マチカネゼイキンドロボーじゃない、マチカネシャカイホケンだ 作:刻の風
親に見放されたニートが就職を目指して臨む、東京芝1000トレセン学園就活ダービー見事1着を取り就職を手にするのは誰だ
三番人気はこの子、三枠五番「ニカイノヌシ」
二番人気を紹介しましょう、この評価は少し不満か一枠一番「マエガミステルス」
一番人気はこの子、ここまで職歴0、ジュニア王者四枠八番「チルドルーム」期待に応え、見事就職を勝ち取ることはできるのか
各ニート、ゲートに入り出走の準備が整いました
…
……
スタート!
各ニート、一斉にスタートしました
先頭争いは一番マエガミステルスと三番サイレンスソンザイカン
良いライバル関係になりそうですね
続きました九番スペシャルダンボール
この位置にいました一番人気チルドルーム、見事期待に応えることは出来るのか
ここまでで先頭集団を形成しています
各ニート第三コーナーを抜け直線コースへ
先頭から後方まで間延びした展開となりました
最後尾ぽつんと一人十番マチカネシャカイホケン
ここで順位を振り返っていきます
先頭は一番マエガミステルス、二身離れて七番オヤナカセ、続きまして六番フシンシャズラここにいました一番人気八番チルドルーム、一身離れて三番サイレンスソンザイカン、さらに一身差九番スペシャルダンボール四番コドオジテイオー五番ニカイノヌシ、六番ウゴケルデブ、十番マチカネシャカイホケン
さぁ第四コーナーを抜け最終直線
先頭はマエガミステルス!チルドルーム上がってくる
残り400
先頭マエガミステルス、並んできたチルドルーム、後方からマチカネシャカイホケン脅威的な末脚!
残り200
抜け出したチルドルーム、マチカネシャカイホケン並んだ並んだ!三番争いはマエガミステルス!ウゴケルデブ!
チルドルーム、マチカネシャカイホケン二人もつれるようにしてゴール!
…
……
一着はマチカネシャカイホケン!トレセン学園就活ダービーを制し、見事トレセン学園への就職を決めました
二番チルドルーム
三番ウゴケルデブ
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「たかし…頑張ったね、お母さん見てたよ」
就活ダービーを終えた俺を迎えてくれたのは母親だった
数年ぶりに「マヨネーズ取って」「トイレットペーパー切れた」
以外の会話をしたが意外にすんなりと会話できた
「あんたがたとえどんな不純な理由でトレーナー免許取ってたとしても、お母さん嬉しいよ、こうやってトレセン学園に就職できて」
「おふくろ…たかしって呼ぶのやめろよ」
「あぁ…そうだったね」
そういうと母親は一息つき、「しょうがないなぁ」っといった表情でこう言った
「シャイニングneet」
そういうと母親は俺に背を向けて何処かへと歩いて行ってしまった
俺は感極まり胸に込み上げてくるものを包み隠せずにこう呟いた
「誰だよ」
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「紹介ッ!先日行われた就活ダービーで一着をもぎ取った新戸敬トレーナーだッ!」
それから1週間後、俺はトレセン学園の生徒たちの前で新人トレーナーとして紹介された
「では新戸トレーナー、お言葉を頼むッ!」
俺はニートだった、だがその前はトレーナーを志していた
おい待てそこ何ニヤニヤしてんだ
当然熱い思いを持っていたしトップを志していた
聞こえてんぞ何がマチカネゼイキンドロボーだ
時間はかかってしまったがようやくスタートにたてる、その思いを口に出す
「ボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソ」
ふぅ…熱い思いを届けられただろうか
おいなんだそこのウマ娘笑ってんじゃねぇ人がお気持ち表明したのに感じ悪いやつだ
「え、あ、はい、新戸トレーの挨拶でした、皆さん大きな拍手を」
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紹介も終わり放課後、俺はグラウンドに来ている
当然、ウマ娘をスカウトする為だ
グラウンドには沢山のウマ娘がいてトレーニングに勤しんでいる
(そりゃ当然か、自分の人生に直結するんだからな)
沢山のウマ娘の中、長身の長い白髪が特徴的なたウマ娘がこっちに気付いた様子でソワソワしている
(なんだ?トレーナーって気付いてスカウト待ちか?)
