抹消ヴォイスのヒーローアカデミア   作:M.T.

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I AM HERE

 時は少し遡り、緑谷が死柄木を連れて雄英から飛び降りた直後。

 緑谷と死柄木が地上に降り立った頃、ジェントルは“個性”を使って雄英を支えていた。

 

「ぬおおお!!!」

 

 “個性”を限界まで発動させて粘るジェントルだったが、ジェントルの“個性”にも限界が訪れ空気の膜が破れ始める。

 

「『弾性(エラスティシティ)』が耐えきれん…! これは『愛』ではなく私の限界…!」

 

『もう少しだけ頑張って!! もう少しで浮上プログラムを送信できるの!!』

 

『ラブラバさん、こっち組み終わりました! 送信します!』

 

 ジェントルが何とか雄英を支えている中、ラブラバと影山が浮上プログラムを組んでいた。

 ジェントルは、プログラムの作成を二人に託し、雄英を支え続ける。

 

(…速すぎて見えなかったが、私にはわかる。あの少年は今、この世界の未来の為に戦っている。此処から離れたという事は、私は託されたのだろうか。いや…私がいる事など、知る由もないだろう。カメラもない。観衆もいない。ここで私がどうしようが、罵倒も喝采もない)

 

「ただ生きる喜びだけが、心に!!」

 

 ジェントルは、笑顔を浮かべながら踏ん張り雄英を支えた。

 だがその時、雄英の壁の一部が光り、ジェントルがふと目を向けると、経営科の生徒達がジェントルの勇姿をカメラに収めていた。

 

(カメラと観衆いる!!)

 

「危ないぞ!! 中に入ってなさい!!」

 

「彼は服役中の(ヴィラン)の筈。だが今この棺を支えているのは 紛れもなく彼である…!」

 

「聞いてないな! 私今必死なの! 中に入ってて!!」

 

「うるせー撮らせろ!!」

 

「情緒!」

 

 ジェントルが命懸けで雄英を止めている状況の中、経営科の生徒がナレーションをし始めたため、ジェントルは思わずツッコミを入れる。

 すると経営科の生徒は何故か逆ギレしてきたため、ジェントルはまたしてもツッコミを入れた。

 経営科の生徒は、身を乗り出してスマホを構えながら叫ぶ。

 

「僕らだって、必死だ!! 日本がこうなった! その責任を、エンデヴァーに背負わせた!! 僕らがプロデュースしなきゃいけなかった! あの日こそ、ヒーローと社会を繋ぎ止めなきゃいけなかった!! できなかった! だから撮って、今度は繋ぐ!! それが経営科(ぼくら)のヒーロー活動なんだ!!」

 

 経営科の生徒がジェントルを撮りながら叫んだ、その時だった。

 

『とっても素敵ね、あなた達!!』

 

 突然、経営科の生徒のスマホからラブラバの声が聴こえてきた。

 

「ケータイがフランクになった!? あれ!? いや、操作が効かないぞ!?」

 

「乗っ取られた!? (ヴィラン)か!?」

 

『雄英の電磁バリアが弱まってるからね! 入らせてもらったの!』

 

 ラブラバは、いつの間にか経営科の生徒のスマホをジャックしていた。

 雄英の浮上プログラムの構築という重要な任務を請け負っている中で関係ない事をし出したラブラバに対し、塚内は焦りを覚える。

 

「相場、何してる!? 早く雄英を───…」

 

「ご安心を。たった今、最後のプログラムを送信し終わりました」

 

 塚内がラブラバに声をかけようとすると、影山が『タンッ!』とエンターキーを叩きながら言った。

 よほど集中して疲れたのか、影山は椅子にもたれかかってため息をついていた。

 一方でラブラバは、経営科のスマホを乗っ取ってジェントルの配信を始めていた。

 

「今は次に取り掛かりチュウ! 撮り続けてヒーロー! こんなに素敵なジェントルを()()()()()()()()なんて! 彼がよくても私が許さないんだから!! ♡♡」

 

 そう言ってラブラバは、恍惚とした表情を浮かべながら配信のスタートボタンを押した。

 するとその直後、雄英の浮上プログラムが機能し、雄英が再び宙に浮き始めた。

 

「軽くなった! やったァラブラバ!!」

 

 雄英が再び浮上を始めると、ジェントルは喜びのあまり声を上げる。

 その頃地上では、緑谷と死柄木が交戦していた。

 死柄木がレディナガンに撃たれた右手を再生させて緑谷に触れようとした。

 すると緑谷は、死柄木目掛けて目眩しをして上へと跳ね、そのまま『変速』と『浮遊』を使って死柄木の背後を取ると、まるで相澤や心操の捕縛武器のように『黒鎖』を伸ばし、死柄木を拘束して空中に持ち上げる。

 

『5TH ジェスタースタイル』

 

