抹消ヴォイスのヒーローアカデミア   作:M.T.

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ゴールドティップスインペリアル

 土曜日、今週は轟と爆豪の仮免講習も無いという事でA組は文化祭の準備をする事になった。

 

「曲は決まった! ウチらはひたすら───…」

 

「殺る気で練習ぅう!!」

 

 他のバンド隊が練習をする中、ひなたも自分がメインで歌う曲の練習をしていた。

 バンド隊は曲の練習をし、ダンス隊はダンスの練習をしていた。

 

「緑谷違ーう、もっとこうムキっと!! ロックダンスのロックはLOCK(エルオーシーケー)だよ!!」

 

 芦戸は、おぼつかない足取りの緑谷に対してスパルタ指導をしていた。

 そして演出隊は、演出の打ち合わせをしていた。

 切島、瀬呂、常闇、轟の4人が話し合っていた。

 

「それじゃ演出の会議を始めるぜ! チームスノーマンズ以外に何かやってみたい演出とかあるか?」

 

「照明が縦横無尽に動く演出はどうだ? 『チームスノーマンズ』とやらと相性がいいと思うのだが」

 

「おぉ! いいなそれ!」

 

「となると…照明の移動はドローンか? 貸し出してもらえるかパワーローダー先生に打診しねーとなぁ」

 

 常闇が提案すると、切島が賛成する。

 演出の一つは照明の移動に決まり、照明を移動させる為のドローンをサポート科に提供してもらえないか打診する事にした。

 すると今度は瀬呂が提案する。

 

「ステージ近くの奴らは楽しめるだろうけど、遠くの奴らはステージの様子がよくわかんねぇんじゃね?」

 

「あー確かに」

 

「で、思ったんだけどよ、轟の氷で足場作るだろ? そんでその上をダンス隊が踊るってのはどうだ!?」

 

「おぉ!! …けど、それ滑って踊りづらくね?」

 

「それなら滑り止めを靴に付ければ良いんじゃねぇか? 俺もコスチュームに滑り止めつけてるし」

 

「それだ!!」

 

 瀬呂の提案に切島がツッコむが、轟が案を出すと切島は納得した。

 すると瀬呂が話を続ける。

 

「それともう一個いいか?」

 

「何だ?」

 

「例えばさ、どんな凄え事でも見る側って慣れちまうのよ。青山がミラーボールになったところで面白えのってその瞬間だけで、ものの一分くらいで誰も気にしなくなると思うわけ」

 

「一発芸みたいなもんだしな」

 

 瀬呂が言うと、切島も納得する。

 すると常闇が小さく手を挙げて提案する。

 

「では青山を中盤から動かすのはどうだ?」

 

「なるほど! そりゃ良いアイディア! ダンス隊に打診してみようぜ」

 

 常闇の提案に、全員が納得する。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 演出隊は、外で練習をしているダンス隊に打診しようとした。

 その頃ちょうどひなたも、芦戸に曲とダンスの相談をしているところだった。

 すると、その時だった。

 

「まだ誰も気づいてないようだ…どうれ…登場一発ギャグで一笑い掻っ攫って…「あ! 通形先輩!」

 

 茂みに隠れて一発芸を披露しようとしていた通形に緑谷が気付き、通形は若干気まずそうにひなたの方を見ていた。

 ひなたは、ひなたに助けを求めるような目を向けてくる通形にツッコミを入れる。

 

「僕にどうしろっていうんです先輩…」

 

 するとその直後、茂みの裏から小さな人影が現れる。

 それを見たA組のメンバーは一斉に驚いた。

 

「……って…」

 

「エッ…」

 

「「「「エリちゃん!!」」」」

 

「デクさん、クレシェンドさん」

 

 茂みの裏から現れたのは、看護師が見繕ったワンピースを着た壊理だった。

 

「桃が生ってるよ!」

 

「いやもう無理ですって…というか下ネタは女の子受け悪いです先輩」

 

 緑谷にバレた通形がヤケクソ気味に一発芸を披露するが、案の定スベったのでひなたがツッコミを入れる。

 通形が滑っていると、後ろから相澤が現れて呆れた目を向ける。

 

「何してんだ」

 

 すると、他のクラスメイト達も驚く。

 

「え!!? 何なに、先輩の子供…!?」

 

「な訳あるか!! あのね、この子は…」

 

 尾白が驚いていると、ひなたがキレのいいツッコミを入れながら説明する。

 すると蛙吹と麗日も近づいてくる。

 

「素敵なおべべね」

 

「かっかっ可愛〜」

 

「ホント看護師さんナイス」

 

 相澤の激ダサトレーナーの代わりに看護師が用意した壊理の可愛らしい衣装は、ひなた、蛙吹、麗日にはとても好評だった。

 すると相澤が事情を説明する。

 

