第二次スパロボZ 呪われし放浪者に憑依してしまった者   作:幻龍

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第一話 後方襲撃

 アサキムです。

 現在、ザフトの旗艦と輸送船一隻を魔王剣・ディスキャリバーで真っ二つにしました。つまり、ザフトの輸送部隊を襲撃していた。

 三日前にはカラバとかいうエゥーゴの支援組織を襲撃して、甚大なダメージを与え、さらに七日前にはエゥーゴの後方部隊を攻撃して、物資を全て海の藻屑へと変えてやった。

 

 そして、今回はザフトの輸送部隊を発見して、ザフト軍が物資を守る為に護衛につけたMS部隊と交戦中です。最もシュロウガのスピードの前にはハヤブサと亀程の差があるせいか、一撃も命中していなかった。

 それに隊長機を優先的に狙って指揮系統を混乱させているせいか、向こうは連携が取れておらず、次々と斬られて爆散していった。

 

 「僕の眼からは逃れることできない! 漆黒の機体が君たちに絶望という名の裁きを運ぶ!」

 

 敵機体から何か悲鳴のような物が聞こえてが無視だ。

 敵部隊を全滅させて、敵の残存輸送船に高速で接近する。

 

 輸送船を指揮する艦長は恐怖した。

 何だ、あれは!? あんな化物に狙われたら、どうすることもできないではないか! と心の内でそう叫びながら、必死に死から逃げようとした。

 

 「この無限獄に囚われた世界で何を成しても無駄だよ。これから起こることを考えれば、君たちにとってある意味慈悲なのかもしれないね」

 

 アサキムは哀れな敵にそう呟きながら、最後の輸送船を両断した。

 

 俺が何でスフィアと関係ない行動をしているかというと、これもZEUTHと戦うための下準備だ。原作の主人公勢が揃う最強部隊に勝つには、真正面から戦いを挑んでも撃墜されるだけだ。

 この世界に存在する、悲しみの乙女か傷だらけの獅子二つのスフィア。

 アサキムは二つのスフィアの内、片方は確実に狩りたいと考えていた。両方を狩れればベストなのだが、それでも原作の修正力が万が一働いて、両方の奪取に失敗する可能性も高いのだ。

 

 だから、ZEUTHの戦力を削いでおくために、近代戦で有効な物資破壊工作を行っているのだ。所詮は機動兵器。予備パーツ等がなければ戦力を維持できない。整備がまともにできなくなれば、それだけ有利に戦えるからだ。

 当分はこの任務兼作戦をするつもりだが、大分やっつけたので少し休憩を取ることにした。

 

 アサキムはシュロウガの進路を地中海に取ったのであった。

 

 

 

 「どうやら、悲しみの乙女の覚醒状態は芳しくないようだね。傷だらけの獅子は彼女を助けてあげたから、いずれ覚醒も始まる」

 

 カイメラ隊員の報告書を読んだアサキムは、スフィアの覚醒が思ったより遅いことを書類の内容から察した。

 

 (どうする? このまま覚醒を待ってもいいけど、それは確実な手段とは云えない。だからといって、原作通りにするのは気が進まないし……)

 

 アサキムは悲しみの乙女のスフィアの性質上、いずれ覚醒するだろうと読んでいた。これだけの戦乱の最中だ。否応がにでも力を使わざるを得ないし、悲しむ出来事はいくらでもあるからだ。

 

 だから、すぐに行動せずに様子を見ることにしたのだが、対応の仕方に失敗したのかもしれない。

 

 (だが、今更迂闊に行動するわけにもいかないし、ランドの方も見張る必要もある……)

 

 しかし、基地や地球連邦本部で待機していると、エーデル・ベルナルの奴がうるさいのだ。余計なことはするなだの、勝手に動き回るなと小言をたくさんもらう。一応客人扱いにするなら、お前達の計画を手伝うというのを条件にしているので、彼女の言葉は突っぱねているのだ。本当にやかましいおばさんだ。

 エーデル准将は自分は完璧だと思っているが、実はお人形に過ぎない存在なのにね……。全てをわかっている立場から見ると、なぜか憐れみを感じた。

 

