第二次スパロボZ 呪われし放浪者に憑依してしまった者 作:幻龍
アサキムは現在ADWの世界を放浪していた。
アネモネから御使いの情報を聞いたり、各地のおいしい物巡りをしたり、インペリアルがばら撒いた次元獣を退治するなど、彼は思いのほか自由に行動していた。ZEXISに関してはエルガンから情報をもらっているので、その辺りの状況把握に抜かりはなかった。
そして、アサキムは現在神根島に来ていた。目的はここにある遺跡だが、ブリタニア軍が調査していたので、ブリタニア軍に変装して探索した。この程度の警備を突破するなど次元力を操る者にとって造作もないことだ。
そして、遺跡の調査をしていたシュナイゼルとも話をした。この遺跡について聞かれて、知っていると答える。シュナイゼルは興味深そうに次の質問をしようとしたが、ゼロ達が急に現れて場を混乱させたので、それは敵わなかったが。
そして、外に出ると偶然同じ無限獄の境遇にいるC.Cに出会った。そこに彼女の共犯者であるゼロことルルーシュがガウェインを操縦して現れ、彼女に搭乗を促した。
俺もシュロウガに搭乗して、ガウェインに接近する。
「やあ」
「その声……確かアサキム・ドーウィンだったな? この私に何かようか?」
「君に対して用はないよ。そこにいる君のパートナーに挨拶をしに来ただけさ……同じ無限獄に陥った同類としてね」
「……」
いきなり現れた怪しさ満点のアサキムに、ゼロは警戒心を露わにして、仮面で隠れている顔を引き締めた。
C.Cは普段は飄々とした態度を隠し、こちらを睨みつけていた。
「同類だと? お前とこの魔女が?」
「今日は遺跡を見に来ただけだ。そして、それも見終わったから、失礼させてもらうよ。……そうだ。君が持つ力だけど……乱用はしない方がいいよ」
「何!? どういうことだ、アサキム・ドーウィン!?」
アサキムはゼロに警告の言葉を残して去って行った。
ルルーシュは異世界から来たアサキムが、ギアスの力を知っていることに驚愕し、問い詰めようとしたが、アサキムはシュロウガにすでに乗り込んでおり、そのまま空に吸い込まれるように消えた。
「一応釘を刺しておいたけど、僕の注意如きで彼があの力を使うのをやめるとは思えないけどね」
アサキムがルルーシュにギアスについて警告したのは、彼の単なる気まぐれと暇潰しに過ぎなかった。
異世界から来た素性も目的もわからない、男の言うことなど普通は信じない。それに彼の置かれた状況がそれを許さないだろう。
「彼の辿る運命がこの世界の物語を決める……。だから、注意深く観察させてもらうよ。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」
アサキムは次の目的地である、太平洋の孤島にシュロウガを飛翔させた。
「待たせたかい?」
「いや、よく来てくれた」
アサキムがなぜ太平洋の孤島にわざわざ来たのには理由があった。それは同類である不動GENから招待を受けたからである。そして、彼が自分の客人として、俺をDIVAのメンバーを紹介したいと言ってきたからだ。
原作通りに挨拶を済すが、物凄い表情で睨みつけてきたが、軽く流す。そこに偽りの黒羊のスフィアのリアクター、アイム・ライアードが現れた。
「やあ。アイム・ライアード」
「呪われし放浪者。あなたが仕掛けてこないので、拍子抜けしましたよ」
「そうだね。ただ、君を狩るタイミングを待っていただけだよ(だが、ランドに使って以来、知りたがる山羊の調子はよくない。やはり、不完全に力を行使したせいか……)」
アサキムは彼のスフィアを狩るのは、ZONEに突入してスフィアを使いこなした後と決め、彼の言うことを軽く流した。
そして、シュロウガを呼び出し搭乗して、アイムに狙いを定める。
「そうですか……。私はあなたの相手など御免被りたいので、彼らに相手をしてもらいましょう」
アイムは次元震を起こして、次元獣を召喚して嗾けてきた。その中にはクロウが狙うMDもいる。
シュロウガの近くには機動したアクエリオンが迎撃態勢をとっており、アポロが逃げるなよと怒鳴ってきた。
「次元獣……君達の魂は僕が解放してあげるよ!」
俺は次元獣に向けて、黒き魔剣を一閃させた。
原作のアサキムはこの時調子が悪かったのか、技の種類が少ない弱体化状態だった。しかし、UCWの世界から生身も操縦技術も鍛え、悲しみの乙女のスフィアを入手した俺の前では、一番弱い次元獣程度なら魔剣ディスキャリバーで切り裂くだけで倒すことができるのだ。
「アイム・ライアード。君の命は僕が頂く!」
アイムがいる方向に突撃を仕掛けたが、アイムはシュロウガの攻撃範囲に入る直前に撤退してしまった。
「逃がさないよ。僕の標的は君に決まったのだからね」
目標がいなくなった以上この場にいる必要はないので、シュロウガをZEXISの索敵範囲外に離脱させた。
アサキムはZEXISと別れて、各地に出没する次元獣を退治しながら、名所観光をしていた。その途中、スコート・ラボに立ち寄って、研究員の幾人かを買収しておいた。万が一二回ZONEに飛びこむ事態になったとき、脱出するための保険を用意するためだ。
(これで、ZONEブレイカーの準備を整った。あとは、スコート・ラボの科学力に期待するしかないか……)
アイムが本格的に動き出すのは南極での戦闘だ。原作通りにあいつに動いてもらう為、その時乱入して、アイムを撃墜する。知りたがる山羊をサード・ステージの段階に進めなければ、偽りの黒羊の力を無効化できないからだ。
(地球連邦にコネクッションはできた……。問題は再び物語が始まるのに一年間どう過ごすかだが……)
アサキムは再世編が始まるまで何をして過ごすか、シュロウガのコクピットで悩んでいた。
次元世界を旅する能力がシュロウガにあるので、それを使って自由自在に次元転移ができる。しかし、シュロウガの調子がよくないのか、その機能が作動しなかったのだ。
アサキムはこの機能は回復させようと、自らの手で整備を試みたがうまくいかず、結局自然に回復してくれるのを待つことにした。
「今はエルガンとの約束を果たす為に次元獣狩りに精を出すことにしよう」
エルガンが出した条件に、世界各地に出現する次元獣を退治することがあった。
アサキムはシュロウガを駆り、世界各地に出現する次元獣を倒すことを開始した。
その結果、世界各地でシュロウガは見た目に反して、次元獣を狩って市民の安全を守るダークヒーローとして、認識されることになった。
最も操縦者であるアサキムとしては、そのような印象等どうでもよかったので、特に訂正をするようなことを言わなかった。
彼にとって、スフィアを狩る前の暇潰しと、アイムとインサラウムの戦力を削る為の手段に過ぎなかったからだ。
アサキムはある程度、次元獣を始末したあと、あのイベントを見る為に再びエリア11へと向かった。