感謝感激雨霰。
念願の赤バーを維持し続けてるぞおおおおおお!!!
やったああああああああああああああああああ!!!
面白いと思っていただけましたら高評価(特に8・9・10あたり)お気に入り、感想等よろしくお願いします。
緑谷、切島、飯田、心操の四人が空を飛び切島が手を差し伸べ心操がひなたに呼びかけると、爆豪はひなたを抱えたまま片手での爆発で空を飛んで切島の手を掴んだ。
「何ィイイ!!?」
「爆豪くん! 俺の合図に合わせて爆風で……」
「てめぇが俺に合わせろや」
「張り合うなこんな時にィ!!」
飯田が爆豪に指示を出し爆豪が飯田に突っかかっていると、切島が止めた。
「……どこにでも…っ、現れやがる!!」
「マジかよ…全く!」
それを見た死柄木は忌々しそうに空を睨み、オールマイトは呆れてはいたが心なしか嬉しそうだった。
「逃がすな! 遠距離ある奴は!?」
「荼毘に黒霧! 両方ダウン!」
Mr.コンプレスが尋ねると、スピナーが答える。
すると零が前に出る。
「僕がやる。妹を返せクソガキ共」
零は、“個性”を発動して幻覚を見せようとする。
だが…
「さよなら、
「!?」
『AHHHHHHHHHHH!!!!!』
ひなたはボソッと呟いて零に狙いを定めると、爆音攻撃を放つ。
すると零は爆音で耳をやられ、意識を手放し仰向けに倒れ込む。
“個性”を無効化しようとした時には既に遅く、“個性”を破壊されていた。
「が……!」
爆音を直接喰らった零は、耳から血を噴き出して白目を剥いていた。
ついでに攻撃に晒された連合メンバーも、気を失う事はなかったものの耳を塞いで苦悶の表情を浮かべていた。
「ぐぁああああ!! うるっっせぇ!!」
「キャアアアア!? ちょっと、ゼロちゃん!?」
「急に元気になりすぎだろ! 耳塞いでても鼓膜破れそうだ…!」
「クッソうるせぇ!! ちっせー声だな腹から声出せ!!」
「やー! うるさくて近寄れないです!」
ひなたが“個性”を発動して叫ぶと、爆音攻撃に曝されたスピナー、マグネ、Mr.コンプレス、トゥワイス、トガが動揺し、連合は足止めを喰らう。
“個性”を使うひなたを見ていたオールフォーワンのマスクにも、ピシッとヒビが入った。
「今だ爆豪くん! 引き離すぞ!」
「わぁっとるわ! 命令すんじゃねー!」
連合メンバーが足止めを喰らっている隙に、飯田と爆豪が加速して一気に連合から離れた。
「あのクソガキ……」
ひなたと目が合った死柄木は、不機嫌そうにひなたを睨んでいた。
「しょうがないわね、あんたらくっついて!!」
マグネは、ひなたの爆音攻撃を喰らってまだ意識を保っていたMr. コンプレスとスピナーに指示を出す。
Mr. コンプレスとスピナーがくっつくと、マグネが“個性”を発動する。
マグネ
本名 引石健磁
“個性”『磁力』
自身から半径4、5m以内の人物に磁力を付加!
全身・一部力の調整可!
男がS極女がN極となる!!
自身に付加はできないぞ!