「校長から許可が降りた。ビックリしてパニック起こさないよう、一度来て慣れておこうって事だ」

 

「俺のクラスは午後から練習だから、午前中はエリちゃんとゆっくりできるんだよね!」

 

 相澤と通形が言うと、飯田と峰田が壊理に挨拶をしに近づいてくる。

 

「エリちゃん…インターンの子か! 俺は飯田! よろしく!」

 

「10年後が楽しみだ。オイラ峰田」

 

 飯田と峰田が挨拶しようとすると、壊理が会釈をしながら通形の後ろに隠れる。

 すると通形が二人に説明した。

 

「照れ屋さんなんだよね」

 

「照れ屋さんか」

 

「というわけでこれから俺、エリちゃんと雄英内を回ろうと思ってんだけど、緑谷くん、ひなたちゃん、心操くんもどうだい!?」

 

 通形が提案すると、ひなたは隣にいた心操に話しかける。

 

「うー、行きたい…でも打ち合わせ…」

 

「行ってきなよ。こっちで進めとくから」

 

「ありがとうひー君! マジぐう聖!」

 

 ひなたが目をうるうるさせながら心操に話しかけると、心操は自分の分まで壊理と探検してくるようひなたに言った。

 するとその時、切島が寮のドアを開けて外に出てきた。

 切島は、急いで階段を駆け降り壊理に自己紹介した。

 

「オッスオッス! って俺の事は知らねーか!」

 

 切島が自己紹介すると、壊理は切島に会釈をした。

 

「じゃーちょっと休憩挟もうかァ! ティータイム!」

 

 芦戸の提案で休憩を挟む事になり、その間にひなた達は壊理と校舎内を回る事になった。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 三人は制服に着替え、壊理を連れて校舎の正門を潜った。

 校舎の外では大勢の生徒が文化祭の準備を進めており、壊理は落ち着かない様子で辺りを見渡していた。

 

「今日は休日だけど、寮制になった事もあってたくさんの人が準備を進めてる」

 

 すると、通形と同学年の経営科の生徒が声をかける。

 

「通形じゃん」

 

「子供!? お前、まさかそういう…」

 

 経営科の同級生が尋ねると、通形は無言でニコッと笑みを浮かべた。

 

「いや何か言えよガチっぽいな!」

 

「冗談は置いといて、今年のI組はすげェからおめーも絶対来いよ! 君も、君も」

 

 経営科の生徒は、三人にビラを配る。

 緑谷は、配られたビラを見て驚いていた。

 

「凄い立派なフライヤー…!」

 

 その後も校舎の外の道を歩いていると、大勢の生徒が文化祭の為の装飾を作っていた。

 

「まだ一ヶ月前なのに慌ただしいですね!」

 

「皆去年よりも凄いものを…『プルスウルトラ』で臨んでるんだよね」

 

 すると一人の女子生徒が走ってくる。

 頭に二本の角のような外骨格が生え、フワフワのロングヘアーの銀髪と鋭い八重歯が特徴的な女子だった。

 

「おーいそこの黒豆みたいなおめめがステキなミリオくーん! って、あれ!? その子どないしたん!? ヤバみエモみカワカワMAXやないかい!!」

 

「やあ五常さん! この子はエリちゃん、訳あって学校を案内してあげる事になったんだよね!」

 

 通形が言うと、五常という名前の女子は興味津々といった様子で壊理に話しかける。

 

「へぇー、なああんたエリちゃんいうんやね! うちな、五常風華! ミリオくんのクラスメイトやで! よろしゅーな! せや! 飴ちゃんやろーな!!」

 

「あ、ありがとうございま…「おお!! あんた出久くんとひなたちゃんやろ!? 体育祭録画して見たよ━━━!! どえらかったなーホンマ!! 飴ちゃんやろーな!!」

 

「あ、えっと…」

 

「ありがとうございます…」

 

 五常が嵐のような勢いで緑谷とひなたにも話しかけると、二人は戸惑った様子で答える。

 

「ほんならうちはこれで! さいなら〜!」

 

 五常は、自分の吹いた息で突風を起こし、その風に乗ってどこかへと飛んでいった。

 

 

 

 五常風華

 “個性”『息吹』

 自分で吹いた息を風に変えて操る事ができる! 

 4歳の誕生日にバースデーケーキのローソクを吹き消そうとしたら一緒にいた家族ごとブッ飛んだらしいぞ!! 

 ちなみにNo.14ヒーロー『イナズマ』の妹だ!! 

