トムホ版ピーターになっちゃった…   作:匿名

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後書きに軽い小説があります。
読んでも読まなくても支障は無いです。
ある小説に刺激を受けたので創作意欲が蘇りました。お待たせして申し訳ない。
※オリジナル要素強めです。
感想によると、ナノテクスーツはまだ完成してなかったみたいなので書き直しました!情報提供助かる…。


アークリアクター

スターク社に着いたピーターらはハッピーの案内に従ってピーターに貸し与えられたラボへ着いた。

 

「うわぁ…ひっろ…」

 

「スタークさんやりすぎ…」

 

ラボの中には見るからに最先端と分かる機械類が並んでおり、一つ一つが相当な性能を誇っているのが分かる。

 

「…よし、まずは材料だけど」

 

「確かコアはパラジウム?」

 

「あとはバッドアシウム。でも作り方は公表されてないからパラジウム一択」

 

「だよな。よし、パラジウム探す…必要はなさそうだな」

 

パラジウムを探そうと後ろを振り向いたネッドの近くにあった機械が開いて恐らくパラジウムが入っているのであろう容器をネッドの前に置いていた。

 

「ねぇカレン、あれって…」

 

『はい。確かにパラジウムです』

 

「おっけー…よし、ネッド。まずは設計からだね」

 

「あー…それはさすがに時間足りなく無いか?」

 

「…それもそっか。カレン、アークリアクターの設計図は出せる?」

 

『アークリアクターの設計図を展開します』

 

机の上に置かれたスパイダースーツのマスクからホログラムによって展開される設計図。設計図をクルクルと回して、ピーターとネッドは愕然とする。

 

「マジかよ…こんな設計誰が思いつくんだ?」

 

「稀代の大天才トニー・スタークただ一人だね」

 

「全くだ」

 

二人では一生かけても思いつかないような構造を見て、肩を竦めた二人は周りに置いてある機械の説明をカレンから受けつつ材料を集める。ただ、一つだけカレンに聞いても用途の分からない機械があったが、アークリアクターを作るには関係ないためスルーした。

 

「ねぇネッド、この円環型にエネルギーを循環させる機関だけ材料が書かれてないんだけど…」

 

「まじか?おいおい、ここが一番重要な場所だろ?」

 

「うん。なんでここだけ書かれてないんだろう…」

 

ピーターとネッドが首を傾げていると、突如としてスパイダーマスクの複眼部分が青く輝き、ある人のホログラムを展開する。

 

「うぇぇぇ!?」

 

「トニー・スターク!?」

 

『いい反応だ。さて少年、アークリアクターを作りたいんだって?』

 

「へ?あっ、はい。あの空飛ぶ怪人を捕まえたくて」

 

『ニューヨークは君の縄張りだからあまり厳しく言う気はないが、君はまだ未成年だ。あまり無茶はするなよ』

 

「あー…努力します」

 

大人としてトニーがピーターに言うと、ピーターは顔を引きつらせながら頷く。それを見たトニーは満足気に頷く。

 

『よろしい。さて、アークリアクターの機関の材料が書かれていないだろう?』

 

「はい。それってなんでなんですか?」

 

『それは課題だ。そう簡単にアークリアクターを作られちゃ僕の沽券に関わる。それに、君にとってもいい経験になるだろう』

 

「課題…」

 

ピーターとネッドが顔を見合わせる。そして、笑った。

 

「こういう難関はお手の物だろ?スパイダーマン」

 

「まあね。どんな難関が来ても絶対諦めないのがスパイダーマンだよ、椅子の男」

 

親友とのハンドシェイクをして、笑い合う二人を見てトニーが眩しいものを見るように目を細めた。

 

『トニー?何をしてるの?』

 

『ああ、なんでもない。少し後進育成をね。では、頑張ることだ若者たち』

 

プツリとホログラムが消える。無意識に入っていた肩の力を二人は抜いて、作業に取り掛かる。

 

「まずはパラジウムの加工は僕に任せて。ネッドはその他の部分を」

 

「わかった。気をつけろよ親友」

 

「君もね」

 

ピーターはパラジウムの加工を、ネッドは小型の機械を担当することになった。

 

「あー…カレン、危険そうだったら教えてね」

 

『もちろんです』

 

ピーターは念の為にスパイダースーツに身を包み、パラジウムの加工を始める。浮かんでいる設計図の通りに2時間近くかけてパラジウムを加工していく。

 

「これをスタークさんは洞窟の中で作ったってマジ…」

 

パラジウムの加工ひとつでこれだ。知れば知るほどトニー・スタークの偉大さが分かる。

 

「僕も負けてられないな」

 

