感謝感激雨霰。
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ひなた達が最上階を目指していたその頃、セントラルタワー最上階の管理室では。
「連れてきてやったぜ」
「早く保管室のプロテクト解除を」
そう言って仮面を被った男がデヴィットとサムを連れ、管理室のシステムを操作している男に話しかける。
するとシステムを操作している男は、仮面の男の方を見向きもせずに答える。
二人を連れてきた男ソキルは、仮面を脱いで不満を漏らす。
「偉そうに…」
ソキルは、左腕を刃物に変えるとデヴィットの喉元に突きつける。
「だとよ。死にたくなければ急いでやんな」
ソキルが脅すと、デヴィットは冷や汗を流しながらも冷静に返事をする。
「わ、わかった…」
「連れて行け」
ソキルが他の仮面に命令すると、仮面はデヴィットとサムに銃を突きつけて部屋の外へ追い出す。
「出ろ!」
◇◇◇
その頃、ひなた達は駆け足で最上階へ向かっていた。
「これで30階…」
「メリッサさん、最上階は!?」
緑谷が尋ねると、メリッサは息を切らしながら答える。
「200階よ…!」
「マジか!?」
「そんなに登るのかよ…!?」
メリッサが答えると、上鳴と峰田がギョッとする。
二人が弱音を吐くと、八百万が二人に言い聞かせる。
「
一方ひなたは、“個性”把握テストの記録が振るわなかった心操を心配する。
「ひー君、大丈夫?」
「ああ…イレイザーヘッドの訓練に比べたら、こんなのへっちゃらだよ」
心操が言うと、ひなたはコクリと頷く。
ひなたや心操が受けた相澤の訓練は人間をやめるレベルでハードモードで、その証拠にひなたは走りづらいハイヒールで、しかも二段飛ばしで階段を登っているにもかかわらず全く息切れしていなかった。
「…そうだよね! 行くよ皆!」
ひなたは、後ろを走っていたクラスメイト達に呼びかけて階段を登っていく。
そして40階、50階と登っていくが、55階まで到達した時とうとう体力がなくなってきたメリッサが途中で足を止めてしまう。
すると麗日が途中で足を止め後ろにいたメリッサに声をかける。
「メリッサさん! ウチの“個性”使おうか!?」
麗日はメリッサを“個性”で軽くして走りやすいようにする事を提案するが、メリッサは笑顔を浮かべて答える。
「ありがとう…でも大丈夫! その力はいざという時にとっておいて!」
そう言ってメリッサは、走りづらいハイヒールを脱ぐと裸足で階段を登り始めた。
その後も順調に80階まで登り進めた一行だったが、先頭を走っていた飯田とひなたが目を見開く。
「シャッターが…!」
「どうする!? 壊すか!?」
「それか僕の“個性”で開けられないか試そうか!?」
轟とひなたは、シャッターを壊すかひなたの“個性”を使ってシャッターを操作する電磁波に干渉して無理矢理こじ開ける事を提案する。
するとメリッサがそれに対し反対する。
「そんな事したら、警備システムが反応して
「ならこっちから行けばいいんじゃねぇの…」
そう言って峰田が後ろにあったドアを開けようとすると、心操、緑谷、メリッサが止める。
「あっ、おい馬鹿!」
「峰田くん!」
「ダメ!!」
だが既に遅く、峰田はドアノブに手をかけてしまった。
するとドアノブに内蔵されたセンサーが反応する。
◇◇◇
同時刻、セントラルタワー最上階の管理室では。
突然
「ん?」
「何だ?」
「80階の扉が開いた…?」
コンピューターを操作していた
「お前…各フロアのスキャニングミスったのかよ!?」
「チッ…」
ソキルが言うとコンピューターを操作していた
すると、80階の廊下を走っているひなた達が映っていた。
それを見た
『80階の隔壁を全て降ろせ。ガキ共を逃がすな』
「了解」
ウォルフラムが指示を出すと、
◇◇◇
一方、進路を変更し80階の廊下を走っていたひなた達は。
「他に上に行く方法は!?」
「反対側に同じ構造の非常階段があるわ!」
轟が尋ねると、メリッサが答える。
すると飯田がさらに駆け足で前に出る。
「急ぐぞ!!」
するとその時正面のシャッターが降り、ひなた達は足を止める。
「シャッターが…!!」
「後ろもですわ!」
さらに後ろのシャッターも次々と閉まっていき、ひなた達は逃げ場を失っていく。
するとその時、飯田は正面に扉がある事、そしてその扉の前のシャッターが閉まりかけている事に気がつく。
「轟くん!!」
「ああ!」
飯田が叫ぶと、轟は氷を出して正面のシャッターが完全に閉じるのを防ぐ。
すると轟の氷によってできた隙間から飯田が入り込み、エンジンキックで扉を破壊した。