「行くわよ! 『反発破局夜逃げ砲』!!」
マグネは、ひなたの声が止んだタイミングで“個性”を発動してMr.コンプレスを撃ち出した。
マグネの“個性”でMr.コンプレスは勢いよく空へ弾き飛ばされる。
だが…
「『タイタンクリフ』!!」
「っだ!?」
Mr.コンプレスは、巨大化したMt.レディの顔に激突して阻まれた。
「Mt.レディ!」
「救出…優先、行って…! バカガキ……」
Mr.コンプレスがぶつかってきた事で顔面にダメージを負ったMt.レディは、そのまま気を失って倒れ込む。
一方、Mr.コンプレスも大ダメージを負って意識を手放した。
「まだ間に合う!! もう一発……」
マグネは、今度はトゥワイスを飛ばそうとした。
だがグラントリノが素早くマグネ、スピナー、トゥワイスの三人に飛び蹴りを喰らわせ気絶させた。
「…ああ!!! グラントリノ!!」
緑谷は、グラントリノを見て思わず目を見開いた。
「遅いですよ!」
「お前が速すぎんだ」
オールマイトがグラントリノに遅いと言うと、グラントリノがツッコミを入れる。
その様子を見ていたオールフォーワンは、グラントリノを見てオールマイトの先代『志村菜奈』の友人だった事を思い出す。
緑谷達を発見したグラントリノは、カンカンに怒っていた。
「なぁあいつ緑谷!!! っとに益々お前に似て来とる!! 悪い方向に!!!」
「保須の経験を経てまさか来ているとは…十代……! しかし情けない事にこれで、やっと心置き無くお前を倒せる!」
オールマイトは、地面に尻餅をついていたオールフォーワンを指差しながら言った。
「連合もあと二人!! 終わらせる!」
グラントリノは、死柄木とトガの方へと飛び出した。
「……!」
「弔くん終わりたくないです」
「やられたな、一手でキレイに。形勢逆転だ」
オールフォーワンは、右手の爪をマグネに刺した。
すると、マグネの“個性”が強制的に発動する。
「塵になれ」
死柄木は飛んでくるグラントリノに触れようとしグラントリノは死柄木に飛び蹴りを喰らわせようとするが、互いの攻撃が当たる寸前でマグネの“個性”によって死柄木が引っ張られグラントリノの蹴りが外れた。
そして、そのままトガの方へと飛ばされる。
「え、や━━そんなに急に来られてもぉ」
トガにぶつかると
「待て…ダメだ先生!」
マグネはオールフォーワンの爪でゲートの中へ投げ入れられ、それを阻止しようとしたグラントリノはオールフォーワンの爪で弾かれる。
「ぐっ」
「その体じゃあんた……ダメだ…俺、まだ────」
死柄木が言い終わる前に、死柄木はゲートの中へと引き摺り込まれた。
メンバー全員がゲートに入ると、ゲートは渦を巻いて消滅した。
「弔、君は戦いを続けろ」
オールマイトは一気に距離を詰めオールフォーワンを殴ろうとするが、オールフォーワンの“個性”の一つの黒い液体によってグラントリノがオールフォーワンの前に転送され、さらにはオールマイトの攻撃が反転しオールマイトの拳は弾き返された。
「僕はただ弔を助けに来ただけだが、戦うというなら受けて立つよ」
直前で弾き返されたお陰でグラントリノが大ダメージを負う事は無かったが、オールマイトの拳によって放たれた衝撃波によりグラントリノは顔にダメージを負いオールマイトも反動で腕がボロボロになる。
「すみません!!」
図らずも師を傷つけてしまったオールマイトは、グラントリノに謝った。
「何せ僕はお前が憎い。かつてその拳で僕の仲間を次々と潰し周り、お前は平和の象徴と謳われた。僕らの犠牲の上に立つその景色、さぞや良い眺めだろう?」
オールフォーワンは、グラントリノに対し衝撃波の“個性”を使おうとした。
「DETROIT SMASH!!!!!!!!」