加工を終えたパラジウムをネッドの元へと持っていくピーター。幾つかの機械を設計図の通りにネッドが作っていた。

 

「パラジウムの加工終わったよ」

 

「こっちもほとんど終わった。こんなのよく思いつくよな」

 

「発想力が桁違いなんだと思う。…とりあえず、あの円環部分をどうにかしないと」

 

設計図の通りにアークリアクターを組み立てていく。形だけはアークリアクターであるし、重水素とパラジウムが反応して発生したエネルギーで青く輝くが、そのエネルギーを循環させるパーツが無ければアークリアクターは完成しない。

 

「マジで何でできてるんだ?」

 

「このレベルのエネルギーを循環させられる物質って…ヴィブラニウムとか?」

 

「そんな希少な物質を使うか?いや、トニー・スタークなら有り得るかもしれないけど」

 

「だけどこれは僕らへの課題だからなぁ…」

 

「だな。となるとなんなんだ…?」

 

そこからピーターとネッドはいくつかの材質を上げるが、どれも当てはまりそうには無い。そうして、なんの進展もなく一時間が経った。

 

「てか、こうして見てるとキラキラ光って綺麗だな」

 

「確かに、太陽みたい」

 

「おいおい、太陽はもっと赤いだろ?」

 

「それにもっと熱い…待った、太陽?」

 

エネルギーと太陽。そんなワードがピーターの頭の中をくるくると回る。どこかで、聞いたことのあるようなワード。

 

「太陽…エネルギー…」

 

「ピーター?どうした?」

 

思い出すのはサム・ライミ版のスパイダーマン2に出てくるドクター・オクトパスの作ろうとしていた核融合装置。アークリアクターのも同じく核融合を扱うアイテム。そしてその材料は確か…

 

「トリチウム…トリチウムだよネッド!」

 

「トリチウム?…そうか!核融合!」

 

「やってみよう!」

 

ピーターとネッドはトリチウムを円環状に加工して、未完成のアークリアクターにはめ込んでいく。すると青い輝きが更に強くなり、ピーターがかつてみたアイアンマンスーツの胸元で輝いていたソレと似た輝きを宿す。

 

「マジか…」

 

「出来た…?」

 

「ガチか…おいおい、マジで俺らで作ったのか!?」

 

アークリアクターを手に取って二人で眺める。すると、スパイダーマスクの複眼がまた青く染まる。そして、再度トニーのホログラムが現れた。恐らく、カレン繋がりで

 

『やあ少年。アークリアクターが完成したって?』

 

「え?あっ、はい。何とか」

 

『材質は?』

 

「トリチウムです。核融合から着想を得て」

 

そうピーターが言うと、トニーが一瞬固まって目を見開く。

 

『…なんてこった』

 

「どうかしました?」

 

『いや、なんでもない。課題のクリアおめでとう。課題をクリアした君たちに、とあるご褒美がある』

 

トニーが指を鳴らすと、一つだけ用途の分からなかった機械が開く。そこには、二つの小箱が収納されていた。その小箱の1つが開くと、その中には一つのサングラスが置かれていた。サングラスの横にはネッド・リーズ用と書かれていた。

 

『付けてみろ』

 

「は、はい…」

 

ネッドがサングラスを掛けた瞬間、サングラスのグラスの部分が青く輝いて、幾何学的な模様が浮かぶ。

 

『網膜認証開始…完了。初めましてネッド。私はローズ。スパイダーマン保護プログラムを管理するAIです』

 

「スパイダーマン保護プログラム?」

 

ローズという名前の女性型の人格を持ったAIによって様々な機能が表示される。

 

『ああ。僕が開発したスパイダースーツ全てと連動して動くプログラムでね。それを使えば少年の手助けが出来る。機能は…まあ、使って見れば分かる。フライデー、敵性ホログラムを展開』

 

『了解しました』

 

スタークさんの呼び声で青白いホログラムが展開される。そこには人型の機械が佇んでいた。

 

「え、え、なにあれ!?」

 

『まあ実害は無いし、死ぬことは無いが…死ぬほど痛いぞ』

 

その告げた瞬間、周りの機械が床の下に格納される。全ての機械が無くなった途端、両手のリパルサーから光が発生して人型の機械がふわりと浮かんだ。

 

「いやいや、ヤバいってあれ!ネッド下がってて!」

 

「お、おう…」

 

『ネッド、彼の援護をしますか?』

 

「え、出来るの?」

 

『可能です。遠隔戦闘システム・イージスを起動しますか?』

 

「あー…おう」

 

『イージス起動』

 

その瞬間、空から盾のような形をした機械が天井を突き破って入ってくる。機械の盾はピーターを護るようにピーターの周囲をクルクルと回っていた。

 