『浮遊』の“個性”によって宙に浮かされた死柄木は、『変速』の“個性”で速度を遅くされ、緑谷のスマッシュを喰らう。

 緑谷は、そのまま手の形を変え、何かを噴射するような姿勢を取る。

 

『6TH ダイナマイトスタイル』

 

『3RD ショートスタイル』

 

 緑谷は、死柄木を『黒鎖』で拘束しながら、『発勁』と『煙幕』で爆豪の『榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)』と轟の『膨冷熱波』を再現した技を放つ。

 大規模な衝撃波を喰らい、『回復』の“個性”でダメージを喰らった身体を元に戻そうとした死柄木だったが、緑谷は死柄木に回復の隙を与えずに攻撃を続けた。

 緑谷は、死柄木と共に地上に降り立ってから、『崩壊』を発動させないよう膠着状態を保っていた。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 そして現在。

 郡訝のヒーローが全滅し、オールフォーワンが死柄木のもとへ向かおうとした、その時だった。

 オールフォーワンの前にオールマイトが立ちはだった。

 オールマイトは、もしナイトアイの予知がまだ生きているのだとすれば、予知が的中するのは間違いなくここだろうと確信していた。

 

「私が来た!!」

 

 オールフォーワンが通ろうとしていた道路に現れたオールマイトは、笑顔を浮かべながら叫ぶ。

 オールマイトは、手に持っていたアタッシュケースを変形させると、変形させたプレートを全身に纏う。

 そこには、笑顔を浮かべながらパワードスーツを身につけた、『アーマードオールマイト』が立っていた。

 

「エルクレス、映像を」

 

『モウ撮ッテイマスヨ』

 

「戦況はしっかり伝えるよ、塚内くん、ナイトアイ」

 

 オールマイトは、笑顔を浮かべながら塚内とナイトアイに伝えた。

 一方で、パワードスーツに身を包んだオールマイトを映像越しに見ていた警官達は驚いていた。

 

「パワードスーツに…車は……サポートアイテム!?」

 

 映像を見ていたナイトアイは、映像のオールマイトを見ながら冷や汗を浮かべていた。

 作戦前にもう一度オールマイトの未来を見たナイトアイだったが、オールマイトの未来は変わっていなかったのだ。

 

「オールマイト…!!」

 

「……!!」

 

 そして塚内もまた、ギリっと歯を食い縛りながら冷や汗を浮かべていた。

 塚内は、ナイトアイにオールマイトが死ぬ未来が以前見た時と変わっていなかった事を知らされ、“無個性”のオールマイトがオールフォーワンに勝てるわけがないと思っていた。

 だからこそギリギリまでオールマイトを止めたが、オールマイトは塚内の制止を振り切ってオールフォーワンの元へ向かってしまった。

 そんな事情を微塵も知らないラブラバは、オールマイトとオールフォーワンが戦闘中という情報を入手すると、早速映像を配信しようとした。

 

「オールマイトVSオールフォーワンですって!? 配・信!!」

 

「あ、コラ何でもネットに流すな!!」

 

「卍解みたいにアップすな!」

 

「ネットリテラシーどうなってんスか」

 

 ラブラバが配信すると、警官達がツッコミを入れ、影山も大概人の事を言えないツッコミを入れた。

 オールフォーワンを前に笑うオールマイトを見た塚内は、オールマイトが死に場所を決めていたのだと思い、ギリッと歯を食いしばる。

 

「いくら道具を積んだところで、“無個性”の人間がオールフォーワン(アレ)の相手になる筈がないんだ。配信を止めろ相場…これから映るのは、緑谷出久(でし)の戦いを邪魔させない為に…オールフォーワンから数分…数秒奪う為だけに蹂躙される元・英雄の姿だ…!」

 

 塚内は、自ら死にに行くオールマイトの無謀さに嘆きつつ、両手で顔を覆いながら言った。

 一方で、オールフォーワンは、この期に及んでも自分を邪魔するオールマイトに苛立ちを覚え、“個性”を発動しながら突進した。

 

「何を笑っている!!」

 

 そう言ってオールフォーワンは、レーザーでオールマイトを焼き切ろうとした。

 だがオールマイトは、エルクレスの装甲を纏いながら突進した。

 

「エルクレス!! “レッド───」

 

 オールマイトが叫んだ直後、オールフォーワンのレーザーがオールマイトの装甲に直撃する。

 オールフォーワンのレーザーによって周囲のビルが焼き切られ、装甲も粉々に砕けたが、オールマイトは無傷で笑顔を浮かべながらオールフォーワンのもとへと突進していた。

 

『エルクレス装甲(シールド)、全体ノ66%消失。次ハアリマセン』

 

「上等!!!」

 

 オールマイトは、サポートアイテムを粉々に砕かれながらも、笑顔でオールフォーワンに向かって突進した。

 レーザーを放った代償に右腕を失ったオールフォーワンは、“無個性”にもかかわらず猛進してくるオールマイトに苛立ちを見せる。

 

