ドラえもんではなくそのすぐ後ろでした   作:ひよっこ召喚士

10 / 21
あけましておめでとうございますm(_ _)m(遅)

遅すぎる挨拶になってしまい申し訳ありません。活動報告を見ている方は知ってると思いますが、正月ボケが治らず単純に書く気力がなく、ダラダラと過ごしておりました。

昨年から読んでくれている方もたまたま見かけてから来てみたよという方も何卒よろしくお願いします。

と言うことで本編どうぞ。




水平線の漂流記?!後編

 

 

 

「………………計測器オールグリーン、再度観測……結果変化無し」

 

「次であ~る!!」

 

「観測開始…磁場環境変異無し、通常無線反応無し、PSYエネルギー共鳴反応無し、タキオン反射反応無し、計測器オールグリーン、再度観測……結果変化無し」

 

「次であ~る!!」

 

 初めのうちはここまで流れる様に作業を進めることは出来ませんでしたが何度も繰り返すうちに効率化していき、声掛けも最小限で観測を続けている。

 

 開いた際にひみつ道具から生じるエネルギーによる磁場の範囲内に存在しないか、通常の無線に応答は無いか、PSY…要するに超能力の発動時に発生するエネルギーと精神や生命の反応等を共鳴させ返ってくるか、そして星雲間でも使われる無線であるタキオンによって広域の観測に反応はないか、あらゆる手を使って捜索を続けています。

 

 それでも中々結果を得ることが出来ず、長い時間苦戦を強いられています。それでも途中からタキオンを使える様になった事で確率は多いに跳ね上がった。いえ、収束している筈です。

 

 タキオン無しでは探せる範囲など精々太陽系内の範囲です。それが何光年あるか分からない範囲を捜索できるのは有り難い限りだ。

 

 タキオンを扱う資格は持っている。しかも宇宙船等に付属しているチャチなものではなく専門的な機器を用いた物を、しかしその機器は流石に持っていなかった。

 

 そもそも政府組織や大企業なんかでなければそんなものは必要としない。私が取得したのも宇宙で使うひみつ道具の作成時にタキオン通信の設定を必要とすることがあるからだ。

 

 それでも第一級宙域タキオン通信士の資格があれば十分な所をついでとばかりに特殊タキオン通信士まで一緒にとった自分も馬鹿だと思うが……そんな事はさておき、本来であればこの規模のタキオン設備など個人で扱う様な代物では無いのだ。

 

 一向に捜索が進まない現状に二人で焦ってる所にドラメッドからもっと何か良い方法はないのであ~るか?と泣きつかれ、ダメ元で考えついたのがタキオンを利用した捜索である。

 

 確かに私はそれなりに影響力はある。それでもまだ学生だ。コネクションもない訳では無いがタキオン通信設備を貸してくれと言ってもポンと渡してくれる筈は無いのだ。

 

 あちこちに問い合わせては断られてを繰り返し、時間の無駄だと諦めようとした際にとある口添えをしてくれた組織があった。

 

 それが天気局とタイムパトロールだ。どちらも政府に深く関わる大きな組織であり、その2組織によって保証された私に設備が貸し出された。

 

 天気局についてはまだ分かる。この前のボランティア先での施設確保に貢献した事に対しての御礼だろう。だとしても破格な対応であるがタイムパトロールに関しては謎なままだ。

 

 いや、この世界には正しく未来がより良いものとなるように調整している組織が大勢いる。タイムパトロールにおいてもそれは変わらない。

 

 ドラえもんズは映画等から分かるように大きな事件を幾度も解決する事になる。タイムパトロールの観察対象になっていてもおかしくはない。

 

 そしてそのタイムパトロールが動いた事でタキオン設備が与えられたのであれば逆に言えばタキオンを用いれば彼等を見つけられると言う保証に違いない。

 

 それからというもの、どの様なタイミングで発見出来るのか分からないが設備を用いてとにかく捜索を続けている。そして……

 

「磁場環境変異無し、PSYエネルギー共鳴反応無し、タキオン反射反応無し、計測器オールグリーン、再度観測……結果変…ストップ!?タキオン反射反応あり!!

再度タキオン放射開始!!」

 

「ほえっ?!見つかったであ~るか?!」

 

 他の計測器は最早確認の必要はない。反射反応があった先に再度タキオンを放ち確認…………反応あり!!

