トムホ版ピーターになっちゃった…   作:匿名

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長いです。


シビルウォー

ドイツの空港に到着した僕とスタークさんはライプツィヒ・ハレ空港でキャプテン・アメリカたちと合流することになっていたため、空港でキャプテンたちを待っていた。

 

「スパイダー坊や、暇ならスーツのテストでもしておいたらどうだ?」

 

「えっ!良いの!?」

 

「ああ。ただし、暴れ過ぎないように」

 

「はーい!」

 

スタークさんに許可を貰ったのでスタークさんから少し離れたところでスーツの性能を確認してみよう。

 

「先ずは…普通のウェブ!」

 

パシュッと音を立てて普通のウェブが放たれる。…うーん、普通。特筆に値しないね。

 

「他にはどんなのがあるのかな~」

 

『ウェブの種類は576種類ありますよ、ピーター』

 

「うわぁ!?だれだれだれ!?」

 

突如聞こえた女性の声に驚いて飛び上がってしまう。そのまま周囲を見渡すが、誰もいない。

 

「ねぇ、貴女って僕のスーツの中にいるの?」

 

『その通りです、ピーター。私はあなたのサポートをするために作られたAIですから』

 

「そうなんだ…ねぇスーツのお姉さん、他のウェブの詳細を教えてくれない?」

 

『良いですよ。チュートリアルモードを起動しますか?』

 

「そんなのもあるの!?…じゃあ、それで」

 

そこから、スーツのお姉さんの説明と実践を繰り返して…1時間くらいが経った。

 

「ねぇ、スーツのお姉さん」

 

『なんですか?』

 

「スーツのお姉さんって呼びにくいからなにか名前付けてもいい?」

 

『構いませんよ』

 

少し考えて、パッと思いついた名前を言うことにする。

 

「うーん…じゃあ、カレンとか?」

 

『では、これから私の名前はカレンです。よろしくお願いします、ピーター』

 

「うん、よろしくね」

 

カレンと名付けて気がついたが、原作でもカレンって名前だった気もする。どれだけ好きな作品でも、やっぱり長いこと見てないと記憶から薄れていくんだな…と、感慨に耽っているとスタークさんから連絡が入った。

 

【いつまで遊んでるんだ坊や、そろそろ帰ってこい】

 

「はーい!ねぇ、もうみんな着いちゃった?」

 

【20分くらい前にな】

 

「わあ!ごめんなさい!今すぐ行きます!」

 

ウェブを使ってスタークさんたちの居る方へと飛んでいくと、そこには既にキャプテン・アメリカら、スーパーヒーローが集結していた。…いや、凄い光景だな。

 

「ごめんスタークさん、チュートリアルモードに熱中しちゃって」

 

「君と言うやつは…いや、いい。とりあえず自己紹介をしておけ」

 

「あ、うん。どうも、スパイダーマンって言うんだ。よろしく!あ、キャプテン!ファンです」

 

「おいおい、ファンサを求めるのは後にしろ。さて、話の続きだが──」

 

キャプテンに握手を求めようとしたら、スタークさんは猫を捕まえるように首根っこを掴まれて下がらせられる。酷いや。

 

「これ、僕要らなくない?」

 

『かもしれませんね』

 

「素直な意見をどうもありがとう」

 

スタークさんたちが会話しているのを見ながら、ウェブを使って縄跳びをしたりして暇を潰す。そこから10分近く放置された時、誰かが後ろにたっているのに気がついた。バッ!と後ろを振り向くとそこには黒いヒョウのようなスーツを纏ったヒーロー『ブラックパンサー』が立っていた。

 

「うわっ!?びっくりした!」

 

「キミがあのテロの真犯人の情報を見つけてくれたらしいな」

 

「え?ああ、まあね。細かく言うとあの情報を見つけたのは僕の協力者なんだけどね」

 

「ありがとう。私は間違えた人間を殺すところだった」

 

「どういたしまして!ねぇ、貴方はなんて名前なの?」

 

「ブラックパンサーだ」

 

「パンサー!?すっごいクールな名前だね!!」

 

そんな感じでブラックパンサーと話していると、また誰かが歩いてきた。片腕がメタルのような素材で出来た義手をつけた男性。

 

「なあ、あの…」

 

「貴方ってキャプテンの親友のバッキー・バーンズさんだよね!ずっと聞きたかったんだけどその腕ってどんな素材で出来てるの?メタル?」

 