「この中を突っ切ろう!!」
飯田が先導すると、ひなた達は植物プラントの中を走っていく。
植物プラントには、様々な種類の植物が植えられており、中には“個性”の影響を受けたのか極端に変異している植物もあった。
「こ、ここは…!?」
「植物プラントよ! “個性”の影響を受けた植物を研究…「待って!!」
緑谷の質問に対しメリッサが答えていると、耳郎が遮って緑谷達の足を止める。
そして耳郎は、正面のエレベーターを指差した。
「あれ見て! エレベーターが上がってきてる!」
耳郎の言う通り、エレベーターが表示する数字が徐々に80に近づいていた。
すると峰田が狼狽える。
「
「隠れてやり過ごそう!」
「…! こっち!」
緑谷が提案し、ひなたが上手く隠れられそうな場所を見つけて全員を案内する。
ひなた達は、ひなたが見つけた隠れ場所でしばらく
すると上鳴がエレベーターの方を見て提案する。
「あのエレベーター使って最上階まで行けねぇかな…?」
「無理よ! エレベーターは認証を受けてる人しか操作できないし…シェルター並みに頑丈に作られているから破壊もできない!」
上鳴が言うと、メリッサが反対した。
すると峰田がプルプル震えながら泣き言を言った。
「使わせろよ文明の利器…!」
するとその時、エレベーターが止まる音が聞こえた。
「ひっ!?」
「声抑えて!」
思わず声を漏らしてしまった峰田の口を、後ろにいたひなたが塞いでやり過ごす。
エレベーターの前のシャッターが開き、エレベーターの扉が開くと中から
すると一度
「…! あの服装…会場にいた
エレベーターから出てきた
「ガキはこの中にいるらしい」
「面倒なところに入りやがって…」
「こっちに来る…!」
「静かに!」
麗日が狼狽えて思わず声を漏らすと、飯田が静かにするよう言った。
ひなた達は、隠れながら
するとだ。
「見つけたぞぉ、クソガキ共ぉ!!」
そう言って
だが…
「あぁ!? 今何つったてめぇ!?」
聞き覚えのある声が聞こえてきたためひなたが木の葉の隙間から覗くと、
(かっちゃん、鋭ちゃん…!?)
今まで一切連絡が取れなかった二人が植物プラントにいたため、ひなたは思わず目を見開く。
堂々と現れた二人に対し、
「お前らここで何をしている?」
「そんなの俺が聞きて「ここは俺に任せろ! な!?」
「あのー、俺ら道に迷ってしまって! レセプション会場ってどこに行けば…?」
((道に迷って何故80階まで…!?))
切島が笑いながら言うと、ひなたと心操は心の中でツッコミを入れる。
するとその直後、
「見え透いた嘘ついてんじゃねぇぞ!!」
「“個性”を…!?」
(鋭ちゃん!!)
ひなたが“個性”を使って切島へ迫ってくる攻撃を消そうとした、その時だった。
ガキィン…!!
「「「!?」」」
突然、二人と
見覚えのある氷に、爆豪と切島は目を見開き氷が伸びてきた方向を振り向く。
「この“個性”は…!」
二人が振り向くと、そこには轟が立っていた。
「轟!?」
巨大な氷塊で
「チッ…! 俺達で時間を稼ぐ! 上に行く道を探せ!」
そう言って轟は地面に触れ、ひなた達のいる地面を凍らせた。
「轟くん!?」
「君は!?」
緑谷と飯田が尋ねたその時、氷が迫り上がって全員持ち上げられる。
「いいから行け!」
「轟さん!!」
「焦ちゃん!!」
轟が言うと、八百万とひなたが呼びかける。
轟は、他の全員が上に乗った氷を伸ばしながら言った。
「ここを片付けたらすぐに追いかける!」
轟が言うと、八百万は不安そうな表情を拭い去って力強く返事をする。
「…はい!」
一方、状況が飲み込めていない切島は轟に尋ねる。
「皆をここに…? どういう事だよ轟!?」
「放送聞いてないのか?」
「は?」
「このタワーが
轟が言うと、切島と爆豪は同時に目を見開く。
「ええ!?」
「んだと!?」
「詳しい説明は後だ! 今は
他の全員が無事に逃げた間に、轟が二人に援護を求める。
するとその直後、轟が出した氷に大きな穴が開き
「「!」」
「何だあの“個性”…!」
「油断すんなよ」
「っせぇ!! わぁってらぁ!!」
爆豪が
するとその時、
「ガキ共が…つけ上がってんじゃねぇぞぉ!!!」
怪物
「ガァアアアアア!!!」
怪物
「死ねぇ!!」
爆豪が大爆破を放つと怪物
だがその直後、爆煙の中から怪物
すると、咄嗟に切島が爆豪を突き飛ばして庇う。
「爆豪!」
怪物
「ガァ…!!」
怪物
「切島ァ!」
「避けろ!」
爆豪が叫ぶと、轟が爆豪に向かって叫ぶ。
するとその直後別の
轟は氷塊攻撃で
「シャア! シャア、シャア!」
氷を全て消し飛ばされた轟は、一旦後ろに退く。
「チッ…!」
