続くかも…?
『事実は小説よりも奇なり。』という言葉がある。
現実の世界で実際に起こる出来事は、空想によって書かれた小説よりもかえって不思議だ…という意味のことわざだ。
僕は唐突に交通事故で亡くなり、転生者となってこの世界に転生した…。まるでどこかの二次創作みたいにね。
まさしく、小説よりとても奇妙だ。別に誰かを庇ったわけでもなく、前世では普通の大学を出て、サラリーマンをしていただけで、徳を積んだわけでもない僕が転生者になるなんてね。正直、喜びより驚愕が勝った。
転生した時の状況は…神様みたいな機械に出会って、僕のイメージの中の最強を特典として与えてもらった。でもアニメのキャラの容姿とか能力とかではないよ。もっと身近にあるものさ。
そう。それは自動販売機だ
さて、何故僕がこれを最強と思ったのか。
それは僕の高校生活の時まで遡る。
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突如脳内に溢れ出した…存在する記憶。
「自動販売機っていうのは、どうやって中のジュースとかを冷たくしたり、あったかくしてると思う?」
時間はお昼を過ぎたあたりで5限目が始まり、昼休みに食べた弁当のせいで徐々にうたた寝をしている生徒が多くなっている頃である。
その授業は、自動販売機の内部構造の話であった。
当時、工業高校に通っていたのでこう言った授業は多かった。
本来であれば、内部構造といえば『100円を入れたら────』みたいな話なのだが、この教師は所謂『余談好き』な教師だったのだ。
「余談なんで簡単に聞いてもらって構わない。まず各部屋──まぁ飲み物を入れるところを真空断熱材で囲う。」
(
「んで、部屋に入っている飲み物によって温度調整を行う。」
(
「最後に、ヒートポンプっていうもんで冷やす時に出た熱を再利用する。」
(
「以上だ。まぁ、とあるゲーム内では隕石落下にすら耐えれる強度を持っていることもある。それとさっき言った事はノートには書かなくても点数は引かないから安心してくれ。」
(
うたた寝して聞いていた僕は断片だけを聞いており、その時こう思ったのだ。
(実は自動販売機って最強じゃね…?)
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記憶の中での僕は正直アホじゃないかと、今では思う。でも、冷気と熱気を操れるってことはすなわち、『メドローア』撃てるんじゃね?と今でも思うのは内緒だ。
そして、この記憶を元に神様みたいな機械が作った能力は『自身の周り、又は指定した場所を中心に硬度を自由に変更できる領域を作成し、その内部の温度を操れる。領域を消滅させた時、その内部の温度をストックすることができる。』と言ったものだった。
…強くね?
いやだって、用はアレだろ?五条悟の無下限みたいに攻撃を受けないようにできるし、夏でも冬でも快適に過ごせて、なおかつ攻撃に転用できるんだろ?最強じゃん。最強だったわ。
とまぁこんな感じの特典を貰って、今世に生を受けてから十六年少し経ったぐらい。
両親が殺害され、僕も死にかけた。
仲は良かった…と思うね。喧嘩はしたけど仲は本当に良かった。
正直、今でも悔やんでるよ。僕には特典があったのに助けれなかった。
さらに悔しかったのは、死にかけたことで能力がより強化されたことだった。そのことが本当に、悔しくて悔しくて…自分の無力を呪って呪って呪いまくった。その後は金を稼ぐために、裏の稼業を行ったりしてた。犯罪を犯した人間を秘密裏に処理したり…
それから少し経って現在、僕は立派に教師をしている。
言い忘れていたけど、僕の名前は『
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朝六時、教師としての反駁の朝は早い。
「…クゥ〜〜…あぁぁぁ……」
最近の彼の癖になりつつある伸びをしてから目を擦り、ベットから降りる。
自分に掛けてある領域を解き、顔をしっかり洗った後、自分と
これでも彼は一人暮らしが長いので料理ができる方であり、特に最近は一人増えたせいか、より美味しく作ろうと努力しているため、義妹にも評判である。
(やっぱりこの季節は夜も蒸し暑いから、領域はしっかり朝までセットしておこ。)