「避けずに猛進…その戦い方は、ワンフォーオールがあったからこそだろうが!!」

 

 オールフォーワンは、オールマイトに向かって怒鳴りながら突進する。

 だがその直後、オールフォーワンの身体に黒いワイヤーが突き刺さった。

 

「“ブラックウィップ”“チャージズマ”」

 

 オールマイトは、オールフォーワンの身体に突き刺したワイヤーに超高圧電流を流した。

 電流を喰らったオールフォーワンは、身体中が痺れ右腕の再生を妨害される。

 

「巻き取り!! “セロファン”!!」

 

 オールマイトは、今度はオールフォーワンに喰らわせたワイヤーを両腕の装備で巻き取り急接近した。

 

「お師匠との()()の戦いからず━━━っと、まず雑に遠距離攻撃だよなあ!?」

 

 オールマイトは、笑顔を浮かべながらオールフォーワンを煽った。

 すると今度は、別のサポートアイテムが飛んでくる。

 

「ビルドアップ!! “シュガーマン”!!」

 

 オールマイトの掛け声と共に、サポートアイテムがオールマイトの左脚に装着された。

 

「弱らせてから“個性”を奪うってなァ! その戦い方は、“個性”がある奴との戦い方だろうが!!!」

 

 オールマイトは、オールフォーワンを煽りながら左脚を振りかぶる。

 その様子を見た影山は、思わずアーマードオールマイトに魅入っていた。

 

「すっげ…」

 

 オールフォーワンを圧倒するアーマードオールマイトを見た影山は、思わず身を乗り出して笑みをこぼし、素の口調が出ていた。

 オールマイトが戦う様子を配信していたラブラバは、引き攣った笑みを浮かべながら塚内に尋ねる。

 

「…何が、映るって? おまわりさん」

 

 塚内は、オールマイトが戦う様子を見て、思わず目を見開き息を呑んでいた。

 そこには魔王に蹂躙される元英雄の姿などどこにもなく、紛れもなく魔王を圧倒する英雄の姿が映っていた。

 オールマイトは、左脚を振りかぶりながら叫ぶ。

 

「このスーツとエルクレス()は、少しでも戦えるよう私が考え…設計を頼んだ! 且つてお前に敗れ、アメリカへ逃亡を余儀なくされ! その地で出会った友人との縁だ!! 私が与えられてきたもの、全てをぶつける!! 長い付き合いだ、わかるだろ()()!?」

 

 そう言ってオールマイトは、オールフォーワンに蹴りを喰らわせた。

 

「“シュートスタイル”スマッシュ!!!」

 

 オールフォーワンに蹴りを喰らわせたオールマイトは、そのまま何発も蹴りを浴びせ続ける。

 

「私は過去一度たりとも、負ける気で戦った事はない!!!」

 

 オールマイトは、オールフォーワンを蹴り続けながら、笑顔でオールフォーワンを煽った。

 

「まったく気が滅入るぜ!! 50も半ばを超えて、()()()()()()嬲るってのぁ!! 魔王が聞いて呆れるぜ! “無個性”で戦れる程度とは!!」

 

 オールマイトが高笑いしながらオールフォーワンを一方的に蹴り続けると、オールフォーワンはオールマイトを睨む。

 そしてその直後、オールフォーワンは左手から“個性”を放ち、周囲の建物ごと吹き飛ばした。

 オールフォーワンの攻撃が直撃したオールマイトは、そのまま吹き飛ばされビルに激突する。

 

「…雑に組んだな…!」

 

 ビルの中に投げ出されたオールマイトは、黒影(ダークシャドウ)の顔の形をした装甲に身を包んでいた。

 

「ユーティリティマントオートガード“黒影(ダークシャドウ)”」

 

『マント損壊。左上腕骨・鎖骨粉砕』

 

「動作補助MAX!!」

 

 オールマイトが左腕の装備を作動させたその時、オールフォーワンがオールマイトの目の前に現れた。

 

「“戦えている”? 何を勘違いしている…? 出涸らしのゴミクズが。ゴミ袋を被ったら気が大きくなったか? あ? 壊れて失うだけだ。道具(それ)は、限界を超えない」

 

 オールフォーワンは、オールマイトを見下しながら煽り散らした。

 それを聞いたオールマイトは、オールフォーワンを指差しながら言った。

 

「気が合うね、親友…」

 

 そう言ってオールマイトは、オールフォーワンに向かって突進して右ストレートを放った。

 オールフォーワンは、オールマイトの右ストレートを額で受けながら笑みを浮かべた。

 

「君の時間稼ぎに釣られたんじゃない。ゴミ拾いできる程ゆとりがあるんだよ、僕には!!!」

 

 オールフォーワンは、オールマイトを嘲りながら衝撃波を浴びせた。

 オールマイトは、オールフォーワンの衝撃波を正面から浴びながらも、笑顔を浮かべながら咆哮を上げた。

 