 

「彼等を見つけました。同期固定、固定したテープの複製保存を念のため行います」

 

「良かったであ~る!これでみんな助かるであ~る!」

 

 これで後は素早く回収するだけ……であればどれだけ良かったか。タキオンで感知できる範囲となるとそれなりに離れているのは確実だ。

 

「助かるのは確かですがこれで終わりではないです」

 

「まだ何かあるであ~るか?!」

 

 異空間内は出入り口を除けば隔絶された特殊空間であり、無限の空間である。固定した同期から座標を求めたところで出入り口を直接向こうに作るのは厳しいというよりは不可能に近い。

 

「彼等にも少し頑張って貰う必要がありそうです」

 

 少しばかり危険もあるのですが彼らなら大丈夫でしょう。そう考えながら彼らが出入り口まで来れるようにと準備を進める。

 

 


 

 

 交代制で行われる生活にも慣れてきた頃、全員が顔をみせる食事の時間に少しふらついた様子でエル・マタドーラが顔を出してきた。

 

「ん〜なんか気持ち悪い気がするぜ」

 

「エル・マタドーラ大丈夫?」

 

「病でしたら不味いですね。応急措置は出来ますし壊れることは無いでしょうが……」

 

 昨日の当番を終えてから朝までずっと寝ていたので体力的には問題ない。それにあのエル・マタドーラがまさかといった思いもある。

 

 しかし非日常的な状況にくわえてどうしても不規則になってしまう生活リズムで体調不良にと言う考えも捨て切れない。全員が少なからず心配する中でドラニコフが口を開いた。

 

「ワウ?ワウガウワウア?」

 

「えっ?船が揺れてるからじゃないのかって?」

 

「いえドラニコフ、この海は水平で波は無いですし、ひみつ道具の船は私達が動いた程度の重心移動では揺れませんよ」

 

 遊びに使われる道具であっても22世紀製の特別な道具、22世紀の普通の船と比べたらそりゃ玩具レベルだがその性能は馬鹿にできない。

 

「ガウガウ!!ガウガウガウ!!」

 

「それぐらい知ってる?少し前から船が動き出したけど誰も気付いてないから教えに来た?!」

 

「「「「なんだってぇ?!」」」」

 

 ドラニコフの発言に驚きつつ、頭がその内容を理解するやいなや全員が用意されてる食事を放って外に飛び出した。

 

 そして外に出て乗り出して船と海面の境界を見つめると波がたち、少しずつではあるが船が進んでいる事が確認できた。

 

「本当だ?!動いてるぜ!!」

 

「うわぁ~すごいね!」

 

「どうして動き出したんだろう?あ、このままだとぶつかるかも……ぼ、ぼく、念のため他の船を回収してくるよ」

 

「ハイドラ達が何かしてるんじゃないか?う、ウップ」

 

「なるほど、エル・マタドーラ。あなた昨日、疲れてるからって食事も取らずに寝たでしょう。胃が空っぽで揺れながら寝ていたから気持ち悪くなったんです。状況を整理するためにもいったん食事にしましょう」

 

 エル・マタドーラの体調不良の原因がはっきりした事に安心しつつ、状況の変化について話し合う為に全員がまた船に戻っていった。

 

 


 

 

「まずはこれを『四次元ペットボトル』!!水を吸い込み続けなさい!!」

 

 出入り口の作られた場所に固定すると水を吸い込み続けるように設定して放置する。永遠に広がる空間の為に水位が大きく変わることは無いが『四次元ペットボトル』の周辺は大きく渦を巻き、水平線に流れが生まれた。

 

「これで彼らが乗っている船が出入り口に向けて動き出します。変化が起これば向こうも考えるでしょうし、気付いてくれる筈です」

 

「タキオンとやらで届く距離となると相当なのではないであ~るか?」

 

 本来であれば宇宙空間、星と星の間で行われる通信技術でようやく届く距離なのだ。ドラメッドの言う通り、流れがあるとはいっても時間はかかってしまう。幸いにも銀河レベルで離れてはいなかったがそれでもかなりの距離ではある。

 

「なので伝言に成功したら彼らが到着するまで出入り口を閉じます」

 

「なるほどそれであれば明後日までに間に合……結局みんなが長時間航海しなくてはならないのは一緒では?」

 

「プカプカと浮いて流れに従うだけなので現状では漂流といった方が近いかもしれませんね」

 

 そもそも発見できるかも分からなかったのだ。こっちでの時間経過がなく、学校を休まなくて済むように出来ただけでも幸いと思ってほしい。

 

「方角が分かったのであるなら出入り口をそっちに近づけられないのであるか?」

 

「同期したままでは一度にずらせる座標に制限があります。地球半個分の距離を移動して同期し直し、その作業を続けた場合には更に時間がかかるだけです」

 

 時間や空間系の道具の扱いはけっこうシビアです。無限の空間を折り曲げて同一座標に無理やり繋げたりすればどれだけ負荷がかかるか……初めは空間に負荷を逃がせるだろうが何度も繰り返せば一気に崩壊する。そもそも先に壊れるのはこっちの世界だろう。