 

 

 

「凄い…嵐のような人だった…」

 

「すまないね、彼女は俺のクラスメイトなんだよね!」

 

 壊理を含めた三人が驚いていると、通形が五常を紹介する。

 五常は通形のクラスメイトで、実は仮免講習の教官のイナズマの実妹だった。

 五常の嵐のような豪快さに緑谷が置いてけぼりを喰らっていた、その時だった。

 

「ひなたちゃんひなたちゃん」

 

「ぎゃわぁあ!!?」

 

「ヒッ!?」

 

「ビックリしたぁ!!」

 

 突然ヒタ…と首筋に冷たく青白い手が当たり、後ろを振り向くと血塗れの衣装を身にまといギョロリとひなたの方に目を向けた貞子もどきがいた。

 ひなた、緑谷、通形の3人は、驚いて思わず素っ頓狂な叫び声を上げる。

 

「エリちゃん大丈夫かい!?」

 

「ビックリした…」

 

 壊理がビックリしてしまったものかと思い通形が慌てて尋ねると、壊理は“個性”を暴走させなかったものの通形の服を掴んで怯えていた。

 すると貞子もどきが緑谷に話しかける。

 

「って、あら…緑谷さんもいらしたんですか。お久しぶりです」

 

「その声…影山さん!?」

 

「はい、私です影山です。普通科の」

 

「なぁんだ、幽華ちゃんかぁ…急に脅かさないでよ、この子まだ“個性”が不安定で、ビックリさせると良くないから」

 

「あら、そうでしたか。これ出し物の衣装なんですけど、驚かせてしまったのならすみません」

 

(脅かしてる自覚無かったんかい…)

 

 ひなたが壊理を脅かさないよう影山に注意すると、影山はキョトンとした様子で謝る。

 影山自身は全く脅かしたつもりはなかったので、ひなたは心の中でツッコミを入れた。

 

「あ、そうそう。私のクラス、お化け屋敷やるので是非見に来て下さいね」

 

 影山は、4人にビラを渡して言った。

 ビラには『心霊迷宮』と書かれており、影山の言う通り本格的なお化け屋敷をやるようだった。

 

「この企画、実は私が提案したんです。これでも私、ミス肝試し日本代表とまで呼ばれてまして…」

 

「あはは…楽しそうだね幽華ちゃん」

 

 影山が不気味な笑みを浮かべながら言うと、ひなたが苦笑いを浮かべる。

 影山がそのまま準備の手伝いをしにクラスメイトのもとへ行くと、緑谷が感心した様子で声を漏らす。

 

「普通科もすごい気合入ってますね!」

 

「体育祭の主役がヒーロー科なら、文化祭の主役は他の科だからね!」

 

 緑谷と通形が話していたその時、突然ドラゴンの顔が緑谷に迫ってくる。

 

「うわぁ!!?」

 

 驚いた緑谷は、目を丸くして素っ頓狂な声を上げる。

 

「すンません…ってA組のひなちゃんと緑谷じゃねぇか!!」

 

「B組…」

 

 声をかけたのは、B組の鉄哲だった。

 すると後ろにいた物間も声をかける。

 

「アレアレアレー!? こんな所で油売ってるなんて余裕ですかあァア!?」

 

 物間が煽ると壊理が怯えてひなたと緑谷の方へ歩いてきたので、二人が壊理を落ち着かせる。

 

「エリちゃん平気!?」

 

「降ってきた人かと思った」

 

「エリちゃん、あっちに面白そうなのあるから向こう行こうね」

 

 ひなたは、壊理を連れてその場を離れようとした。

 すると物間が笑いながら煽る。

 

「オヤオヤ無視かい!? いいのかい!? ライヴ的な事をするんだってね!? いいのかなァ!? 今回ハッキリ言って君達より僕らB組の方が凄いんだが!? 『ロミオとジュリエットとアズカバンの囚人〜王の帰還〜』僕らの完全オリジナル脚本超スペクタクルファンタジー演劇!! 準備しといた方がいいよ! 僕らに喰われて涙する、その時の為のハンカチをね!!」

 

 高笑いする物間の後頭部を、背後から泡瀬が角材で殴った。

 

「いつにも増してメッチャ言ってくる…!」

 

「一回病院行った方がいいと思うよ? ホントに心配」

 

 緑谷とひなたがツッコミを入れると、泡瀬が二人に謝る。

 

「ごめんよA組。拳藤がいねーから歯止めが効かねー」

 

「物間くんとセットのイメージあったけど…」

 

「もはやお約束だよね」

 

 二人が顔を見合わせて話していると、泡瀬が説明した。

 

「今回は別! あいつはミスコン出るのよ。無理矢理エントリーさせられて」

 

(ミスコン!!?)