「…チタン合金だ。なあ、お前が証拠を手に入れてくれたんだよな?」

 

「そうだよ!それがどうしたの?」

 

僕かスタークさんに渡した証拠は幾つかある。まず、テロを起こした真犯人であるヘルムート・ジモの資料、そしてバッキーさんが洗脳されていたことを証明するためのヒドラから奪った洗脳方法などが書かれた本とかその他諸々。なかなか集めるのに苦労したけど、そこら辺は証拠集めのプロであるマットの手を借りたり、ユリに警察内部の情報を貰ったりして何とかした。

 

「いや、礼を言っとこうと思ってな。ありがとう、お前のおかげで無実が証明できそうだ」

 

「どういたしまして!今日は沢山お礼を言われる日かも!」

 

何となく苦労が報われたような気がして、ご機嫌になってきたが、なんだかこれで終わる気がしない。というか、ヘルムート・ジモを捕まえないといけないからまだ終わりじゃないんだけど。

 

「あ、そうだ。僕キャプテンに用事があったんだった。ちょっとごめんね!」

 

「なあ、スパイダーマン!」

 

「ん?なに?」

 

「なんであんたは俺を助けてくれたんだ?」

 

「なんでって…簡単だよ、僕は親愛なる隣人だからね!隣人が助けを求めてたら手を貸すよ!どんな場所にいたってね!」

 

それだけバッキーさんに伝えてキャプテンの元に飛んでいく。そして、一本のUSBメモリを手渡す。

 

「これは?」

 

「それはヒドラから手に入れたデータ。その…勝手にスタークさんに見せていいのか分からなかったから、キャプテンに決めてもらおうと思って…」

 

「僕に見せられないデータだって?」

 

「キャプテン、耳貸して!」

 

こっそりと告げた言葉に目を見開いてこちらを見てくるキャプテン。うっ、顔が良い。

 

「僕としては見せた方がいいとは思うよ!ここならまだ話し合いで済むかも!!」

 

スタークさんはそれを見れば深く傷つくことになるだろうが、それでもこの場なら…言い方は悪いけどスーパーヒーローがいるこの場だからこそスタークさんが誰かを傷つける前に取り押さえられる。喧嘩はあんまり見たくないけど、永遠に秘密にしておけるような小さな問題じゃない。

 

少し離れたところでどうなるかを見ていると、キャプテンがバッキーを呼んで少し話し合い、見せることにしたのかスタークさんにUSBを手渡す。それを見た僕はスタークさんを何時でも取り押さえられるよう、周囲に気取られないように構える。

 

スタークさんがUSBをアイアンマンスーツに差し込むと、仮面の目の部分から映像が投射される。そこに現れた映像は、スタークさんの両親を洗脳されたバッキーさんが殺害する映像。本来はヘルムート・ジモがシベリアで見せ、スタークさんとキャプテンの仲が決定的にさかれる原因となった映像なのだが、他にもこの映像が保管されている場所があるのではないかとほんの少しの可能性に掛けて、ヒドラの拠点を渡り歩いて見つけ出したデータだ。

 

映し出される映像に、アベンジャーズの面々は沈痛そうな顔をしており、先に一度見た僕ですら気分の重くなるような映像が永遠にも感じられるような時間をかけて映像が終了する。スタークさんはどうすればいいのか分からないような顔で拳を力強く握りしめ---その瞬間にスパイダーセンスが発動した。

 

「それはダメだよ!スタークさん!!」

 

なんの躊躇も無くユニビームをバッキーさんに放とうとした瞬間にウェブを貼り付けて引っ張る。突如背後に引き寄せられてユニビームはバッキーさんから逸れて、空港を両断する。…威力がヤバすぎる。

 

「スタークさん、落ち着いて!彼を殺しても何も解決しない!」

 

「落ち着けるか!奴は母の仇だ!」

 

「…キャプテン!バッキーさんを守って!」

 

…僕が持ってきた情報でこんな事態が起こってるんだ。彼を抑えるのは僕がやらなきゃ!

 

「カレン!電気ショックウェブ!」

 

『了解。電気ショックウェブにモードを切り替えます』

 

「ありがと!高速発射は切っといてよね!!」

 

『分かっています』

 

カレンに叫ぶ形でウェブの性質が変える。相手が機械の鎧を纏ってるなら一番効くのはこれだからね!