しばらくそのウマ娘はこっちを見たままソワソワしていたが、不意に口を開いた
「あ!マチカネゼイキンドロボー!!」
時間が止まった気がした
お前だったのかあれ言ってたの
彼女の言葉を聞いた周囲のウマ娘たちは
「ッ…!ッ…!!」
と震え始め遂には
「あっはっはっはっはははははははははっははははっは」
爆笑された
「おいちょっと待てや八尺様」
「どうしたッマチカネゼイキンドロボー…ッ」
「ちょっと笑ってんじゃねぇか」
「いやー、我ながら良いネーミングセンスだと感服しちまってよ…あ、もしかしてゼイキンドロボー、スカウトに来てたのか?」
「そうだよ、てか俺はゼイキンドロボーじゃない、今月から納税者だ、呼ぶにしてもマチカネシャカイホケンか新戸トレーナーとよんでくれ」
「わかったよニートトレーナー」
「ニートじゃない新戸」
「おう!ニートトレーナー!私の名前はゴールドシップってんだ」
「そうか…なぁ、君知り合いでまだトレーナーが居ない子しらない?」
「いるぜ?なんなら紹介してやろうか??
「本当か!?ありがとう!!」
いやー、最初はとんでもない名前クラッシャーだと思ってたが意外に良いやつでh
「じゃあうまぴょい見せろよ」
良いやつではなかった
「う、うまぴょい?」
「おう!うまぴょい」
「いや、流石に…ね?」
「あ、嫌なら良いんだよゴルシちゃんはトレーニングに戻るし」
「すみませんでした是非うまぴょいを踊らせてください」
「じゃあ歌うところからやれよゴルシちゃんは見てるから」
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ゴールドシップにうまぴょいを踊らされてから1日後、俺はゴールドシップと共にトレセン学園の教室の前に来ていた
「ここか?」
「おう!今呼ぶからちょっと待ってろ!」
そう言うとゴールドシップは教室に入って行き、一人のウマ娘を呼びに行った
「お待たせ〜」
ゴールドシップが出てくる、その後に続いたウマ娘が紹介してくれるウマ娘なのだろうか
「え、と…新戸トレーナー?私になんの御用ですの?」
「お、覚えててくれたか」
「えぇ、あれだけ個性的なスピーチをする方はそう簡単に忘れませんわ」
「俺のスピーチはそんなに印象に残ったか?」
「それはもう、で?私に何の御用ですの?」
「悪い悪い…単刀直入に言おう、俺はお前をスカウトしたい」
「……本気ですの?」
「あぁ、本気だ」
「…まぁ、私も贅沢は言ってられませんわね、書類は持ってらして?」
「あぁ、ここにある、俺の名前は書いてあるから後は君の名前を書いてハンコを押してほしい」
俺がそう言うと彼女は俺の手から担当ウマ娘の承諾書を取り、名前を書き始めた
メジロマックイーン と
メジロ、俺でも知っている名家だ
「君…メジロのお嬢さんだったのか!?」
「えぇ?まさか知りませんでしたの?」
「あ、あぁ…初耳だ」
「…白紙に戻します?」
「え?」
「なぜこの私、メジロマックイーンが今までトレーナーが居なかったか、お分かりになります?」
「いや…すまん」
「大丈夫ですわ…その理由は単純、メジロ家ですわ」
「メジロ家が原因?」
「はい…メジロ家の後ろ盾がある以上、下手なトレーニングで体調を崩したり故障させてしまったり…結果を残せなかったりしたら恐ろしくてなりませんもの、誰も担当したがりませんでしたわ」
「なるほど、名家のネームバリューが逆に足枷になってんのか」
「はい…貴方もメジロの名前を聞いて遠慮したくなりましたでしょう?」
「いや全く」
「え?貴方話を聞いていましたの?」
「聞いてたぞ」
「ならなんで…」
「可能性の塊を下手な育て方で潰すなんて最悪の手、俺は絶対にしない自信がある」
「どうして…どうしてそういえますの?」
「俺は数年間引きこもってニートをしていた…でもその時俺は遊び呆けていたわけじゃない」
「え?」
「あらゆる教本を読み、情報を取り入れ、育成に向け準備してきたからだ」
「!」
「さぁメジロマックイーン、俺と一緒にメジロの悲願を果たさないか?」
「!…むしろこのメジロマックイーンからお願いしたいですわ…是非、お願い致しますわ!!」
こうして俺ははじめての担当ウマ娘と出会った