轟と爆豪は、いつの間にか
「お前ら、ただのガキじゃねぇな」
「何者だ!?」
「答えるか! このクソ
「名乗る程の者じゃねぇ…!」
◇◇◇
一方、ひなた達はシャッターを破壊して上の階へ行こうとしていたが、どれだけシャッターを破壊しても行き止まりだった。
「くっ…! こっちもダメか!」
「おいおいどうすんだよ!? オイラ達完全に袋の鼠じゃねぇか…!」
「ここまでかよ…!」
「泣き言言うな! 今考えてっから!」
峰田と上鳴が泣き言を言うと、ひなたが喝を入れる。
すると緑谷が天井を見上げて指を差しながらメリッサに話しかける。
「メリッサさん! あの天井、扉みたいなものが見えませんか!? あそこ!」
緑谷が指を差した先には、確かに扉のようなものがあった。
するとそれを見たメリッサが口を開く。
「認証システムのメンテナンスルーム…!」
「あ…! あの構造なら非常用のハシゴがあるのでは!?」
飯田が天井の扉を見て言うが、メリッサは俯きながら反対する。
「確かに手動式のがあるけど…中からしか開ける事はできない…!」
「ここまで来たのに…!」
「どうする…!?」
麗日が悔しがり心操が何か手は無いか考えていると、八百万が前に出る。
「まだ可能性はありますわ」
「「「!?」」」
そう言って八百万は小型爆弾を創造して天井に投げ、通風口の蓋を破壊した。
「通風口の隙間から外に出て、外壁を伝って上の階に…!」
「そうか、上にも同じものがあれば…!」
「中に入れるわ!」
八百万が提案すると、麗日とメリッサが顔を見合わせて言った。
「狭い通風口に入って、外壁を登っていくには…」
「身体が小さくて、壁を登るのに最適な“個性”を持ってる事が必要条件だよね」
「となると…」
緑谷、ひなた、心操が考え込み、そして三人の発言から導き出した適任者の方を全員が見る。
「え?」
峰田は、思わず肩をビクッと跳ね上がらせる。
全員の視線は、峰田に集まっていた。
「も、もしかしてオイラが!?」
「お願い峰田くん!」
「アンタにしか出来ないんだよ!」
「バカバカ!! ここ何階だと思ってんだよ!? そうだ、小さくて外壁登れるっつったら相澤が…「ごめん捕縛武器持ってないから無理」そんなあ!?」
峰田が自分を指差しながら言うと麗日と耳郎が頼み、峰田はブンブンと首を横に振って代わりにひなたを行かせようとする。
だが生憎ひなたは捕縛武器を持っていなかったので、結局は峰田が行く事になってしまった。
すると上鳴が峰田と肩を組んで耳打ちする。
「皆を助けた功労者になったら、インタビューとかされたりして女子に大人気間違いなしだぞ?」
「「「お願い!!!」」」
「ハーレムハーレム♪」
上鳴が説得し、ひなた、麗日、耳郎の3人が頼み込み、上鳴がさらにもう一押しする。
すると峰田は泣きながらも折れた。
「わーったよ!! 行けばいいんだろ行けばあああ!!」
「よっしゃよく言った!」
(エロパワーすげぇ…)
峰田が泣き叫びながらも行く事に決めると、ひなたは両手でサムズアップをし心操が心の中でツッコミを入れる。
そして峰田は、ハーレムを築く事だけを胸にもぎもぎを使って外壁を登っていく。
「ハーレムハーレムハーレム…ハーレムハーレムハーレム… ハーレムハーレムハーレム!!!」
峰田へのハーレムへの執念は常人では理解できないものがあり、何と峰田はあっという間にハシゴがある階へと辿り着いてしまった。
そして外から通風口を通って蓋を開け、ハシゴの前まで辿り着いた。
「やったぞ! オイラはやったぞー!!」
ハシゴの前まで辿り着いた峰田は、下へとハシゴを降ろす。
そのハシゴを使ってクラスメイト達が登ってくると、峰田が調子に乗って語りかける。
「さぁさぁさぁ! オイラを褒め称えよ! 女子だけでいいぞ、女子だけでいいぞ!」
峰田が女子からの賞賛待ちをしていると、メリッサが峰田を褒める。
「凄いわ峰田くん! 流石ヒーロー候補生ね!」
「はわぁ…」
メリッサに褒められた峰田は、一気に有頂天になった。
そして、走り出した頃の腰の引けっぷりが嘘のように燃え上がる。
「お前ら気合入れて行くぞー!!」
「「「おー!!」」」
峰田が先陣を切って叫ぶと、他のクラスメイト達も拳を突き上げて叫ぶ。
◇◇◇
その頃、セントラルタワー最上階の管理室では。
「まだ見つからねぇのか!?」
ソキルが急かすとコンピューターを操作していた
「クソッ…!」
するとソキルは、ひなた達を捕らえに行ったはずの
「おい80階! ガキ共が逃げてるぞ!? どうなってるんだ!」
◇◇◇
ソキルに急かされた怪物
「うるせぇ! 黙って…」
だがその時、爆豪が背後から爆破を仕掛けてくる。