「取り繕ってんじゃないよ、みっともない!!」

 

 オールマイトが咆哮を上げた直後、円錐状のサポートアイテムが飛来し、空中で分解して注射器が現れる。

 オールマイトは、飛び出した注射器を空中で掴むと、オールフォーワンの腹に突き刺して中身を注入した。

 

「超酸注入“ピンキー”!!」

 

 オールマイトが注射器の中身を注入すると、オールフォーワンの全身が、針が刺さった部分から爛れていく。

 

「巻き戻ったそばから腐食し続けちゃうなあ!?」

 

「オ゛オ゛ルマ゛イ゛ト゛ォ!!」

 

「“生ゴミ”じゃなかったっけ!?」

 

 オールフォーワンが全身を腐食されながら叫ぶと、オールマイトは血を吐きながら高笑いする。

 だがその直後、オールフォーワンは自壊する程の強さで衝撃波を放った。

 衝撃波を喰らったオールマイトは、そのまま数百メートル吹き飛ばされ、ビルの屋上のフェンスに叩きつけられる。

 衛星でオールフォーワンの居場所を追っていた影山は、ガタッと椅子から立ち上がりながら叫んだ。

 

「オールフォーワン、雄英に更に接近!! ただ、軌道がズレてます!! オールマイトを追ってます!!」

 

 影山が叫ぶと、塚内が目を見開き、ナイトアイも不安混じりの表情でモニターを見つめる。

 オールフォーワンは、屋上のフェンスに叩きつけられたオールマイトに急接近していた。

 

『肋骨骨折、全身打撲、呼吸器ニ異常アリ』

 

 オールマイトは、自分が全身に傷を負っている事を知りながらも、ボロボロの状態で立ち上がった。

 そしてオールフォーワンの方へ目を向けると、オールフォーワンがさらに若返っている事に気がつく。

 超酸を外に排出しようと“個性”を使ったせいで、『巻き戻し』が加速したのだ。

 オールマイトは、我に返らせまいと、オールフォーワンの目の前で高笑いする。

 

「ハハッ…HAHAHAHAHAHAHAHA!!!」

 

 高笑いするオールマイトを見たオールフォーワンは、殺気を剥き出しにしながらブクっと腕を膨らませる。

 オールマイトは、高笑いしながら叫ぶ。

 

「間断なく持ってこい、エルクレス!!」

 

 オールマイトの掛け声と同時に、残りのエルクレスの装甲が飛び出しオールマイトの元へ飛来する。

 オールマイトは、残りの装備をパワードスーツの上から装着し、尾と触手のようなものを生やした姿になった。

 

「スラスター“ウラビティ”“インゲニウム”出力全開!!」

 

 オールマイトは、死柄木と戦っている緑谷の姿を思い浮かべながら、血を吐いて高笑いした。

 その直後、オールフォーワンが衝撃波を放ってきた。

 オールマイトは、背中から触手を伸ばし、内蔵された吸盤でビルの外壁に貼り付いた。

 

「“テンタコル”IN吸盤“フロッピー”」

 

 オールマイトは、さらに尾のような形のサポートアイテム“テイルマン”と、二丁の砲のようなアイテム“ショート”を身に纏っていた。

 

「全自動追尾式ロボ“ジェスター”!!」

 

 オールマイトが叫ぶと、三体のオールマイトを模した小型ロボ“ジェスター”がオールフォーワン目掛けて爆速で飛んでいく。

 三体の“ジェスター”を差し向けるオールマイトを見たオールフォーワンは、死力を振り絞ってヒーロー達を差し向けた心操を想起し、苛立った表情を浮かべながら『鋲突』で三体とも破壊した。

 まるで心操に喰らわせた一撃を再現するかのように“ジェスター”の脇腹を切り裂きゴミのように見下したオールフォーワンだったが、その直後、オールフォーワンが壊した“ジェスター”のうち一体が大きく口を開く。

 “ジェスター”の口内には、『音響弾(ラウドグレネード)』を改造した銃が内蔵されていた。

 

「抹消共鳴“Cresc.molto”」

 

 オールマイトの掛け声と共に、銃口がエメラルドグリーンの光を帯び、特殊な電磁波を帯びた爆音の超音波が放たれた。

 因子破壊砲が直撃したオールフォーワンは、全身が痺れて身動きが取れなくなる。

 オールマイトは、その隙に“ショート”の冷気放射と“テイルマン”の尾で攻撃した。

 だがその直後、オールフォーワンはすぐに自分を回復させると、『鋲突』の“個性”で生み出した鋲をビルの外壁に突き刺す。

 

「君の狙いは判った。そのニヤケ面を苦悶で歪ませるのに、大袈裟な力は要らない。省エネで殺くよ」

 

 そう言ってオールフォーワンは、大量の鋲でオールマイトを攻撃した。

 オールマイトは、上に跳んで鋲を避けるが、上空には巨大な顔を持った怪物が二体待ち伏せしていた。

 