とか料理中に考えることではないようなことを考えていると、2階から義妹が目を擦りながら降りてくる。
「…お兄ちゃんおはよー。」
「うん。おはよう。今日の弁当何がいい?リクあるんだったら聞くよ?」
「…ん〜今日は唐揚げの気分かな?」
「じゃあ唐揚げ入れとくから。あとそこに朝食あるから顔洗った後食べな。」
「はいはい。」
彼女の名前は『中村恵里』。とある事情から反駁の能力の事を知り、彼とともに暮らしている少女である。
詳細は省くが、彼女は彼によって救われたことにより、その能力を知り、自分も彼に負担をかけまいと生活面で努力している。もっとも戦闘面でも彼には劣るが自分を守れるほどには成長していた。
無論、反駁の能力だけでなく事情も知っている。彼が人殺しであることも。
それを含めて彼女は彼を受け入れて、今に至る。
「そういえば、恵里はそろそろ*1『黒閃』出せるようになった?」
「…まだだね。なかなか難しい。」
「ま、焦る必要はないでしょ。最近は呪霊も出てこないし。」
『呪霊』とは、彼らが日夜祓っている主な敵であり、「呪い」とも呼ばれる。 恨みや後悔、恥辱など、人間の身体から流れた負の感情が具現し意思をもった異形の存在。 呪いであるため一部を除きコミュニケーションは不可能で、総じて人間を容赦なく殺しに来る者たちだ。
基本、この呪霊と呼称される者たちは漫画『呪術廻戦』に登場する主要な敵であり、本来ならこの世界にはいないはずの存在であるが…これは神様のような機械がこの世界に埋め込んだ設定である。
『五条悟のような能力』という彼のイメージを感じた機械は、文字通り彼の特典を『呪力』で使えるように改造した。その改造に合わせて世界に呪力、呪霊などと言った呪術廻戦の設定を埋め込んだのだ。
ただ、呪霊は存在するが、とても強い呪力を持った呪霊『特級呪霊』はそもそも存在しない。その訳は、『この世界の人間の放つ呪力があまり強くない』からである。恵里のような『呪いに満ち溢れた人間』は例外中の例外であり、それは彼女自身の事情が関係しているのだが…詳細は省こう。
「…僕も早くお兄ちゃんの領域に立ちたいよ。」
「まだ君は子供。大人に甘えてればいいんだよ。」
そう言って彼は恵里を励ます。もっとも、黒閃さえ出せれば即*2『領域展開』を習得できるほどの実力なので心配は無用である。
そんなことを言っている合間に、彼は弁当を作り終え、学校へ行く支度をし、早々に家を出て行く。
「…これでよし。じゃあ僕、職員会議あるから弁当ここ置いとくよ〜。」
「は〜い。」
こうして今日も、反駁の教師としての一日が始まるのであった。
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今日は月曜日、学生なら誰もが憂鬱になる週の始まり。無論その例に漏れず、この男『南雲ハジメ』も憂鬱な気分で学校へ登校する。
(昨日は夜遅くまで
そんなことを思いつつ校門を通り、いつもののように少し遅れて学校に入る。
遅れ気味なこともあり、廊下を少し早足で歩いていると教室の前に誰かが立っているのが見えた。
その人物は黒スーツにサングラスをかけた教師『反駁凍爾』だった。
「やあ、ハジメ。今日は少し遅いじゃないか。」
どこか軽い調子でハジメに挨拶するこの男こそ、ハジメのクラスの担任であり、共通の趣味を持つ友人だ。
「いや、昨日先生たちとゲームしてたからでしょ。」
自分が遅れそうになった原因の一端である彼に怪訝な表情をして責める。何を隠そうこの男、昨日のゲームを夜遅くまで引き伸ばした癖に、一切、悪びれもしていないのだ。何という男だ。この男に罪悪感という物は存在していないのか?とハジメは心の中でそう思った。
「いやでも、龍太郎と幸利はちゃんと来てるし。」
「うぐっ…。」
「…もしかして続けてたのか〜?」
ハジメもそこを突かれるとぐうの音も出ない。実はそのゲームの後、ベットの中でも密かにゲームを続けていたのだ。
故にハジメはゲームをしていたメンバーがちゃんと来ていることを言われると、どこか言いようのない罪悪感に苛まれる。
「ま、いいや。ちゃんと来てるし。問題ないっしょ!!」
「…先生ってよく適当って言われません?」
「言われません!!」
「嘘でしょ。」
「うん嘘。」