爆豪の容赦ない連続爆破に、怪物
一方、謎の“個性”を使ってくる
「あいつ、空間に穴を開けてんじゃねぇ! 抉ってやがる!」
「そういう事か…!!」
轟が言うと、爆豪も納得した。
初めは空間を切り抜く“個性”かひなたのような“個性”だと思っていた二人だったが、相手の攻撃そのものを消す事ができる“個性”なら球体の氷など現れないはずなのだ。
その事から二人は、
「チッ、キリがねぇ…! いつまでもてめぇに構ってられねぇんだよ!!」
そう言って爆豪は爆破で飛び上がり、怪物
「『
爆豪は、大爆発を怪物
怪物
するともう一人の
「よくも!!」
「爆豪!!」
轟が叫んだ直後、爆豪目掛けて抉り出す攻撃が放たれる。
すると攻撃が掠り、爆豪の左腕の袖が破れた。
「チッ…」
掌の中には、爆豪の袖だった布切れと謎の液体が何滴かついていた。
「何だこりゃ?」
「俺の手の汗だ!」
「!?」
「ニトロみてぇなもんだ!」
爆豪がそう言った直後、轟が爆豪の意図に気付き、
すると爆豪の汗に轟の炎が引火して大爆発を起こした。
「がっ…!!」
大爆発によって
二人の
「切島!」
「無事か!?」
「っあ…動けねぇ…助けてくれ…!」
壁にめり込んだ切島は、二人に助けを求める。
硬化した身体が壁にめり込み身動きが取れなくなってしまったのだ。
すると爆豪が呆れてため息をつきながら言った。
「アホかお前は。“個性”解けばいいだけだろが」
「ああ、そっか」
爆豪の言葉にハッとした切島が“個性”を解くと、切島はあっさり壁から抜け出せた。
「あー、ビックリした」
「とりあえず怪我が無くて良かった」
「おう! おめぇらもな!」
切島が無事だったので轟が安心すると、切島も二人が無事だった事を安心する。
すると爆豪は、切島に背を向けてボソッと呟く。
「ケッ…あんがとよ」
「んだよらしくねぇ! 気にすんな!」
「してねぇわ!!」
ボソッと呟いた爆豪に対して切島が言うと、爆豪が逆ギレする。
「よし…緑谷達を追うぞ」
「命令すんな!」
轟が先陣を切って走り出すと、爆豪がキレる。
切島は、走りながら状況を轟に尋ねる。
「轟! 詳しく教えてくれ」
するとその直後、上から警備マシンが大量に降ってくる。
三人は、あっという間に警備マシンに囲まれてしまった。
「奴等は本気になったようだな…」
轟が言ったその時、物陰から何者かが現れる。
◇◇◇
その頃、セントラルタワー最上階の管理室では。
「ボス! あいつらはただの子供じゃありません! 雄英高校ヒーロー科…ヒーロー予備軍です!」
爆豪達の正体に気付いた
するとウォルフラムは、部下二人に指示を出す。
『ガキ共の目的は、おそらく警備システムの復旧だ。80階の警備マシンは稼働させたな?』
「はい!」
『なら100階から130階までの隔壁を全て上げろ』
「え…?」
ウォルフラムが指示を出すと、部下二人は困惑する。
するとウォルフラムは念押しするように命令した。
『言う通りにしろ』
◇◇◇
その頃、ひなた達は130階の廊下を走っていた。
「何か、ラッキーじゃね? 100階超えてからシャッターが開きっぱなしなんて!」
上鳴が言うと、ひなたは顔を顰める。
先程から不自然な程に警備が手薄で、嫌な予感しかしないのだ。
「ウチらの事見失ったとか?」
「おそらく違う!」
麗日が言うと、耳郎が否定する。
「私達、誘い込まれてますわね!」
「ああ…!」
「それでも、少しでも上に行くために…向こうの誘いに乗る!」
「うん、どのみち最上階に行ければ僕達の勝ちなんだ!」
緑谷が
罠であろうと、上の階に行けるなら少しでも早く行くに越した事はなかった。
そして一行は、実験室の前に辿り着き様子を窺う。
実験室には、大量の警備マシンが配置されていた。
「何て数なん!?」
「やはり相手は、閉じ込めるのではなく捕らえる事に方針を変えたか…!」
「きっと、僕達が雄英生である事を知ったんだと思う!」
夥しい警備マシンの数に、麗日が驚き飯田と緑谷が推測する。
だが八百万は、冷静に『創造』を始める。
「でもそうなる事は、こちらも予想済みですわ!」
そう言って八百万は全員がすっぽり収まるサイズの絶縁シートを創造し、全員絶縁シートの中に隠れた。
「ああ! 予定通りプランAでいこう! 上鳴くん!」
「よっしゃ! やってやるぜ! 頼む、飯田!」
飯田が指示を出すと上鳴が頷いて両拳を前に出し、飯田は上鳴の両手首を掴むとエンジンを発動してグルグルと上鳴を回す。
飯田が上鳴を警備マシンの真上へ飛ばすと、上鳴は大量の電流を放つ。
「喰らえ無差別放電130万ボルト!!」
