古き神々と封印の子供と   作:春好 優

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友達と考えた設定で頑張って書いていきます。よろしくです


プロローグ

夜の暗い闇が広がる中、男が一人走っていた。男の表情には緊迫と恐怖の表情が見て取れる。おそらく何かから逃げているのだろう。

男が走っている場所は街であるが人の気配もなく、昔の街というわけでなくしっかりと電気も流れている。それなのに何処にも人も動物も気配も、声すらもしない。そんな中で走る男は不自然に見えるのは必然だった。しかしそう思うものすらも居ない。

男は不規則に道を進んでいた。止まって考える暇もないのか分かれ道があっても少し迷いながらも直ぐに行く道を決めて進んだ。

道を進んでいると男はふと足を止めた。

慣れていない道を確認せずに進んだためか行き止まりに来てしまった。男は急いで振り返りすぐに戻ろうとしたが彼の足がその1歩を踏み込むことは無かった。何故なら振り向いた先には…

 

「博士あの子供は何処だ?大人しく話した方が身のためだぞ?」

 

「誰が教えるものか!貴様ら教団は世界を滅ぼす気か!」

 

振り向いた先には居たのは黒い服を着た男達だった。その中の一人と博士は話し始めた。しかし博士は何か焦ってもいる様子だった。

 

「ふふ、何を焦っておられるのですか?もしかして既にあなたの中にも我らが神のお使いが居られるのですか?」

 

「うるさいうるさい!黙れえぇー!」

 

博士は気が触れているのか目も焦点が合わずにただ叫んでいた。普通の人が見たならそれは変人がいると思うだろう。しかし博士が元々おかしいのではない。彼は既に精神が侵されているのだ。

 

「どうですか?自身が次第におかしくなっていく気分は、あなたはもう時期我々の同士となるでしょう」

 

「ぐっ、ハァ、ハァ、きさ、まらの、仲間に、なるぐら、いなら、死んだ方が、マシだ!あの子の、いばしょ、は誰にも、教える、きは、ない」

 

何かと戦うように苦しむ博士は自身の顔をつかみ息を切らしながら否定の意志を彼らに見せた。何故に彼は自身の苦しみに耐えるのだろうか。それは彼自身にしか今は分からないことだろう。

教団と呼ばれた者は博士の言葉を無視して手を伸ばし始めた。

 

「貴方の意志など関係ない。教える気が無いならもう1人のあなたに聞くだけですよ」

 

「それは、どう、かな?私の、体は。わたし、のものだ。既に、私は、やく、め、をおえ、た。なら、あとはじょう、ほう、を、けすだけ、だ!」

 

博士は震える手を懐に入れた。そして博士が懐から手を出した時手には拳銃が握られていた。

 

「何を!あなたには既にそこまでする精神力は無いはずだ!」

 

先程まで余裕ぶっていた男は博士のやろうとすることを理解するとすぐに慌て始めた。それはこの者の油断であり傲慢が読んだこと、既に目的を得る機会は失われようとしている。

博士はその様子に満足したのか自殺しようとしているにも関わらず笑顔を向けていた。そして彼は笑いながら口を開いた。

 

「はは、きさま、らの、おもいど、おりに、は、させな、い!」

 

男達は走った。しかし余りにも彼の動きを抑えるためには距離があり、時間が無さすぎた。

博士の指が引き金を引いた。その時、月が照らす夜の街に赤い血が飛び散った。

 

 

 

光は闇に飲まれいつしか暗黒の時代が来るだろう。我々は忘れていたのだ。いや我らは自ら記憶を手放したのだ。支配されていた時代を。我らの歴史の裏に隠れし真実は既に失われている。いつしか報いがやってくる。この星の命が封印し追放した彼らが戻って来る時には既に終わりを迎えた後になるだろう。

アーノルド・ハーヴェン博士の手記より

 

 

 

 

 

 

 

 

21年後とある某所

日が昇り始め世界の半分が明るくなる中で1人の男が目覚めた。普通なら心地よい気分かもしくは、目覚めが悪いと感じるだろう。しかし男が感じるのは恐怖だった。それは子供がお化けと言う存在を恐れるようにだ。

男はハッと目覚め勢いよく飛び起きる。肌は青白く息も切れている。それを見れば男の感じた恐怖がどこまでのものだったかわかるだろう。

この男の名はリオン・S・アルバートと言う。彼は幼少の頃から時折悪夢にうなされていた。起きたあとの気分は最悪で今にも死にそうな様子は家族に会えば死人が目の前に現れたような慌てようをしていた。しかし時とは人を慣れさせるもので、最初のうちは何回も慌てていた家族はいつの間にかリオンがその様な表情をしていても心配はすれど慌てることはなくなった。また彼のその様子の理由が悪夢にあったために体に害は無いと思うようになったことも理由だろう。けれども精神的には来るのではと思うのだが彼の強靭な精神力のせいかすぐに良くなってしまう。

彼はその悪夢を何回と見ているのに対して内容が思い出せないという。人は夢を覚えている時と覚えていない時があるが何回も同じ夢を見ていたら内容が自然と頭に残るようなものであるが彼は記憶が無いという。そして内容もまた同じだそうだ。

そのようなことがありながらも日常になった悪夢から今日も目覚めた彼はいつも通り呼吸を整えてベッドから立ち上がった。

 