「ネ、ネッドなにこれ!?」

 

「俺にもわかんないよ!ローズだっけ!?なんだこれ!?」

 

『遠隔戦闘システム・イージスは、貴方が遠隔で操作できる戦闘用ドローンを人工衛星から放てる機能です。戦闘用ドローンの操作方法を表示』

 

「これって…SFゲームみたいだ」

 

「ネッド!それって何が出来るのぉぉぉぉぉぉ!?」

 

ピーターを掴んだ人型の機械は高速で空を飛び回ってピーターを振り回す。人を超えた肉体を持つピーターは、平衡感覚も人よりも遥かに強い。ビルの合間をウェブで飛び回っていることからそれもわかる。だとしても、いくら人より強くても限度はある。回されすぎてだんだん目が回ってきた。

 

「ネ、ネッド何とかして!」

 

「え、えっと…こうか?」

 

ネッドがサングラスに表示された通りに操作すると、盾型の機械(イージス)がネッドの指示通りに動いて人型の機械を吹き飛ばす。その反動でピーターは投げ飛ばされたが、イージスによって受け止められる。

 

「た、助かった…」

 

「これってマジすげぇ…」

 

「僕は死ぬかと思った。…もう怒ったぞ!」

 

目が回っていたピーターだったが、振り回された怒りでイージスの攻撃でふらついていた人型の機械を掴むと地面に叩きつけて、顔の部分を片手でぐしゃりと握り潰した。

 

「え、えぐっ…」

 

『…一応、あの機械はアイアンマンスーツと同じチタン合金の強度を再現してるはずなんだがな』

 

呆れたようなトニーの言葉にネッドが慌てて振り向く。今の言葉の通りなら、ピーターはアイアンマンスーツを握り潰せるということになる。

 

「で、アレがネッドへのご褒美?」

 

『そうだ。悪用はするなよ?』

 

「は、はい!」

 

『よろしい。また今度食事でもしようか。食事ついでにアベンジャーズに入ってくれてもいいぞ?』

 

「前も言ったけど、NOだよスタークさん」

 

『そりゃ残念。ではまた』

 

プツリとホログラムが消える。肩を竦めたピーターがスーツを脱ぐともう一つの小箱が開いた。その小箱には一つのUSBメモリ。それを取り出すと、スパイダースーツに差し込んだ。

 

「これは何?」

 

『私のシステムを拡張するデータのようです。ダウンロードしますか?』

 

「うん。ダウンロードして」

 

データのダウンロードが始まる。一時間程度経つとダウンロードが完了した。

 

「これなんだったの?」

 

『自己進化プログラムのようです。私の判断で、自由にスーツのアップグレードが出来るようです』

 

「凄すぎ…」

 

兎にも角にも、アークリアクターは出来たから良いやなんて思っていたそんな時だった。スマートフォンがブーッ!と鳴る。

 

「…マジ?」

 

「どうした?」

 

スマートフォンに表示された名前に顔をひきつらせたピーターはスマートフォンの画面をネッドに見せる。その画面には、"シルバー・セーブル"と表示されていた。




ナノテクスーツが一足早く登場。完成自体はしてたんじゃないかなぁ…みたいな考えで出しました。というか完全に作者の趣味です。ナノテクスーツが一番好きです。

この話から、Marvel's Spider-Manタグが増えます。

ローズの解説
スパイダーマン保護プログラムという特殊なプログラムをネッドが利用出来るようにするアイテム。戦闘システム・イージスを初めとした、"スパイダーマンを護るため"に特化したシステムを利用できる。

以下、トニーの一幕です。

「…トリチウムと来たか」

口元に軽い笑みが浮かぶのを自覚する。円環部分にトリチウムを使う、というのはトニーの予想にはなかった発想だった。…いや、発想としてはあったが、ピーターたちが思いつくとは思ってなかった、が正解だろうか。トニーの中で用意していた答えはエネルギーさえ通せばなんでもいい。だった。

別に完璧なアークリアクターを作る必要が無いのなら、極論なんでも良かった。当然ある程度の強度は必要になるため、一番に思いつきそうなのはヴィブラニウムなのだろうが、子供の実験にヴィブラニウムは出せない。そのため、ヴィブラニウムはあのラボには置いていなかった。だから相当悩むだろうと思っていたのだが…こんなにも早く、それもトニーの想像以上の答えを出してくるとは思わなかった。

「僕も負けてられないな」

珍しく口元に優しい笑みを浮かべたトニーは新たなスーツの開発のために立ち上がる。そんなトニーの様子をペッパーが優しく見守っていた。
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