抹消ヴォイスのヒーローアカデミア   作:M.T.

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しょーじくんといっしょ

 ──死ね、バケモノ!! 

 

 ──イギョーは家から出てくるな! 

 

 ──まさか忌み血だったとは…

 

 ──お前達には騙された

 

 田舎の村で、住民が寄ってたかって石を投げる。

 手に持った棒で殴ってくる者もいた。

 住民達は、嫌悪に満ちた表情を浮かべていた。

 

 ──土地が穢れる、出ていけ

 

 まるで壁を這うヤモリのように、気味悪がられ人前に出ないようひっそりと生きてきた。

 

 ──時代がどう進もうとも、我々はその血を受け入れる事はない

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 時は少し遡り、セントラル病院前。

 “改人脳無シリーズ”のマスターピースに最も近付いたハイエンド『黒霧』。

 ソレが病院にある事を突き止めたオールフォーワンは、超常解放戦線の幹部スピナー率いる残党(レムナンツ)及び、彼等に賛同する一般市民。

 計、およそ一万五千の勢力を向かわせていた。

 スピナーの率いる暴徒達は、街を荒らしながらセントラル病院へと向かっていた。

 それに対し、迎え撃つ残存ヒーロー・残存警官隊はおよそ二百人。

 プレゼントマイクは、ロックロックが空中に用意した足場を駆け上がり、残党に向かって大声で叫んだ。

 

「『ラウドアウトシャウト』!!」

 

 だが暴徒達は、自ら盾となってプレゼントマイクの爆音攻撃を防ぎ、残党の反撃を受ける。

 だがその時、口田の操るカラスによって間一髪救出された。

 

「先生、大丈夫!?」

 

「サンキュアニマ! 他の奴等は!?」

 

「戦ってるうちにはぐれちゃった…!」

 

 プレゼントマイクが礼を言いつつも口田に尋ねると、口田はマスクの音量を調節しながら答える。

 その頃B組の鎌切と角取は、暴徒達を押さえていた。

 

「ヒャッヒャッヒャ、切り刻んでやるぜェ」

 

「鎌切クン! 相手は一般人デスよ!」

 

 鎌切が暴徒相手に物騒な事を口走ると、角取がツッコミを入れる。

 二人は“個性”を使って暴徒達を止めようとしたが、数が多すぎて焼け石に水だった。

 

「にしても…数が、多すぎっ、だぜ!」

 

「それハっ、同感…デス! Ouch!」

 

 角取が角で宙に浮き上がった状態で大型暴徒の肩を押さえて止めていると、背後から別の暴徒の攻撃を受けて地面に叩き落とされる。

 角取の声を聞いた鎌切は、角取の方を振り向く。

 

「ポニー!! ぐぁっ!!」

 

 倒れた角取を助けようとする鎌切だったが、ゴツゴツした岩のような暴徒に殴られ、そのまま暴徒の波に揉まれてはぐれてしまう。

 暴徒達は、倒れた二人を気にも留めずに走り続け、二人は走る暴徒に蹴られ踏まれてボロボロになっていく。

 一方で、警官隊も暴徒達相手に苦戦していた。

 

「課長! 数が多すぎます! 増援を!」

 

「いねンだよンなもん! テイザーシールドで押し返せ!」

 

 警官の一人が増援を呼ぶよう言うが、ゴリラの顔をした警官ゴリさんは、今いる人員で対処するよう命令した。

 警官と一緒に暴徒を押さえていたロックロックは、大勢の暴徒に囲まれて身動きを封じられてしまう。

 

「寄せ集めの暴徒だろ、何でこんな統率力が…!」

 

「黙れうるさい!!」

 

「縛れ」

 

「もういい!」

 

「暴徒じゃねえ」

 

「手だ手」

 

「お前らいつもそれだ!」

 

「人間の顔した奴には、わかんねえべ!!」

 

 暴徒達が憎悪を剥き出しにしながら叫ぶと、ロックロックは思わず目を見開く。

 そして口田も、大勢の暴徒によって地面に押し倒されてしまう。

 爬虫類のような顔をした中年女性は、口田に馬乗りになると装備を片っ端から剥いだ。

 

「やめっ…なんっ…! 何でこんな事っ、やめましょう!?」

 

 口田は、装備を剥ぎ取られながらも暴徒達に必死に訴えかけた。

 すると女性は、口田にぐいっと詰め寄って正面から睨みつけながら吐き捨てた。

 

「都会育ちか? こんっ…裏切り者が!」

 

 ヒーロー達は、暴徒を押さえようとしたが、荒れる暴徒は一向に止まる気配が無かった。

 一方で、スピナーの直属の部下の男は、ビルの上に立ち拡声器を通して己の主張を叫んだ。

 

