トムホ版ピーターになっちゃった… 作:匿名
色んな情報を集めきったある日、スタークさんから急に電話がかかってきた。何事かと思って電話に出てみれば、思っていた通りの電話だった。まあ、つまりシビルウォーの一件だ。
「…で、こんなにすごい飛行機に乗ってるって訳」
「何の話だ?」
「ううん、なんでもないよスタークさん」
僕が乗ってるのはスタークさんのプライベートジェットだった。前世も今世も何度か飛行機に乗るタイミングがあったけど、なんというか…めちゃくちゃ早いし揺れない。スタークさんの技術力をこんなところで感じるなんて思わなかった。
「良いか少年。あちらについて二日は自由時間だ。スタークインダストリーズの施設は自由に見学していい。あまり騒動は起こすなよ?」
「勿論ですスタークさん」
「それと、スティーブ…キャプテン・アメリカと戦うことになる」
「それは分からないでしょ?話し合いで解決するかもしれないし」
僕がその方向に持っていこうと思ってるわけだけど、上手くいくかなぁ…。
「…だといいがな」
「きっと上手くいくよ!僕も力を貸すし!ね、スタークさん!」
「ああそうだきっと上手くいく…。何を弱気になってるんだ僕は…」
頭を振って頭を整理するような仕草をするスタークさんを尻目にカバンを漁る。そして、いくつかの資料を取り出してスタークさんに渡す。
「これは?」
「僕独自の情報網で調べた情報。それを使えば他の道も見つかるかも…なんて」
口元を緩めながら言うと、スタークさんは資料に目を通し…先に進めば進むほど表情が険しくなる。上手くいけー!上手くいけー!
「…なんてこった…これは本当か!?」
「え、えっと…うん。警察の協力者とか、あとはヒドラの秘密基地に乗り込んだりとかで調べたり…あと、あんまり言えないけど国連の上層部のパソコンにハッキングしたりした情報だから正しい情報だと思うよ?…僕、何かした?」
「いいや、良くやってくれた!スティーブの情報は正しかった!…少なくとも、バッキー・バーンズの件に関しては、だがな。まだ条約の件は許してないぞ…!」
頭をぐしゃぐしゃと撫でられてなんだかホッとする。そんな僕の様子を尻目にスタークさんは携帯を取り出して誰かに電話を繋ぐ。チラッと見えた繋いだ相手の名前はローディ。…ああ、僕知ってる!ウォーマシンの人だ!
「…ああ、そういうことらしい。それじゃ」
「えっと…何かあったの?」
「いや、ローディがロジャース達に連絡を入れておいてくれるらしい。空港で待ち合わせるぞ」
「わかった!…あ、僕そう言えばスーツ持ってきてないんだけど…」
スパイダーマンのスーツを着ようとして、はたとスーツが無いことに気がつく。そういえば僕はスーツを置いてくるように言われてたんだった。
「さて、スパイダー坊や。君のこれからに期待して…と、言おうと思ってたんだが、予定変更だ。これは、今回の働きに対する正当な報酬だ。受け取るといい」
「えっ?…うわぁ!もしかしてこれって夢!?あれってスパイダースーツだよね!?なんでここに!?」
座ってた座席が動き、隣に座ってたスタークさんと向かい合わせになるように席が動く。それだけじゃない。僕たちの席の後ろの壁が開いて、その奥にはガラスに保護されるように置かれたスパイダースーツが立っていた。つまり、これは…!
「スタークさんが作ってくれたの!?」
「そうだ。君のスーツには改善点が幾らでもあったからな、上から下まで。…ああ、君のおばさんをバカにしたわけじゃないぞ?」
「これって…最高だよ!あのスタークさんにスーツを作ってもらえるなんて!着てみてもいい!?」
「まだダメだ。着るのはロジャースたちと合流する時だ」
「はーい…」
思いがけない楽しみが増えた。原作では僕のスーツがあまりにも適当に作られたものだったからスタークさんがより良いスーツを作ってくれてたが、僕の今のスーツは既にほぼ完成されてると言ってもいい。なにせ、見た目は完全に予想してた通りのスパイダースーツだ!そりゃ、性能ではスタークさんが作ってくれたものよりは劣るだろうけど…。あ、だから作ってくれたのか。簡単な理論だった。
「早く着たいなぁ…新しいスパイダースーツ」
「そういうところは子供らしいな、全く」
呆れたようなスタークさんの言葉は、飛行機の中で静かに消えていった。
新しいスパイダースーツはシビルウォーとかホームカミングで着てた奴とまるっきり同じです。