 

 泡瀬からミスコンの話を聞いた緑谷は驚いていた。

 A組ではミスコンの話は全く出てこなかったのだ。

 

「物間じゃねーけどお互い気張ってこーぜ!」

 

「おう、そっちも頑張れよA組! じゃ!」

 

 B組は、演劇に使う道具を運びながら去っていった。

 相澤からミスコンの話を聞かされなかった緑谷は、一人で目を丸くしていた。

 

「先生ミスコンの事なんて一言も言ってなかった」

 

「うーん…まあお父さんああいうの興味無さそうだしね。どのみちウチのクラス、皆バンドとダンスで忙しいから誰も立候補しないだろうし」

 

 緑谷が驚いていると、ひなたが苦笑いを浮かべながら言った。

 すると通形が壊理に謝る。

 

「いきなり雄英の負の面を見せてごめんよ壊理ちゃん」

 

「次は楽しいの見に行こうね」

 

 通形とひなたが言うと、壊理は首を傾げていた。

 すると通形が思い出したように顔を上げる。

 

「ミスコンと言えばそうだ! あの人も今年は気合い入ってるよ」

 

「あの人?」

 

「去年の準グランプリ、波動ねじれさんだよね!!」

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 通形が備品室に入ると、中には綺麗なドレスを着て宙に浮いた波動がいた。

 波動は、4人に気がつくと空中を移動して4人の目の前までやって来た。

 

「ねェねェ何でエリちゃんいるの? フシギ! 何で何で!? 楽しいねー」

 

「わあああお綺麗ですね波動先輩! まるで妖精みたい…!」

 

 波動が通形に尋ねていると、波動のドレス姿に見惚れたひなたが目を輝かせる。

 誤解されがちだが、ひなたは巨乳厨やマウントを取ってくる巨乳女性を蛇蝎の如く嫌っているだけで、別に巨乳そのものが嫌いなわけではなく、むしろ波動のような美女は憧れの対象だった。

 緑谷も、波動の美貌に思わず固まりしどろもどろになっていた。

 

「“個性”も派手だし、その…お顔も…ププププロポプロ…」

 

「プロポーション」

 

「そんな先輩でも準なんですね」

 

 緑谷が尋ねると、波動が食い気味に答える。

 

「そー聞いて!! 聞いてる!? 毎年ねェ、勝てないんだよー! 凄い子がいるの! ミスコンの覇者!! 三年G組サポート科絢爛崎美々美さん」

 

「す…凄い」

 

 すると撮影をしていた天喰も出てきた。

 

「今年はCM出演で隠れファンが急増しつつある拳藤さんも出る。波動さんも気合が入ってる。大衆の面前でパフォーマンスなんて…考えただけで…痛た…お腹痛くなってきた…」

 

 天喰は急に腹痛で膝をつきそれを見た緑谷は顔を引き攣らせていた。

 

「最初は有弓に言われるまま出てみただけなんだけど……何だかんだ楽しいし悔しいよ。だから今年は絶対優勝するの! 最後だもん」

 

 波動が無邪気な笑みを浮かべる。

 

「できるさ!」

 

「先輩、僕も応援してます!」

 

 通形とひなたが背中を押し、天喰も微笑んでいた。

 波動達の様子を見て、壊理は何か考えている様子だった。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 4人が次に向かったのはサポート科だった。

 サポート科の教室では、生徒達が機械を作っており作業音が部屋中に鳴り響いていた。

 

「さて! 次は…サポート科!! 彼等は全学年一律で技術展示会を開くんだ!」

 

「これ知ってます! 毎年注目されてますよね!」

 

「そう! 文化祭こそサポート科の晴れ舞台なんですよ」

 

 突然、緑谷の後ろから発目が声をかける。

 

「発目さ…ってうおおお!!?」

 

「めいめ…おお!!」

 

「ドッカワベイビー第202子です!」

 

「に、202子…」

 

 思わず後ろを振り向いた緑谷とひなたは、発目の後ろにあった巨大ロボットを見て目を丸くする。

 自身の発明品であるロボットを自慢する発目は、身体中が重油で汚れていた。

 

「…何か…汚れてるね…」

 

「お風呂に入る時間も勿体無いので!」

 

「ええ〜!!」

 

「凄いね!」

 

「職人さんって感じだね!」

 

 風呂に入る時間も惜しんで発明をする発目に、三人は感心していた。

 発目は、上機嫌でロボットの方を振り向くとロボットを愛でながら語り出す。

 

「どんどんアイディアが湧いてきて楽しくてですね! 体育祭はヒーロー科に対する副次的なアピールチャンスの場でした。が! 今回は私達が主役の場を与えられているのです! より多くの企業によりじっくり我が子を見てもらえるのです! 恥ずかしくない子に育て上げなくては! それよりアイアンソールとアコースティックシューズはその後どうでしょう!? また何かあればすぐ言って下さい!!」

 

「ありがとう! …てかめいめい、何か煙出てるけど大丈夫?」

 

「へ?」

 

 発目が胸を張って巨大ロボットを叩くと、ひなたが苦笑いを浮かべながらロボットを指差した。

 ロボットは発目が軽く叩いた衝撃でガタガタ揺れて煙を放ち、突然頭部が爆発した。

 

「ベイビー!?」

 

「わー発目またかよ!!」

 

