ガンダムビルドリンカーズ   作:繊月ライラ

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身体は闘争を求める





たかが1歩、されど1歩

 

 

 

ヘルムヴィーゲとカッリスト。

奇しくも同シリーズ作品出典の、元は青い機体同士……マヒロのは黄色いが……が、ガキンガキンと重い金属音を奏でながら、刃と盾をぶつけ合う。

 

 

「硬ッてぇ……壁か、クッションか?無駄に叩いてるみてェだ」

 

 

カッリストのファイター、ロクトは歯噛みしていた。

得意とする、スラスター出力に優れる機体の速力を乗せた重い連撃をアイギスに幾度となくぶつけたが……大した手応えを感じていなかった。

ヘルムヴィーゲ・アイギスのシールドはただでさえ分厚く強固だが、サブアーム接続により角度を付けて攻撃を受け流しやすい。

それに加えてアイギスへの改修に伴いサブアーム自体も見直され、肩と肘関節にあたる部分が頑強に、かつスムーズに可動させる工夫が為されていた。

盾がダメージを立て替え、角度を付けて攻撃自体を捌き、更に肩肘の可動で伝播する衝撃も極限まで受け流す。

例えるなら「クッションに着けられた壁」。

ロクトの評価はそこそこ的を得ていた。

更に言えば盾を外しても、頑丈な鉈状鈍器が刃を通さない。

 

 

「はっやいな……これじゃ捕まえらんない!」

 

 

歯噛みしているのはマヒロもだった。

防御力とタフネスは1級品のアイギスだが、機動性は並の域を出ない上に、やはりというか盾が重い。

速力に優れるカッリストに対しては待ち構えるしか対抗策が無く、更にヒットアンドアウェイを繰り返されている為に痛打を与えられていなかった。

 

 

「ラチが開かねェってんなら、“こじ開ける”までよォ!」

 

「また来るっ!」

 

 

カッリストは再び吶喊をかける。

しかし今回は長い腕の遠心力を活かした叩きつけでは無く、両の刃の先を揃えて一点に突き込む突進。

アイギスは2枚の盾をガチンと鳴らし合わせ、真っ向から受け止める姿勢をとる。

 

捨て身じみた突進は果たして……やはりというか、しっかりと受け止められてしまった。

が、しかし。

 

 

「そうするとォ……」

 

「え?」

 

「思ってたぜェ!!!」

 

「わぁあ!盾が!?」

 

 

この突撃は、一撃で終わらせる為のものではない。

盾で受けられると踏んでの、盾を引き剥がす為の布石。

2つ並んだ盾の間に切っ先を無理やりねじ込み、そのまま腕を開けば盾は引き剥がされる。

刃先は刃こぼれしただろうが、アイギスに致命傷を叩き込める位置に踏み込む事に成功、カッリストは両腕を振り上げる……!

 

 

「これで終ェだァ!!!!!」

 

「なっ、なんとぉー!」

 

 

マヒロは反射で咄嗟に操作。

ヘルムヴィーゲが両手に持つ武器……その名もワンブレードメイスを、刃を向かい合わせに円形の鍔を重ね合わせる。

中のネオジム磁石が反応し、ガチンと組み合わさる。

それを大きく開いて(・・・・・・)振り下ろされる刃に向ける……!

 

耳障りな擦れる金属音を立て、カッリストの必殺の一撃は“ハサミ”によって受け止められた。

 

 

「なっ、にィイ!?」

 

「へ、へっへへ!こ、これが奥の手“シザースメイス”よ!」

 

 

マヒロの制作した、ヘルムヴィーゲ・アイギス用の新武装、ワンブレードメイスにその合体形態シザースメイス。

攻めよりも守りに秀でたファイトスタイルに合わせた武装で、取り回し良く打ち合いに特化した長鉈状のワンブレードメイスと、それを2つ合わせる事で打撃力を高めつつ、ハサミ機能によるカウンターを狙うシザースメイス……2形態を状況に応じて使い分けるというコンセプトだ。

 

 

「ぐ、ぬゥ……まだまだ……ッ!」

 

 

カッリストのファイター、ロクトはまだ諦めない。

腕を挟まれたまま頭突きをかます体制に入る、が。

 