 (まぁ、お人形には精々道化を演じてもらおうか)

 

 アサキムにとって、エーデルが本物のジ・エーデルに弄ばようが知ったことではない。己が目的はスフィアを全て手に入れることと、自分の脅威となるものを排除することだ。

 原作のアサキムみたいに、俺は死にたいわけではないから、スフィアを全部集めた暁には平行世界を旅しながら、自由で好きに生きるつもりだ。

 

 「……少し様子を見に行くとしよう」

 

 確か今は部隊を二つに分けているはずだ。ザフト・エゥーゴを中心とした正規軍部隊とアウトロー集団部隊にだ。

 この頃は情報を得る手段が少ない結果、互いの思う物の為に戦っているが、戦う相手を考えるのなら、部隊を分ける必要などないはずだが、互いの不信感故に分裂した。

 だが、相手が信用できないのなら、いっしょに行動して見張っていればいいだけだ。部隊を分けて別行動等、相手がなにをやっているのかわからないのに、それを助長する行動取るなんて何を考えたら、そういう結論になったのか理解不能だ。本当なら連絡をこまめにするべきだったのだ。それも無理なら盗聴器の類でも潜ませておけばよかったのだ。

 

 「色々と考えているうちに着いてしまったようだね」

 

 ガルナハン基地。

 今まさに、ザフトとエゥーゴが基地に攻撃を行っていた。しかし、新地球連邦軍が優勢で押し切れていないようだ。何せ相手の数が原作より半端ではなかったからだ。おまけにその為かインパルスの奇襲も、大した効果を生んでいなかった。

 物量に押されてザフト軍は徐々に後退していくなか、ZEUTHメンバーは負けじと反撃を加えていく。

 エースパイロットとワンオフ機で構成された部隊の、強さは飛びぬけており、敵機を次々と撃墜していく。

 

 なぜだろう。第三者から見ると大人が子供を苛めているみたいだ。この苛めのような過剰戦力は、主人公勢に許された特権なのかと思ってしまった。特にスーパーロボットがMSを潰すさまは、どこぞの悪の組織の開発したロボットが、国軍を壊滅させる光景に見えた。

 

 そして数十分後戦場はザフト側圧倒的優勢になっていた。

 最もザフト側の戦力もほぼ残っていなかったけどね。

 

 さてと、このまま帰ってもいいけど、自由奔放が信条のアサキムとして、何かやっていこうかな。幸いシュロウガも多少パワーアップもしているから、不覚を取ることはないしな。

 敵と戦って戦闘経験値を上げるのは悪くないが、本格的に力を底上げするなら、スフィアを使いこなすしかない。しかし、知りたがる山羊をサード・ステージまで押し上げるにはZONEに飛び込むしか方法がない。これはADWの世界に行かないとできないから、しばらくは自力で力を上げるしかないか……。

 

 「意外にも悲しみの乙女の因子は確実に増加しているようだね」

 

 アサキムは大損害を被ったZEUTHを見ながら、そう呟くのであった。 

 そして、ZEUTHがザフト部隊から離れたのを見計らって、バルゴラ改に通信を入れた。

 

 『新地球連邦のエーデル・ベルナルから伝言を伝えに来た。そちらの指揮官にお会いしたいので、その場で待機していただきたいと伝えてください。日時はそちらに任せます』

 

 という内容を送った。

 

 数分後返事が来て、5日後ダーダネルス海峡に向けて出発するから、その途中で伝言を受け取るとあった。

 初接触の準備は整ったから、シュロウガをザフト勢力圏内から離脱させた。途中でザフトのディンが数機追ってきたが、シュロウガを捕捉できなかったせいなのかすぐに引き返していった。結局何しに来たんだ?

 

 ZEUTHに地上を任せているのなら、宇宙で侵略者撃退にだけ力を入れておけよ。それをしないで、混乱を利用して最終的に自分達の利益に走るから、ZEUTHに叩かれる羽目になるんだ。

 原作見てもわかるが、お世辞にもプラントは重要な場面でミスをすることが多い。さすが空気が読めない集団だと、某所で言われているだけはあるなと思った。

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