『怒れ人民!! 今日が解放日だ! “個性”カウンセリング! “個性”教育! これが贋である事を! 我々は“形”を()って知っている! 『六・六事件』『ジェダの大粛清』! 『超常』とは、“異なる形”迫害の歴史だ! 虐殺に加担した男は、その理由(ワケ)を『気味が悪かった』の一言で片付けた! そして現在(いま)、世界は反省した───フリをしている!! 人口密集! 多様の坩堝に育った者は、ああ! 教育の賜物! 分け隔てる事など無いのだろう! だが街を出てみろ! そこにあるのは───』

 

 そう言って男は、頭に被っていた布を取る。

 布の下にあったのは、虫のような顔、そしてその額には大きな傷があった。

 

『『気味が悪かった』だ』

 

 自分の顔を晒した男は、声を大にして主張を叫び続けた。

 

『どれほど強い光でも、それ一つで全ては照らせない!! ここに集ったのは、照らされなかった者達だ!! 我々は自分自身で己を照らす!』

 

 男が主張を叫ぶ中、暴徒達は旗を掲げながら病院へと侵攻を進めていた。

 掲げられた旗には、スピナーの顔写真がプリントされていた。

 

『『この“個性(かたち)”じゃなければ』!! 一度でも思った事はあるか!? 我々のヒーローはお前達じゃない! 彼こそが我々を社会の中心に導く!!』

 

 そう言って男が指した先には、無数のナイフを繋ぎ合わせた剣を持ったスピナーがいた。

 巨大化したスピナーは、白目を剥いて多量の涎を垂らしていた。

 オールフォーワンから複数の“個性”を与えられたスピナーは、もはや正常な意識を保つ事ができなくなっていた。

 

「おい代弁者」

 

 No.2の男は、ニヤリと笑いながらスピナーに指示を出した。

 スピナーはもう考えるのをやめ、指示の通りに動いた。

 

「黒霧ヲ、奪還シロぉ!!!」

 

 スピナーがそう叫びながら剣を振りかぶった、その時だった。

 

 

 

「『オクトブロー』!!!」

 

 突然、スピナーは障子によって殴り飛ばされる。

 それを見たNo.2の男や暴徒達は、思わず目を見開く。

 

代弁者(スピナー)!!」

 

「こぉの野郎がてめっ!!」

 

「裏切り者だ殺せっ!! ヒーロー気取り! 殺せ!!」

 

 異形でありながらスピナーに歯向かう障子を見た暴徒達は、次々と障子に襲いかかった。

 障子は、殴られ蹴られ踏まれながら、自分の過去を思い出した。

 だがそれでも、障子は異形達に向かって言葉を放った。

 

()()が、今病院を襲う事とどう関係ある…?」

 

 障子が言うと、暴徒達は一瞬動きを止めた。

 障子は、ゆっくりと立ち上がりながら言葉を続ける。

 

「蛇腔でヒーローはまずっ、入院患者や関係者の……安全確保に動いたそうだがっ、どうなんだ…!? お前達は…っ、考えはあるのか!?」

 

 そう言って障子は、その場で立ち上がると複製腕で周りの暴徒達を振り払った。

 障子は、傷だらけの素顔を晒しながらも、スピナーを睨みつけながら言い放つ。

 

「あると言え…!! じゃなきゃ俺は、お前達を許さない!」

 

 障子は、スピナーを睨みながら叫んだ。

 その姿を見た暴徒達は、呆然とする。

 

「何だあのガキ…ひでえ傷…」

 

「いや…でも…」

 

「代弁者、あんた言ってたはずだ!」

 

「俺達は従う!」

 

「『黒霧奪還』に伴う犠牲は!」

 

「言ってくれ、あんたが正義だ!」

 

 暴徒達は、スピナーの指示を仰ごうと次々と声を荒げた。

 だがスピナーは、オールフォーワンに与えられた“個性”のせいで自我を失いかけていた。

 

「知らネぇよ」

 

 スピナーがようやく紡いだ言葉は、暴徒達を呆然とさせた。

 

「知らねぇって…」

 

『これは!! “流れる血こそ歴史を紡ぐ”と!! 即ちやむなしだと、そう言っているのだ! 前進せよ!!』

 

 スピナーの言葉に暴徒達が呆然としていると、No.2の男は、暴徒達の心を揺るがせた障子と、スピナーの失言に対し、心の中で悪態をつきながらも暴徒達に指示を出した。

 No.2の男に煽られた暴徒達は、黒霧奪還のため病院へと突き進む。

 

「スピナー、これでまた30年退行する」

 

「ウる…せえ…!」

 

 障子が言い放つと、スピナーは障子に反発した。

 スピナーは、オールフォーワンに与えられた“個性”を発動し、全身を硬質の鱗のようなもので覆った。

 今のスピナーの心にあったのはただ一つ、自分と対等な立場で話しかけてくれた死柄木の事だけだった。

 