オールマイトは、咄嗟にグラントリノを助け出してオールフォーワンと拳を撃ち合った。
オールマイトは自身の拳が放つ衝撃波で無理矢理オールフォーワンの衝撃波を打ち消したが、身体にガタが来ていたのかガフッと血を吐いた。
「心置きなく戦わせないよ。ヒーローは多いよなあ、守るものが」
「黙れ」
「!」
オールマイトは、オールフォーワンの左腕を掴むとそのままへし折る。
「貴様はそうやって人を弄ぶ! 壊し! 奪い! つけ入り支配する! 日々暮らす方々を! 理不尽が嘲り嗤う! 私はそれが! 許せない!!」
オールフォーワンは“転送”を使おうとするが、間に合わなかった。
そして、そのまま血を吐きながらオールフォーワンの顔面に拳を叩き込んだ。
するとオールフォーワンのマスクが砕け、オールマイトも発動限界が近づき顔の右半分だけトゥルーフォームに戻っていた。
オールフォーワンは、皮膚が焼け爛れのっぺらぼうのような顔をしていた。
「いやに感情的じゃないか、オールマイト。同じような台詞を前にも聞いたな。ワンフォーオール先代継承者、志村菜奈から」
◇◇◇
その頃、緑谷達は無事戦線から逃れていた。
すると轟から電話がかかってくる。
『緑谷、そっち無事か?』
「うん! 轟くんの方は!? 逃げ切れた!?」
『多分な。奴の背面方向に逃げてる。プロ達が避難誘導してくれてる』
「良かった! 僕らは駅前にいるよ! あの衝撃波も圏外っぽい! 奪還は成功だよ!」
轟と緑谷は、携帯越しに互いの状況を報告し合っていた。
すると爆豪が悪態をつく。
「いいか俺ァ助けられたわけじゃねえ、一番良い脱出経路がてめェらだっただけだ!」
「ナイス判断!」
爆豪は逆ギレしていたが、爆豪が自分達に身を預けたのが嬉しかったのか切島はサムズアップをした。
すると爆豪は、ケッと悪態をつきながら言った。
「オールマイトの足引っ張んのは嫌だったからな」
爆豪が言うと、ひなたは少し俯く。
「かっちゃん……ごめんなさい。僕の心が弱かったばかりに迷惑かけて…本当にごめん」
ひなたは、俯いたままスカートの裾を握りしめて爆豪に謝る。
ひなたは、自分が連合にいいようにされている間もずっと呼びかけて正気に戻そうとしていた爆豪を一度は拒絶してしまい、それでも身を挺して連合から自分を守ってくれた爆豪に対し罪悪感を抱いていた。
すると爆豪がひなたの頭を軽く小突く。
「ケッ、何を今更…てめぇの迷惑は今に始まった事じゃねぇだろが」
「う……」
爆豪がひなたの頭を小突きながら言うと、ひなたは猛省して縮こまる。
すると爆豪は最後にペシっとひなたの頭を叩く。
「目ぇ醒めたかよ」
「……うん。ありがとう。守ってくれて…」
「やめろてめぇに礼言われるとサブイボ立つんだよ! とっととどっか行けやクソ触角が!」
「わ!?」
ひなたがコクリと頷いて礼を言うと、爆豪はイラついてひなたの背中を蹴り飛ばす。
「かっちゃん!?」
「いきなりどうした爆豪!?」
「何をするんだ爆豪くん!!」
いきなりひなたを蹴飛ばした爆豪に緑谷と切島が驚き、飯田が注意する。
誰の目から見ても明らかに先程まで
だが、蹴飛ばされたひなたがバランスを崩してもたれかかった先には心操がいた。
心操に身を預けている事に気づいたひなたは、みるみる顔を赤くしていく。
「あ…あの……」
「本当に良かった…無事戻ってきてくれてありがとな」
「ううん、お礼を言うのは僕の方。ありがとうね、また助けてもらっちゃって…」
ひなたが顔を赤くしつつも礼を言おうとすると、心操はひなたの頭を撫でて言った。
ひなたはふるふると首を横に振り、自分を零の暗示から救ってくれた心操に礼を言い返した。
すると心操は、ひなたを軽く抱き寄せて言った。
「何度でも助けてやるよ。『皆に迷惑かけるくらいならいない方がいい』だなんて、二度と言わせないから」
