第二次スパロボZ 呪われし放浪者に憑依してしまった者 作:幻龍
ハイスクールD×Dの方は話が想いつかないので、しばらく更新を停止しようかと検討しています。
次話で一応第二次Z編は最終話です。第三次Z編は前半部分だけで書くのは不安なので、続けて書くか、それとも一旦終わりにして、第三次Z全容が明かされてから書くべきか悩んでいます。
ZEXISがムゲ・ゾルバディスを倒し、新たな地球連邦の代表が、ブリタニア皇帝のシャルルになったりと、地球圏の混乱は徐々に終息に向かっていた頃、遂にZONEからあの男が目を覚ました。
「起き……ろ……」
「……ここは……」
アサキムは自分を呼ぶ声が聞こえて目を覚ました。シュロウガのコクピットで背伸びをしたあと、周囲の状況を確認した。シュロウガの真下には壊れたZONEがあり、その壊れたZONEの近くに破壊の王ガイオウが腕組んで佇んでいた。状況から察するに彼が自分をZONEから救出してくれたようだ。
(スコート・ラボの連中はZONEブレイカーを使わなかったのか……資金と情報を提供してやったのに)
アサキムはガイオウに現在の世界情勢を尋ねた。ガイオウは、地球連邦代表であるシャルルがラグナレク接続を実行しようとしたが、息子の手によって失敗したこと、その後ブリタニア・ユニオン皇帝兼新地球連邦代表にルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが就任したこと、第二皇子シュナイゼルがそれに反発して、内部抗争が勃発して、ルルーシュが勝利したこと、アンチスパイラルの人類殲滅システムの作動、ZEXISがそれを食い止める為に陰月へ向かったことなどを教えてくれた。
自分が寝ている間に随分状況が進んだらしい。しかし、そうなる前に早めにZONEから脱出できるように、かなりの金額(その資金の半分はキョウトから接収した金)をZONEブレイカーの為に注ぎ込んだにも関わらず、それを使って自分を救出せず、金だけ頂戴したスコート・ラボの研究員に対して静かな怒りを抱いた。
(もう一度釘を刺してこよう……。それよりも、ZRルートに進んだか……)
アサキムはキョウトが生きているので、ルルーシュは追放されないと予測していたのだ。この世界では、黒の騎士団の扇メンバーは扇と玉城しか残っていない上、扇も南と杉山を見捨てたことで、信頼と信用を失い、黒の騎士団が復活しても、副司令を解任されて雑用係りになっていたのだ。この状況なら扇が扇動することはできないので、ZEXISが何とかするだろうと。そして、中華連邦に現われたアイムは狩り、ユーサーもその場で狩るつもりだった。しかし、予想は覆り、正史ルートになったことに多少計画に修正を入れるはめになってしまった。
「僕は行くところがある。助けてくれたことは礼を言わせてもらおう」
「俺様の同志になるつもりはないのか?」
「残念ながら、それは無理だ。一応地球連邦所属だからね。君の同志になれないのは残念だけど、君の闘争は観戦させてもらうつもりだ」
「……そうか」
「お互いに幸があらんことを」
アサキムはシュロウガをスコート・ラボに向かって飛び去って行った。
そして、スコート・ラボに潜入した彼は、買収した研究員を締め上げて、今度は確実に行う様に警告し、実行するまで資金援助を停止させることを伝えた。さらに知りたがる山羊の力を使い、彼の恥ずかしい過去を世間に暴露すると脅しておいた。その研究員は顔色が青を通り越して、黒色に成りかけながら必死に頷いた。
それと、クロウからゼロが追放された経緯を聞き出すことを命じ、その情報を受け取ったあと、アサキムはスコートラボを後にした。
アサキムはシュロウガを操縦しながら、ゼロ追放の経緯を綴った書類を読んでいた。
クロウから聞いた話によると、いつの間にか副司令に返り咲いていた扇が、ゼロのことを殊更悪いと喚き散らし、周りの諌める言葉を無視して追放したらしい。原作と同じ経緯だが、扇がどのように副司令に復帰したかについては、書かれていなかったし、ゼロ追放に反対したのは、扇と玉城だけだったらしく、藤堂などはゼロを非難しなかったらしいが、扇の罵声を聞いている内に、その気になってしまったらしいという要領得ない回答だったと記してあった。
