トムホ版ピーターになっちゃった…   作:匿名

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アイアン・アンド・スパイダー

授業をやり過ごし、テストも割といい点を取れたからメイおばさんに怒られることも無いぞ!とルンルン気分で家に近づいた頃、ぶわりと産毛が総毛立つような感覚---スパイダーセンスが発動した。危機が迫っていると言うより…僕にとって余りいいとは言えないことが起こりそうな予感がする。

 

「…ただいまー…」

 

玄関の扉を開けて、ゆっくりとリビングへ向かう。そして、恐る恐るリビングの扉を開ける。

 

「おお、帰ってきたか。僕は───」

 

そこまで聞いてバタン!と扉を閉じる。今ありえないものが見えた気がする。

 

「いやいやいやいや!!ないないない!僕ってばパトロールのし過ぎで疲れてるのかな~!」

 

そう自分に言い聞かせて扉を開けようとすると、ガチャリとリビングの中から扉が開かれる。

 

「残念だが僕は君の幻覚じゃない。初めましてピーター・パーカーくん。僕はトニー・スタークだ、よろしく」

 

「…えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」

 

思わず叫び声を上げて、慌てて口を手で塞ぐ。近所迷惑になっちゃうからね。…というか待って?なんでスタークさんが僕の家に?

 

「あ、あの…なんで貴方が僕の家に?アイアンマンに目を付けられるようなことした覚えないんですけど…」

 

「本当に?」

 

「本当に!」

 

「…そうか。なら、ピーターくん」

 

「…はい」

 

「スパイダーマンは知ってるな?」

 

「え、ええ勿論。ニューヨークの親愛なる隣人でしょ?有名だもん」

 

あー…何となく察してしまったが、とりあえず誤魔化す方向へ持っていく。バレてなーい…バレてなーい…大丈夫大丈夫…。

 

「実はこういう映像を見つけてね」

 

スタークさんが取り出した端末が表示するのはスパイダーマン…つまり僕の通う学校の屋上にウェブを使って飛んでいる映像。うっそでしょ撮られてたの!?

 

「わ、わあ…偶然だなぁ…ス、スパイダーマンが僕の学校に向かってるや…」

 

「ちなみに声帯認証や骨格などは君と99%一致してる」

 

バレてるー!!!ぜんっぜん大丈夫じゃない!慌ててメイおばさんの方を見ると、額に手を当てて首を振っていた。…つまり。

 

「チェックメイト…?」

 

「そういうことだ、スパイダー坊や君」

 

「坊やじゃなくてスパイダーマン。…ああもう、最悪。僕ってば迂闊すぎ?」

 

壁に手をついて天井を見上げる。今までバレなかったから大丈夫だろうとタカをくくっていたのが裏目に出た。人間、慣れてくると油断するっていうのはホントみたい。

 

「…で、スパイダーマンな僕に何か用ですか?」

 

「ふむ…まあいい。単刀直入に言おう。僕は君にアベンジャーズに入ってもらいたい」

 

「…はい?」

 

スタークさんが告げた言葉に頭が真っ白になって固まる。何度かその言葉を反芻させて、噛み砕いて飲み込んでいく。

 

「僕をアベンジャーズに?あの、地球最強のヒーロー集団に入って欲しいって?」

 

「そうだ」

 

「なにか理由があるの?その…大きな戦いが起こるとか、アベンジャーズの人数が足りてないとか…そういう」

 

「…まあ人数は恒久的に足りてないが、そういう訳じゃない。今、キャプテン・アメリカが指名手配されてるのは知ってるか?」

 

「ええと…ニュースでちらっと耳にしたくらいには」

 

…最近のニュースでワカンダの国王がテロに巻き込まれて死亡したってニュースやキャプテン・アメリカとバッキー・バーンズが指名手配がされたってニュースを見た気が…最悪だ!最近キングピンの動きが怪しくて色々調べ回ってたからあんまりニュースとか見れてなかったんだけど…まさか、もうそんな時期だなんて。

 

「そうか。なら話は早い。このままだとアベンジャーズは分裂し、二度とチームとしての体裁は整えられないだろう」

 

「ねぇスタークさん。どうして僕にそこまで教えてくれるの?正直な話僕に詳細な話をせずに、」

 

「…既に何年もニューヨークを守ってる君に今更言う必要は無いだろうが、ヒーローってのは常に危険が伴う。それは君も身をもって知ってるはずだ」

 

「…ええ。それはまあ…」

 

幾ら蜘蛛に噛まれてスーパーパワーを得たとしても、所詮僕は人間。銃で頭を撃たれたら死ぬし、心臓をナイフで刺されたら死ぬ。それに、僕が狙われるならまだいい方で、友人であるネッドやメイおばさんが狙われる可能性だってある。危険とヒーロー活動は常に隣り合わせだ。

 

「だから僕は君にアベンジャーズの現在の状況を詳細に伝え、アベンジャーズに入ることの危険性をきちんと教える義務がある」

 

「…わかった。とりあえず座りましょう。僕は確かにヒーローとして活動してるけど…あくまで僕の保護者はメイおばさんだ」

 

「ああそうだな…失礼、少し長話になるが良いですか?」

 

「ええ、勿論。私はピーターのやることを応援するけど…私はこの子を大人として守る義務があるわ。きっちり、話し合いましょう」

 

スタークさんと、僕、そしてメイおばさんは席について、アベンジャーズに入ることのメリットやデメリット、現状を話し合う。アベンジャーズに僕が入るメリットやデメリットを考えて出した僕の結論は---

 

「---ごめんなさい、スタークさん。僕はアベンジャーズに入れない」

 

というものだった。

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