異世界転生したら俺以外の俺が俺TUEEEEEしてた件   作:ヘルシー司

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第十六話 入団

 

朝を告げる笛の音で目を覚ます。

 

気持ちの良い朝だ、新しい生活が始まる。

 

ベッドから出ようと起き上がろうとするが、身体が痛く簡単に動かせない。

 

この王国に来るまでに結構筋肉はついたはずがまだ筋肉痛になるようだ。

 

もちろん昨日着ていた鎧のせいだ。

 

まあ、これから毎日着ることになるんだけど。

 

昨日は大変だった。

 

あの後誤解が晴れたはいいものの、ほかの団員への挨拶回り、ここで過ごすうえでの規則説明を受けたりと、大忙しだった。

 

規則は多く、俺は勉強が嫌いだったから全部覚えるまでにかなり時間がかかりそうだ。

 

早速、教本を読んで復習するとしよう。

 

ページ1.初めに王国騎士団は現在全134名で構成されている、国家機関である。

 

概要、第1隊から第7隊まで分かれている。

隊員のレベルをEからSでランク分けすることで、請け負う任務に合わせて適切な団員を派遣することを実現している。

 

俺「ふむふむ、確か俺はEだったか、先は長そうだ。」

 

そのまま読み進めページをめくっていき頭に入れていると、あるページで手が止まる。

 

「ん?」

 

第十八条、朝の笛の音が聞こえたらすぐ中庭に集合。

 

「ヤバッ」

 

飛び起きてすぐに支度を始める。笛の音が鳴ってからもうだいぶ経っている。

 

 

 

 

 

息を切らしながら庭に着いた。もう他の団員は全員揃っているようだ。

 

先輩団員「早くしろブライト、こっちだ!」

 

俺「はい、すみません!」

 

素早くいわれた場所へ立ち整列する。

 

一番前にレオさんがいる、昨日の件で分かったけど、俺なんかは遠くからレオさんを見ているのが一番いいのかもしれない。

 

「ちょっと、あなた」

 

横の人に話しかけられた。女の人の声だ。

 

ということはエウリカさんか、昨日挨拶で回ったが男の人ばかりで女の人はエウリカさん以外一人もいなかった。

 

この騎士団の紅一点というわけだ。

 

俺「なんでしょう?エウリカさん。」

 

エウリカ「あなた、もしどうやって騎士団に入ったか聞かれたら、私に勝ったからなんて絶対に言わないでちょうだい。」

 

「あなたに負けたなんて皆に知られたら恥ずかしすぎて、もうここにはいれないもの。」

 

「はぁ」

 

「とにかく絶対に言わないでね。分かった?」

 

「分かりましたよ。」

 

俺に負けたことがそんなに恥ずかしいのか。

 

俺のおかげでシナイさんにお姫様抱っこしてもらったくせに。

 

この朝の集会はレオさんが今日の任務の振り分けトレーニングメニューなどを説明するものだそうだ。

 

レオ「全員揃ったな、ではまず最初に、新団員を紹介する。」

 

「ブライト!前へ!」

 

レオさんの声量に負けないように勢いよく返事をし、他の団員が俺のために開けた道を進み前に出る。

 

俺「今日からお世話になります、ブライトです。よろしくお願いします!」

 

どこからか拍手が生まれ、少しずつ大きくなっていく、庭中に響く拍手の音がその歓迎具合を表していた。

 

時期違いの歓迎が行われた後いつも通りの連絡が行われ集会は進んでいった。

 

レオ「最後に連絡があるようだから、第2隊はこの後シナイのもとに集まるように」

 

「それでは、解散!」

 

レオさんの号令により次々に別々のところへ向かう他の隊員たち、さて、俺はどうしようか。

 

エウリカ「何をぼーっとしているの?さっき聞いたでしょう第2班はシナイさんのもとに集合だって、早く行くわよ。」

 

俺「えっ」

 

「えじゃないでしょう。あなたも第2班なんだから」

 

「えっと、初耳なんだけど、俺って第2班だったの?」

 

歩きながら話しかけるが、心底めんどくさそうな様子で

 

「そうよ、昨日聞かされてないの?」

 

と応答された。

 

あまりにそっけない、後でシナイさんに告げ口しておこう。

 

シナイ「よっ」

 

俺「おはようございます、シナイさん。」

 

俺の姿を確認したシナイさんは他の隊員にも向けて話し始めた。

 

「今日の第2班の仕事は近くの森での狩りだ」

 

「そろそろ、レオさんとフーリアさんの結婚式が近い、そのための肉調達が今日の俺たちの仕事だ。」

 

先輩隊員「やっとですね。」

 

シナイ「ああ、何年待たせるんだって話だよな。」

 

「結婚式を絶対に成功させるために気合入れてけよ、お前ら!」

 

それを受けエウリカさんを含む班の皆が、馬車へ向かっていく。

 

本当に歩きじゃなくて良かった、死ぬところだった。

 

この世界には馬もいるのか。

 

俺も早く行こうとしたところで呼び止められる。

 

シナイ「ブライト、話がある。」

 

俺「なんでしょうか?」

 

シナイ「なあ、ブライト今までどんな生活を送ってきたんだ?」

 

「お前ぐらいの年齢の男でレベル1なんて見たことがない、この国の男児の平均レベルは25だ。重度の病気持ちや王家の箱入り娘でもない限りレベル1なんてあり得ないんだよ。」

 

痛いところをつかれた、そうだったのか。

 

なにか疑われているのか?

 

まあ、異世界転生者なんてバレはしないだろうが。

 

俺「えっと、実は親が過保護でして、一歩も外に出してもらえなくて、最近やっと街に出たばかりなんですよ。」

 

シナイ「まあ、今回の仕事でちゃちゃっとレベルを上げろ」

 

シナイさんはそのまま納得?した様子で話し続ける。

 

「俺たちと一緒に戦ってれば順当に上がる筈だ。」

 

それは願ったり叶ったりだ。

 

レベル1のままじゃなんにも勝てないからずいぶん苦労したものだ。

 

レベルが上がらないなら上がらないなりに強くなろうと思ってこの国に来たが、レベルまで上げてくれるらしい。

 

シナイ「じゃ早く行くぞ、ついてこい。」

 

「スキル発動、速度上昇speed up。」

 

俺と話していた時間を取り戻すかのように一瞬で駆けていく。

 

昨日のレオさんといい誰か俺のことを待ってくれる人は、いないのか。

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