「水! 水!!」

 

「発目さん何かごめん!! 行こうエリちゃん!」

 

「うん、ビックリした」

 

 突然の爆発に壊理は目を丸くしており、壊理の身の危険を感じた三人は急いで壊理を連れて撤退した。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 その後4人は食堂へ行き、通形が壊理にリンゴジュースを奢った。

 

「まーこんなもんかなァ。慣れ…っていうかどうだった!?」

 

 通形が尋ねると、ストローでリンゴジュースを飲んでいた壊理が答える。

 

「……よく…わからない…」

 

 壊理が言うと、三人は苦笑いを浮かべた。

 すると壊理が話を続ける。

 

「けど…たくさん、色んな人が頑張ってるから、どんな風になるのかなって…」

 

 壊理が少し楽しそうに言うと、三人は顔を見合わせて笑みを浮かべた。

 するとその時だった。

 

「それを人はワクワクさんと呼ぶのさ」

 

「!!?」

 

「有意義だったようだね」

 

 隣のテーブルでは、ミッドナイトと一緒に昼食を摂っていた校長が高速チーズ齧りを披露していた。

 

「「根津校長!!! ミッドナイト先生!!」」

 

 緑谷とひなたが驚いていると、校長は口元を拭きながら話し始める。

 

「文化祭、私もワクワクするのさ! 多くの生徒が最高の催しになるよう励み、楽しみ…楽しませようとしている!」

 

「ケーサツからも色々ありましたからねェ」

 

「ちょっと香山くん」

 

 ミッドナイトが小言を挟むと、校長がそれ以上は語らないよう言った。

 

「じゃ! 私は先に行ってるよ。君達! 文化祭存分に楽しんでくれたまえ」

 

 そう言って校長は席から立ち上がると食堂を去っていった。

 校長は警察庁長官から文化祭を自粛するよう言われていたのだが、文化祭を生徒達にとって重要なイベントだと考えていた根津は頭を下げて長官に頼み込んでいたのだ。

 するとミッドナイトが話し合いの結果を報告する。

 

「──…詳しくは言わないけど…校長頑張ったみたいよ。上と揉めてその結果。セキュリティの更なる強化、そして万が一警報が鳴った場合それが誤報だろうとも即時の中止と避難が開催条件になったの」

 

「厳しい…」

 

「まあでも仕方ないよね」

 

 ミッドナイトが言うと、緑谷とひなたは複雑そうな表情を浮かべた。

 

「もちろんそうならない為にこちらも警備はしっかりするわ! 学校近辺にハウンドドッグを放つし」

 

「放つ…!!」

 

「ははは…」

 

 完全にハウンドドッグを猛犬扱いしているミッドナイトに、緑谷がツッコミを入れひなたが苦笑いを浮かべる。

 ミッドナイトは、トレイを持って席から立ち上がり去り際に緑谷とひなたに声をかける。

 

「そうそう! A組の出し物、職員室でも話題になってたよ。青春頑張ってね」

 

「「はい…!!」」

 

 ミッドナイトが言うと、二人が同時に頷く。

 すると、壊理が緑谷に尋ねる。

 

「デクさん達は何するの?」

 

「僕達はダンスと音楽! 踊るんだよ!」

 

「僕は歌うんだよ! エリちゃんの為に歌う曲もあるから楽しみにしてて!」

 

「…本当!?」

 

「うん!」

 

 壊理が尋ねると、緑谷とひなたが答える。

 ひなたの発言に対して壊理が興味を示すと、ひなたが笑顔で頷く。

 

「エリちゃんにも楽しんで貰えるよう頑張るから、必ず見に来てね!」

 

 緑谷が笑いながら言うと、壊理は目を見開く。

 すると携帯で時間を確認したひなたが緑谷に声をかける。

 

「あ! デッくんもう時間!」

 

「あっ、すみませんそろそろ休憩終わるので行ってきます!」

 

「ああ! 言っとくけど俺も楽しみにしてっからね!」

 

 通形が言うと、二人は急いで戻っていった。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 練習開始から一週間が経った頃。

 

「疲れたー」

 

「てめぇ走ってんだよ俺に続けや!!」

 

「いやお前が勝手にアレンジすっから混乱すンだよ」

 

「相変わらずかっちゃんは無茶振りだ…」

 

 爆豪が上鳴に無茶振りをしていると、ひなたが苦笑いを浮かべる。

 すると心操がひなたに話しかけてきた。

 

「そういやひなた、腕はもう大丈夫なの?」

 

「うん、もうほとんど痛くないよ。あと1週間もすれば本調子に戻れると思う」

 

「そっか」

 

(全治三ヶ月の怪我をたった一ヶ月で…あり得ねえ…)

 

 ひなたが左腕をブンブン振ってみせると、心操が心の中でツッコミを入れる。

 一方、八百万は耳郎と話をしていた。

 