そんなやりとりをしつつ、二人は教室に入る。すると、教室の一部の男子生徒たちがハジメを貶そうとし、舌打ちをしてやめた。そして、どこかハジメたちと目を合わせないようにしている。
その訳は、ハジメ…ではなく隣の反駁だ。彼は売られた喧嘩は買って相手を確実に負かす。それが知られたのはとある授業の時、檜山と呼ばれる生徒が理不尽な理由で反駁の授業にケチをつけた。その結果檜山は自身の初恋をばらされた挙句、その初恋の生徒に一切相手にされなくなってしまった…という事件があったからだ。
それからというもの、一部の男子生徒は一切反駁に関わろうとしなくなった。いつ、自分の弱みを反駁にばらされるのが怖かったからだ。反駁自体は一切、悪びれもしないのがよりタチが悪かった。
だが、ハジメにとってはいつも自分に絡んでくる檜山たちが大人しくなったので内心ざまぁと思っていたのであった。
閑話休題。
ハジメは反駁を連れて堂々と自分の席に座る。すると、ハジメの席に向かってくる生徒が二人いた。
「ようハジメ。今日は遅かったじゃあないか。」
「フッ。
「やあ龍太郎と幸利。」
「おはよう。じゃあ僕はそろそろ職員室に戻ろうかな。じゃあね〜。」
「お疲れ様で〜す。」
そう言って反駁は職員室に戻って行った。
彼らは『坂上龍太郎』と『清水幸利』。何を隠そう二人も含めてここに集まっているのは所謂、オタクと呼ばれる人種だ。
龍太郎はドルヲタ、幸利はアニオタ、ハジメはゲームオタとそれぞれベクトルが違うが、友人同士、互いに尊重しあっている。
ついでに最近は龍太郎の推しである『高野ちゃん』と呼ばれるアイドルの握手会に幸利とハジメは
「フッフッフ…
「んだよ龍太郎。気持ち悪りぃ笑い方しやがって。」
「いや待って幸利。もしかして龍太郎…。」
「そう、実は…高野ちゃんの*3個握のチケット三人分!!手に入れたのだッッッ!!」
「「なんだって〜ェェェェェェェェ!?って知ってた。」」
「何ぃ!?」
「いや、龍太郎がテンション上がってんのはいつも高野ちゃん関連だろ。」
「僕らも毎回付き合ってるからね。」
ハジメたちが普段のように話していると、反駁がいるまで大人しかった檜山たち小悪党グループがハジメに絡んでくる。
そう彼らこそ、反駁と関わりを持とうとしない男子達だ。
「チッ…よお、キモオタ。また徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてたんだろ〜?」
「うわっ、キモ〜!!エロゲで徹夜とかマジキモいじゃん!!」
また来た…。とハジメは心の中で思う。正直言って、反駁がいる時には大人しいのに何故そのままじっとできないのか?と思っていたりもする。ハジメがめんどくさそうにしていると、龍太郎がこちらに向かってアイコンタクトしてきた。あとは任せろ、と。すると龍太郎が檜山を指差しわざとらしく声を上げる。
「きっ君は!!『初恋敗れの
『ブフッ』
龍太郎の声にクラス中の生徒が一斉に吹き出す。無論、ハジメと幸利も二人まとめて吹き出していた。
「…んだと!?」
「フッ。初恋に敗れた鬱憤を
「あぁ!?んなことしてねぇっての!?」
「おっと、取り繕うことはないぞ
龍太郎に続き、幸利も檜山をわざとらしく同情した風を装う。無論、二人の内心は檜山を嘲笑う声で一杯だ。
檜山はそれに対して顔が真っ赤。今にも暴力に訴えそうだ。
ゲラゲラゲラと二人が檜山をオモチャにしていると、それを見つけた天之河と呼ばれる生徒が止めようとするが、その前に担任である反駁が教室に入ってくる。
「ウィ〜っス。じゃあ朝のHR始めるぞ。」
すると、先程まで顔が真っ赤だった檜山が顔を青ざめさせ、席に向かって戻って行く。ハジメは内心ざまあと思いながら、そして、庇ってくれた二人に感謝して、今日も授業を受けるのであった。
■■■
キンコンカンコンと昼休みが始まるチャイムが鳴る。それと同時にハジメは10秒チャージを取り出して、エネルギーを補給する。
その後、龍太郎たちと話そうと思い、席を立とうとしたその時、ハジメに近づく生徒がいた。
「南雲君!!お昼まだなの?よかったら、いっしょに食べないかな?」
「あー、ごめん白崎さん。誘ってくれてありがとう。でもほら、もう食べ終わっちゃったから大丈夫だよ。」