「……うん」
心操が言うと、ひなたは涙を流しながら頷く。
一方緑谷は、自分達が今ここにいるのは最善の判断だと考えていた。
爆豪の言う通りあの場に残っていてもオールマイトの足を引っ張るだけだと思い、グラントリノもいるから負ける事はないだろうと考えていた。
だが心のどこかでは、そこはかとない不安が残っていた。
◇◇◇
「ワンフォーオール先代継承者、志村菜奈から…」
オールフォーワンが言うと、オールマイトは怒りで表情を歪めた。
巨悪の口から軽々しく自分の師の名前を出された事が許せなかったのだ。
「貴様の穢れた口で、お師匠の名を出すな…!!」
「理想ばかりが先行し、まるで実力の伴わない女だった…! ワンフォーオール生みの親として恥ずかしくなったよ。実にみっともない死に様だった…どこから話そうか…」
オールフォーワンが言うと、オールマイトは怒りに身を任せて拳を振るう。
「Enough!!」
オールマイトがオールフォーワンを殴ろうとすると、オールフォーワンは衝撃波でオールマイトを上空へ吹っ飛ばした。
オールマイトが上空を飛んでいたヘリコプターに激突しそうになると、グラントリノが受け止める。
「俊典!」
「ゴホッ…邪魔を………」
グラントリノがオールマイトを受け止めている間に、オールフォーワンはゆっくりと立ち上がる。
グラントリノは、頭に血が上ったオールマイトを落ち着かせる。
「六年前と同じだ! 落ち着け!! そうやって挑発に乗って! 奴を捕り損ねた!! 腹に穴を開けられた! お前のダメなとこだ! 奴と言葉を交わすな!」
「……はい…」
「前とは戦法も使う“個性”もまるで違うぞ。正面からはまず有効打にならん! 虚を突くしかねえ。まだ動けるな!? 限界超えろ! 正念場だぞ!!」
「………はい!」
オールマイトは、グラントリノの言葉を聞いて自身を落ち着かせた。
上空を飛んでいたヘリコプターは、オールマイトとオールフォーワンの戦いを生中継していた。
『悪夢のような光景! 突如として神野区が半壊滅状態となってしまいました! 現在オールマイト氏が元凶と思われる
生中継を見ていた国民は、ほとんど全員が戦いを不安そうに見守る。
それはA組や雄英の教師陣も例外ではなかった。
するとオールフォーワンは、両手を広げながら語り出した。
「弔がせっせと崩してきたヒーローへの信頼、決定打を僕が打ってしまってよいものか…でもねオールマイト。君が僕を憎むように、僕も君が憎いんだぜ? 僕は君の師を殺したが、君も僕の築き上げてきたものを奪っただろう? だから君には可能な限り醜く惨たらしい死を迎えて欲しいんだ!」
オールフォーワンは、そう言って再び腕を膨らませる。
するとグラントリノが大きく跳び上がる。
「でけえの来るぞ! 避けて反撃を───」
「避けていいのか?」
グラントリノがオールマイトに避けるよう言うと、オールフォーワンはニヤリと笑う。
すると後ろから何かが崩れる音が聞こえ、背後には瓦礫で生き埋めになった女性がいた。
「おい!!」
グラントリノが飛び出した直後、オールフォーワンが衝撃波を放った。
「君が守ってきたものを奪う」
「ぐっ…!!」
グラントリノは、衝撃波の勢いで吹き飛ばされる。
「まずは怪我をおして通し続けたその矜持、惨めな姿を世間に晒せ。平和の象徴」
そこには、女性を庇って左拳を前に突き出して耐えていたオールマイトがいた。
だがオールマイトは変身が解け、トゥルーフォームに戻っていた。
全身がボロボロになり、マッスルフォームのサイズに合わせたコスチュームはダボダボになっていた。
「え…?」
「何だあの骸骨…」
生中継を見ていた市民達は動揺し、爆豪やひなたは呆然とモニターを眺め、緑谷は絶望で顔を歪めていた。