「イイかラ進めぇえ!!!」

 

 スピナーは、大声で叫びながら剣を振り、剣で障子をビルに叩きつけた。

 障子は、複製腕を何本も斬り落とされ、そのままビルの壁面を削りながら吹き飛ばされる。

 

「障子…クン…!」

 

「障子…」

 

 暴徒達に押されてボロボロになった角取と鎌切は、何とか暴徒達を押し退けて立ち上がると、障子の方を振り向く。

 口田も、暴徒達を押し退けながら障子に向かって叫んだ。

 

「障子くん!!」

 

『同志よ!! 代弁者の歩みこそ、虐げられた者の逆襲と勇気! 革命に殉じよ! 今日の血が未来の異形に権益をもたらすのだ』

 

 No.2の男は、荒ぶる暴徒達を煽り立てた。

 それを見た口田は、怒りに震えながら頭を変形させる。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 三学期の合同演習の後のA組とB組の交流会の際、障子はマスクを外して自分の過去を学友達に語った。

 障子の過去を聞いた同級生達は、呆然とする。

 上鳴に至っては、口をポカンと開けたまま口から飲み物をこぼしていた。

 

「両親にこの腕はなかった。酷い村だったよ。人に触れようものなら、総出で『血祓い』だ。都会生まれには教科書の中の話かも知れんが、子供にこんな傷を負わせる地域がまだ残ってるんだ」

 

「ゆるせん、そんな奴ら根絶やそ…!」

 

「………」

 

 障子が過去を語ると芦戸が物騒な事を言うので、芦戸の隣に座っていたひなたは無言で顔を引き攣らせる。

 

「それもいいが、やはり“差異”というものはある…」

 

 障子は、飲み物を飲みながら言った。

 すると峰田と瀬呂は、“個性”把握テストの時に障子に言った言葉を思い出して気まずくなる。

 

「オイラ…“タコ”って言った気ィする…!」

 

「俺も…!」

 

 二人は、握力測定の時に二人して障子を『タコ』と言ってしまった事を謝罪した。

 

「ごめんなァでも気味悪いとかそんなん考えてねーよ!」

 

「俺もそんなつもりじゃなくてよ! ごめんなァ障子!」

 

I said to you “I don't like octopuses”(私『タコは苦手』って言っちゃった), Sorry Shohji-kun(ごめんね障子クン)‼︎」

 

 峰田と瀬呂が泣きながら障子に謝罪すると、角取も合同訓練の際に障子に言った言葉を思い出して謝罪した。

 すると障子は、自分の発言を思った以上に気にしていた三人を宥めながら話す。

 

「この腕から蛸を連想するのは当然だ。角取も、アメリカ(向こう)じゃ蛸を嫌う人間が多いのは知っている。文化の違いだ。あまり気にするな」

 

 障子は、自分の事を『タコ』と言った三人に対し、障子は自分の考えを語った。

 

「ヒーロー名テン()()ルだし、“(ヴィラン)っぽいヒーローランキング”とか下世話なもの見たりしてるし、触れないで変に気を遣ってほしくない。けれどこの“傷跡”と“異形”は、意味を強制する。だからマスクをしてる。俺は“復讐者”と思われたくない」

 

 障子は、飲み物を飲みながら自分の考えを語った。

 すると常闇が口を開く。

 

「…強いのだな」

 

「嫌なことは山ほどあったし忘れる事はない。でも、嫌な思い出を数えるより、たった一つでもこの姿で良かった思い出に縋りたいんだ」

 

 障子は、過去に自分の“個性”を使って救った少女の事を思い出しながら言った。

 すると賑やかし組が、一斉に障子に抱きつく。

 

「「「“たった一つ”とかやめて…マジでえ!」」」

 

「これからいっぱい作ろうよお! もぉお!!」

 

「ぬくいの知ってるの」

 

「ぼくらとさぁ! 良い思い出をさぁ──!!」

 

 賑やかし組と蛙吹が障子に抱きつくと、障子は複製腕でクラスメイトを包んだ。

 クラスメイトの温かい言葉の数々に、障子は思わず笑みをこぼす。

 

「うん。100年以上続く柵を、一世代でフラットにできるとは思わない。だからこそ先人達がそうしてきたように、俺も紡いでいきたいんだ。世界一かっこいいヒーローになって、“次”に良い思い出を」

 

 障子は、クラスメイトを抱きしめながら言った。

 するとひなたは、ガタッとソファーから立ち上がって障子に駆け寄る。

 

「めぞりん! 見て見て! 僕といっしょ!」

 

 そう言ってひなたは、障子の顔の傷と自分の欠けた耳を交互に指差した。

 笑顔で自分の傷を見せびらかすひなたに、障子は僅かに驚く。

 