 

「おりゃぁっ!!」

 

「ぐォ!?」

 

 

ごしゃり。

頭突きを完遂する前の顔に、アイギスの右の盾……その先端の尖った部分が叩き込まれる。

装甲ごとセンサーを押し潰し、首にもダメージを与える。

 

 

「おりゃぁーっ!!!!」

 

「んなァッ!?!?」

 

 

めしゃり。

今度はアイギスの左の盾。

打撃がカッリストの右二の腕辺りに突き刺さり、ひしゃげる。

 

ここで完全に倒すと、マヒロの中でスイッチが入った。

 

 

「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃあ!!!!」

 

 

ハサミで挟んだ腕を離さないまま、盾による嵐の様な乱打。

その全てがカッリストの細身に叩き付けられる。

そのダメージ状況は……推して知るべし。

 

 

「ぅおーりゃあーっ!!!」

 

「ドベェーッッ!!?!?」

 

 

トドメと言わんばかりの、右盾のアッパーカット。

ハサミで挟んだ部分から先がちぎれ、カッリスト……には見えなくなった鉄塊が吹き飛び、デブリに激突した後、爆散した。

 

機体爆発を確認して1拍置いて……マヒロは、ガッツポーズ。

 

 

「ふぅー、ふぅーっ……よ、よぉし!」

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

時は少し戻り、ユイの視点。

 

 

1対1(タイマン)だなぁ!」

 

「そうみたい……ね!」

 

 

Ez-8はジムライフルとビームマシンガンをかなぐり捨て、両肩に懸架していたショートビームライフル2丁に持ち替え、距離を詰めるべく突撃を開始する。

 

そのEz-8に向け、ユイはグローリィジャスティスの大型ビーム砲、マーナガルムを撃ち放つ。

 

 

「当たるかよ!」

 

「当てるつもりじゃないもの!」

 

 

SEED系高出力ビーム特有のサンドイッチ色の光軸が2つ、Ez-8を掠める。

バレルロールで回避しながらもスロットルを緩めず、Ez-8は更に距離を詰める。

しかし。

 

 

「本命は……こっちよ!」

 

 

今度は、両手に持つビームライフルの緑の光線が奔る。

それは寸分違わず、Ez-8の左脚に直撃する。

ユイがバトルでよく使用する常套手段、高出力ビームで回避を強制してからの回避先をライフルで狙撃するコンボ。

脚を狙うのは、地上では歩行に、宇宙でもAMBACに必要な重要部位であり、かつ守られにくい部分であるからである。

脚を失えば、運動性の低下は免れない……しかし。

 

 

「!? ビームが弾かれた?」

 

「そうするのは知ってんだよな!」

 

 

改造Ez-8の左膝には、元キットのショートシールドが取り付けられていた。

それに施された耐ビームコーティングがビームを弾いたのだ。

コーティングは焼け、二射目は耐えられそうにないがそれと引替えに、Ez-8はグローリィジャスティスに肉薄成功……!

 

 

「オラァ!」

 

「ちぃいっ!」

 

 

Ez-8が2丁のショートビームライフルを発射。

肉薄距離ではAIMなど関係ない。

ユイは各部スラスターやAMBACを駆使し、最小限の動作でビームを避ける。

その隙にEz-8は更に距離を詰め、ジャスティスと額をぶつけ合う。

 

 

「この距離なら、ってな!」

 

「なるほど、それなりに出来るようになったわね!」

 

「怖気付いたかよ、あ゛ぁ!?」

 

「いいえ……新武装(・・・)のお披露目に、過不足無いなと思っただけよ!」

 

「ハッ、減らず口を……!?」

 

 

トドメを刺さんとショートビームライフルを突きつけるEz-8。

トリガーを引く寸前……出撃時にはあったグローリィジャスティスの尾羽が、無くなっている事に気がついた。

 

尾羽は、何処に?