上鳴は警備マシンに電撃を浴びせるが、警備マシンは防御態勢をとっており全く効いてなかった。
「防御された!?」
「チッ…なら! 200万ボルト!!」
上鳴は、さらに電圧を上げて一気に電流を解き放つ。
すると耳郎が上鳴を止める。
「馬鹿! そんな事したら!」
電気が切れた上鳴は、アホになってしまった。
「ウェ……」
「アホになっちゃうだろ…!」
「でも、お陰で警備マシンを止める事が…」
緑谷がそう言って前に出ようとすると、上鳴の電撃で一瞬動きが止まっていた警備マシンが再び作動する。
そして警備マシンは上鳴を取り囲み、ワイヤーで上鳴を拘束してしまった。
「上鳴!」
「頑丈すぎだろ…!」
上鳴が拘束されると、耳郎が叫び峰田が狼狽える。
「仕方ない…皆、プランBだ!」
「はい!」
飯田が指示を出すと、八百万は特製の発煙筒を創造する。
八百万が発煙筒を投げると、煙が発生しマシンの動きが止まる。
「これで通信を妨害できますわ!」
「それ!」
「えい!」
「いけ!」
八百万が発煙筒を大量に生み出すと、クラスメイトやメリッサが発煙筒を拾って警備マシン目掛けて投げる。
「峰田くん!」
「上鳴を返せ! ハーレムが待ってんだ!」
「まだ言ってら…」
峰田が大量にもぎもぎを投げると、ひなたは苦笑いを浮かべてツッコミを入れる。
すると警備マシンがもぎもぎにくっついて動きが止まる。
「どうだ!」
だが、無事だった警備マシンが拘束された警備マシンを飛び越えて向かってきた。
「しつけえ!!」
すると飯田が上着を脱ぎ捨てながら指示を出す。
「行くぞ、緑谷くん!」
「うん!」
緑谷は、右手首のフルガントレットのパネルを押してガントレットの形状にする。
「ワンフォーオールフルカウル!!」
緑谷は超パワーを発動して飛び出し、35%の力で警備マシンを殴りつける。
すると警備マシンが吹き飛んでいく。
「ウェ〜イ…」
「耳郎くん! 警備マシンは!?」
飯田が尋ねると、音で索敵をしていた耳郎が答える。
「左から来る!」
「よし! 右から進むぞ!」
一行が右から進む中、麗日が緑谷に尋ねる。
「デクくん何その腕!? すごいや!」
「うん! メリッサさん! バッチリです!」
「持ってきてたのね!」
「外し方わからなくて…」
緑谷が苦笑いを浮かべながら言うと、メリッサも苦笑いを浮かべる。
◇◇◇
その頃、レセプションパーティーの会場では。
『ボス! 警備マシンのセンサーに障害が! ガキ共を見失いました!』
「狼狽えるな!」
部下がウォルフラムに命令すると、ウォルフラムが喝を入れる。
ウォルフラムは、ひなた達雄英生の中に聴覚系の“個性”がいると推測する。
◇◇◇
そしてひなた達は順調に137階まで辿り着き、耳郎が索敵をする。
「下の階から警備マシンの駆動音多数!」
「上から音は!?」
「無い! 大丈夫!」
「行くぞ!」
耳郎の報告に対し緑谷が尋ねると、耳郎が答える。
上には警備マシンがいない事がわかったので、一行はそのまま上の階に向かう事にした。
そして一行は、順調に138階のサーバールームに辿り着く。
だがその時、正面の扉が開き警備マシンが大量に出てくる。
「罠か!」
「やっぱりきょーちんの索敵がバレてた…!」
「突破しよう飯田くん!」
緑谷は、先程のようにワンフォーオールで警備マシンを吹き飛ばそうとする。
するとメリッサが緑谷を止める。
「待って! ここのサーバーに被害が出たら、警備システムにも影響が出るかも…!」
その時、上からも次々と警備マシンが降ってくる。
すると峰田が狼狽える。
「どんだけいんだよぉ!?」
「警備マシンは私達が食い止めますわ!」
「緑谷くん! メリッサさんを連れて別のルートを探すんだ!」
八百万が創造し、飯田が緑谷に指示を出す。
指示を受けた緑谷は、メリッサに頼み込む。
「…! メリッサさんお願いします!」
「お茶子さんとひなたちゃんも一緒に来て!」
「あ…でも!」
麗日は、自分もここに残って警備マシンを食い止めた方がいいのではと考える。
すると飯田が麗日とひなたに指示を出す。
「頼む! 麗日くん! ひなた君!」
「…うん!」
「待って下さい!」
4人が行こうとすると、心操が止める。
心操は、前に出てメリッサに対して訴えかける。
「俺も行きますメリッサさん! 俺の“個性”はここじゃクソの役にも立たないけど、
「…わかったわ! 人使くんも一緒に来て!」
心操が言うとメリッサが頷き、5人で最上階を目指す。
すると飯田は、エンジンを加速させていく。
「トルクオーバー…レシプロバースト!!」
飯田は、エンジンを加速させた右脚で警備マシンを蹴散らす。
さらに警備マシンが来ると、八百万は大砲を創造する。