「相澤、その耳…」

 

「うん。隠さない事にしたんだ。小さい頃は、『変』って言われて、嫌な思い出ばっかり蘇って……それが嫌で、見つからないように隠してた。でもね、ひー君が『カッコいい』って言ってくれて、この傷の意味を変えられて…それが、とっても嬉しかったの」

 

 ひなたは、欠けた右耳を見せながら語った。

 ひなたにとって、研究組織時代の実験で欠けてどうやっても治らなかったこの右耳は、一生消える事のない呪いであり、人間以下の証明だった。

 小学校に行ってから、欠けた耳を指差して嗤われたり、気味悪がられていじめられたりもした。

 嫌な思い出しかなかった耳の傷だが、心操に『カッコいい』と言われてその意味を変えられた事で、過去の傷と向き合えるようになったのだ。

 ひなたは、心操が自分の傷の意味を変えてくれたように、自分も障子の傷の意味を変えたいと思っていた。

 

「ねえめぞりん。僕は君のその傷だらけの顔が好きだよ。その傷は、君が誰よりも人の痛みがわかるって証だから。君にとっては嫌な思い出だろうけど、僕は君のその傷を、つらいものを背負って戦う君の姿を、とっても素敵だと思うから…僕は君の笑う顔をもっと見たい。雄英(ここ)を、君が顔を隠さず笑える場所にしたい」

 

 ひなたは、ニコッと笑って両手の人差し指で両頬をクイっと持ち上げながら言った。

 

「カッコいいぜ、ヒーロー!」

 

 ひなたは、触角をピコピコさせながら笑顔を浮かべてみせた。

 すると障子は、複製腕をひなたと心操の方へ伸ばし、頭の上に手を置いた。

 障子は、そのままひなたの頬を複製腕で撫でながら微笑んだ。

 

「ありがとな。俺は、お前達と出会えて良かった」

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 障子は、スピナーと交戦しながらも、スピナーを説得した。

 

「俺も迫害を受けてきた! ()()を傷つけてきた者に、正当性などない! でもやり方が違うだろう!?」

 

 障子は、スピナーのやり方は間違っていると糾弾した。

 だがスピナーは、聞く耳を持たずビルを這いながら吠える。

 

「知ルか、全部ブッ壊れロォ」

 

 スピナーは、全身を鱗で覆って叫んだ。

 障子は、聞く耳を持たないスピナーに対して何度も説得を試みた。

 

「怒りの使い方を考えろ!!! 考えられる筈だ!! だって俺達には、傷があるんだから!!」

 

 障子は、何度もスピナーに訴えかける。

 その姿を見た暴徒達は、暴れるのをやめて障子の方を見る。

 だがBROWN隊No.2の男は、そんな障子を嘲笑った。

 

『水に流せるならこうはなっていない!! 具体性もない! 所詮其方の望み(エゴ)を叫ぶだけ! 青臭さに打たれる胸は、とうにヒトにつぶされた!!!』

 

 男は、障子を嗤いながら暴徒達にスピーチをした。

 するとその時、障子の前に鳥の大群が押し寄せる。

 見ると、口田が怒りを露わにしながら頭を変形させて角を剥き出しにしていた。

 

「障子くんを嗤うな…!!!」

 

 そしてその頃、障子は複製腕を全て右腕に集め、一本の巨大な右腕を作り出していた。

 その様子を見たスピナーは、異形を代表する者として言ってはいけない言葉を口走った。

 

「キモ」

 

「ああ、これが俺だ」

 

 スピナーが障子を気味悪がると、障子は右腕を振りかぶった。

 口田は、頭の角を使って鳥や虫の大群を操る。

 

「『ヒッチコックバーズ』」

 

 口田は、鳥や虫の大群でNo.2の男をビルの上から押し出した。

 一方で、プレゼントマイクは、スピナーの持っていた剣を音波で破壊し、障子は一本にまとめた複製腕を振りかぶった。

 

「『オクトスパンション』」

 

 障子は、複製腕でスピナーを殴り飛ばした。

 障子に殴られたスピナーは、鱗が粉々になり、意識を刈り取られる。

 一方で角取と鎌切は、硬質な鉱石のような鱗で覆われ、鰐のような形相をした元幹部の男と対峙していた。

 

「消えろォ裏切り者共!!」

 

 鎌切は、鰐男の硬質な鱗で全身を切り付けられてボロボロになる。

 だがその時、鎌切の“個性”が覚醒し、全身が鋭い刃物に変わる。

 鎌切は、そのまま全身から無数の刃物を出した。

 

『ジャックスプリンター』

 