「あれ?ここは…」

 

リオンは立ち上がると同時に目に入った光景に呆けてしまった。何故ならそこは彼が毎朝起きる見慣れた自分の部屋ではなかったからだ。誰だって知らないとこに居たら困惑するだろう。だからこそリオンは疑問を口にしてしまった。

思考力を取り戻したリオンは自身がいる部屋の中を見渡した。

そこは決して自身の部屋では無かったが確かに私物が置かれていた。

 

(僕の私物がある。旅行に行く予定は無かった筈だからここには仕事で来たのか?悪夢のせいで記憶があやふやだ)

 

リオンは自身が知らない場所へ来ていないことに安堵しながら自身の記憶を思い出そうとしていた。すると少しずつ記憶が蘇ってきた。

 

(確か1ヶ月前に潜水艇へ派遣するって会社から言われたんだっけ?唐突で断ろうとしたけど拒否権がないって言われて…)

 

リオンの記憶に思い当たるのはそれぐらいだ。つまり今いる所は船の中ということになる。

そこまで思い出すと後はすぐにリオンの記憶は蘇った。

 

「ハァ〜そう言えば昨日大型潜水艇に乗った気がするな」

 

会社の命令で仕方なく来たが本当の所はきたくないと思っていた。何故か昔から海に対する恐怖というものがあり浅瀬とかならまだしも足のつかないようなとこまでは行ったことがなかった。

だから本当は断りたかったが仕事に私情はなかなかはさめない。だから今船のところに居るのだ。

 

「考えてもあれだな。とりあえず記憶が合ってるか確認しようか」

 

リオンは足を進め部屋の入口まで向かう。部屋の中は狭いので本の数歩で扉の前まで来れた。

リオンは扉を開けて外に出た。すると横から声をかけられた。

 

「あれ?奇遇だなお前も息抜きか?」

 

声をかけられた方を見るとそこにはリオンと同じぐらいの歳の男がいた。茶髪に綺麗な青い瞳のイケメンの男だ。

彼はリオンの会社の同僚で今回の派遣に一緒に行くことになっていた。名をレオン・ブラウンと言う。

 

「あぁ、ちょっと気分が悪くてね」

 

「おいおい大丈夫かよ。てかお前顔色大丈夫か?例の悪夢でも見たのか?」

 

彼は一応幼馴染と言うやつでリオンとは長い付き合いだった。そのため幼少期に悩みを相談したりして悪夢のことも知っていた。そのため初めて見る人よりかは落ち着いているが心配そうにリオンを見つめていた。

 

「そうだね。久しぶりに見ちゃったよ。おかげで記憶があやふやだったから」

 

「そうか。じゃあ仕事のこととかは思い出したか?」

 

「うん。一応、けど他の予定とかは分からないんだ」

 

「そうか。あんまり無理すんなよ!予定なら後で教えてやるよ。とりあえずまだ時間はあるから甲板に出て息抜きでもしようや」

 

「あれ?まだ潜水はしてないの?」

 

「おう、まだ潜水はしてないぜ」

 

どうやら潜水自体はまだしていないようだ。

リオンを心配してかレオンは手を引っ張りながら甲板まで連れて行かれた。一応言うとこの潜水艇はしっかりとした甲板が出来ており外に出ることも可能になっていた。道中には船員と思われる人が居たが特に気にとめてはいなかった。

甲板に着くと世界はほんのりと明るくなっておりまだ夜が開けたばかりだと教えてくれる。太陽もまだ背が低いところにあり、美しい景色が見れた。

 

「早起きは三文の徳って言う日本のことわざがあるが本当だな。こんな景色見られるなんて凄くいい経験だよ」

 

全くその通りだと思う。リオンですらその景色に見とれていたのだから。その後数分ほどリオン達は景色を楽しみ息抜きをした。

 

「さてと息抜きも出来たところで予定の確認をするか」

 

「助かるよ。なかなか思い出せなかったから」

 

「気にするな。困ったらお互い様だろ?」

 

リオンはその言葉にこくりとうなづいた。その後レオンはしっかりとこの後の予定や他のことも教えてくれた。

まず潜水は今日始める予定でPM9時に集合。その後ある程度の計画の確認をして潜水を開始する。

また潜水艦に新しく乗るのはリオンとレオンそして海洋学者を含む3にんだそうだ。

ざっくり纏めるとこうなる。他にもリオンに対する心配などもあったが大丈夫だと言いくるめた。

 

「じゃあ9時までに朝食とか済まして準備したら良いんだね?」

 

「そうだ。ハァ、早く終わらして帰りたいな。会社の命令とは言えこんなことさせられるとは何考えてんだか…」

 

「仕方ないよ。これが終わったら給料upするらしいし頑張ろう!」

 

「おっ?やっと調子がでてきたなか?それでこそリオンだ。それじゃ俺は部屋に戻るけどお前はどうする?」

 

「もう少しここにいるよ」

 

リオンの返事を聞いてレオンは自身の部屋に戻って行った。その間にもリオンは潮風に当たりながらこれからの事を考えていた。昔から海は苦手だった。関わりたくもない。それでもリオンは仕事と割り切ってここまで来たのだから頑張ろうと思った。

不安を抱えるリオンに太陽の光は優しく包んでくれているようだった。

 

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