トムホ版ピーターになっちゃった… 作:匿名
僕ことピーター・パーカーは、スパイダーマンではあるが学生だ。故に、スパイダーマンの活動が出来るのは早朝や放課後、休日になる。…なるのだが、目の前で困ってる人がいれば手を貸さずには居られないのがスパイダーマンの性なわけで。学校があるというのに、今日の早朝のパトロールでは困っている人が沢山いた。
「やあ、おじいさん。なんだか大変そうだね?手伝おうか?」
「実は荷物が重くてのお」
「確かに重そうだね…よし、僕に任せて!」
「ありがとのう、スパイダーボーイ」
「どういたしまして。あと僕の名前はスパイダーマンね!」
例えば目の前を歩いていたおじいさんの荷物が重そうだったから手伝ってあげたり。
「やあお姉さん!なにか探し物?」
「あらスパイダーマン!実はネックレスを無くしちゃって…」
「OK!僕も手伝うよ!」
こんな風に綺麗なお姉さんのネックレスを探すのを手伝ったりね。もちろん、夜になればマフィアとかの悪い奴らが動き出したりするんだけど、早朝から活発に動くことは少ない。…というか、僕の本業はこういう細かな人助けなんだよね。もちろん、悪い奴らをとっ捕まえたりもするけどあくまで僕は親愛なる隣人、ニューヨークで困ってるみんなを助けるのが本業!…なんだけどなぁ!
「やっばぁぁぁい!遅刻だぁぁぁ!!」
「おいスパイダーマン!遅刻かぁ?気をつけろよ!」
「忠告ありがとう!君も良い一日を!」
街の人々の声援を受けながら僕は学校に向けて全速力で向かっていた。沢山困ってる人がいたから手を貸していたら遅刻ギリギリの時間になってしまった。このままじゃ叔母さんに怒られちゃう!!
「ギ、ギリギリ…」
結果として遅刻することは無かったけど、かなりギリギリな時間に着いてしまった。まあスパイダーマンのスーツをしまったりで余計に時間がかかったんだけどね。
「よおピーター、遅かったな」
「おはようネッド。寝坊しちゃってさ」
いつも僕と話す親友、ネッドが話しかけてくるのを肩を竦めて流す。ネッドにはスパイダーマンであることを明かしていない。スパイダーマンの活動に巻き込んで危険に晒すかも知れないし、こんな言い方は悪いかもしれないけど、『僕がスパイダーマンである』という秘密をネッドが誰にも話さず黙っていられるとは思えない。
「また夜更かしか?」
「まあね。君も夜更かししてたんじゃない?」
「…なんで分かった?」
「だって隈が出来てる」
「マジかよ…自分で鏡見た時は全然分からなかった…」
それは僕の目が良いだけだから安心してネッド。兎にも角にも遅刻はせずに済んだため、怒られはしないだろう…多分。SNSにスパイダーマン遅刻!?とか書かれなきゃ良いんだけど。
「…ん?」
「ピーター?どうした?」
「いや、なんでもない。多分気の所為」
一瞬スパイダーセンスが発動したような気がするんだけど…気の所為かな?気の所為かと思うくらい一瞬だったからわかんないな…。
「今日はいい日でありますように…!」
そんなピーターの思いは届くことは無く、ピーターの家に向けて一つの車が向かっていた。その車に乗っているのは、特徴的なサングラスをかけた整った容姿を持つ、世界で最も名の知れた男───トニー・スタークだった。
「ここか、スパイダー坊やの住んでいる家は」
サングラスを外してトニー・スタークは静かに微笑んだ。