「嘘つきめ!!」

 

「いいや? 省エネだぜ」

 

 その直後、巨大な顔を持った怪物は、周囲のビルを噛み砕きながらオールマイトの方へと突進した。

 オールマイトは、サポートアイテムをフルに稼働させながら回避した。

 オールフォーワンは、巨大な怪物と鋲で攻撃をしながらオールマイトを追いかける。

 

「笑顔が消えてるぞ! それじゃあ臓腑の欠けた只の老骨だ! 若者の“個性(ちから)”を上っ面だけ模倣し、自身を介護させてるだけの!」

 

 オールマイトはオールフォーワンの攻撃を回避したが、オールフォーワンの鋲が次々とサポートアイテムを貫いていく。

 

「いいのか!? 撮っているんだろ!? 皆が見てるぞ!? 平和の象徴が無力の象徴に堕ち、絶える様を!」

 

 オールマイトは、オールフォーワンの鋲突から逃げ続けていた。

 だがその直後、壁面からオールフォーワンが現れ不気味な笑顔を浮かべる。

 

「法灯は消える」

 

 オールフォーワンは、不気味な笑みを浮かべながらオールマイトを地面に叩きつけた。

 地面に叩きつけられたオールマイトは、大量の血反吐を吐く。

 だがその直後、オールマイトは、触手でオールフォーワンを拘束し、“ショート”の銃口を突きつけ炎を放射した。

 

「わかっちゃ…いないな…!! 親友…!! 人は明滅するのだ。私の灯が消えようとも、私の灯を受けた誰かが照らす──そうして(くら)がりは照らされ! 私もまた瞬けるのだ!!」

 

 そう言い放つオールマイトの上空には、大砲が装備された小型の戦車が飛んでおり、その銃口をオールフォーワンに向けていた。

 小型の戦車には、発電式の小型バッテリーが内蔵された“ジェスター”が接続されていた。

 実はオールマイトは、戦車に電力を供給する為、バッテリーが内蔵された“ジェスター”を一台だけ戦車に接続させていたのだ。

 

「負ける気がしないぜ!! オールフォーワン!! この名に灼かれな!! “CAN'T STOP TWINKLING☆”!!」

 

 オールマイトの掛け声と共に、キラキラ光る青白いレーザーが放たれた。

 レーザーの光は、下にいたオールフォーワンを焼いた。

 だがその直後、“CAN'T STOP TWINKLING☆”のエンジンがオーバーヒートし爆発する。

 

『エンジンガオーバーヒートシマス。バッテリーガモチマセン』

 

「緩めるな、這い出てくるぞ!!」

 

 オールマイトは、そう叫びながら飛び退いた。

 オールマイト自身は、“テンタコル”をパージしレーザーの発射と同時に全力全開のスラスターで脱出しており、アーマーに塗布された特殊光学樹脂“インビジブルガール”でレーザーの熱を軽減していた。

 オールマイトが脱出した直後、オールフォーワンがレーザーによって地面に開いた穴から這い出てくる。

 するとオールマイトは、胸元のサポートアイテムを展開し、指向性スピーカーを露出させた。

 

「だから!! 音波振動“イヤホン=ジャック”!!」

 

 オールマイトは、爆音攻撃でオールフォーワンが照射域から這い出るのを邪魔した。

 オールマイトは、オールフォーワンの重い一撃を喰らった際、“テイルマン”で防いではいたものの下半身が使い物にならなくなっていた。

 だが絶望する顔見たさに頭を狙わなかったオールフォーワンを『阿呆』と心の中で罵りつつ、被害が下半身だけで済んだ事を幸運に思っていた。

 しかしその直後、『鋲突』によってオールマイトの顔の装甲が粉々に砕かれる。

 それでもなおオールマイトは、右腕の装備を変形させていた。

 

「アーマーモーフィング“クリエティ”!!」

 

 右腕の装備を変形させたオールマイトは、変形させた装備から拘束弾を生み出す。

 

「拘束弾“グレープジュース”!!」

 

 オールマイトは、“グレープジュース”でオールフォーワンを地面に固定し、レーザーで焼き続けた。

 だがとうとう“CAN'T STOP TWINKLING☆”のエンジンがオーバーヒートし、車体ごと爆発した。

 上を見ていたオールマイトが視線を元の高さに戻すと、そこには信じ難い光景が広がっていた。

 そこには、身体から眩い光を放ち、無傷で這い上がるオールフォーワンがいた。

 

「言ったろう。道具(それ)は、限界を超えないと」

 

「ジャリかよ!」

 

「笑顔を忘れたな、親友」

 

 そう言ってオールフォーワンは、右腕を変形させて攻撃しようとした。

 だがその時、オールフォーワンの身体がピタリと止まる。

 オールフォーワンが視線を右へ向けると、そこには戦闘機に乗ってオールフォーワンの血がついた瓦礫を舐めているステインがいた。

 