 

「全部上手くはいかないのであるか……星間程の距離を航海なんて内部でどれ程かかるであるか?」

 

「伝言が成功するか、成功してもどの程度まで出来るか分からないのではっきりとは言えませんが短縮する方法はあります。流れにのって航海してもらうのはその方法を試してからですので何百年も中で過ごすなんて事にはなりませんよ」

 

「それなら良いのであるが、みんな無事だと良いのであ~る」

 

 ドラメッドがみんなの心配をしてうなだれる最中もハイドラは落ち着いた様子で道具の準備をし、何かを取り出した。

 

「まぁ、とりあえずは一度連絡をとりますよ。あー、こほん。『約束します、彼らが帰ってきたら必ず話しますので……』」

 

 


 

 

「とりあえず『絶対安全救命いかだ』は水場に浮かべといたよ」

 

「ガウガウ」

 

「まさか船が動いてたとはな」

 

「ムグもぐ、ふぅ〜ようやく落ち着いてきたぜ」

 

「病気じゃなくて良かったね〜」

 

「それは本当にそうですね。ここでは万全な治療は出来ませんから、最悪な場合電源を切っての隔離処置ですから」

 

「おぉぉ怖ぇ、シェスタは好きだが自分で起きれないのはゴメンだぜ」

 

 食事をしながら話すことで全員が落ち着き、状況をしっかり把握できた所で本題に入る。

 

「これはおそらくハイドラが何かしたのでしょう」

 

「だろうな。でなければ水平線が傾く訳がねぇからな」

 

「だとするとこの船の流れの先には……」

 

「出入り口がある!!」

 

「ガウ!!」

 

「その可能性が高いでしょう」

 

「この近くに出入り口を作れなかったのかな?」

 

「道具の仕様に詳しくないので分かりませんが作れるならそうしない理由は無いでしょうから」

 

「無理なんだろうな」

 

「バウワゥワゥ?」

 

「確かに流れに任せるより船のエンジンを動かした方が早くつけますか……」

 

「障害物もないんだし全速で行こうぜ!!」

 

「絶対安全って保証もないのに平気かな?」

 

「危険っていう証拠もないだろ」

 

 あーだこーだと色々な意見が飛び交い、この先の方針を決めていると何やら声が響き始めた。

 

『……み…さん………みなさん……聞こえていますか?みなさん聞こえていますか?こちらハイドラ、こちらハイドラ。みなさん、聞こえていますか?』

 

「ハイドラだ!!」

 

「ハイドラの声だ!!」

 

「やっほー」

 

「何処から聞こえてるんでしょうか?」

 

「ハイドラ聞こえてるよ」

 

「ガウ」

 

『……みなさん、聞こえて…聞こえた様ですね……声が届くまで…に少しラグがある…のと聞き取りにくいので誰か代表して話してください……』

 

「それでは僭越ながら私が……ハイドラ聞こえてますか?王ドラです」

 

『……王ドラ…了解しました…とりあえず手短にですが入り口が壊れてからの事をお伝えします』

 

 そうして少し時間がかかったが一度道具が完全に壊れたこと、こちらと向こうで時間の流れ方が違うこと、なんとか見つけたが反応が遠い事等が伝えられた。

 

「私達はどうすれば良いのですか?」

 

『これから段階的に流れを速くします。これ以上は厳しいと感じたら伝えてください』

 

「分かりました一度外に出ますので待ってください……どうぞ……………………ストップです!!」

 

 合図を出すとハイドラが道具を操作しているのか徐々に流れが速くなり、ぐんぐんと船のスピードが上がっていく、障害物がないとはいえ速度が出すぎると生活が出来ないのである程度の所で止める。

 

『ではこれで、流れの行き着く先に出入り口がありますが出入り口を作れる範囲に入れば迎えにもいけます。なので定期的に確認はする予定です』

 

「待ってください。話によるとここから出入り口の付近まではかなりの距離があるのでは?」

 

『安心してください。みなさんが今乗っているの『ほどほど海賊船』ですよね?出した道具は全て私が手を加えたもので、その船にもある機能がついてるんです』

 

「ある機能?」

 

『本来であればごっこ遊びを盛り上げる為のゲームなんですが、それを使えば擬似的にワープが可能です』

 

「ワープですか?この空間ではそういった事は出来ないと思ったのですが?」

 

『空間跳躍はそうですね。ですが先程話した通り時間の操作等は可能です。時間跳躍…正確には船が進んだという結果を持ってくるんです。『タイムワープリール』は知ってますよね?あれを使った時の様になるんです。実際には少し仕様は違うのですがね。本来ゲームをクリアすると報酬として一気に船を進められるといった機能ですが今回は跳躍だけを使用します』