 鎌切が全身を刃物に変えて鰐男の攻撃を受け止めると、鰐男の鱗が鎌切の刃物で粉々に砕け、鰐男の動きが止まる。

 鎌切は、全身を鱗で切り付けられ、次々と皮膚の一部である刃物を折られながらも踏ん張って鰐男を止めた。

 

「今だポニー!! やれェ!!」

 

「んぐぅ…!! こんのぉ、クソガキィ…!!」

 

 鎌切が角取に叫ぶ中、鰐男は尾を振り回して暴れようとする。

 だがその直後、鰐男の周りには変形した大きな角が宙に浮く。

 角取は“個性”が覚醒して角が成長し、一本一本のパワーも倍以上に増していた。

 

「ワタシ、お友達をバカにスル人許しマセンデース! 『TORNADO HORN』!!」

 

 角取は、鰐男の周りの角をまるで渦を巻くように飛ばすと、それぞれの角を渦に乗せたまま蛇腹のように連結し、一気に鰐男に襲いかかった。

 角取の攻撃を喰らった鰐男は、全身の鱗を粉々に破壊されて叫び声を上げる。

 

「ぐぁあああぁあああ!!」

 

 鰐男は、叫び声を上げながらその場に倒れ込み、二度と立ち上がる事は無かった。

 一方で、スピナーを殴り飛ばした障子は、スピナーや暴徒に向かって言葉を投げかける。

 

「その“巨躯”と“鱗”で…! 何を守る…!! スピナー!! お前達も! その恵まれた力で何を守りたい!! 傷につけ込まれるな! 今度はお前達の子供が標的になるぞ!! 復讐者にならないでくれよ!!」

 

 障子が声を上げると、その言葉に心が揺らいで立ち止まる者もいた。

 だがその時、殴り飛ばされたスピナーが、ビルの外壁を両手足で掴んで叫んだ。

 

「ウゥ、『ウラミは』、きっ、『消えなイ』!! 『こコデひーローガ勝テバ』『何モ』『変ワらナイ』! 『日の下をあっあ、歩イタだけデ』『俺ハ殺虫剤を撒カレた』!! 『ヤられタラやり返シテインだ』『同志ヨ!』『声ヲ上ゲロ! 俺ニ続ケェ!!』」

 

 スピナーは、下で暴れている暴徒達に向かって叫んだ。

 自分達の行いは本当に正しいのかと考える暴徒達だったが、すぐにスピナーの声に乗せられると、大声を上げて病院へと殴り込んだ。

 スピナーも、ビルを蹴って病院へと一直線に飛んでいき、病院のドアを蹴破って乗り込むと黒霧を探した。

 異形達が病院に乗り込んで暴れる中、病院の関係者達は入院病棟の前に立ちはだかって患者を守った。

 その中には、異形型の“個性”の医者もいた。

 患者を守る為に暴徒達の前に立ちはだかる異形型の医者を見て、暴徒達は戦う意思を削がれ、手に持った武器を手放した。

 スピナーは、暴徒達が足を止めているのも気に留めず、ただ死柄木の役に立つ為だけに黒霧の元へと走っていた。

 

 

 

 ──何者ニモナレナイト思ッテタ

 

 ──お前にツイテイケバ、俺モ“何カ”ニナレルト思ッタ

 

 ──死柄木! 見テクレ! 俺ノ後ロニコンナニモ人ガ

 

 

 

 嬉しそうに振り向くスピナーだったが、彼の後ろには誰もついてきてはいなかった。

 するとその時、プレゼントマイクの声が聴こえてくる。

 

「…障子の声は届いてたよ。()()()はてめェらの切り札じゃねえ!」

 

 プレゼントマイクは、スピナーと同時に黒霧の拘束されている病室に辿り着いた。

 二人は、拘束されている黒霧に同時に呼びかけた。

 

「黒霧!!」

 

「白雲!!」

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 その頃、プレゼントマイクに指示を受けた障子達は、解放戦線の残党と戦っていた。

 障子が残党を取り押さえていると、後ろから鮫顔の男が障子を殴ろうとする。

 するとその時、豚顔の男が鮫顔の男の武器を掴んで止めた。

 身体を張って他の暴徒を止めた男の姿に、障子は思わず目を見開く。

 

「俺…俺は…怒りの使い方を間違えたのかもしれない」

 

 豚顔の男は、周囲の異形達に無言で見守られる中言葉を発した。

 するとその時、口田に取り押さえられた残党の男が叫んだ。

 

「怖気付くな足を止めるな代弁者を追え!!! 見て見ぬフリをしてきたこの土壌全てが悪なのだ!! 思い知らせる時なのだ!! 受けた仕打ちだけを考えろ!!」

 

「かっ、考えてる! 何もしていないのに殴りかかられた! 思い返すだけで腸が煮えくり返る! でも…っ」

 