一瞬、思考してしまう……それが、致命的な隙となった。

 

次の瞬間、四方八方(・・・・)から緑の光条が飛ぶ。

それはEz-8の右側頭部を、左肩関節を、右のショートライフルを、左脚の盾基部を、右膝関節を、宇宙用バックパックを……六ヶ所を、同時に貫いた。

 

 

「な……!?ぐあ!」

 

 

Ez-8のファイター、ジョウジが呆気に取られた瞬間、グローリィジャスティスの膝蹴りが突き刺さる。

貫かれた部位が火を吹き、また切り離され、爆散。

一瞬にして、優劣は逆転した。

 

 

「ファン、ネル……!?」

 

「その目は節穴かしら?……これは“ドラグーン”よ!」

 

 

ユイが用意したグローリィジャスティスの新規武装。

レンズ状のパーツの目立つパネル型の、6機の専用ドラグーンだ。

寸分違わぬ操作により、ハマーンが百式を墜とした時の様に密着したEz-8だけを的確に撃ち抜いたのだ。

 

 

「ちぃいっくしょおあああ!」

 

 

赤く染まる視界に、がなりたてるアラート。

それに構わず、左脹脛からサーベルを右手で引き抜き、残った地上用スラスターを全開にして再度突撃を敢行する。

最早ヤケではあるが、これ以上の手も無かった。

 

 

「……甘いわね!」

 

「ぐっ!?」

 

 

近寄ってくるEz-8に対し、ユイは敢えて接近……否、サーベルを避けながら突撃をし返し、肩口からEz-8の胸に激突。

タックルだ。

衝撃により、Ez-8の勢いは完全に止まる。

そして、体勢が崩れた所にグローリィジャスティスはすかさず……背負った二門の大砲、マーナガルムの砲口を押し付ける。

 

 

「借りは、キッチリ返したわよ!」

 

「クソっ、クソォ!一度勝った奴なのに───────」

 

 

そのまま、サンドイッチ色の光条がEz-8を穿った。

これ以上なく綺麗に決まったカウンターであった。

 

敵機を墜としながらも、ユイは呆けたりはせずにすぐさま状況を確認する。

 

 

「すぐに援護に向かわないと、ね。マヒロの方は……」

 

 

マヒロが押されて行った方向を見やれば、丁度花火が上がった所であった。

見間違うはずが無い、大盾を2枚担いだシルエットを確認。

 

 

「ならば……アオイの方ね!」

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

最後に残ったアオイはと言うと。

 

 

「ヒィッ……くそっ、当たれ!当たれよ!」

 

 

ジェスタがライフルと二門のキャノンを連射する。

敵機を墜とせる威力の無い低出力、とにかく回転を重視。

出来うる限りの弾幕を張るがしかし……

 

 

「くそ、またか……くっ!?」

 

 

当たらない。

相対するガンダムには掠りもしない。

偏差撃ちも、牽制からの射撃コンボも試したが当たらない。

それどころか、敵機はビーム弾幕に晒されながらも的確に撃ち返しつつ、じりじりと距離を詰めてきている。

撃ち返されたのも今の被弾で4射目、耐ビームコーティングが無ければ即死だった。

ジェスタのファイター、モリヤは……ファイターとしての格の違いと練度の差をまざまざと見せつけられている気分だった。

プライドが自覚させないが、その腕前をファイターの本能が恐れていた。

 

 

「……使いたくなかったが、奥の手だ!」

 

「!」

 

 

ジェスタの両肩に追加されたボックス状のユニット、その正面が観音開きになる。

姿を顕したのは、多数の赤いミサイル弾頭。

それを一斉射、放射状にばらまかれた誘導弾がガンダムスターライトに殺到する。

 

 

「ならば!」

 

 

アオイがカチカチと両のレバースイッチを鳴らせば、スターライトはドッズライフルをパージし、右サイドスカートからサーベルを抜刀、更に……

 

 

「!?……シールドから、サーベルが!?」

 

 

スターライトの新装備のシールド……それは、フルグランサ用シールドライフルをベースに大型化したものであった。

元の機能もそのまま残されている故、サーベル兼用ドッズライフルも内蔵されていた。

変則二刀流のスターライトは、両のサーベルを外に向けて本体を軸にきりもみ1回転……すると、殺到したミサイルは全て綺麗に叩き落とされ、本懐を遂げずに炸裂した。

 

 

「ひ、くっ……じ、ジョウジ!聞こえるか!コイツは手に負えない、援護を───────」

 

 

最早形振り構っていられない。

そう思い立ったが吉と、比較的距離の近いはずのEz-8に繋ぎを取ろうと試みるが……

そうして、画面に映る最低限のデータリンクに気づき、絶望した。

 

……僚機は2機とも、被撃墜済であった。

 

 

(い、1対3!?じょ、冗談じゃないぞ!)