 

「ハイドラの道具なので心配はあまりしてませんが私達への負担はないのですよね?」

 

『人が使用することも想定してるので時間経過等のリバウンド(悪性反応)はないです。少し特殊なタイムマシンだと思ってください』

 

「分かりました。設定しなくてはいけませんよね。指示をお願いします」

 

 それから王ドラはハイドラの指示に従い、船の設定を行い準備を整えていった。

 

「これで全部ですか?」

 

『はい、跳躍やゲームの処理は行われるので一度会話は出来なくなります。それで一気に跳んだら少し航海してもらうだけで回収範囲に着くはずです』

 

 


 

 

「ふぅ、『約束先取り機』が機能してくれて良かったです。あくまで先取りですからねぇ…帰ってきたらどれだけ彼らと話さないといけないんでしょうか?まぁ、約束がなくても普段から話してますけどね」

 

 休みの日でさえ一緒に過ごすことが多いのですから約束を履行するのはさほど大変では無いでしょう。

 

「ゲームと言うのはどんなであるか?」

 

「海賊船ですからね。船同士の海戦やモンスター相手ですよ。『ヒーローマシン』の敵キャラ等のデータから引用してるんですがひみつ道具の使用も可能なのでそこまで難しくもないですよ」

 

 今回は時間短縮のためにやりませんが私一人でも最高難易度をクリア出来てるので彼らなら難なくクリア出来ます。

 

 『ヒーローマシン』は出入り口が常に存在しているから締め忘れなどの問題が発生するのであってゲーム起動時以外は存在しない様にすれば安全に使える。その他の安全性にも気を配っている。

 

 ゲーム中は専用の空間に送られるので攻撃等はされますが船が実際に壊れる訳ではないですし、戦えないと判断されたら即座に終了するようになってます。

 

「今回は処理するだけなので何もする必要はないですよ」

 

「みんなと船が安全なら安心であ~る」

 

 

 

 


 

 

 

 

「うわぁ?!危ない!!」

 

「ドラえもん頭を下げろ!!ドカン!!」

 

「みんな、無事ですか!!」

 

「こっちは大丈夫だ!!」

 

「うひゃあ?!」

 

「ドラリーニョ?!砲弾か、ひらり!!」

 

「ワゥ?!ワォーン!!」

 

「わぁあ、ドラニコフが砲弾をみて野獣化した?!」

 

「今は戦力になるので有り難いです!!それよりドラえもん、早く代わりの船を!!」

 

 時間跳躍を開始し、跳躍終了までの僅かな時間が過ぎるのを待つばかりと思っていた6人は突然衝撃がはしったかと思うと船外へ放り出され、船がバラバラになって吹き飛んだ。

 

 船が大破しただけでも驚きなのに、おそらくゲーム空間から溢れたと思われる敵キャラが周囲の海を埋め尽くし、それらの攻撃に翻弄されていた。

 

「えっと、えっと、『探検ごっこ用蒸気船』!!ってまた攻撃が来たよ!!みんな気を付けて!!」

 

 流れが生まれた際に船を回収したドラえもんが慌てて船を取り出すと破壊されないように攻撃をさばきながら乗り込んでいく。

 

「敵はそこまで強くないです!!アチョー!!落ち着いて対処しましょう!!」

 

「そんなことよりなんで船が壊れたんだ?!ドカン!ドカン!」

 

「そんなの知るかー!!喋ってる暇あったら戦え!!ひらり!ひらり!」

 

「ワオーン!!ガァオオオオオ!!」

 

「シュート!!」

 

「ええっと、これだ!!『スモールライト』!!」

 

 向かってくる敵を蹴り返し、敵船に『空気砲』を撃ち放ち、攻撃を『ひらりマント』で受け流し、唐辛子を食べて炎を吐き出し、飛んでくる砲弾を蹴り返し、『スモールライト』で小さくし、それぞれが出来ることをとにかく繰り返した。

 

 敵は王ドラも言う通りそこまで強いと感じる事はない。全員が善戦している事もあり現状では問題はないがそれでも数が数であった。このまま囲まれていれば体力を使い切り、いずれは危険になる。

 

「とりあえず距離を取らなくては……舵を取る為に離れます!!」

 

「流れにそって少し左が手薄だ!!」

 

「手分けして守るぞ」

 

 いつも問題に巻き込まれるだけあり、トラブルには慣れている面々は直ぐに持ち直し連携して周囲一帯から降り注ぐ攻撃の雨を防いでいく。

 