 豚顔の男は、障子の横に並び立った。

 すると周りの異形達も、豚顔の男に賛同するかのように障子の周りに立つ。

 

「…軽薄だと嗤うか…? “決起”の噂を聞いた時は、確かに高揚したんだ…!! 沈黙は悪なんだって…!! 俺達を置き去りにした世界を()()ひっくり返してやるって…!! 代弁者がいるって!」

 

 豚顔の男の脳裏には、障子の『やり方が違う』という言葉と、スピナーの『知らねえ』という言葉が浮かんだ。

 この男は、死柄木やオールフォーワンに乗っかってただ譫言を呟くスピナーの言葉より、同じ異形の“個性”を持ちながらヒーローとして戦う障子の言葉に心を動かされたのだ。

 

「わかんねえっ、全部って何だ!? 中にいる人達を、おっ俺はっ!! 殴る気にはなれなかった!」

 

 豚顔の男は、目に涙を浮かべながら、武器を手に取っている異形に訴えかけるように叫んだ。

 男の言葉を聞いた異形は、足を止めて武器を手放す。

 すると残党達は、再び異形達の復讐心に火を付けようと躍起になる。

 

「やめろやめろ冷静になるな!!!」

 

「何を止まっている!! これは革命だ!! 進め、全部ブッ壊すンだ!!」

 

 残党達は、異形達を必死に焚き付けようとした。

 だが異形達は、足を止めたまま動かなかった。

 障子の横に立った男は、障子に問いかける。

 

「間違えたのか…!? 俺は…黙って座っているべきだったのか…!!?」

 

「今日立ち上がった気持ちは、決して無駄でも間違いでもないハズです。照らされなかったのは、俺達を傷つけてきた方だ」

 

 男が訴えかけると、障子は思わず目に涙を浮かべながら答える。

 すると他のヒーローも、口田が捕まえた残党に話しかけた。

 

「あんたらの声は胸に刻んでいく。気付けずすまなかった」

 

「!」

 

 他のヒーローが異形達に謝罪すると、残党は思わず目を見開く。

 障子は、自分に問いかけてきた豚顔の男に自分の考えを伝えた。

 

「考える事をやめなかったあなたが、俺には今まぶしく映ります。その光で、傷つける者を変えましょう。彼等が自ら、自分の拳を恥じるまで」

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

『YEAHHHHHHHHH!!!!!』

 

「グァアァア!!!」

 

 その頃プレゼントマイクは、スピナーに爆音攻撃を放っていた。

 音波を直接喰らったスピナーは、手に持っていた端末を手放し、“個性”が解けてその場に倒れ込む。

 プレゼントマイクは、スピナーの“個性”が解けた事を確認すると、黒霧目掛けて音波を放とうと息を大きく吸う。

 プレゼントマイクの脳裏には、相澤や白雲と過ごした日々や、黒霧と話した時の記憶が駆け巡る。

 

 

 

 ──なろうぜ…ヒーローに! 三人で! 

 

 ──お願い、戻ってきてあげて…ちゃんと、頑張ったねって…言ってあげて…!! 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 8年前の夏、ひなたが泣きながら学校から帰ってきた事があった。

 プレゼントマイクが事情を聞くと、ひなたは啜り泣きながら話し始める。

 

「あのね、クラスの男の子が鳥さんを“個性”でいじめてたの。だからね、ぼくの“個性”で助けようとしたの。でもね、そしたら鳥さん死んじゃったの。みんな言うんだ。『お前が殺したんだ』って。ぼくだってそう思ってる。ぼく、こんな“個性”なら…誰かを傷つける事しかできない力なら、無い方が良かったなぁ」

 

 ひなたは、小学校で起こった事を正直に話した。

 クラスの男子が生きた小鳥を“個性”で引っ張ったり羽根を千切ったりして遊んでいたので、ひなたは“個性”で小鳥にかけられた“個性”を消して助けようとしたのだが、当時のひなたは他者にかけられた“個性”を消す方法がわからず、誤ってグチャグチャの肉塊にしてしまったのだ。

 それを見たクラスメイトは、小鳥をいじめていた男子も含めて、ひなたが小鳥を殺したと寄ってたかって責めた。

 ひなたの話を聞いたプレゼントマイクは、何を考えたのか、唐突に外に出た。

 

「ちょっとついて来い」

 

 プレゼントマイクが言うと、ひなたがついてくる。

 プレゼントマイクがひなたを連れてきたのは、広い公園だった。

 プレゼントマイクは、ポケットに手を突っ込んで歩きながら公園をキョロキョロと見渡す。

 

「この辺でいいかな…」

 

「パパ、これから何をするの?」

 

「見てろ」

 

 プレゼントマイクは、“個性”を使ってピィピィと高い声を出した。

 するとその直後、公園にいたスズメが一斉に飛んできた。

 それを見たひなたは、思わず目を丸くする。

 

