第二次スパロボZ 呪われし放浪者に憑依してしまった者 作:幻龍
かなり、悪口を言うので人によっては不愉快になる可能性が高いです。最もアサキムですから、彼らにそう言っても不自然ではないんですよね。目的の為なら何でもやりますし……。
それと早速原作が微妙に崩壊します。
地中海と黒海を結ぶダーダネルス海峡を移動中のミネルバとアーガマを発見。っていうかアーガマはもう配備されていたのか。
空からシュロウガを艦に接近させる。すると艦からMS部隊が何隊か出てきた。その中にはバルゴラ改も存在していた。
『何者だ!?』
「この前送った通信に識別信号も入ってたはずだけど。……そっちに識別信号を出しだろう? エーデル・ベルナル准将から伝言を伝えに来た」
『確かに……。君がそうなのか!?』
「そうだ」
「俺たちがお前の言葉を信用すると思っているのかよ!」
アーガマからブライト・ノアの声が返ってきた。
さっそく伝言を伝えようとしたが、トビー・ワトソンが機体を接近させながら怒鳴りつけてきた。どうやら、自分の得意の間合いに入るつもりのようだ。なので、少しバルゴラ二号機から距離を取る。
「伝える前にそこの今にも突撃してきそうな猪を下げてもらえるかな?」
「人を猪呼ばわりするな! チーフを理由もなしに撃墜しておいて何をほざくんだ貴様は!」
アサキムが言葉を発するたびにトビーが噛みついてきた。
わかっていたがトビーがウザイ。あんまり煩いから海に沈めてやろうかと考えていたら、ブライト・ノアが通信を送ってきた。
『済まないが、機体に乗ったままでなければいけない理由はなんだ?』
「理由なら後で説明してあげるよ。それよりも、伝言を伝えるけどいいかな?」
『……わかった。トビー君。下がりたまえ』
「っ!? ……わかりました」
ブライトに言われて、トビーはセツコを伴って渋々、艦の近くに戻っていった。ブライト大佐はさすが大人だ。話が分かる。
エーデルの伝言を伝えて、機体に乗ったまま話したのは先程のやり取りが原因だと言ったら、あっさり納得してくれた。しかし、伝言を伝え終わった途端、また揉めることになった。
「なんで俺達を狙った! 下手な解答をしたらどうなるかわかっているだろうな!」
トビーがそう言ったの皮切りに、他の連中もチーフを狙った理由を煩く尋ねてきた。セツコに至っては機体越しでもわかるほどの、睨みつけているのがわかる。他にもシン・アスカや勝平、グラヴィオンのとげとげ頭等はうるさく罵倒してきたが、セツコに鼻の下伸ばしているバカ連中だから、無視しよう。こいつら本当にうざい。
「その時僕は君たちに敵対する勢力に雇われていただけさ。そして、敵だった君たちを攻撃したまでだ」
「たった、それだけだというのか!?」
「そ、そんな……。ほ、他に理由はないのですか?」
「ないよ」
あまりにも単純な理由にトビーが驚愕し、セツコは呆然としているようだ。
しかし、あの時の戦闘はそう言うしかないしな。無論スフィアの為だけど
「じゃあ、僕は失礼させてもらうよ。暇じゃないからね」
「待ちやがれ! 誰もお前をそのまま見逃すなんて言ってないぞ!」
「僕のことよりも目の前のことに集中した方がいいんじゃない?」
「目の前こと? ……あれは新地球連邦軍!」
トビーは遠くに新地球連邦軍の艦隊がこちらに接近してくる。どう見てもこちらを攻撃する為にやってきたようだから、恐らくティターンズかファントムペイン、或いは両方だろう。
「アサキム! もしかして、てめぇ……あいつ等を引き攣れてきやがったのか!?」
「そんなわけないじゃないか。まさか、逆恨みで視野が狭くなるとは思わなかったよ。そんなんじゃ、いつかとんでもない失敗を君たちは犯すことになるだろうね」
「アサキム!」
「大体君たちを襲撃するつもりなら、呑気に通信なんていれないよ」
アサキムはトビー達の推測を否定し、彼らをバカにした。
それを聞いたトビー達はますます頭に血が上り、わがままな子供のように喚く。
「言っていいことと悪いことがあるわよ! アサキム・ドーウィン!」
「そうだ! 取り消せ!」
「そうやって挑発に容易く乗って激昂する所が子供なんだよ。いつから軍は子供の宅診所になったんだい? ……それと僕に文句を言う前に迎撃準備をすべきじゃないのかい?」
