なく繋ぐことは出来た。

 

細く長い指に無骨な節の太い指を絡めあわせる。掌の皮の厚さは呪具をずっと扱っている真希の方が分厚いと云うギャップも、真希のこれまでの努力が見えて愛おしくなる。にぎにぎと真希が手の感覚を確かめる様に握ってからにかっと笑う。男勝りでもあり、カッコいい似合っている笑い方だ。やっぱり俺も惚れてるんだなぁ、と頬がちょっと赤くなったのを自覚する。

 

巡はうちはの血を引いており、真希も禪院の血を持つ。それは顔にも良く現れていると言っていい。後ろでシンプルに綺麗な黒髪を纏めている巡と、ポニーテールで首筋を爽やかにして、伊達メガネで更にキリっとさせている真希。下手なモデルよりも体付きも歩き方も綺麗だからこそ、休日の人通りの多い六本木では注目の的となる。

 

周りの目線が鬱陶しくなってしまった巡はサングラスを掛け、真希の負担にならぬ程度に早足で目的の店に入ってしまった。まだ11時をちょっと過ぎたくらいだが、いつも通りに早起きをしている2人にとっては早めの時間でも丁度良い腹心地だ。

 

目立たない落ち着いた端の席に案内してもらい、注文を行う。

 

巡はリアルバランバーガー、フライドポテトL、チキンナゲットL、オニオンリングL。ドリンクは辛口ジンジャーエール。

 

真希はリアルバランバーガー、フライドポテトL、コーラ。他のモノは巡のを少しずつ貰うと先に宣言。

 

「んなに食えんのかよ。」

 

「真希とは先ず身体の大きさ違うんだから。……もう一個ハンバーガー食べたかったけど、食べたら折角のデートなのに腹パンでダウンしそうだから辞めといた。」

 

「私達が肥満になる事なんて無いから心配するな。それよりも過労の心配か?あのクソ目隠し、担任の癖にちゃんと高専に居るの2日に半日位だぞ。私やお前だって2日に1回は半日任務だしな。」

 

「まぁまぁ、とは言えないよなこのブラック業界。学生に普通に特級ギリギリの任務押し付けてきてる時点でやばいよな。」

 

「語彙無くなってんぞ。デート中くらい彼女のオシャレでも褒める気概はねぇのか?」

 

「車に乗る前から普段と違う香りだと思ってたけど、俺も好きな香りだよソレ。化粧した真希も綺麗だし、俺が前あげたネックレスしてくれて嬉しかった。私服なんて全然見た事なかったから新鮮ってのもあるけど、後でどっかで写真撮ってもらおう?待ち受けにする。」

 

「一気に言うな一気に。……恥ずくなる。」

 

真希がむすりとふくれっ面をするも照れ隠しとしか見えず、赤らんでいる頬がその推測が事実だと教えてくれた。ちょうど注文したハンバーガー+αが来たのでソレにかぶりつく事でこの話題から逃げる姿も可愛いかった。

 

ちまちまと食べる事30分。ぽつりぽつりと話しながらだった為ゆっくりとした食事になったが完食した。食後のアイスコーヒー完飲まで店内でゆっくり過ごし、時計を見れば12時半を刺していた。

 

無言でゆったりと店内に流れる音楽に耳を傾ける時間もあったが、互いに悪くないと思っていた。

 

会計をして店外に出れば、真希が上着の肘辺りを摘んで居た。?と立ち止まれば、そのまま広がり空いた腕の隙間に腕を絡めて来た。はよ行け。そんな瞳の意思に微笑んでからぶらぶらと飯を食べる前に行っていた散歩を再開する。

 

アパレルや食い物屋が立ち並ぶ通りを歩き、都会の人混みに少し酔いそうになりながらもめいいっぱい時間使って色々と買い漁った後、最後に立ち寄ったのはブライダルリングの専門店だった。

 

ペアリングが欲しいのは巡の希望だ。プロポーズ用の指輪が給料3ヶ月分とはいうが、ゴテゴテと宝石盛合わせの様なものは好きでは無い。いつでも付けていられる実用性を有するリングの中から気に入ったものを探し、2時間程店員と3.4人で話し合い決定した。

 

明日の昼には良いサイズが取り寄せられるとの事で、金を先に払って外に出ればもう空は暗くなり始めていた。

 

夜飯は六本木ヒルズにある『鮨 なかむら』へ。内容はおまかせの為割愛するが、こんな所でビールを流し込めれば美味しいんだろうなと思ったとだけは言っておきたい。ちなみに乾杯は梅ジュースでした。

 

ホテルもそのまま六本木にある『グランド ハイアット 東京』に連絡し、空き部屋の中から一番高い所の予約を入れる。金は腕時計へ支払う金額から分かるだろうが有り余ってるのが現状だ。それ程高難易度の任務を多数受けているという事でもあるのだが……

 

徒歩の範囲でデート完結できるのやばいな六本木。

 

受付で受け取ったプラスチック型の鍵を押し当てて扉を開け、中に入って一息ついた。両手が埋まるほどの荷物に、精神的にそれなりに疲れていた。速攻で最低限の必要なもの以外をしまい込めば、備え付けの椅子に深々と腰を下ろした。

 

思い出した様に真希から預けられたモノを取り出してそちらを見れば、熱心に部屋の中の写真を撮っていたりする。聞いてみれば真依や京都のメンツに自慢するとのこと。

 

風呂に入る前なので2人ともオシャレをした儘だ。記念撮影のような第三者に撮って貰うものでは無いが、真希が器用に巡を引き寄せれば頬を完全に引っ付ける程度まで顔をくっつけて、パシャりと。

 

「後で俺にも送ってくれ。……風呂、先に入るか?」

 

「一緒に入る、何てどうだ?」

 

携帯をベッドに放り投げる真希。写真を撮るために巡が屈んでいた体勢を利用して、そのまま唇を合わせて見せた。首元に片腕掛けて逃げられない様にする徹底ぶり。

 

啄む様に二度、三度。巡がいきなりのコトに固まっている間に下唇も上唇も一方的に愉しみ、にんまりと微笑う。

 

「ご馳走さん。今日まで我慢させたんだ、覚悟しとけよ?」

 

「待って、もうちょっとゆっくりとか雰囲気とか。」

 

「ほら、早く風呂行くぞ。」

 

巡は手を引かれてまだ湯も張ってない風呂場に連れていかれた。周りを気にする事なく接することが出来るからか、電気が消えても荒い息遣いは空が白む時間まで耐えることはなかった。

 

 

 

 

目覚まし時計など設定していなかったから、起きたのは昼前だった。何年振りかの身体の節々の痛みを感じながら上体を起こし、ぐっちゃりとしたベッドと衣服纏わぬ身体を認識した。当然の様に裸でいる真希の居る隣を見るのが怖くて、シャワーを浴びる名目で逃げ出したのは内緒である。

 

 

 




お店の名前は現実にある六本木ヒルズ周辺のお店になります。良かったら調べてみてね。

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