「血は等しく赤い。征け!! ()()()()()()!!」

 

 ステインが叫ぶと、オールマイトは全速力でオールフォーワンの方へと駆ける。

 オールマイトがオールフォーワン目掛けて拳を振りかぶると同時に、ステインはオールフォーワンの背後から錆びた刀を振りかぶった。

 

『俺が来た』!! (お前は生きねば)

 

 二人が同時に攻撃を仕掛けようとした、その時だった。

 オールフォーワンは、突然ありとあらゆる穴から大量の血を噴き出した。

 そして血まみれになりながらステインを睨む。

 

「赤黒! 君が何かしてくる事は予想できてた! だから事前に仕込んでいたさ。タルタロスから唯一人、僕を拒絶し逃げ果せたあの日から!」

 

 オールフォーワンは、全身から血を噴き出しながら笑みを浮かべていた。

 ステインは、“個性”を発動するため自分の身体にかかった血を舐めた。

 

「捨てたところで血は同「馬鹿か? 『抗原変態』。血を書き換えたんだよ! 痕跡を残さないのが長く君臨する秘訣だ」

 

 そう言ってオールフォーワンは、背中から生やした怪物の歯でステインの身体を噛み砕いた。

 

「血を抜いたおかげで目が覚めてきた」

 

「ステイン!!」

 

 オールマイトが叫ぶ中、オールフォーワンは怪物を振り回してステインを投げた。

 オールフォーワンの投げられたステインは、そのまま何棟ものビルを貫きながら吹き飛んでいく。

 そしてオールフォーワンは、ステインを追って飛び出し、瀕死のステインの前に現れた。

 

「『凝血』を戴こう。思えば君は、連合…延いては弔の成長に大きく貢献してくれた。あれで役目は終わってるんだよ、殺人犯」

 

 そう言ってオールフォーワンがステインにトドメを刺そうとすると、ステインは両手を挙げながら呟く。

 

「終わらんさ。全ては…過程だ魔王…」

 

 ステインは、大声で叫びながら飛んでくるオールマイトに向かって笑みを浮かべると、両手を挙げたまま、まるで枷をかけられた罪人のように両手首を合わせた。

 

 

 

 ──生きて勝て、俺の全て(マイオール)──────────…

 

 

 

 

 

 ドゴォッ

 

 

 

 オールフォーワンがステインに重い一撃を浴びせると、オールマイトが目を見開く。

 オールフォーワンは、そのままオールマイトの方を振り向くと、左の掌から“個性”を放つ。

 だがオールフォーワンの攻撃は、エルクレスの最後の装甲によって防がれた。

 

「エルクレス!? もう壊れたはずじゃ」

 

『最後ノシールドデス。生キテ──────────…

 

 

 

 キンッ

 

 

 

 エルクレスの最後の装甲による防御も虚しく、オールマイトはオールフォーワンのレーザーによって弾き飛ばされ、地面に落ちた。

 ほとんど全ての装備を失ったオールマイトは、それでも這いずりながら、オールフォーワンに向かって笑顔を浮かべていた。

 

「来いや」

 

『オールフォーワン!! 死柄木弔に接近!! 泥ワープ圏内に入ってます!!』

 

 オールマイトが這いずりながら立ちあがろうとする中、セントラルの警官が報告をした。

 オールフォーワンは、雄英付近の地上で戦っている緑谷に目を向けると、“個性”を発動しようとする。

 

「巻き戻しを注入した時点で…()()がゴールだった……弔に『僕の“個性”』(複製品)()()する事で、彼は()()()()()()()()()

 

 オールフォーワンの言葉を聞いたオールマイトは、最悪の事態を思い浮かべ、オールフォーワンの意識を自分に向けようと叫ぶ。

 

「来い、オールフォーワン!!」

 

ワンフォーオール(緑谷)に邪魔されずに円滑な譲渡を行うには、おいで。死柄木弔(もう一人の僕)

 

 オールフォーワンは、泥のワープで死柄木を自分の手元に引き寄せようとした。

 だが…

 

「先生…邪魔だよ」

 

 死柄木は、オールフォーワンの生み出した泥を飲み込み、ワープを拒絶した。

 するとオールフォーワンは、右手でオールマイトの右脚を掴んで持ち上げ、死柄木のもとへと飛んでいく。

 

「その情けない表情を以て、若者に夢を見せた責任を取ろう、オールマイト!!」

 

 その頃死柄木は、緑谷と交戦しながら高笑いしていた。

 

「オールマイト助けなきゃあ!! 緑谷出久!! 丁度良いや! 行ってこいよ!! その間にさっき俺を痛め続けた上の連中、全部壊しとくからさ!!」

 

 死柄木は、瀕死のオールマイトを見て迷いが生じている緑谷を嘲笑った。

 緑谷は、溢れそうになる涙を堪えながら、オールマイトにとって良い弟子であろうと、今は目の前にいる死柄木を救うと決めた。

 