オールマイトのトゥルーフォームは、オールマイトの関係者や雄英教師、そして緑谷など一部の人間しか知らない、他の人間には決して明かしてはならない秘密だった。
オールマイトの正体が痩せぎすで貧相な瀕死の男だと知ってしまったら、国民達の心の拠り所が崩れてしまうからだ。
一方ひなたも、モニターを見て目を見開き手で口を塞いでいた。
モニターに映っていたのが、以前入院した時に見舞いに来てくれたオールマイトのマネージャーを名乗る八木という男だったからだ。
実はひなたも、薄々八木とオールマイトが同一人物だと勘付いていた。
だが、オールマイトがその秘密を知られる事を恐れているのを無意識のうちに感じ取り、気付いていないフリをしていたのだ。
そして今目の前のモニターに映っているオールマイトを見て、緑谷同様青ざめていた。
『えっと…何が、え…? 皆さん、見えますでしょうか? オールマイトが…しぼんでしまってます……』
「頬はこけ目は窪み!! 貧相なトップヒーローだ。恥じるなよ、それが本当の君なんだろう!?」
オールマイトのトゥルーフォームを見たオールフォーワンは、大袈裟に高笑いしていた。
さらにオールフォーワンはオールマイトを煽るが、オールマイトの目はまだ死んでいなかった。
「……そっか」
「身体が朽ち衰えようとも…その姿を晒されようとも…私の心は依然平和の象徴!! 一欠片として奪えるものじゃあない!!」
オールマイトが鋭い眼光をオールフォーワンに向けながら言うと、オールフォーワンは大袈裟に驚いてみせる。
「素晴らしい! 参った、強情で聞かん坊な事を忘れてた。じゃあこれも君の心には支障ないかな…あのね……」
オールフォーワンは、人差し指を立ててオールマイトに対し言った。
「死柄木弔は志村菜奈の孫だよ」
それを聞いたオールマイトは目を見開き、完全に表情から余裕が消えた。
それもその筈で、かつて自分が負かした
するとオールフォーワンは、不気味な笑顔を浮かべながらオールマイトに告げる。
「君の嫌がる事をずぅっと考えてた。君と弔が会う機会を作った。君は弔を下したね。何も知らず、勝ち誇った笑顔で」
「嘘を………」
オールマイトは、そんなの嘘に決まっている、嘘であってほしいと願いながらポツリと呟く。
だがオールフォーワンは、残酷な真実を突きつけた。
「事実さ。わかってるだろ? 僕のやりそうな事だ。あれ…おかしいなオールマイト、笑顔はどうした?」
オールフォーワンが両頬を両人差し指でクイッと上げながら煽ると、オールマイトの表情が絶望で歪む。
「き…さ、ま…!」
「やはり…楽しいな! 一欠片でも奪えただろうか」
そして、自分の行動を悔いるあまり膝をついてしまった。
それを見たオールフォーワンは愉快そうに笑う。
その姿は心なしかイタズラに成功した子供のようにも見えた。
「〜〜〜ぉおおお───…!!」
だが、その時だった。
「負けないで…オールマイト、お願い…救けて」
生き埋めになっていた女性が、泣きながらオールマイトに訴えた。
すると、生中継を見ていた市民も次々とオールマイトを応援する。
「オールマイト! 頑張れ!!」
「まっ、負けるなあオールマイト!!」
「頑張れえええ!!」
「勝てや!! 「「オールマイトォ!!」」」
モニターでオールマイトとオールフォーワンの戦いを見ていた爆豪、緑谷、ひなたの三人は、オールマイトの勝利を願って必死に叫んだ。
すると、オールマイトの右腕から火花が散り右腕だけ筋肉が盛り上がる。
「お嬢さん、もちろんさ。ああ…! 多いよ…! ヒーローは…守るものが多いんだよオールフォーワン!! だから、負けないんだよ」
オールマイトは、笑いながら拳を振りかぶっていた。
大規模な攻撃を何度も相殺し、オールマイトはとうに発動限界を迎えていた。