「ヒーローは一芸だけじゃ務まらねえってな。消太の受け売りだけど」

 

 声でスズメを呼び寄せたプレゼントマイクは、寄ってきたスズメを一羽ひなたの小さな手の上に乗せながらドヤ顔した(※本当はひなたに喜んでもらう為にメチャクチャ練習した)。

 プレゼントマイクの一発芸を見たひなたは、宝石のようにキラキラと目を輝かせながら尋ねる。

 

「わあああ!! すごい、すごいすごい!! パパ! 今のどうやったの!?」

 

 ひなたは、満面の笑みを浮かべて無邪気にはしゃいだ。

 するとプレゼントマイクは、ひなたの視線に合わせてしゃがみ、ひなたの頭に手を置いて撫でる。

 

「あのなひなた。どんな力だろうと、大事なのは“誰がどう使うか”だと思うんだ。俺の“個性”だって、悪い奴が持ってたら簡単に人を殺せちまう。お前は優しくて賢い子だから、誰かの為にその“個性”を使える時が必ず来る。だから無い方が良いとか簡単に言うな」

 

 プレゼントマイクが言うと、ひなたは手の中にいるスズメを見ながら嬉しそうに唇をモニョモニョ動かす。

 数年後、二人は児童養護施設のボランティアに親子で参加したのだが、その時ひなたが唐突に一発芸を披露すると言い出した。

 ひなたは、どこからかグラスの並んだワゴンを持ってきた。

 

「見てて!」

 

 そう言ってひなたが並んだグラスに手を翳すと、グラスが次々と鳴って美しい音色を響かせた。

 ひなたはグラスの上で手を揺らし、童謡を演奏した。

 するとひなたの一発芸を見た子供達は、目を輝かせながらワイワイとはしゃいだ。

 それを見たプレゼントマイクは、目玉が飛び出そうなほど目を見開いてひなたに詰め寄る。

 

『Huh!? ウッソだろなあ今のどうやったの!? 俺にも教えて!』

 

「手だよ。“個性”を使って手を小さく振動させて、グラスを揺らしてるの」

 

 プレゼントマイクが詰め寄ると、ひなたは自分の掌を指差しながら言った。

 ひなたの説明を聞いたプレゼントマイクはひなたの真似をしてみるが、ひなたのように手の振動だけで演奏する事はできなかった。

 

「僕ね、あれからいっぱい考えたの。誰かの為になる、力の使い方を!」

 

 ひなたは、満面の笑みを浮かべながら言った。

 無邪気に笑うひなたを見て、プレゼントマイクはひなたの頭を撫でる。

 

(最初は何もできない子供だったのに、いつの間にか逆に俺が教えられる立場になっちまったなぁ)

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

Crescendo(クレッシェンド) VOICE(ヴォイス)

 

 プレゼントマイクは、息を大きく吸うとありったけの声で叫んだ。

 声帯で生み出された爆音は全身で共鳴し、全身で起こった『声』が増幅されて放たれた。

 声を自在に操れるという事は、即ち全身の振動を自在に操れるという事でもあった。

 プレゼントマイクの声は、全身で起こる共鳴によって増幅され続け、何十倍もの威力となって放たれた。

 その境地に至ったのは、ひなたのおかげだった。

 

『戻ってこい!!! 白雲ォオオオオオオオオオオ!!!!』

 

 プレゼントマイクが叫ぶと、黒霧の身体がビリビリと震え、近くにいたスピナーは耳から血を噴きながら意識を手放した。

 音波を直接喰らった黒霧は、拘束具ごと吹き飛ばされて仰向けに倒れ込む。

 スピナーと黒霧を倒したプレゼントマイクは、大技を放った事で息を切らしながらも黒霧に一歩近づいた。

 

「ハァッ…ハァッ……」

 

 だが、プレゼントマイクが一歩踏み出したその瞬間、黒霧が起き上がる。

 

「!」

 

 起き上がった黒霧は、プレゼントマイクをギロリと睨む。

 黒霧の顔には、白雲の顔が僅かに浮かび上がっていた。

 

「白………」

 

 プレゼントマイクが口を開いた、その瞬間だった。

 突然黒霧の顔面にピシッとヒビが入り、少しずつ表面が崩れ始める。

 黒霧の顔面がヒビ割れた下にあったのは、生前の白雲の顔だった。

 

「私…は、死柄木…弔を…っ……守る…モ゛……」

 

 黒霧は、自分に与えられた任務を果たす為にワープゲートを開こうとするが、内側から働く力がそれを邪魔していた。

 内側から邪魔する力を押さえつけようとしている間にも、黒霧の身体の表面が少しずつ剥がれていく。

 