「耳郎さん、ご指導も本職さながらですわ。素人の上鳴さんと心操さんが一週間でコード進行まで辿り着くだなんて」

 

「別にそんな…ひなたと常闇にも手伝ってもらってるし…ってか、今日のお茶いい香り」

 

「あ! ホントだ! ねえいい茶葉使ってるでしょ?」

 

「わかりますの!? お母様から仕送りで戴いた幻の紅茶、ゴールドティップスインペリアルですの。皆さん召し上がって下さいまし!」

 

 耳郎とひなたが言うと、八百万は上機嫌で茶葉の缶を取り出した。

 八百万が持っていたのは、『幻の紅茶』と呼ばれる高級茶の缶だった。

 

「よくわかんないけどいつもありがとー!!」

 

「よくわかんないけどブルジョワー!」

 

 紅茶の価値がピンと来ないクラスメイト達だったが、とりあえず八百万が持ってきた紅茶という事でヤオモモ音頭を踊りながら喜んでいた。

 麗日は、ソファーに腰掛けて何かをしている緑谷に声をかける。

 

「デクくん! ヤオモモちゃんのお茶飲まんの…」

 

 緑谷は、携帯をスクロールしながら血眼でブツブツしていた。

 

「アイテムつきオールマイト…アイテムつきオールマイト。僕とした事がそんなレアマイトを知らないなんて不覚も不覚。グッズは? 画像…無い。動画で残ってはいないか?」

 

「「ヒッ」」

 

「怖いよ」

 

 緑谷のブツブツに、麗日とひなたは完全に引き、心操がツッコミを入れた。

 すると緑谷は間違えて動画をタップして再生してしまった。

 

「あっ、しま…」

 

『諸君はいつ、どんな紅茶を飲む?』

 

 緑谷が再生したのは、汚らしく紅茶が溢れまくったティーカップが映っている動画だった。

 すると麗日が緑谷の分の紅茶を渡しながら尋ねる。

 

「紅茶の動画? タイムリー」

 

「わっ、ありがと」

 

「何見てるの?」

 

 麗日が尋ねると緑谷がビクッと肩を跳ね上がらせ、ひなたが横から携帯を覗く。

 すると動画に紅茶を飲んでいるジェントルがアップで映る。

 

『私は必ず仕事前と後、仕事の大きさによってブランドを選ぶ。そしてこのお茶はロイヤルフラッシュ。つまりどういう事かお分かりか?』

 

『違いのわかるジェントルカッコいいって事!?』

 

『次に出す動画、リスナーだけでなく社会全体に警鐘を鳴らす事になる。心して待って頂きたい』

 

『キャ━━━』

 

 ラブラバの黄色い声を最後に、動画が終わった。

 

「短っ」

 

「…この人…」

 

「『ジェントル・クリミナル』…」

 

 緑谷とひなたが言うと、麗日が尋ねる。

 

「有名な人? 評価の割合エグいけど…」

 

「逆にこれだけ酷い評価で配信続けられるのも凄いね」

 

 麗日が尋ね、心操が動画の評価にツッコミを入れる。

 再生した動画の評価は高評価が0、低評価が785とダントツの低評価だった。

 麗日が緑谷に尋ねると、緑谷はやや深刻な表情で答えた。

 

「僕も何となくしか知らないけど…迷惑行為で一部じゃ有名な(ヴィラン)だよ」

 

「え」

 

「何だかんだ動画まで出して捕まってないのは凄いんだけど──…次は何する気なんだろ?」

 

 緑谷が呟くと、ひなたは画面を覗き込んでボソッと呟く。

 

「ロイヤルフラッシュ…」

 

「え?」

 

「あ、何でもない!」

 

 ボソッと呟くひなたの方を緑谷が振り向くと、ひなたは慌てて誤魔化した。

 ひなたは、今までのジェントル・クリミナルは、さほど高価ではないブランドの紅茶ばかりを選んで飲んでいたのを思い出す。

 今までの迷惑行為の程度がそこまで高くなかったからだ。

 しかし今になって、今までの動画で一番高価な紅茶を選んで飲んでいるのが気になり、雄英文化祭が数日後にまで迫っているタイミングで動画を出した事、そして『社会全体に警鐘を鳴らす』という言葉がどうしても引っかかった。

 

(まさか、雄英にちょっかいかけようなんて考えてるんじゃ…)

 

 ひなたが考えていると、突然心操が声をかけてくる。

 

「ひなた、どうかしたか?」

 

「ううん、何でもないよひー君!」

 

(うーん、一応念には念を入れとこうかな)

 

 ひなたはその夜、胸の内で引っかかっている事をスッキリさせる為、徹夜で以前のジェントルの動画を確認した。

 ジェントルが動画の中で出しているヒントと実際に起こった事件を照らし合わせ、事件の前後で紹介されていた紅茶と実際にやらかした迷惑行為をリストアップしたものを作成し、さらには情報に強い影山にコンタクトを取った。