右腕のみのマッスルフォーム、歪な姿がそれを物語っていた。
だが、倒れるわけにはいかなかった。
無様を晒し全身から血を流してボロボロになろうとも、“最高のヒーロー”でいなければならないのだから。
「渾身。それが最後の一振りだね、オールマイト。手負いのヒーローが最も恐ろしい。腸を撒き散らし迫ってくる君の顔、今でもたまに夢に見る。二・三振りは見といた方がいいな」
オールフォーワンは、空中に浮き上がって右腕を膨れ上がらせた。
するとその直後、突然炎がオールフォーワンに迫ってくる。
オールフォーワンは、衝撃波で炎を散らした。
「何だ貴様…その姿は何だオールマイトォ!!!」
オールマイトが振り向くとそこにはエンデヴァーが立っており、激励とも取れる言葉を投げかけていた。
オールフォーワンは、思いの外早く到着したエンデヴァーに称賛の言葉を投げかける。
「全て中位とはいえ…あの脳無達をもう制圧したか。流石No.2に昇り詰めた男」
「オールマイト…何だそのっ、情けない背中は!!」
エンデヴァーは、トゥルーフォームに戻ったオールマイトに向かって必死に叫んだ。
自分の人生全てを懸けて必死に越えようとしてきた男が目の前で無様を晒しているのが耐えられなかったのだ。
「応援に来ただけなら、観客らしく大人しくしててくれ」
オールフォーワンが衝撃波を放とうとすると、エッジショットが阻止した。
「抜かせ破壊者。俺達は救けに来たんだ」
シンリンカムイは、ボロボロになったギャングオルカ、ベストジーニスト、Mt.レディの三人を助けていた。
そしてボロボロになって気を失ったMt.レディに声をかける。
「頑張ったんだな…!! Mt.レディ」
そして虎は、“個性”で身体を柔らかくして生き埋めになった女性を助け出していた。
「我々…には、これくらいしか出来ぬ…あなたの背負うものを少しでも…」
「虎…!」
「あの邪悪な輩を…止めてくれオールマイト…!! 皆、あなたの勝利を願っている…!! どんな姿でも、あなたは皆のNo.1ヒーローなのだ! 皆あなたの勝利を、願っている!」
虎は、女性を助け出しながらオールマイトに告げる。
虎の言う通り、日本中では国民がオールマイトの勝利を願っていた。
「煩わしい」
オールフォーワンは、下に向かって衝撃波を放ちヒーロー達を吹き飛ばした。
「精神の話はよして、現実の話をしよう。『筋骨発条化』『瞬発力』×4『膂力増強』×3『増殖』『肥大化』『鋲』『エアウォーク』『槍骨』今までのような衝撃波では体力を削るだけで確実性がない。確実に殺す為に今の僕が掛け合わせられる最高・最適の“個性”達で君を殴る」
オールフォーワンの右手が膨張して異形と化し所々に人間サイズの手が巨大な手に引っ付いていた。
オールフォーワンは、オールマイトと手合わせをして実感した。
オールマイトにはもうほとんどワンフォーオールは残っておらず、今オールマイトが使っているのは緑谷に譲渡した後の残り火だった。
そしてその火は使う度に弱まっており、もはや吹かずとも消えゆく弱々しい光だった。
オールフォーワンは、右腕を振りかぶって上空からオールマイトに接近する。
「緑谷出久。譲渡先は彼だろう? 資格も無しに来てしまって…まるで制御できてないじゃないか。存分に悔いて死ぬといいよ、オールマイト。先生としても、君の負けだ」
オールフォーワンは、オールマイトを、そして彼の継承者の緑谷を嘲笑いながら拳を振り抜く。
その直後、二人は拳をぶつけ合った。
その瞬間、街を吹き飛ばす程のエネルギーが発生する。
オールマイトの攻撃はオールフォーワンの“個性”によって跳ね返り、オールマイトの腕にダメージが蓄積している。
だが…
「そうだよ」
「!?」
オールマイトは、腕から血を流し骨がバキバキと音を立て身体から蒸気を発しても折れなかった。
