お待たせしすぎました。ただ、新生活も始まるのでまったりゆったり待っていていただけたら嬉しいです。
爆発音が森の中を駆け巡る。
パンダと釘崎野薔薇は完全な劣勢に立たされていた。人数差もあるが敵の背後から的確に行われる援護射撃には木を遮蔽に逃げ回るしか択がなかった。
本来ならば1on1になるはずだったvsメカ丸+西宮桃+αの禪院真依は完全に禪院真依のせいで2on3として成立してしまっている。
ライフルの弾が切れた瞬間に全弾構築術式で精製すること計2回。上手く2人とも避ける。パンダは一撃いいのが入ったが未だピンピン。釘崎野薔薇に至っては髪の毛それなりに吹き飛ばされて額に切り傷を作っているのにスコープから見えるその反骨心剥き出しの瞳は変わらない。
そろそろイラついてきた。後方でぶっぱなすのも木がこれだけあれば段々と難しくなる。
スナイパーライフルを投げ捨てバズーカをダメ押しの様に射出してから新たな銃を創り出す。
片手にショットガン、もう片方には連射型のハンドガン。足を止めさせる事を考え中身はどちらもゴムの拡散弾。
木の上から飛び降りれば呪力を身に纏い走り出す。呪力は減ってきたものの、以前の呪力量を知っている身からしたら幾らでも身体の奥底から溢れてくるように感じるほどには余裕がある。
腰打ちでも当たるラインまで突っ込めば不意打ちのように釘崎野薔薇の目の前に姿を表す。
ガチャリ。銃を突き出し顔面から腹、脚まで弾を浴びせようと引き金を引いたが聞こえたのば銃身がズレ落ち地面に落ちた音。目を横に向ければ踵ごと脚が降ってくる所だった。
「っ"ぐ !なんでここに居るのよ真希!」
「あ?私が居ちゃァダメか?」
空ぶった踵は地面を砕き陥没させる。限界まで呪力で全身を強化した真依ですらギリギリでしか目が追い付けないフィジカルギフテッドの完成版。呪力感知に引っかからない純0%の呪力量はこれ程厄介なものか。
霞と真希が戦闘を開始してまだ1分ちょっと。三輪霞を速攻でリタイアさせてからは、行きがけに呪霊を祓い爆音轟く場所に向かって走ってきた真希。真依はこれ程早く三輪が負けることを想定できていなかった。
真依もやられてばかりでは無い。左手には創ったフルオートのマシンガン、右手には懐に隠し持っていた使い慣れた拳銃。ガン・カタの様にはいかないがネットから拾い上げた情報を元にそれらしい動きは出来る様になっていた。
ただ、今回ばかりは相手が悪い。銃に意識を割いているうちに懐まで入り込まれ、刀の柄頭で鳩尾に一撃を受けた。息が出来なくなったタイミングで流れるように両手首を捻りあげられながら背負い投げられた。首筋に刃突き付けられて勝負は決する。
「ごホっ"!か、は…ぁ"…!」
身体から全ての酸素が外に出たまま帰ってこない。辛うじて銃は手放さなかったがそれも無意味に近い。勝手にポケットに手突っ込まれて携帯取り出されてるのに、何も出来てないのがいい証拠である。
こうして三輪、真依は真希の手によってリタイアさせられたのである。
ばっ!と周囲を見渡す真希、空にゆっくりと広がる見覚えしか無い滲みの様な黒色。事前に説明を受けていない帳が貼られてゆく。この異変は教員他が見ている室内でも察知されていた。
「天元様の元に向かう。悟と歌姫、巡は他の生徒の保護。いいな!」
「ほら、おじいちゃん。散歩のお時間ですよ。お昼ご飯はもう食べたでしょう。」
「花御、か。しょっぴいて制服1着分弁償させてやる。ついでに薪にでもすれば有効活用できそうだしな。」
何であれ、帳が降りる前にあの中へ。なんて走っていれば気の抜けた声で五条先生から帳は完成していると云う真実が語られる。
洒落臭いと須佐能乎の剣で切りつけようとも切った端から元通りになってしまう。何処かに帳を構築している楔があるのだろうと追加で五条先生は語る。
例の如く五条先生は弾かれ、他は入れる……と思いきや二重の帳が張られていた。ぽつぽつと五条先生と一緒に帳に入れず締め出された巡。2人で笑いながら写輪眼と六眼で帳の破り方を探るばかり。これは時間がかかりそうだ。
真依:呼吸が整ったら前線復帰可能。ただそれなりに落ち込み中
パンダvsメカ丸:メカ丸Win
釘崎vs西宮:釘崎Win
↓
釘崎vsメカ丸:相打ち
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