 すると数秒後、影山からメールが届く。

 

『ひなたちゃん、これ、頼まれていたものです』

 

「誰に?」

 

 影山からの、ひなたの心を読んでいるとしか思えないタイミングのメールに、ひなたは思わずツッコミを入れてしまった。

 影山からのメールにはファイルが添付されており、それを開くとひなたが自分で見つけてきた情報の倍以上の情報がズラッと出てくる。

 

(これ、法律的に大丈夫なのかな…)

 

 中にはグレーな手段で手に入れた情報らしきものも混ざっており、ひなたはその事に心の中でツッコミを入れつつ、二人で調べた情報とセットで今回の動画を教師陣当てにメールで送信した。

 

「くぁあ……ねみー…やれる事はやったし、もう寝よ」

 

 徹夜で作業をしていたひなたは、あくびをしながら目を擦った。

 ひなたはそのままベッドに潜り込むと、すやすやと寝息を立てて眠った。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 そしてその頃、ジェントルとラブラバは。

 

「ジェントル大変…もう一週間もティーブレイクを挟んでないわ…平気なの…?」

 

「ああ」

 

 ずっと作業に打ち込んでいるジェントルをラブラバが心配すると、ジェントルが答える。

 するとラブラバは、ジェントルの為に紅茶を淹れて持ってくる。

 ジェントルは、何かの作戦を書きながらラブラバに話しかける。

 

「ラブラバ。昨今ヒーローへの不安、不満が充満している。偏に彼らが不甲斐ないからだ。予測出来る事態に備えるのは当然。彼らに足りないのは不測の事態への備え。要するに危機意識の低さ。この時勢に文化祭を開こうなどと考えるのがその表れだ」

 

「でもでもジェントル。前途ある子供達まで巻き込む事になるのは果たしてどうなのかしら!!」

 

 ラブラバがジェントルの発言に対し正論で返すと、ジェントルは高笑いする。

 

「ラブラバ!! これは警鐘なのだよ!! 私の侵入によって卵達もまた強く育つのだ!!」

 

「真に憂いてるが故なのね!! かっこいいわジェントル!!」

 

 ジェントルが高笑いしながら言うと、ラブラバは感極まって仰向けに転んだ。

 

「さァルートの確認だラブラバ!! 開けクリミナルフォルダ!!」

 

 ジェントルは、高笑いしながら華麗にエンターキーを叩いた。

 だが、フォルダが開かなかった。

 

「…開かない」

 

「ごめんなさい。ロックかけたのよ。そこクリックで…」

 

 ラブラバにフォルダの開き方を教えてもらったジェントルは、何とかフォルダを開いた。

 そしてあらかじめ下調べをして撮っておいた映像を見せる。

 

「当日午前5時。この堂鈴通りがヒーロー事務所、交通量の最も少ない通りだ。この街道から脇道に入り雄英へと進む。脇道に入ると住宅地だが、事前に周囲の家を調べ深夜帯の活動がない道を選んだ」

 

「“個性”は使わないのね?」

 

「空をパトロールするヒーローもいるからね。少し行くと大きな自然公園に出る。ここは楽だ。ホームレスさえ避ければいい。公園を抜けたらもうすぐだ。ここまでで物音を立てず慎重に行ったとして60~65分。そしてその先は…見えるかい? ホームセンターの影に佇む古びた一軒家」

 

「ええ」

 

「この一軒家が喫茶店だ」

 

 ジェントルが言うと、ラブラバが驚く。

 

「いつものようにお外でたしなまないの!? リスキーよ!」

 

「70を超えたマスターが一人細々とやってる。そもそもが店だとも気付かれず客は常連5~6人のみ。しかしだラブラバ、ここで飲まなければいけないのだよ。何故ならこの店、幻の紅茶“ゴールドティップスインぺリアル”を提供している! 今回の大仕事に見合うとは思わんかね?」

 

「すてき…!!」

 

「しかも開店は老齢故に早く午前7時から! 公園内で待ち、開店直後から90分のティータイムだ」

 

 ジェントルが言うと、ラブラバはゴクリと唾を飲み込む。

 

「いつになく入念な下調べ…ジェントル…」

 

「その後再び脇道へ入りあの建設現場を超えると、森に囲まれた小高い山が現れる。ここを登ると───…そこが雄英だ。…恐らく索敵に長けたハウンドドッグを警備にあてるだろう。森に着いたらまず土や葉を体にこすりつけ匂いを覆い隠す。肝心の校内。雄英バリアと呼ばれるセンサー感知式セキュリティが広大な敷地全てに張り巡らせてある。特別な通行許可証がなければ侵入は不可能」

 

 ジェントルが今回の計画を話すと、ラブラバは家の鍵を取り出しながら話す。

 