「ア゛……い゛ぃ……ひ……ざ…し………」

 

「白雲!!」

 

 黒霧の中で抗う声が聴こえてくると、プレゼントマイクが叫ぶ。

 するとさらに黒霧の身体の崩壊が進んだ。

 以前黒霧を元に戻す事に失敗したひなただったが、実はひなたの声は全く効いていないわけではなかった。

 あまりにも変化が小さすぎて本人さえも気付いていなかったが、あの時の『声』はずっと黒霧の身体を戻し続けていた。

 黒霧を元に戻すにはあまりにも小さすぎる揺らぎは、ここに来てプレゼントマイクの放った声に共鳴して増幅され、ひなたの“個性”による復元が急激に加速したのだ。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 気がつくと、後に『プレゼントマイク』として活躍する事になる少年、山田ひざしは暗闇の中にいた。

 山田が暗闇の中を見渡していると、視界の端に人影が映り込む。

 山田が見たのは、暗闇を必死に掻き分けている小さな少女の姿だった。

 少女は、黒い霧のようなものに包まれながらも、暗闇を掻き分ける。

 だがその時、少女の身体は光の粒になって崩れ始め、もう時間が無い事を悟った少女は急いで暗闇の中にあるものを引き摺り出そうと必死で掻き分けた。

 少女が必死に掻き分けた先にあったのは、かつての親友の顔だった。

 親友の顔を見た山田は、考える前に身体が動いていた。

 ようやく暗闇の中に埋もれていた少年の手を暗闇から引っ張り出した少女だったが、少年を引っ張り出そうとしたその時、少女の身体が光の粒になって完全に消えた。

 再び少年が暗闇の中に引き摺り込まれようとしたその時、飛び出した山田が少年の手を掴んだ。

 山田は、そのまま少年の身体を暗闇から引っ張り出して抱き留めた。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 プレゼントマイクは、黒霧を元に戻そうと叫び続けていた。

 だが既に遅く、黒霧は連合の仲間を助けに行く為のワープゲートを生み出していた。

 黒霧がワープを使ってその場から消えようとし、プレゼントマイクがやはりダメかと諦めかけた、その時だった。

 

「私…………は………………」

 

 最初は一部だけだった崩壊が全身に伝わり、黒霧の身体の表面が完全に粉々に砕け散った。

 それと同時にワープゲートが消滅し、黒霧だった人物が前のめりに倒れ込む。

 黒霧の身体が消滅し、その場所に残っていたのは、プレゼントマイクのかつての親友、白雲朧だった。

 プレゼントマイクは、涙を流しながら駆け寄ると、倒れそうになる白雲を抱き留めた。

 一糸纏わぬ姿で現れた親友を抱き留めたプレゼントマイクだったが、すぐに腕の中の親友がもうこの世のものではない事に気がつく。

 生きて再会する事は叶わなかったが、親友が元の姿で戻ってきてくれた、それだけで十分に心は救われた。

 

 

 

 ──ねえパパ! 僕、パパに何か返せたかなぁ

 

 

 

「…ああ。沢山貰ったよ。十分すぎるくらいに」

 

 プレゼントマイクは、白雲の遺体を抱きしめながら、白雲を元に戻したひなたに感謝した。

 やっとの事で警官隊を連れて駆けつけてきたロックロックが見たのは、気を失って地面に伏しているスピナー、そして少年の遺体を抱きしめて泣いているプレゼントマイクの姿だった。

 

「帰ろう、白雲。俺達の学校に」

 

 プレゼントマイクは、腕の中で眠る白雲に声をかけた。

 その後、スピナーと残党は全員ヒーローと警官隊によって確保され、白雲の遺体も運び出され、暴徒達は冷静さを取り戻してヒーローや医療従事者達の手助けをした。

 セントラル病院での戦いは、障子達が暴徒を鎮め、プレゼントマイクがスピナーを倒し黒霧を白雲に戻した事で幕を閉じた。

 

 

 

 

 




スピナー戦で重要になる口田を本作ではB組にしちゃったので、障子が過去を語るシーンは三学期で、B組も一緒に聞いてたっていう設定に変更しました。
許してつかあさい。
だって心操くんと“個性”被るんだもん…(ヴォイ)

そして今回の話で、ヒーロー側の分断作戦が機能した理由が語られました。
ここに来てマイク先生の成長イベント。
この話、いつか書いてみたかったんですよね。



ここで捏造技紹介コーナーの巻。

『Crescendo VOICE』
プレゼントマイクの作中オリジナル技。
声を全身で共鳴させて音エネルギーを増幅し、一極集中させて解き放つ。
声を共鳴させている分通常のシャウトの何十倍もの強さの振動を生み出し、一回の発動でビルを一棟丸ごと揺らす程の威力を誇る。
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