第二次スパロボZ 呪われし放浪者に憑依してしまった者   作:幻龍

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敵を主人公にすると、やはり絡みが少なくなる傾向がありますね。特にアサキムみたいなタイプだと尚更……。


第十四話 ZONE封印

 異世界の侵攻軍であるインサラウムはZONEを守るように軍を展開していた。

 ZONEはアブローン・ジウスが開発した物質から次元力を抽出する装置で、兵器に転用すれば凄まじい効果を発揮することができる代物だ。最初は未完成で欠陥品だったが、インサラウムを滅亡に追い込んだ原因であるアイム・ライアードから齎された情報で完成したので、第一号を設置したのだ。

 

 ZEXISはこの地に着いて早々、インサラウム軍とこのZONEを破壊すべく攻撃を開始した。アークセイバーと次元獣の混成軍は想像以上に手強く、ZEXISは最初の内は苦戦したが、敵の動きに慣れてきたのか、次第に敵を押し始めた。

 

 『この調子ならすぐに片付くな』

 『揺れる天秤、油断しない方がいいと思うよ。証拠に総大将が出てきたし』

 『お前さんに言われるまでもねえよ!』

 

 クロウは味方の不利を悟った敵側は総大将であるユーサーが出撃してきたを見て、どうやら総大将が出ることで士気を上げる作戦に出たのだろうと推測した。そして、ユーサーを撃墜すべくブラスタを彼の乗機に接近させるが、彼の護衛の為に出てきたマルグリットのパール・ネイルに阻まれた。

 

 『殿下には近づけさせんぞ、クロウ!』

 『マルグリットか!』

 

 クロウとマルグリットがやり合っている隙に、自分は聖王機に攻撃を開始した。

 

 『うわあぁぁーー!』

 『さあ、甘美なる悲鳴を上げて、強き意志を引き出すんだ!』

 

 ユーサーは必死に反撃してくるが、俺は余裕でその攻撃を回避する。戦意があまりない戦士など、俺とシュロウガの敵ではない。それにスフィアが覚醒していないスフィア搭載機は、真の力を発揮することはできないから、この戦いは純粋にパイロットの実力が出ている。

 

 『殿下!? アサキム! 殿下はやらせんぞ!』

 『模造品を積んだ機体で僕に勝てるわけがないじゃないか!』

 

 マルグリットがユーサーを守るべく盾のなり、シュロウガの攻撃をDフォルトで防ぎ、反撃を加えた。しかし、高速で飛翔するシュロウガをマルグリットは捕えることができず、その攻撃は虚しく音を空間に捧げるだけだった。

 

 シュロウガでパールネイルのすぐ側を通り過ぎ、擦れ違いざまに魔王剣ディスキャリバーで斬りつける。それを何度か繰り返したあと、飛んでいる最中に描いた魔方陣に、パールネイルを空に縫い付け、魔方陣を爆発させた。パールネイルは武装の一部が破壊された上、遠目で見ても大ダメージを受けていた。

 

 『ま、マルグリット!? 大丈夫か!?』

 『殿下、心配は無用です! ……これ以上は無理か……殿下、時間は充分稼げました。これ以上戦っては味方に被害がでます。どうか撤退指示をお願いします』

 『う、うむ。全軍撤退せよ!』

 

 ユーサーはマルグリットの進言を受け入れて、インサラウム軍に撤退指示を出した。命令を受けてアークセイバーは次々と撤退していく。殿に次元獣を残していったが、ZEXISにあっさり撃破されていた。

 

 「どうやら撤退したようだな」

 「! 待ってください! インサラウム軍が残していった建造物が!」

 

 クロウがほっとしたの束の間、セツコはZONEの異変に気づき、全員に注意を促した。

 

 「全軍! あの建造物に火力を集中させろ!」

 

 ジェフリー艦長が全軍に持てる火力の全てを撃ちこむように命じ、全機体が総攻撃を加えるが、ZONEはびくともしなかった。

 

 「それではあれを止められないよ」

 「じゃあ、どうすんだよ!?」

 「……」

 

 アサキムが全員に対して、やっても無駄と言い、クロウがそれに噛みついた。セツコはZONEとアサキムを、複雑な表情を浮かべながら見ていた。

 

 「……仕方ないね。これは僕が止めるよ」

 「何!?」

 

 アサキムはシュロウガをZONEの真上に移動させた。

 

 「アサキム!? いったいどうするつもりだ!?」

 「このZONEは僕が封印するよ。最もそれをすれば現世に戻ってこれなくなるかもしれないけどね」

 「あなたは……」

 「セツコ……君にはこの力を渡しておくよ。次は君の番かもしれないしね」

 

 俺はバルゴラ・グローリーにある物を渡したあと、次元力を高めて、ZONEにぶつける準備に入る。

 セツコはアサキムが自分達の為に、自己犠牲精神を発揮したことに大層驚いた。クロウや周りの者も驚きの声が上がっている。

 

 「クロウ……君の力が強まり、ZONEで次元力の蒐集が終わったとき、地獄から嘘の亡霊が君の元に現われるだろう」

 「なっ!? どういう意味だ!? アサキム!」

 「詳しく語る時間はないようだ……オリジン・ローの力で僕は生まれ変わる」

 

 アサキムが最後に言った瞬間、シュロウガとZONEが共鳴し、目が霞むほどの眩しい光が発生した。

 そして、ZEXISが目を開けたら、シュロウガはどこにもおらず、機能を停止したZONEと朽ち果てた大地だけが残っていた。

 

 「これは一体……」

 「どうやら、アサキムによってZONEが停止したようです」

 「そうか……それでアサキムはどこだ?」

 

 ZONEは停止したが、アサキムの姿がどこにもないので、全員が周囲を探索するが、彼の影も形もなかった。

 

 「アサキムが自分の次元力を使ってZONEを封印したと考えます」

 「本当なのか、セツコ君?」

 「はい。アサキムは私が前に所持していた悲しみの乙女のスフィアを持っています。その力をZONEの中から感じます」

 「ZONEの中? まさか、アサキムは!?」

 「彼はZONEの中にいます」

 

 セツコの説明にZEXISメンバーは多少驚いたが、彼女の説明がかなり説得力のあるものだったので、最終的に全員が納得した。

 

 「しかし、ZONEというものは脅威の一言だな。ZONEを抑えるにはスフィア・リアクターが必要となるのか……」

 「こっちのスフィア所持者はクロウだけ……。つまり、何とか対抗手段を用意しないと、次のZONEを停止させたら、私達は打つ手がなくなってしまう……」

 

 ゼロは仮面で見えないが難しい表情で呟き、スメラギもゼロの意見に頷き、険しい表情を浮かべながら、これからのインサラウム王国との戦いに不安を感じるのであった。

 

 

 

 

 

 

 (ここは……オリジン・ローの流れの中か……俺の所持しているスフィアの力が高まっていく……)

 

 ZONEの中は予想通り源の力に満ちていた。そして、その力によって、己の力が徐々に増していることも感じられる。

 

 (意識が遠くなる……。これが……眠るというこ……と……か……。)

 

 「僕は……目覚めの時を待つとするよ……」

 

 アサキムはZONEの中で、次の目覚めを待ちながら、眠りについたのであった。

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