 奮闘すること十数分、どうにか包囲網を抜け出し、距離を取ることに成功する。追撃を防ぎながら全くいないわけではないが目に映る敵の少ない海域へと逃れようやく少し落ち着く事が出来た。

 

「ゼェゼェ…いったい何がどうなってこうなったんだ?!」

 

「船が壊れたのが原因じゃないの?」

 

「どうして急に壊れてんだよ……」

 

「ワゥワゥ」

 

「跳躍は出来なかったのかな?」

 

「だとすると何年も、下手したら何十年もこのままかよ?!」

 

「いえ、そうではないかもしれません」

 

 全員が不安を抱いている王ドラがゴソゴソと何かを探すと袖からなにかの部品の一部を取り出した。

 

「それって『ほどほど海賊船』の機械部分か?」

 

「海に放り出された際に飛んできて咄嗟に四次元袖に入れて回避したんですが……読み取れる設定を見る限り跳躍自体は殆ど済んでいる様です」

 

 そう言ってみんなにも見える様にすると確かに残り時間を示す表示は僅かとなっていた。

 

「途中までうまくいっていたって事は跳躍自体に問題はなかったのか?」

 

「おそらく船の方にがたがきたのではないかと……跳躍の負荷なら私達にも異常が起きてるはずです。おそらくですが時間の経過に耐えれなかったのではないかと」

 

「跳躍中に経年劣化で壊れて大破したって事か?」

 

「あくまで予測ですが……ハイドラの道具がそこまで軟だとは思えないのでなんとも……」

 

 正確には、長期間の時間が一気に流れた事で劣化が進み、綻びが生まれたことで負荷に耐えられなくなりその負荷が想定よりも大きかったのが一番の原因なのだがそれを知れる者はここにはいない。

 

「分からねぇ原因を考えててもしょうがねぇか…」

 

「そうですね。これからについて考えましょう」

 

「これからねぇ。予定から少しズレたがハイドラからの連絡を待つ方が良いんじゃねぇか?」

 

「ワゥワゥ」

 

「ねぇねぇ、残り少しまで来てるなら進んじゃえば」

 

「危険じゃないかなぁ?さっきみたいな敵もいるんでしょ」

 

「倒すぶんには問題ないだろ」

 

「ずっと戦う訳にもいかねぇだろうが」

 

「それより食べものは?『絶対安全救命いかだ』はどっかいっちゃったんじゃ?」

 

「誰か回収してるか?!」

 

「ワゥゥ……」

 

「誰もしてねぇか……」

 

「使えねぇな」

 

「お前もだろ?」

 

「あぁ!!なんだと?!」

 

「回収してねぇのは一緒だろうが?!」

 

 段々と不安が不満に変わり、言い争いが増えていく、ヒートアップしていく面々に止める側も声を荒らげ、雰囲気が一気に険悪なものへと変わっていく。一触即発な空気の中で弱々しい声が聞こえてきた。

 

「あ、あの、とりあえず休まない?ぼく、遊ぶ予定だったからおやつをポケットに入れてたの思い出したんだ!!これ食べながらとりあえず休憩しようよ?」

 

「……ドラえもんの言う通り一回落ち着きましょう」

 

 


 

 

「なんでですか……突然入り口が……」

 

「何が起こったのであ~るか?!」

 

 船が大破した時間、まったく同じ瞬間にテープが切れてもいないのに入り口が消失し、繋がらなくなった。

 

「分かりませんが何か問題が起きたのは間違いありません。同期が切れた訳ではないのが救いです。繋がるまでの過程で妨害されてるのか、時空間がズレたのか……原因解明を急ぎます」

 

「その船による時間短縮は関係してるであるか?」

 

「実験は何度も行ってましたが同一どころか類似した事象も確認してません。ですがこれまでが起らなかっただけの可能性も十分にあります」

 

 そう実験は十分な量をやっていた。短い時間を何回もや数十年単位での跳躍もやっていた。しかし百年以上をゲームを飛ばしてまで一気に行うのはやっていなかったのではっきりとはハイドラでも分からなかった。だがそれでも本来であれば耐えれる筈ではあった。

 

「とりあえずはパターンを増やして繋げられないか試し、それと同時並行で断絶した空間の解析を進めます」

 

 


 

 

 大変な自体になったものの慌てている場合でも喧嘩している場合でもないと半ば無理やり落ち着ける様に時間をおき、ドラえもんから提供されたお菓子を無言で食べていた。

 

「それでどうしよっか?」

 

 全員が食べ終わったが空気は変わらず、沈黙が続く中でそれを破ったのもまたドラえもんであった。

 