「砲手は任せます! 私は弾を作ります!」
「了解!」
そう言って八百万が砲丸を量産していくと、耳郎が大砲で警備マシンに砲撃を浴びせていく。
すると警備マシンにトリモチが貼り付いていく。
「ハーレムは譲らねぇかんなぁ!!」
「ウェ〜イ…」
峰田が次々ともぎもぎを投げ、警備マシンを行動不能にしていく。
「行け!!」
耳郎は次々と大砲を撃っていくが、弾を量産している八百万は“個性”を酷使して息切れする。
◇◇◇
その頃ひなた達5人は、最上階を目指していた。
すると後ろの方から大きな音が響き渡り、緑谷が足を止めて振り向く。
すると麗日が緑谷に喝を入れる。
「デクくん! 止まっちゃダメだ! ここでウチらまで捕まったら、飯田くん達が残った意味がなくなる!」
麗日が言うと、緑谷は力強く頷いて前を向いて再び走り出す。
「…うん! 皆、どうか無事で…!」
◇◇◇
そして138階サーバールームでは。
飯田はレシプロバーストで警備マシンを次々と破壊していったが、数が多すぎてエンジンがエンストしてしまった。
「飯田!」
耳郎は、警備マシンに砲撃を放って飯田を援護する。
「ヤオモモ! 弾を…!」
耳郎は八百万に次の弾を作ってもらおうとしたが、八百万は自身の脂肪を元に創造を繰り返していたため体力が底を尽き弾を作れなくなってしまう。
「ヤオモモ…!」
「ハァ…創造の…限界が…!」
耳郎は、ゼエゼエと息を切らし膝をつく八百万を介抱する。
そして峰田ももぎもぎの限界が来て頭皮から大量出血を起こし、上鳴もアホになって戦えなくなっていた。
「オイラの頭皮も限界がぁ…」
「ウェ〜イ…」
すると警備マシンが瞬く間に残った5人を拘束してしまった。
◇◇◇
一方、セントラルタワー最上階の管理室では。
捕まった5人を見て、ソキルが嘲笑う。
「ケケッ、ガキが調子に乗るからだ。逃げた5人は?」
「今探してる」
「チッ、イライラさせやがる」
ソキルが尋ねるともう一人の
◇◇◇
ひなた達は、メリッサに連れられて風力発電システムの前まで来ていた。
ひなた達の目の前には、風力発電の装置が並んでいた。
「ここは…?」
「風力発電システムよ」
「どうしてここに…?」
「タワーの中を登れば警備マシンが待ち構えているはず。だからここから一気に上層部へ向かうの。あの非常口まで行ければ…!」
そう言ってメリッサが指を差した先は、風力発電の最上部だった。
ひなた達が今いる場所から何十メートルもの高さがあり、扉自体も足場が小さい場所にあった。
「あんなところまで…!?」
「お茶子さんの触れたものを無重力にする“個性”なら、それができる…!」
「…うん、任せて!」
メリッサが言うと、麗日が頷く。
するとメリッサはひなたにも声をかける。
「それとひなたちゃん、あなたの力を貸してほしいの!」
「え?」
「この人数を浮かせるのは、お茶子さんの負担が大きいわ。でもひなたちゃんの“技術”があれば、お茶子さんの負担を減らせるはず!」
「いや、でも…僕は今捕縛武器持ってないし…」
ひなたが捕縛武器を持っていないのを理由に断ろうとすると、メリッサがひなたに一対の赤いバングルを渡す。
ひなたは、それを見て目をパチクリさせる。
「…これは?」
「このタワーの捕縛装置を参考に作った、圧縮捕縛武器よ。まだ試作段階だけど、ひなたちゃんにあげるわ!」
メリッサが言うと、ひなたは頷いて貰ったバングルを手首につける。
すると、バングルから鎖状の捕縛武器が伸び、ひなたの思い通りにビュンビュン動く。
それを見たひなたは、思わず歓声を上げる。
「お! 便利! ありがとうメリッサさん!」
ひなたは、早速貰った武器で麗日以外の自分達4人を捕縛武器で固定する。
「お茶子っち! 準備いいよ!」
「うん! 行っけえー!!」
ひなたが合図を送ると、麗日は自分以外の4人を浮かせる。
するとひなたは、非常口付近に捕縛武器を巻き付けると、一気に捕縛武器を縮めて上へ向かっていく。
「よし!」
麗日が4人を浮かせた直後、5人が入ってきた扉が開き警備マシンが麗日の方へ近づいてくる。
「そんな…!」
「麗日さん!!」
「お茶子っち!!」
「“個性”を解除して逃げて!!」
麗日の方へ警備マシンが近づくと、緑谷、ひなた、メリッサが叫ぶ。
だが麗日は、“個性”を解除して逃げようとはしなかった。
「出来ひん!! そんな事したら、皆を助けられなくなる!!」
「お茶子さん!!」
「麗日ぁ!!」
麗日が言うと、メリッサと心操が叫ぶ。
ひなたは、麗日の思いを汲んで1秒でも速く非常口へ向かおうとした。
すると、その時だった。
BOOOM!!!