 

 

悲鳴が口から出なかったのは、矜恃がそうさせたか。

だがその分思考はそちらに持っていかれる。

それが……

 

 

「捉えました!」

 

「な、しま……」

 

 

致命的な隙となった。

格上がサーベルの届く距離に……殆ど詰みである。

スターライトが、ジェスタから向かって左に二刀を振りかぶる。

ジェスタも咄嗟に左腕のボックスサーベルを発振、迎え討つ……

 

が、アオイが選択したのは右脚での回し蹴り。

右に二刀を振りかぶったのは、フェイントを兼ねてシールドで下半身を隠す為。

予測しづらい蹴りが突き刺さる……!

 

 

「お、おぉお!?」

 

「っ!?」

 

 

が、ヒットしたのは狙った胴ではなかった。

咄嗟にジェスタが突き出した左肘でブロックされる形となる。

肘関節が悲鳴をあげるが、体制を崩される事はなかった。

 

 

「そらぁ!」

 

「くっ……」

 

 

モリヤはこれまた反射で、右手で腰後の予備通常サーベルを引き抜き振るう。

アオイは右のサーベルで受けざるを得ず、鍔迫り合い……ジェスタが、じりじりと押し始める。

 

 

(……!こっちの方が、トルクは上か!)

 

 

それもそのはず、スターライトは18mの通常サイズかつ、機動性を重視しなるべく軽く作られている。

対してジェスタは19.3m、標準サイズ機体よりがっしりしており、更に武装の多数追加に伴い各関節が強化されている。

考えてみれば、当然の事であった。

 

 

「ふ、はは……なら君だけでも、墜としきる!」

 

 

鍔迫り合いでスターライトは迂闊に動けない。

そこに軋む左肘を無視して、モリヤはボックスサーベルを全力で突き込む!

乾坤一擲の一撃は……!

 

 

空を斬り裂いた。

 

 

「!?」

 

 

突き込んでくると判断したアオイの行った事は簡単な事。

そのタイミングに合わせ、スターライトを思い切り仰け反らせたのだ。

海老反りめいた体勢のスターライトの視界には、思い切り突き込んだ為に無防備に晒されたジェスタの左脇腹が映る……!

 

 

「イヤーっ!」

 

「グワーッ!?」

 

 

スターライトは素早く右膝を抱え込み、がら空きの脇腹に真っ直ぐ蹴り込み。

クリーンヒットで今度こそジェスタは体幹を揺らされ、致命的な隙を晒す!

 

 

「はあぁぁぁああっ!」

 

 

吹き飛んだジェスタをスターライトが猛追!

そのまま……両のサーベルを振り、十字に切り裂き駆け抜ける。

 

 

「そ、そんな……ジョウジの用意した新機体だぞ!これで、負ける訳が───────」

 

 

最期の言葉も満足に遺せず、ジェスタはしめやかに爆発四散。

 

 

《Battle ended. WINNER……“BUILD LINKERS”!!》

 

「あ、あれ……終わった?」

 

「駆けつけるまでもなかったわね、これは」

 

 

勝敗は決した……ビルドリンカーズの、完勝であった。

 

 

 

……

 

 

 

「畜生!覚えてやがれよ誤射野郎この野郎!」

 

「その盾、今度はぶち割ってやらぁ!」

 

「ちょ、挑発するな!?奴らはヤバい!帰るぞ!」

 

 

ARが解除された途端、M2Rの3人は返却されたガンプラを回収し、捨て台詞を吐きながらそそくさと立ち去って行った。

 

 

「張り合いないわねぇ」

 

「あ、はは……うちは割とギリギリだったと思うんすけど」

 

「でも勝ったではないですか。過程も大事ですが、結果も同じくらい大事、です」

 

 

ほっと一息つくビルドリンカーズの3人。

ガンプラを回収した後、アオイは両手の平を先輩方に向ける。

それを見て憔悴していたマヒロはぱぁっと表情を綻ばせ、ユイは一瞬キョトンとした後、やれやれと言う様子で手を開く。

 