 

「邪魔をするな、スパイダーマン」

 

「それは無理だよ、スタークさん。貴方にバッキーさんを殺させはしない」

 

怒りに震えた声で話すスタークさんの言葉を首振って否定するとリパルサーレイが飛んでくる。飛んできたリパルサーレイをスパイダーセンスに任せて回避する。というか、スパイダーセンス以外で避けられないレベルで攻撃早い。さっすがアイアンマンって感じ!こんなところで感心したくなかったけど!

 

「くっ、ちょこまかと!」

 

「そ~れ!」

 

電気ショックウェブがアイアンマンスーツに張り付き、電撃が流れるがほんの少し行動が鈍くなる程度であんまり効いてる様子がない。

 

「マジ…?これって結構やばいかも!」

 

「落ち着いて、トニー。貴方唯一の取り柄の合理的な思考はどこへ行ったの?」

 

「…ッ、僕は…」

 

「スタークさん、彼を殺しても気は晴れないよ。僕は、それを良く知ってる」

 

近くにいた黒い服の美人さん-多分、ブラック・ウィドウだと思う-が僕らの間に割って入ったことで少し冷静になったのか僕に向けてたリパルサーを下げる。会話で解決するなら今しかないと思って、話しかける。

 

「キミに何がわかる?」

 

「分かるよ。だって、僕の親代わりの叔父さんは僕の目の前で殺された。それも、僕のせいで」

 

肩を竦めて言うと、僕の事を調べた一環で叔父が死んでいることは知っていたのだろうが、僕のせいということは知らなかったらしい。目を見開いてこちらを見ていた。

 

「僕がこのチカラ…蜘蛛に噛まれてスーパーパワーを手に入れたのはだいたい四年くらい前かな。スーパーパワーを手に入れた僕は浮かれてた、なんたって憧れのヒーローたちみたいな力を手に入れたんだから」

 

「それは…まあ僕でも浮かれるだろうな」

 

「でしょ?でも僕は浮かれてたせいで大きな過ちを犯した。…長くなるから省略するけど、ある強盗をある奴に対する私怨で僕は見逃した。そして---」

 

「---その強盗に貴方のおじさんは殺された?」

 

ブラック・ウィドウさんが横から答えを言ってくれる。頭良いなぁ、さすが凄腕スパイ。

 

「うん、その通り。僕が見逃した強盗は偶然近くにいた僕の叔父さんの車を奪うために叔父さんを拳銃で撃った。そのまま強盗は叔父さんの車を使って逃げたよ。…あの時、僕が強盗を捕らえてればああはならなかった」

 

自虐的に話しながら言うと、スタークさんにも、他のアベンジャーズの面々にも思うところがあったのか少し表情が暗くなるのが見て取れた。

 

「それで?どうなったんだ?」

 

「いい質問!…ごめん、名前教えて貰っていい?」

 

「ファルコンだ。サムでもいい」

 

「じゃあサムさんで。…話を戻すけど、僕はその強盗を簡単に追い詰めた。なんせ、僕にはスーパーパワーがあった。車程度なら直ぐに追いつける」

 

「だろうな」

 

「でしょ?で、追い詰めた強盗は…僕から慌てて逃げようとして逃げ込んだ先の階段で足を踏み外して死んだ」

 

溜息をつきながら言うと暗い顔どころか顔を顰める面々。ごめんよ、暗い話をして。

 

「最初はざまあみろって思ったよ。笑ってやろうとも思った。…でも、そんなこと出来やしなかった。叔父さんの仇をうっても嬉しくもなんとも無かった。だって、叔父さんはきっと僕に復讐なんて求めてなかった」

 

叔父さんが求めてないことを代わりにやっても嬉しくなんてなるはずないでしょ?と言ってウェブシューターを撫でて笑う。

 

With great power comes great responsibility.(大いなる力には大いなる責任が伴う)…叔父さんと叔母さんの言葉。僕は責任を果たさなくちゃいけない。この力を得た責任をね」

 

「それがスパイダーマンだと?」

 

「まあね。叔父さんはきっとそういう事を願ってくれてると思う。…スタークさん、貴方のご両親はなんて思ってるかな。バッキーさんを殺して欲しいって思ってると思う?」

 

「それは…」

 