「当座の問題である食料についてはまた考えるとして、全体的な方針について決めてしまいましょう。先程出た案は、ハイドラを待つか出入り口付近まで進むの2つでしたね」

 

「元々の予定からズレたんだからハイドラからの指示を待つ方が確かじゃねぇか」

 

「ワゥワゥ」

 

 このまま待つ方が良いという意見を出したのがエル・マタドーラとドラニコフ。

 

「進んじゃえば良いじゃん。その方が早くつくかもよ?」

 

「よく分かんねぇ敵も囲まれさえしなけりゃ数人で対処出来るし、進んじまおうぜ」

 

 跳躍自体は殆ど済んでいるのだから元々の予定にそってこのまま船を動かそうという意見がドラリーニョとキッド。

 

 現在は2対2に別れてしまっている意見、全体で6人なのでどちらにしても半々になってしまう可能性があるがまだ意見を言ってない王ドラとドラえもんに自然と視線が集まった。

 

「……正直な事を言うとイレギュラーな状況ではどちらもリスクがあり、選べそうにありません」

 

 王ドラは頭が良い、それ故にどちらを選んでもその際に起こるであろう問題点に意識がいってしまい答えが出せずにいた。

 

 頑固で真面目な王ドラだからこそ答えのない問いに対して固く考えてしまう。このままでは答えはいつまでも返ってこないだろうと四人の視線はドラえもんに集中する。

 

「えぇっと、僕は進む方が良いんじゃないかなぁって」

 

「やったぁ!!」

「よっしゃ!!」

 

「ちぇっドラえもんはそっちか」

「ワウゥ」

 

「ちなみに聞きたいのですかどうしてそちらを選んだのですか?」

 

「だって結局船は流れにそって動くでしょ?待つって言ってもわざわざ逆流するように動かしてまでとどまるわけじゃないなら、進んじゃった方が良いかなって」

 

「それは……一理あるな。ドラえもんの言う通り無理にとどまるつもりじゃなかったがとどまるにも目印もないし、どうせ動くか」

「ワゥワゥ」

 

 元々同じ意見だった2人はもちろん、エル・マタドーラとドラニコフも思うところがあったようでドラえもんの意見には納得したようだ。

 

 みんな元々の予定と敵にしか考えがいっていなかったがそもそもこの海でただ待つのはそもそも難しい事に気付かされ、意見は一つに纏まった。

 

(みんなを落ち着かせた時もそうですが、幅広い視点で物を考えたりとやっぱりドラえもんは……)

 

「それでは進む方向で考えましょうか、それとこの船を含めて他の船にも食料がないかみてみましょう」

 

 数人で敵が現れないか見張りつつ、船内を探索してみた結果非常食の様なものがみつかり、かき集めた結果それらは一週間分の食料になりそうである。

 

「これでなんとか出入り口まで辿り着ければ良いな」

 

「おそらく大丈夫だとは思いますが……」

 

「なんとかなるよ」

 

「そうそう俺たちならいけるって」

 

「ワゥ」

 

「みんなで頑張ろう」

 

 

「「「「「「おぉー!!」」」」」」

 

 こうして不安も僅かにあるがなんとか意見も一つに纏まり、意気揚々と最後の漂流生活が開始したのだった。

 

 


 

 

 カタカタとリズミカルに機械を叩く音、ハイドラの指示で動くドラメッドのドタドタと言う足音、ジィーと一定の音を奏で続ける機器の作動音、それらが響き続ける中で気の遠くなりそうな作業を行なうハイドラ。

 

「……なるほど原因が分かりました」

 

「な、何があったのであるか?」

 

 急に動きを止めたかと思うと、歪んだ表情で喜色の声をあげた。そのアンバランスな様子にドラメッドは何があったのか聞くのを少々躊躇いそうになるが思い切って尋ねた。

 

「繋がらないのは時空間の歪みが原因です。元々近くの時空間が不安定になっていた様ですね。それが時間操作と干渉したみたいで、タイミング的に内部の時間操作とタイムワープで二重になってしまったのも引き寄せた原因かもしれません。時空乱流の発生とまでいかなかったのは幸いですが……」

 

「ですが、なんであ~るか?」

 

「時空間の歪みがおさまるのを待つしかないんですよ……他に手があるとすれば『時空震カウンター』」

 

 時空間の調査に使えるこれで常に状態をチェックし、【水平線テープ】で繋がる異空間への歪みがあいた一瞬で道を繋ぎ、強化することによって無理やり出入り口を作る。そんな一か八かといった賭けの要素に頼るしかないのだ。

 

「上手くいくであるか?」

 

「歪みと道が一致するかは運次第ですし、強化しても保って数分、彼らが到着してないと意味がないです」

 