「!?」
突然目の前の警備マシンが爆発で吹き飛ぶと、その場にいた全員が目を見開く。
爆炎の中から現れた人物を見て、緑谷とひなたは同時に声を上げる。
「「かっちゃん!!」」
そしてその直後巨大な氷塊が現れ、さらにその直後発砲音が響き渡り警備マシンが吹き飛ぶ。
5人が氷塊が伸び発砲音が聞こえてきた方を見ると、轟と切島、そして何故かショットガンを構えた影山が立っていた。
「轟くんに切島くん!!」
「鉄屑のくせに私のひなたちゃんによくも…まとめてスクラップにしてあげます!」
「幽華ちゃん!? 何でここに…!?」
轟や切島と一緒に影山が現れると、ひなたが目を見開く。
するとひなたの質問に対し轟が代わりに答える。
「訳あって合流した!」
影山はタワーが占拠される前にひなたを探しにレセプション会場を抜け出していたため
ひなたを探して途中ですれ違った
「怪我はねぇか麗日!?」
「うん! 平気! デクくん達が今最上階に向かってる!」
「ああ見えてた! ここでこいつらを足止めするぞ!!」
そう言って轟が氷結で警備マシンの動きを封じていくと、爆豪が爆破を繰り出しながら反発する。
「俺の命令すんじゃねぇ!!」
「でもコンビネーションはいいんだな!!」
「誰が!!」
キレる爆豪に対し切島が言うと、さらに爆豪がキレる。
「行って下さいひなたちゃん!」
「うん!」
「ありがとう! みんな…うわぁ!?」
影山が言うとひなたが力強く頷き、緑谷が下にいる轟達に礼を言う。
だがその直後、強風が吹き付け4人が飛ばされる。
ひなたの捕縛武器で辛うじて飛ばされるのを防げたものの、風が強すぎて非常口に近寄れなかった。
「くっ…!!」
ひなたは、強風に耐えきれずに割れたバングルが手首に食い込んで手首を痛め顔を歪める。
すると轟が爆豪に指示を出す。
「爆豪!! プロペラを緑谷に向けろ!!」
「だから命令すんじゃねぇ!!」
そう言って爆豪が爆破でプロペラを4人の方へ向けると、轟が炎熱を使って4人に熱風を送る。
「熱!?」
すると、4人は轟の熱風で飛ばされて元の位置へ戻る。
それを見た麗日と切島が目を見開いて驚く。
「熱風!」
「すげえ!」
だがその直後、メリッサが叫ぶ。
「デクくん! 壁にぶつかる!!」
するとひなたは、一度捕縛武器を解除してタワーの外壁に再び捕縛武器を貼り付けようとする。
だがひなたは吹き飛ばされた時に伸ばした捕縛武器で右手首を捻ってしまっており、痛みで上手く捕縛武器を操れなかった。
「痛…!?」
ひなたが手首を痛がるのを見た緑谷は、決意を固めて拳を握り締める。
「相澤さん! 二人をしっかり固定して!」
「…! うん!」
緑谷が言うと、ひなたは力強く頷き残った左手の捕縛武器をしっかりと自分達の身体に巻き付ける。
「ワンフォーオールフルカウル!! デトロイト…スマッシュ!!」
緑谷は、ワンフォーオールを発動して拳を振り抜き、タワーの外壁を破壊した。
「タワーに入った! 解除!」
緑谷達4人がタワーに入ったのを確認した麗日は、“個性”を解除する。
すると4人の身体は重力に従って落ちていく。
ひなたは、咄嗟に捕縛武器を使って近くの壁へ吊り下がり、3人が地面に叩きつけられるのを防いだ。
「相澤さん…!」
「ひなたちゃん!」
「いっ…!! 怪我は無い? 3人共!」
「え、ええ…! 平気!」
「ありがとう相澤さん!」
ひなたは、ゆっくりと3人を下に降ろしながら尋ねる。
するとメリッサと緑谷が答える。
心操は、ひなたの赤く腫れ上がり皮膚が擦れて血が垂れた右手首を見て目を見開く。
「ひなた! お前、手首…!」
「平気、擦り傷さ!」
心操が心配そうに尋ねると、ひなたが笑顔を浮かべて答える。
するとメリッサは、急いでひなたの手首を手当てする。
「ごめんなさい…! やっぱり強度が不十分だったわ」
「いえ…メリッサさんがくれたこの武器のおかげで、ここまで辿り着けました」
メリッサが謝りながら手当てをすると、ひなたが笑顔を浮かべながら答える。
◇◇◇
その頃、レセプションパーティーの会場では。
「ソキル達を向かわせろ! 俺が行くまで制御ルームは死守しろ!」
そう言ってウォルフラムがパーティー会場を後にすると、オールマイトは悔しそうに歯を食い縛りながら耐える。
◇◇◇
一方、198階まで辿り着いたひなた達はというと。
メリッサは、手首を怪我したひなたの手当てを終えた。
ひなたは、自分を手当てしてくれたメリッサに礼を言おうとする。