その生徒の名は『白崎香織』。ハジメが苦手とする生徒の一人だ。その理由は、悪意のない悪意。彼女がハジメに向かって笑いかけると同時にクラス中の男子から舌打ちが聞こえ、女子からは冷めた目で見られるという無自覚なもの。香織に一切の非がないことが余計にタチが悪い。故にハジメは香織を苦手とするのだ。
「えっ!?お昼それだけなの?ダメだよちゃんと食べないと!!私の、少し分けてあげるね。」
「いや、大丈夫だ「香織、南雲は放っておいてこっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだ。それに、せっかくの香織の手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」」
香織がハジメに自分の弁当を分けようとし、それをハジメが断ろうとすると、ハジメの声に被せてくる生徒がいた。
その生徒の名は『天之河光輝』。ハジメが苦手どころか嫌悪さえしている男だ。無自覚に身勝手な正義を振り翳し、それをカリスマで人々に意見を通してしまう…自分勝手を絵に描いたような人間だからだ。それに、自分をこれでもかと目の敵にしてくる人間でもある。龍太郎の幼馴染らしいが、とてもそうは思えないような男であった。
「え?なんで光輝君の許可がいるの?」
そして、香織の天然が光輝の身勝手を打ち砕く。これにはハジメは心の中で香織にナイス!!と礼を言った。香織に言われたことに一瞬戸惑った天之河だったが、即座に持ち直し、困ったように笑って誤魔化す。この様子には隣で見ていた『八重樫雫』も吹き出した。
「イェ〜イ!!ハジメ、龍太郎、幸利!!一緒に飯食おうぜ…?え?何この状況。」
教室の扉を勢いよく開けて、反駁がテンション上げ上げで入ってくるが、何か雰囲気の悪い教室に、困惑しながらハジメを見て…察する。
「はっは〜ん。さては天之河が白崎に振られたな?」
『ブフッ』
空気の読めないこの教師は、割と合っている答えを導き出し、それを聞いたクラス中が吹き出す。
その後ろからおっとりとした声が聞こえて、その声の主が教室に入ってくる。
「ちょっと〜。反駁先生テンション上げすぎです〜。」
「いや〜ごめんね。愛ちゃん先生。なんか面白いことが起きそうな予感が…。」
「だからって廊下を走っていい訳ないです!!」
彼女の名は『畑山愛子』。愛ちゃん先生の名前で親しまれる、このクラスの副担任だ。基本的におっとりとしているので、生徒の人気が高い。よく反駁を注意し、また愛ちゃんが頑張ってる…。と生徒に思われているのは内緒だ。
しかし、反駁の面白いことが起きそうな予感はあながち間違いでもなかった。
(このクラス中に呪力のようなものを感じた…。呪霊のものではないのは目で見えないので確認済み。となると呪詛師か…?)
そんな推理を立てていると、突如天之河の立っている場所を中心にクラス中が光に包まれる。生徒たちが混乱する中、反駁は最高硬度の領域を生徒全員の周囲に張り、恵里は武器庫呪霊の入った自分のバックを持ち警戒する。
(この僕が気づかなかった!?恵里も気づいてなかったみたいだ…少しまずいぞ…。)
そう思っていた矢先、クラスは完全に光に包まれ…次の瞬間、クラスからは誰も彼もが消え去った。
恵里のバックと人間以外は全てが残っており、食べかけの弁当も、10秒チャージのゴミも、全てが残ったままだった。
この瞬間、世界からクラスの人間は全て消え去った。このことは世界中に知られ、世界最大の『神隠し』として語り継がれて行くこととなる。
そして、呪術界ではじき最強と名高い『反駁凍爾』特級とその義妹の『中村恵里』準一級が世界から消えたことで、大混乱に陥っていたそうな。
感想オナシャス!!センセンシャル!!
読者の皆様はわかっているとお思いですが、元にしたのは五条先生です。もっとも、術式は全然違いますが。
中村恵里は夜蛾学長みたいに『突然変異呪骸』を作れたりする。
坂上龍太郎は東堂みたいな感じ。
清水幸利は…『呪霊操術』と呪言。
南雲ハジメは虎杖みたいに魔王ハジメと二重人格になったりする。
そしてアビスゲート卿は影にまつわる術式。
反駁凍爾は文字通り自動販売機みたいな『熱冷操術』と『領域操術』。
こんな感じ。
天与呪縛のフィジカルギフテッドはトータスに凍爾たちとは別に転移しています。
特級呪霊は出すかもしれない。
以上!!