 それでも諦めようとはしないのはタイムパトロールの干渉があったからか、それとも彼等を信じているからなのか、答えこそないがハイドラに迷いはなかった。

 

「ドラメッド、貴方にもやってもらう事があります」

 

「なんであ~るか?」

 

「それは…………」

 

 

 


 

 

 進みだす事に決めた船は順調な航海を続けていた。初めの様に周囲を完全に囲まれる事は無くなったが、襲撃が無くなることはなく、今まで以上に見張り役の仕事が大変になっていた。

 

 見張りも以前なら連絡があるか確認するだけなので最低でも一人いれば良かったが今では三人ずつでの交代制だ。

 

「イカみたいなのが出だぞ!!船を左に!!」

 

「任せて!!面舵いっぱ〜い!!」

 

「面舵は右だ!!曲げる方向は合ってるからもう良いか……とりあえず脚を弾くぞ、ドカン!ドカン!ドカン!」

 

 振り上げられた脚が船に叩きつけられようとする。大きな攻撃にはわかりやすい予備動作がある故にこれらがゲームから湧いたモンスターだと分かる。

 

 相手を注視すれば何をしてくるのか分かりやすいのは防衛の事を考えれば有り難く。気付いた事があれば即座に共有され、キッドは振り上げられた順番通りに砲撃をしていく。

 

「バウワゥ、ワォーン!!」

 

 ドラニコフも敵に対して火を吹きかけて攻撃する。辺りは水で溢れており、敵自体もゲーム的に考えると水の属性に分類されそうだが火が効かない訳ではない。

 

 海賊船なんかは火がつけば燃え上がるし、武器庫らしき場所に着火すると爆発して四散してくれる。こういったモンスター等にも何度も効きはしないが火を喰らうと怯んで行動を取りやめるというパターンがみられる。

 

「ナイスだドラニコフ。少しの間脚は任せた。動きはとろいから一気に抜ける…ドッカーン!!」

 

 簡単に倒せる相手なら対処し、標的が大きかったり狙いにくかったりする場合は逃走を優先する。あと少しとは思っていても全力で戦えば溜まる疲労も馬鹿に出来ない。

 

 キッドは船の後方で船体に身体を預けると溜めた『空気砲』を一気に撃ち放って船を急加速して現在進行系で燃えているモンスターの領域を抜け出した。

 

 直ぐに船を動かせる位置に一人、前後左右を手分けして見張り索敵するのに二人が基本的な陣形になっている。

 

「ガゥガゥ」

 

「ふぅ、なんとかなったな。ドラリーニョ、船の向きは直したか?」

 

「あ、忘れてた!直してくるね!!」

 

 こうも騒がしいとしっかりと寝たりは一人を除いて難しいが、もう慣れたもんだと休める時に身体を休められる様になっている。

 

「お疲れ様です」

 

「交代の時間だよ」

 

「ふぁあ、まだ眠いぜ」

 

「あぁ、昨日は大きいのが居たからね。でもしっかり起きてね」

 

「わぁってるよ」

 

 逃げれない敵は偶にだが出くわすときは出くわす。そういう奴は他の敵も集まりだす前に倒す必要があって休んでる面々も起こしての総力戦になる。

 

 昨日は交代近くの時間で面倒な敵に出くわした所為で残業となり、睡眠時間が削れてしまったのだ。シェスタが好きなエル・マタドーラからしたらたまったものではないが文句を言う先も無いが……

 

「今日明日で着くんだろ?もう少しの辛抱だしな」

 

「概算ですが、流れもかなり早くなってますので出入り口付近が近いのは確かです」

 

 ワープ前と後で明らかに船の動きが速いのには直ぐに気付いた。出入り口付近でハイドラが何かを施したのだろうと考え、その変化を観測することで王ドラが大体の当たりをつけていた。

 

 下手に動かすと敵にぶち当たる事もあり、基本的に船を加速させるのは逃げる時だけである。それでもかなりのスピードが出ている。

 

 そんな海の中でもゲームから湧いてきた敵は影響を感じさせない動きをしてくる。おそらく、なんらかの補正効果が残っているのだろうとそう結論付けていた。

 

「正面から海賊船!!」

 

「くっ、舵をきっても間に合いませんよ?!」

 

「任せな!!ひらり!!」

 

「ちょっ?!エル・マタドーラ!!」

 

 かなりの流れがある無風地帯を全速力で逆流して向かってくる敵なんかは非常に厄介である。対処が間に合わず、船体を損傷させたことも何度もあった。

 