「そういうことか……。まあ、彼がどんな境遇に陥っても僕には関係ない。それよりも、エリア11の租界でアイム・ライアードを待ち構えるとしよう」
アサキムはアイムがクロウ達を襲う場所である、エリア11租界に最高速で向かった。
エリア11租界では、皇帝ルルーシュ率いる地球連邦軍と、ZEXISが地球人同士の最後の戦いを始めていた。
地球連邦軍は改良したモビルドールを中心とした部隊で迎え撃った。その攻撃にZEXISは思わぬ苦戦を強いられたが、徐々に敵機の数を減らしていくことに成功していた。
そこへ突如、アイム・ライアードが乱入してきた。スフィアを狩る準備が完了したと言い、自らの分身を大量に生み出して、襲いかかってきたのだ。
クロウ達は分身の攻撃を掻い潜り、本体を撃墜することに成功したが、彼はすぐさま機体を再生させてしまった。さすがのクロウも今のアイムの力に内心驚愕してしまった。
ZEXISが打つ手なしかと考えたとき、セツコは何かが接近してくるのを感じた。
『セツコさん? どうかしたの?』
エスターが何かに反応して緊張しているセツコに理由を訊ねた。
セツコが答えようとした瞬間、アイムが操縦するアリエティスの近くに、アサキムが操縦するシュロウガがいきなり降り立った。
「元気だったかいセツコ?」
『やはり、あなただったのね……』
セツコはアサキムを見ながら、苦々しい表情で呟いた。クロウとランドはアサキムがZONEから脱出したことに驚愕していた。
『お久しぶりですね! 呪われし放浪者!』
「そうだね。偽りの黒羊……君を狩りに来た」
『因子が高まった私を滅することは不可能です! 逆に私があなたを狩らせていただきます!』
「……それは儚い願望だよ、アイム・ライアード。僕は君を狩る準備を完了したからこそ、この場に現われたのだからね」
『……何?』
「知りたがる山羊の力が君を裁く!」
アサキムの宣言と共にシュロウガから力が解放される。アイムはその力を受けて硬直した。そして、彼が偽りの黒羊の力を持つまでの過程と、嘘で満たされた人生を歩んできたことが暴露される。
『うわあぁぁーーー!!??』
アイムは自らの過去を暴かれて、スフィアの力を引き出せなくなった挙句、錯乱状態に陥った。
『嘘をばらされて、我を失ったようだね。ハーマル・アルゴー』
『アサキム!? 一体何をやったんだ!』
クロウが先程の不可思議な現象に対して、アサキムを問い詰める。
『僕の持つスフィアの力で彼を無力化したんだよ』
『何!?』
『もういいかな? 彼を狩らなきゃいけないし』
アサキムはクロウ達への説明を切り上げて、シュロウガでアリティエスを両断した。
『*@=&$”#%ーーー!?』
アイムは断末魔を上げたあと、乗機と共に爆散した。それと同時に彼が、スフィア・アクトで顕現させたと思われる、分身達も次々と爆発して消滅した。そして、アサキムは偽りの黒羊スフィアを手に入れた。
(これで四つ……やっと三分の一か……)
ユーサーに邪魔されなかったのは幸いだった。やはり、長々として説明を省いたからだろう。
『じゃあ、僕は行くところがあるから、失礼するよ』
『待て!? お前も手伝っていけよ!』
『じゃあね、ランド。それと尽きぬ水瓶、また、会おう』
ランドはアサキムを呼び止めたが、彼は無視した。そして、アサキムは隠れて機を窺っていたユーサーに挨拶をして、この場から飛び去った。
(誰がこの世界の政治を動かしても、僕には関係がないからね)
ルルーシュとZEXISの対決には正直興味がない。茶番劇に付き合うなど時間の無駄だからな。そもそも、こんなことをしない限りまとまらない世界なんて、すでに末期状態といえる。
「いよいよ、再世事変の終末か……そして、彼らが動き出すとき、世界は終末へと至る。スパイラルネメシスと共にやってくる者達によって」
アサキムはガイオウに教えてもらった、インサラウムが最後のZONEを構えた火星に向かうのであった。