「オールマイト!!!」

 

 緑谷は、別れを告げる代わりに、オールマイトの名を叫んだ。

 一方で、オールマイトは、上半身を起こしてオールフォーワンの首の後ろに手を回していた。

 

「平和の…象徴に……」

 

 オールマイトの腕に装着された最後の装備が光を放つと、オールフォーワンは目を見開く。

 オールマイトは、最後の機構を使い、オールフォーワンを巻き込んで自爆するつもりだった。

 

「もっかい死ねば、せめて幼稚園児くらいにはなるかぁ!?」

 

 そう言ってオールマイトは、身に纏っていた最後の装備を起動させた。

 

「“大・爆・殺・神ダイナマイト”」

 

 

 

 

 

 BOOOOM!!!! 

 

 

 

 

 

 オールマイトが両腕に装着した最後の装備を起動させると、オールマイトの装備を中心に大爆発が起こった。

 オールマイトの全てを懸けた大爆破に、緑谷は思わず目を見開き、溢れそうになる涙を何とか堪えていた。

 爆煙が立ち込める中、煙の中からひとつの人影が浮かび上がる。

 そこには、6〜7歳くらいの少年の姿になったオールフォーワンと、“大・爆・殺・神ダイナマイト”を至近距離で自爆を図った事で全身ボロボロになり両腕の肘から下が皮一枚で繋がった状態になったオールマイトがいた。

 オールマイトの自爆によってさらに若返ったオールフォーワンは、額に青筋を浮かべながらオールマイトを睨みつける。

 

「やってくれたなぁ…死に損ないが…!!」

 

「ガフッ…」

 

 オールフォーワンは、忌々しそうにオールマイトを睨みながら、オールマイトの首を掴んでいた。

 オールマイトは、オールフォーワンに首を掴まれ、せめてもの抵抗と言わんばかりにオールフォーワンの腕を両手で掴んだ。

 自分の腕を代償にオールフォーワンに自爆を仕掛けたオールマイトの姿を見た緑谷は、気がつけばオールマイトに向かって叫んでいた。

 

「オールマイトォオオオオオ!!!」

 

 緑谷がオールマイトに向かって叫ぶと、死柄木は衝撃波を撒き散らしながら『黒鎖』を振り解く。

 

「余所見はいけないな!」

 

 そう言って死柄木が緑谷に触れて崩壊させようとすると、緑谷は涙を堪えながら『黒鎖』で再び死柄木を引き寄せ、崩壊を阻止する。

 一方で、オールフォーワンは、オールマイトにトドメを刺そうとオールマイトの首を持ち上げ、左手からレーザーを放とうとする。

 

「これは餞別だよ、オールマイト。元・平和の象徴の無様な死に様を、世界に晒してやろう!!」

 

 そう言ってオールフォーワンは、ほとんど抵抗する力も残っていないオールマイトに、左手の“個性”を浴びせた。

 どれほど凄惨に壊せば気が済むのかという程、何度も、何度も執拗に“個性”を浴びせていたぶった。

 オールマイトの姿は、言い表せない程凄惨なものになっていた。

 モニター越しにそれを見ていた塚内は絶望の表情を浮かべ、ナイトアイはテーブルに拳を叩きつけながら悔しそうに嘆いた。

 

「…ここまで、私の『予知』の通りだ。やはり、未来は変えられないとでもいうのか…!」

 

 ここまで、ナイトアイの予知と現実に起こった事は、多少の差はあれど大まかな流れは変わらなかった。

 わかりきったオールマイトの死に、モニターを見ていた誰もが絶望していたが、心の中で、奇跡が起きて未来が変わる事を願っていた。

 オールマイトは、全身から血を流し尽くし、腑を引きずり出されてもなお、オールフォーワンの腕に喰らい付いていた。

 オールフォーワンが血まみれになったオールマイトの顔を見ると、オールマイトの唇が動いており、何かを言っている事に気がつく。

 

「わた…しは……きさま、には…殺されんぞ……少年が…見てる…もの…な……だから、勝たねば…ならんのだよ…!!」

 

 オールマイトがまだ生きて勝つ事を諦めていない事に気がついたオールフォーワンは、顳顬に青筋を浮かせながら吐き捨てる。

 

「しつこいぞ、ボロ雑巾が」

 

 オールフォーワンは、不愉快そうな表情でオールマイトを睨む。

 だがオールマイトは、オールフォーワンの殺気には一切動じず、オールフォーワンの腕を折る勢いで両手を強く掴みながら叫んだ。

 

「来い、オールフォーワン!!!」

 