自分が“
「先生として…叱らなきゃ……いかんのだよ! 私が、叱らなきゃいかんのだよ!!!」
「……成程、醜い。そこまで醜く抗っていたとは…誤算だった」
死に物狂いで立ち向かうオールマイトに、オールフォーワンが呟く。
吹かずとも消えゆく弱々しい残り火。
だがオールマイトは抗っていた。
役目を全うするまで絶えぬよう、必死で争っていた。
「SMASH!!!!」
オールマイトは、右腕の力を左腕に移動させ左腕でオールフォーワンの右頬を殴った。
右腕は囮だったのだ。
だが、オールフォーワンにはほとんど効いていなかった。
「らしくない小細工だ。誰の影響かな」
オールフォーワンは、左腕を膨張させて衝撃波を打とうとした。
「浅い」
するとオールマイトは、左腕の力を全て右腕に移動させた。
「そりゃあ…腰が、入ってなかったからな!!!」
オールマイトは、血を撒き散らしながら死力を振り絞って右腕を振りかぶる。
「おおおお!!!!」
そして、血塗れの歯を食い縛り、全ての力を右腕に込めてオールフォーワンを殴った。
「UNITED STATES OF SMASH!!!!」
オールマイトがスマッシュを打つと、その衝撃で街を巻き込む程の旋風が巻き起こる。
その瞬間、オールマイトの中からワンフォーオールが消え去った。
旋風が晴れると、巨大なクレーターの中で“個性”が解けたオールフォーワンが倒れており、瀕死のオールマイトが立っていた。
するとオールマイトは、ボロボロになりながらも左拳を挙げた。
「「「「オールマイトォ!!」」」」
国民のほとんど全員が、ヒーローの勝利に歓喜の涙を流した。
ヘリでリポートをしていたリポーターも、オールマイトの勝利に感激しながらリポートをする。
『
オールマイトは、拳を突き上げたままマッスルフォームに変身した。
「な…! 今は無理せずに───…」
エッジショットがオールマイトに駆け寄ろうとすると、グラントリノが止めた。
「させて……やってくれ……仕事中だ」
拳を高々と突き上げた英雄の姿に、国民達が熱狂した。
自分を頼ってくれている全ての人間にその勇姿を見せる事、それが平和の象徴、No. 1ヒーローとしての最後の仕事だった。
◇◇◇
その後は被害者の救助が行われた。
ウワバミなどその場にいたプロヒーローや警察が被害者の救助にあたった。
そして、オールフォーワンはというと頑丈に拘束されて連行されていた。
『オールマイトの交戦中もヒーローによる救助活動が続けられておりましたが、死傷者はかなりの数になると予想されます…!! 元凶となった男は…あっ今!! 移動牢に入れられようとしています! オールマイトらの厳戒体制の中今…!』
するとオールマイトは、記者が構えるカメラを指差して言った。
「次は、君だ」
それを聞いた市民達は、大喜びしていた。
まだ見ぬ犯罪者への警鐘、平和の象徴の折れない姿。
だがただ一人、緑谷だけは真逆の意味として捉えていた。
『私はもう出し切ってしまった』と。
本作では、オールマイトがUSJであまり無茶をしなかったので強化されており、梅干しも後に語られる理由によって原作より強化されています(具体的には“個性”の所持数と各“個性”の練度の高さ)。
そのため、力量差でいえば原作と同じ感じです。
もっとひーひーカップルのイチャイチャを書いてほしいとのお声を頂いたので、R18バージョンの執筆を検討しております。R18バージョンいる?いる派が過半数なら書きます
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要る
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要らない