「そこで私の出番ねジェントル! 雄英の内部ネットワークに侵入してこっそりセンサーを無効化する! 何をかくそう私は…ハッキングのプロなのだから!」

 

「まったく…良い相棒を持ったものだ。ラブラバには本当に…感謝しているよ」

 

「やめてジェントル。私がジェントルを大好きなの!」

 

 ジェントルがラブラバを褒めると、ラブラバは感極まって大喜びする。

 するとジェントルは、ポンとラブラバの頭に手を置く。

 

「……ラブラバ。本当だよ。我が夢の為…! 苦手なハイテクを学び動画デビュー…だが見向きもされず…稀に来るコメントは辛辣…だがそんな時、君が来てくれた。鬱屈した日々の終わりを告げる呼鈴だった。私の初めてのファン。最初は正直恐れた…恐れすぎて粗相した程だった。しかし…編集や企画を2人で行うようになって私の動画はみるみると伸びていった…!」

 

 ジェントルが言うと、ラブラバの目にはじわりと涙が浮かぶ。

 

「ラブラバ! 私は今回の案件に自慢のヒゲと魂を懸けている! 世の為人の為、私の夢の為、そして君の想いに応える為に!!」

 

 ジェントルが笑顔を浮かべながら言うと、ラブラバの目から涙が溢れる。

 するとラブラバは、ジェントルに抱きついた。

 

「ジェントル!!」

 

「ラブラバ!」

 

 ジェントルは、勢いあまって椅子から転げ落ちる。

 ラブラバは、床に転がったジェントルに号泣して抱きつく。

 

「好きよ…! 大好きよジェントル・クリミナル!!」

 

「私もさラブラバ。私は…成功させるぞ…必ず…!」

 

 

 

 

 




ひーちゃんをミスコンに参加させる案もありましたが、ボツにしました。
ひーちゃんの腕のお怪我は、ひーちゃんがシンセを降りる理由付けだったりします。



キャラ紹介

名前:五常(ごじょう)風華(ふうか)

性別:女

年齢:17歳

ヒーロー名:風神ヒーロー『イブキ』

所属:雄英高校ヒーロー科3年B組

“個性”名:『息吹』

身長:161cm

誕生日:4月1日(牡羊座)

血液型:A型

出身地:大阪府

好きなもの:サボり、杏飴、お汁粉、子供

性格:サボり魔

戦闘スタイル:中距離支援

ICV:植田佳奈

HERO’ S STATUS
 
パワー:B
スピード:A
テクニック:B
知力:B
協調性:D

ビルボードチャート14位のプロヒーロー『イナズマ』の実妹にして、名家の五常家の次女。3年B組に在籍しており、通形のクラスメイト。黙っていれば凛々しい顔立ちの美少女だが、嵐のように豪快な性格で、初対面の相手にも躊躇せずマシンガントークをしては豪快に過ぎ去っていく。イナズマの実妹というだけあって実力はビッグ3に劣らず、彼女も含めて『ビッグ4』と呼ぶ者もいる程だが、サボりの常習犯で、その実力も相まってかビッグ3とは別の意味で有名人。ちなみにサボりは、もはや趣味の範疇となっており、いかに効率よくサボるかに人生を懸けた生粋のサボリスト。

◯容姿
フワフワした癖っ毛の銀髪ポニーテール。
目はキリッとした碧眼。顔立ちは姉と瓜二つ。
頭から角のような外骨格が生えており、八重歯が特徴的。
頭の角は、空気の流れを感知する為の器官らしい。
姉に比べて華奢な体型だが出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでいる。

◯コスチューム
・緑色の生地に青い帯の袖無しミニ着物
・緑色のハイソックスとアームカバー
・下駄
・黒い肩巾
といった、風神を思わせるくノ一風コスチューム。
それに加えて、風神をモチーフにしたサポートアイテムを身につけている。
・風袋
両手首のバングルに両端を括り付ける形で装備している。
“個性”で生み出した風を溜め込んでおく事ができ、ノーモーションでの攻撃を可能にする。
風を溜め込むと風船のように膨らみ、放出すると萎む。

◯“個性”
『息吹』
自身の吹いた息を風に変化させ操る事ができる。
そよ風レベルから天災レベルまで自由自在。
風で自分を浮かせて移動手段にしたり、自分を中心にそよ風を発生させその中で動くものを感知したり、鎌鼬のような風を吹かせて中にあるものを斬り刻んだり、相手を竜巻の中に閉じ込めて拘束したりなどと姉同様万能な使い方ができる。
似た“個性”を持つ夜嵐には、威力で劣る分手数の多さと経験値で勝る。
ちなみに発現したのは4歳の誕生日で、バースデーケーキの蝋燭の火を吹き消そうとしたら火どころか周りの家族が吹き飛んだ。
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