 オールマイトは、血反吐を吐いて精一杯の笑みを浮かべながら叫んだ。

 だがその直後、オールフォーワンはトドメと言わんばかりにオールマイトに衝撃波を浴びせた。

 そしてその頃、緑谷は死柄木に追い詰められていた。

『変速』の“個性”の反動で呼吸が荒くなり、その影響か黒鞭の出力も弱くなっていた。

 死柄木は、息を切らしながら立ち上がろうとする緑谷を見下していた。

 

「お前がこのザマじゃ、初代ワンフォーオールも浮かばれねぇなぁ」

 

「ッハァ…ハァ………!!」

 

「でもごめんな。俺もう、ワンフォーオールとか興味ないんだわ。俺は、ただただあの家を生んだお前らが憎い。だから壊す。シンプルだろ?」

 

 そう言って死柄木が緑谷に触れようとした、その時だった。

 レディナガンは、緑谷を助ける為再び死柄木を狙撃した。

 だが死柄木は、今度は冷静さを取り戻していたためか、弾丸をバリアで減速させると片手で掴んでみせた。

 

「ったく、話の邪魔すんなよ、なぁ!!」

 

 そう言って死柄木は、レディナガンが撃った弾を、衝撃波付きで弾き返した。

 それを止めようとする緑谷だったが、呼吸が荒くなっている今の緑谷では、死柄木を止められるだけの力は無かった。

 死柄木が投げ返した弾は、膨大なエネルギーを持ったままレディナガンのもとへと帰っていき、そのままレディナガンのいる建物の屋上で炸裂した。

 至近距離で衝撃波を喰らったレディナガンは、数メートル吹き飛ばされ、決して軽症ではない怪我を負った。

 

「緑…谷ぁ……!!」

 

 レディナガンは、死柄木の反撃を受けてボロボロになりながらも、自分に明るい未来を示してくれた緑谷の為に立ち上がろうとしていた。

 だが死柄木は、レディナガンの事などお構いなしに、緑谷に歩み寄り『崩壊』させようとした。

 

「思えば俺は、お前に初めて会った時からずっと、お前の事が嫌いだった。じゃあな、緑谷出久」

 

 そう言って死柄木が緑谷に触れようとした、その時だった。

 突然、死柄木の身体が大規模な爆破で吹き飛ばされる。

 緑谷と死柄木が目を向けた直後、見慣れた顔が飛び出てくる。

 

 その頃、無惨な姿になったオールマイトを見たオールフォーワンは、まるで嫌いな相手にイタズラを仕掛けて成功した子供のように、どこかスッキリとした表情を浮かべていた。

 

「最期は呆気なかったな、無力の象徴」

 

 オールマイトは、もはや生きているのが不思議な程の重傷を負っていた。

 もはや抵抗する力も無く血だらけの姿で何かを呟いているオールマイトを見て、オールフォーワンはほくそ笑んでいた。

 そしてオールフォーワンがオールマイトにトドメを刺そうとした、その時だった。

 突然、オールフォーワンの背筋にゾワッと寒気が走る。

 オールフォーワンが寒気の正体を確かめるため、振り向いてみると、何者かがオールフォーワンに爆速で近づいていた。

 オールフォーワンが寒気のする方向へ手を伸ばした、その時だった。

 

 

 

「「「「「どっけ邪魔だコラァアアアアア!!!」」」」」

 

 突然、どこからか現れたトゥワイス軍団がオールフォーワンとオールマイトを引き剥がした。

 トゥワイス軍団によって引き剥がされたオールマイトは、そのままトゥワイス軍団にどこかへと運ばれていく。

 トゥワイスがオールマイトを運んだ先にいた人物を見て、オールフォーワンは目を見開くと同時に顔中に青筋を浮かび上がらせて激怒した。

 その時オールフォーワンは、ふと心操に言われた言葉を思い出す。

 

 

 

 ──初手で潰しに行く相手間違えてんだよ。(あんた)が一番恐れなきゃいけなかったのは、周りの人間を巻き込んで味方にしちまう奴だ

 

 

 

 苛立つオールフォーワンの視界には、信じがたい光景が映っていた。

 そこには、Mr.コンプレス、マグネ、オーバーホールの3人、そして捕縛武器を戦闘機のような形状に変形させ3人を乗せて爆速で飛んでいるひなたの姿があった。

 

「ちょ、速すぎるって! ちょっと速度落として! おじさん飛ぶの慣れてないから!!」

 

「おい何してる、もっと速度上げろ」

 

「ちょちょちょ、傾いてるってば!!」

 

「もぉ〜お前らいちいち注文多いんだよ黙ってろ!」

 

 Mr.コンプレス、オーバーホール、マグネの3人がひなたの超速飛行にケチをつけると、ひなたは若干イラついた様子で怒鳴る。

 オールフォーワンは、かつては自分の駒だったはずの物達がひなたの背中に乗って飛んでいる光景を見て激怒していた。

 一方でひなたも、正面からオールフォーワンを睨みつけていた。

 

「オールフォーワン。僕の大切な人を傷つけておいて、タダで済むと思うなよ」

 

 

 

 

 

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