セツコやカミーユが俺に文句を言っている間に、ファントムペインとティターンズを中心とした部隊が、ZEUTHに攻撃を開始した。
シュロウガを包囲していた部隊が多かったせいか、陣形が整っていなかったので大混乱に陥った。そのせいか初撃でトビーの乗っているバルゴラ・グローリーが小破して挙句武装を失った。
「くそ!? チーフの仇を目の前にして後退するしかないのかよ!!」
「トビー! ここは私があなたを援護します。今のうちに後退を!」
「その暇はどうやらないようだよ」
敵の攻撃を回避しながら、トビーとセツコに戦艦の様子を伝える。
アサキムの言葉を聞き、艦の方を見てみると、大量のMSに包囲されていた。仲間が頑張っているが数が多いせいで苦戦していた。
なぜ、こんなに戦力が多くいる理由はザフト軍とエゥーゴが物資輸送に軍を多めに割いているせいだ。
「大変! すぐに援護にいかないと!」
「落ち着けセツコ! こいつにそう簡単に後ろを見せるじゃねぇ! チーフの時みたいになったらどうする!」
「っ!」
慌てて艦の援護に回ろうとしてバルゴラを艦に向けようとしたセツコを、トビーが大声で止めて落ち着かせる。
「……仕方がない。僕も協力しようか?」
「お前なんかに誰が頼るか!」
「君には言ってないから、黙っててくれない?」
『……私に言っているのか?』
「早く決めた方がいいと思うよ?」
アサキムはトビーをスルーして、ブライトに返答を迫る。
早くしないと俺まで包囲されてしまうし、こいつらを撃墜すると色々とエーデルがうるさいからな。
『……全軍アサキムは無視しろ』
『ブライト艦長!?』
『グラディス艦長。今はここを切り抜けるのが優先です。アサキムがこちらに敵対意志を見せていない以上は放置しておくべきです』
『……わかりました。シン、アスラン言いわね?』
「っ! ……了解です」
指揮官たちの判断で、俺は標的から外された。何名からか文句と罵詈雑言が聞こえるが無視だ。
最近ザフトとエゥーゴばかり叩いていたせいか、パワーバランスが原作以上に偏り始めていたので、ここで少し修正しておくとするか。
そう考えていた矢先通信が入った。
『だが、我らもお前を完全に信用しているわけではないからな。我らと戦闘を行うつもりなら、容赦なく撃墜させてもらう』
「仕方ないね。じゃあ、僕は適当に相手をしたあと失礼することにするよ」
アサキムは戦場からある程度距離を置き、戦場を観察し始めた。時折り流れ弾が飛んでくるが、D・フォルトで防御した。
しばらくして、ZEUTHが優勢になりかけていた時、それは起こった。ガイアガンダムを迎撃したインパルスが、蹴りでガイアを吹き飛ばしたのだが、ガイアが起き上がり、原作通りにグリフォンビームブレイドを展開して突撃してきた。そして、余程忌々しいのか、シュロウガを見ていたバルゴラ改二号機が、ハイネのグフと共に偶然ガイアの突撃コースに入ってしまい、そのままガイアが突撃を慣行した結果、ハイネ共々真っ二つになり、ガイアの餌食となった。
「ハイネ!」
「トビーーーーーーー!」
その光景にZEUTHメンバーは呆然となり、すぐに我を取り戻すとトビーとハイネの名を呼んだ。特にセツコは好きだったトビーが自分の目の前で機体が海中に沈んで爆散したことに、強いショックを受けて慟哭した。
アサキムは悲しみの乙女の力が高まり、思わずに顔がニヤケた。
嬉しい誤算だ。まさか、直接手を下すまでもなく、勝手に力を増してくれる出来事が起こるとは思わなかった。
悲しみの乙女のスフィアの力で、ガナリー・カーバーが変化したことを確認した以上、この場に用はない。さっさと離脱するとしよう。
「悲しみの乙女! これを乗り越え次に会うときはもっと因子が高まっていることを願うよ!」
アサキムは帰り際にセツコの方を向いて、彼女に言葉をかけた。最もZEUTH組は新たにやって来た敵増援から撤退すべく、やられた彼らを回収することなくこの海峡を突破していった。
そして、それを見届けたアサキムは、海中に沈んだバルゴラを密かに回収したあと、シュロウガは目にも留まらぬ速さで戦場を離脱していった。