「ありがとうございます、メリッサさ…」
「危ない!!」
ひなたが言おうとしたその時、緑谷が3人を庇う。
するとその直後、先程まで4人がいた場所に斬撃が走る。
「はぁっ!!」
「くっ…!!」
いきなり飛び出してきたソキルが刃物に変えた左腕を振るうと、緑谷がフルガントレットで刃物を受ける。
すると心操とひなたが叫ぶ。
「緑谷!!」
「デッくん!」
「胸糞悪いガキ共が!!」
ソキルがそう言って体重を乗せてそのまま緑谷を斬ろうとすると、心操が血相を変えて叫ぶ。
「やめろクソ! お前らの目的は何だ!?」
「うるせぇ!! ヒーロー気取ってんじゃ…」
心操の問いかけにソキルが答えると、洗脳スイッチが入りソキルが固まる。
すると心操がソキルに命令する。
「『寝とけ』」
心操が命令すると、ソキルは意識を失ってその場に倒れる。
「ありがとう心操くん!」
「気にすんな。それより大丈夫か緑谷」
「うん!」
緑谷が礼を言うと心操が緑谷に尋ね、緑谷が返事をする。
するとメリッサが驚いて目を見開く。
「今のは…人使くんの“個性”…!?」
「言ったでしょ、きっと役に立つって」
心操が首を手で押さえながら言うと、メリッサが心操を褒める。
「凄いわ、この“個性”なら
「…俺の事はいいんで、行きましょう」
「皆を助けに…!」
「うん!」
「ええ!」
心操と緑谷が言うと、ひなたとメリッサが頷く。
4人はそのまま階段を登って最上階へ向かう。
「来たぞ!!」
すると、仮面達が階段の上からマシンガンを放ってくる。
「任せて! 『
ひなたは、階段の死角に隠れたまま声の弾丸を放つ。
するとひなたの放った声の弾丸が壁に跳ね返っていき、仮面達に被弾し次々と仮面達が麻痺して倒れていく。
「がっ!?」
「ぐっ…“個性”が…!」
ひなたの“個性”によって仮面が麻痺すると、4人はそのまま200階に上がっていく。
タワー最上階に辿り着いた4人は、制御ルームに向かって走る。
「メリッサさん、制御ルームの場所は…?」
「中央エレベーターの前よ」
緑谷が尋ねると、メリッサが答える。
4人は
4人は、曲がり角の影に隠れて様子を窺う。
「誰かいる!」
緑谷が言うと、他の3人も隠れながら中の様子を窺う。
正面の部屋の中にいたのは、デヴィットだった。
(パパ…!?)
「あれ、デヴィット・シールド博士だよな」
「えっ…て事はメリッサさんの…」
「ええ、父よ」
心操とひなたが言うと、メリッサが答える。
「どうして最上階に…?」
「
メリッサが何故パーティー会場にいたはずのデヴィットが最上階にいるのか疑問に思っていると、緑谷が自分の憶測を話す。
するとメリッサがすかさず言った。
「助けないと!」
「はい!」
4人は、周りを警戒しながらゆっくりと曲がり角の影から出て部屋に近づく。
◇◇◇
そして保管室では。
デヴィットは、保管室のパスコードを解除する。
「コードを解除できた! 1147ブロックへ!」
「はい!」
デヴィットが言うと、サムが走り出す。
すると壁が動く。
「開くぞ!」
デヴィットが言った直後、壁からアタッシュケースが出てくる。
「やりましたね博士! 全て揃ってます!」
そう言ってサムは取り出したアタッシュケースを開ける。
ケースの中には、サポートアイテムと思われる器具が入っていた。
「ああ…! ついに取り戻した! この装置と研究データだけは、誰にも渡さない! 渡すものか…!」
そう言ってデヴィットは両拳を握りしめる。
するとサムが下の階へと降りてくる。
「プラン通りですね。
「ありがとう。彼等を手配してくれた君のお陰だ、サム!」
デヴィットがそう言った、その時だった。
「パパ…?」
聞き覚えのある声に二人が振り向くと、そこにはメリッサと緑谷、ひなた、心操がいた。
二人は、メリッサが現れた事に動揺する。
「め、メリッサ…!?」
「お嬢さん!? どうしてここに!?」
二人が驚いていると、メリッサはデヴィットに尋ねながら一歩ずつ歩み寄る。
「手配したって…何…? もしかしてこの事件…パパが仕組んだの…? その装置を手に入れるために…? そうなの、パパ…?」
出来ればそうでないと信じたかった。
自分の知る父親はそんな事をする人間ではなかったからだ。
だが、デヴィットは俯いて観念したように口を開く。
「……そうだ」
彼の口から放たれた真実は残酷だった。
おまけコーナー
ひーちゃん「それはそうと幽華ちゃん…
影山「正当防衛です♪」
ひーちゃん「ええ…」