「もしも、スタークさんがまだ彼を殺したいって言うならそうすればいい。まあ、僕はそれを全力で止めるけど」

 

顔を顰めて考え込むスタークさん。それと、僕にはまだ言っておきたいことがあった。

 

「バッキーさん!」

 

「な、なんだ?」

 

「貴方もスタークさんに言わなきゃいけないことがあるんじゃない?」

 

「言わなきゃいけないこと?」

 

「ふふん、問題!古今東西、小さいことでも大きいことでも関係なく悪い事をした人が初めにするべきことはなんでしょう!」

 

分かる人いる?と聞いてみると、可笑しそうに笑いながら弓を持った男性がおどけるように手を上げる。

 

「はーい、スパイダーマン先生」

 

「はい!そこの弓持ってる人!」

 

「俺はホークアイだ、覚えとけ。…あと、答えは謝罪だろ?」

 

弓持ってる人もとい、ホークアイの言葉にニンマリと笑顔を浮かべると指さす。

 

「正解!50スパイダーポイントあげる!」

 

「なんだそりゃ」

 

「一億ポイント集めると僕の正体教えてあげる」

 

「へぇ、そりゃいいな」

 

くつくつと笑うホークアイとの会話でようやく謝罪という存在に思い至ったのか、バッキーさんもキャプテンもどこか驚いたように顔を見合わせていた。

 

「謝罪か…思いつかなかった」

 

「僕もだ」

 

「えぇ…」

 

いや、最初に思いつくものだと思うんだけど…と困惑して周りを見るが、周りもなんで思いつかなかったんだ…?みたいな顔をしてた。

 

「男の子ってほんっと不器用」

 

「その男の子の括りに入ってるのすっごい不満なんだけどなぁ…」

 

「全くだ」

 

「クリントも不器用枠よ、この子はまだしもね」

 

僕を指さした後、クリント…ホークアイさんを揶揄うように笑うブラック・ウィドウさん。なんて呼べばいいんだろ。

 

「これだけ話しておいてアレなんだけど、貴女の事はなんて呼べばいいの?」

 

「私?私はそうね…ナターシャでもロマノフでもどちらでも」

 

「じゃあナターシャさんだね!」

 

三人で話をしていると、スタークさんとバッキーさん、キャプテンが言い争うような声が聞こえて---一発ずつ殴り合うことで解決したらしい。いや、そんな解決法ある?不器用すぎるでしょ。

 

「俺はあれよりマシだと思うが?」

 

「…あの人たちは不器用ってレベルじゃないけど…え、アベンジャーズって不器用な人たちが集められたりする?…って、そんな訳ないよね」

 

「残念だけど、アベンジャーズの面々は大体不器用よ。その上、変にプライドが高くて、そのくせ底抜けにお人好し」

 

「あははっ!正にヒーローって感じで最高かも」

 

そんなこんなあって、なんとか戦いになることはなく済んだ。いや、僕はリパルサーレイ撃たれたりしたけどそれはほんの些細な問題だ。当たってないからモーマンタイ!…あとはヘルムート・ジモだけだね。いや、僕は多分シベリアに行くことは無いだろうけど。インターンだと学校に言ってはいるが、その期間がもう少しで終わる。

 

アベンジャーズの面々と連絡先を交換していたら、予想通りそろそろ帰る時間だとスタークさんに言われた。キャプテンやバッキーさん、ブラックパンサーさんやナターシャさん、ホークアイさん。あとはあまり話せなかったけどローディさんやヴィジョンとスカーレット・ウィッチ、アントマンとも軽く挨拶をしてジェットに乗ってニューヨークへと戻った。いやぁ、久々のニューヨークだ!パトロールもしないといけないし、学校に行かなきゃダメだしでやることが沢山だ!




長かった…久々の長文で指が痛いです。言うほど長くないけど。

半分近くピーターのおしゃべりってマジ?しかもスカーレット・ウィッチとか話すタイミング無かったし。やっぱ大人数になってくると難しいですね…。

それと、シビルウォー編はこれで終わりです!軽い補足くらいなら次の話で入ると思いますが。

あと、ベン叔父さんの設定はスパイダーマンらしい設定はこんな感じだろうな、とか思いつつ作りました。どの作品でも絶対死ぬ定めを背負ってるベン叔父さん…。生き残る世界線はどこですか?ない?そっかぁ…

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