そして、ドームの中心でパチン、とハイタッチが鳴らされた。

 

 

「先ずは一勝、ですね」

 

「予選の第1回戦、まだまだ小さい1歩よ」

 

「でもでも!うちらの覇道の大きな1歩でもある!ですよな!」

 

 

3人はにこりと、笑い合った。

 

 

 

……

 

 

 

観客席。

キリタニは誇らしげを胸を張っていた。

 

 

「な、言っただろう」

 

「フ、優勝を狙うと豪語するならば、これくらいはやってもらわねばな……どうだいアリア、彼女らはやって見せたぞ」

 

 

そう、マークが隣のアリアに語りかけると……

 

 

「うわあぁああ〜〜!勝ったわよ〜!」

 

「よ゛がっ゛だぁぁぁああっ!」

 

「うん、うん……」

 

「うえ゛ぇぇええマヒロっちぃ〜!」

 

 

4人は抱き合って泣いていた。

 

 

「おいおい、まだ1回戦だろうに」

 

「これは、先が思いやられる応援団だな……」

 

 

 

……

 

 

 

「へぇ……やるじゃん」

 

「これは一層気を引き締めないと、っスね」

 

「ムツキ、そうじゃないだろう」

 

 

控え室で準備を終え、1回戦を観戦していたトライエースの3人。

全員のその目には……これ以上無い闘志が宿っていた。

 

 

「“かち合うのが楽しみ”、だろう?」

 

「……だな」

 

「ふふ……そうっスね!」

 

 

 

……

 

 

 

「わぁ……」

 

「すっごかったね!流石、ダーリンの因縁の相手って所かな?」

 

「……ふん」

 

 

また別の控え室。

こちらに待機しているファイター達も、また闘志を燃やしている。

 

 

「……だが、今度は俺が勝つ」

 

「それでこそ私のダーリン♡」

 

「うん、わたしたちも負けてらんないね!」

 

 

さて、と席を立つ3人。

男は当然学生だが、スーツで身を包んでおり……残りの2人の少女たちは、まるでアイドルの様な煌びやかな衣装を身に着けていた。

 

 

「わたしたちも、全力全開で行くよっ☆」

 

 

 

……

 

 

 

観客席でも控え室でもない連絡通路。

そこは入場に出遅れた観客や、まだ出番が先のファイターたちの溜まり場となっていた。

 

 

「くっ、ハハハハハハ!面白ぇ、強ぇー女も居るもんだ!」

 

「フッ……張り合いがありそうだな」

 

「……でも、ガロウさんの方が強いもん

 

 

モニター前のソファに陣取るチームがひとつあった。

何故か上半身サラシ姿の筋骨隆々な男に、その正反対の華奢で女性にも見える美しい顔立ちの男。

それとあまり釣り合いがある様には見えない、癖毛ロングの根暗そうな身長の低い女子の3人組。

 

その周りを、何人かの取り巻きが囲っていた。

ソファを陣取り(1人除いて)堂々とした3人組に対して、取り巻き達は浮き足立った様子だ。

 

 

「おぉい、どうしたんだテメェら?みっともねぇぞ」

 

「あ、兄貴……奴だ……」

 

「何?」

 

「“ガンダムベースで俺たちをコテンパンしてくれやがった奴”!あの目、あの顔、あのアホ毛……間違いない!」

 

「何だと……!?」

 

 

浮き足立っていた彼らはどうやら、“アオイの事を知っている”様だった。

 

 

「……ヘェ、いつかは借りを返してやらねぇと、とは思っていたが……こうして向こうから来るとはな!」

 

 

リーダーらしい筋骨隆々の男は、犬歯を剥き出しにして嗤った。

 

 

 





《次回予告》

表に晒したこの顔がァ、たった一つの金看板。

その意地背負って戦う俺に、どの面下げて喧嘩売るゥ!?

俺の子分どもを可愛がってくれた礼はァ、兄貴の俺がキッチリ返さなきゃなァ!

次回、ガンダムビルドリンカーズ

《信じた、道を征け》

盾が2つたァ生意気な!!



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