忍の末裔が呪術師になるようです   作:H-13

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どうも。お待たせしました。

この作品は千葉巡視点のお話になると何回か書いたと思いますが、その影響で原作の描写を省いて書いている部分があります。

補足をするかもしれませんが原作と設定を理解した上で読んでいただいた方が良いかなとおもいましたので、タグに原作既読推奨をついかしました。把握お願いします。

ではどうぞ。



特級過呪怨霊祈本里香

「ここは?」

 

「優太も通ったことのある様な普通の小学校だよ。生徒二人失踪してるけど。」

 

「い"っ!?」

 

「今日の任務は呪霊を祓い、生徒の救出。死んでいたら遺体又は遺品の回収だ。巡、帳宜しくぅ。」

 

「はーいな、『闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ払え』。俺と五条先生は外で待ってるからな。死ぬなよ。」

 

空に墨を落とすように空を帳が侵食して行く。外部から内部を遮断し隠蔽。さらには呪霊を炙り出して祓うサポートをしてくれる呪術師にとっては必須な結界である。

 

二人が夜の帷に包まれた様な学校を探索している間、二人でガードレールに凭れる様にして暇を持て余す。

 

「巡はさ、祈本里香のことどう見えた?」

 

「どういう意味ですか?」

 

「ほら、僕は六眼、君は写輪眼。見え方は絶対違う訳で、ちゃんと視てたでしょ。」

 

「俺から言わせたらタチの悪い守護霊みたいな立ち位置に見えましたけどね。根本は全くの別みたいですけど。」

 

「と、いうと?」

 

「感覚的な物になりますよ。……祈本里香は『憂太を虐めるな』と言ってましたよね。根本は守護霊の様に見えますけど、ちゃんと意思を此方に伝えながら拒んでます。ちゃんとした守護霊なら問答無用で悪いものは拒んでるはずです。」

 

「じゃぁそれで説明終わってない?」

 

「いえ、ここからです。守護霊って祖先だったり親戚が殆どです。でも乙骨憂太の場合は恋人。【愛】の形が明らかに違うんですよ。……いや、一方的な愛じゃないからかな。俺からしてみたら祈本里香が呪ったのか乙骨憂太が呪ったのか分からないように見えてるんですよ。相思相愛だったからかその辺の境目がホントに曖昧にしか見えなくて。」

 

「なるほどね。僕の眼とはだいぶ見えてるものが違うね。ありがとう、参考になった。」

 

「いえ。」

 

「おっと、……巡、写輪眼出していいから目を閉じたままで中見てみな。……これが特級過呪怨霊祈本里香の全容か、凄まじいね。」

 

「五条先生とか俺なら普通に戦えば勝てますよね?」

 

「相応の対応をすればね。でも僕や巡レベルだからこそ言えるんだ。普通の一級術師クラスならすぐスクラップだよ。」

 

「それもそうか。」

 

大型呪霊の頭部だったであろうモノを引きちぎり更に体液か血液か分からないそれを撒き散らしながら悦の限りを尽くす姿は、半分憂さ晴らしをしている様にも見えて来る。真正面から同級生が掛かって行った未来を想像して納得する。あれは生半可な者じゃ祓えない。

 

子供二人、禪院真希を抱えて自力で生還した乙骨憂太が帳の外に出ると同時に、祈本里香は何事も無かったかのように引っ込んでしまった。

 

「お帰り、良く頑張ったね。」

 

優しく気絶した憂太に語りかける五条先生の姿を横目に、4人全員と自分を後部座席に押し込んだ。

 

呪いに当てられていたり侵食というか感染というか。そんな状態の3人と1人綺麗な乙骨憂太。祈本里香に護られているからとは思うが、あまりにも呪いへの耐性が高い。

 

「呪った呪ってないは置いといて、ちょっと乙骨君の方の血筋が気になります。祈本里香は一般の家系だって分かってましたよね。」

 

「あー、そうだね。ちょっと改めて調べてみるか。2人しか可能性がないんだから、思ったよりも早く分かるかもね。」

 

「まぁ現状乙骨君が貧弱過ぎて主従の主が乙骨君だとしても同じような状況になりそうですから、とりあえずは鍛える所からですかね。」

 

「そそ。あー、そういえば京都校との交流戦があるんだけどうち数足りないんだよね。だから1年のうち2人行って欲しいなぁ。なんちゃって。」

 

「俺に話したってことは……。」

 

「京都楽しんできなよー!後憂太のサポートよろしくね。」

 

「暴走する未来しか見えないんですけど。先生手出せます?」

 

「さーてね。憂太だと暴走した時に止められるの僕しか居なくなっちゃうし、僕これでも忙しいから!あ、お土産だけは買いたいから引率はするよ?先に帰るけど。」

 

「(うぜぇ〜〜)」

 

決定は決定である。丁度病院に着いたことを良いことにたったらたーと4人全員軽々抱えて受け付けに向かって行った五条先生の背中を見つつ、溜息を吐き出した。

 

 

─────診断中───────

 

「里香ちゃんが呪ったんじゃなくて、僕が里香ちゃんを呪ったのかもしれません。」

 

「愛ほど歪んだ呪いも無いよ。」

 

「呪術高専で、里香ちゃんの呪いを解きます。」

 

こうして死者0で乙骨憂太の初任務が終わり、一つの芯が彼の心に形作られた。ここからが本番である。

 

裏で悪意が蠢き、乙骨憂太は学生証を探すのを諦め、千葉巡は未だ会っていない2年生と連携が取れるのか不安になった後考えるのを止めた。




次はオリジナル要素として巡が京都に行きます。良かったね乙骨君、釘崎がキレ散らかす対象が君だけじゃなくなったよ!

少しのオリキャラが出てきますが数合わせです。許してください。

評価感想とかしてくれたらやる気に繋がります。

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