 その度になんとか修復しているが、船を乗り換えてすぐの頃と比べるとかなりぼろぼろである。これ以上は避けたいと誰もが思っており、衝突を避けるのは厳しいと感じたエル・マタドーラは船と船の間に飛び込んで『ひらりマント』を使うことで船の進路をそらした。

 

「エル・マタドーラ!!これに掴まってください!!ドラえもん手を!!」

 

「うん!!それぇえええ!!」

 

 かなりの無茶をするエル・マタドーラに二人は驚きと呆れを示しながらロープを投げると海に落ちつつあるエル・マタドーラがロープを掴んだ瞬間に引っ張ってなんとか引き上げる。

 

 この船はかなりの速度が出ている。敵から逃げようとしている時なんかはタケコプターの最高速度である80キロを超えている。

 

 海に落ちたりなんかすれば復帰する術が無いのである。回収しようと思えば船を減速させて敵を全滅させなければ難しい。

 

 そのために船から落ちると言うのはかなりの危険行為であり、船を守るためとはいえ迷わずに飛び込んだエル・マタドーラの胆力には感心させられる。

 

「チッ、一息つく暇もねぇか、また海賊船だ!!デカくはねぇが少し多いぞ!!」

 

「舵を大きくきります。少し揺れますよ!!前は私が確認しますので二人で対処にあたってください!!」

 

「追いかけてくる時だけ流れにのるのはずりーぜ……攻撃は弾くからドラえもん、アイツラに攻撃を」

 

「ええっと、どうしよう…そうだ!『通りぬけフープ』!!」

 

 次々と飛んでくる砲弾を『ひらりマント』でなんなく弾き続けるエル・マタドーラ、攻撃といっても何をしたものかと少し悩むと『通りぬけフープ』を取り出した。

 

 それは1つや2つではなく5、6個を一気に取り出し、そのまま追いかけてくる船の方にばら撒いた。すると船の下の方に何枚か張り付き、そこから掻き分けた波の一部が入り込んでいく。

 

「船が減速したな!やるなドラえもん!」

 

「えへへ、穴が空いたのとは違うから掻き分けた際に跳ねた水しか入らないけど妨害にはなるし、時間をかけたら沈む筈だよ」

 

「今のうちに距離を離してしまいましょう」

 

「それにしてもなんであんなに『通りぬけフープ』を持ってたんだ?本来の用途なら1枚あれば十分だろ?」

 

「壊れたときに買ったんだけど注文を間違えちゃって、気付くのに遅れて返品はきかないし、転売は出来ないしで、どうせあんなに使わないならいっそのことって思ってさ……他にもサイズ違いとかも幾つかあるんだよね……」

 

「ま、まぁ、おかげで助かったんだから良いじゃねぇか」

 

 いい攻撃方法を思いついて凄いなと思ったエル・マタドーラだったがもしかして不良在庫の処分が目的だったんじゃないかと思いつつも落ち込みかけてるドラえもんを励ました。

 

 気落ちしたドラえもんはその言葉を聞いてそうだよねと少し持ち直したが、ssサイズとか何に使うんだと制作者に問いただしたいと頭の中で考えていた。

 

 


 

 

 ハイドラのじっと見つめる『時空震カウンター』の反応は未だに激しい揺れを繰り返している。

 

「大きく数値が跳ねました。空間の弾性によって歪みが無理に元に戻ろうとします。まだエネルギーが有り余ってるのでまた歪もうとするでしょう」

 

 歪んでは戻ろうとし、また歪んでを繰り返すその有り様を例えるのであれば振り子だ。それこそ抵抗等を振り切って動き続ける豪速球。

 

「エネルギーが弱まるのを待つ方が成功率は上がります。ですが内部の時間は絶えず進んでいます。これ以上待たせる訳にはいきません」

 

 水中で水を切り裂きながら動くメトロノームがあると言った方が分かりやすいか?そのメトロノームが中央に来た瞬間に頑丈な針を突き刺して縫い付けなければいけない。それも動き続けようとする振り子の腕に針が壊されない様にだ。

 

 水は揺らめき、振り子の腕ははっきりと見えることはなく、留まることをしらない。それをコンマのズレもなく射抜き、補強して維持する。果たしてそんな事が出来るのか、ハイドラ自身が提案しておきながらいつまでも同じ疑問が浮かんでやまない。

 

「飛び込む準備を……出来る限り維持はします……けど5分保たないと思ってください」

 

「分かったであ~る……」

 

 最後の声掛けを終えると静寂が部屋を包み込む。決して失敗できないプレッシャーは等しく両者に降りかかり、等しくない重さを与えている。

 

 緊張で汗をかくことのないロボットの身体にハイドラがこれほど感謝した事はないだろう。手元を少しでも狂わせる要因を排除し、そして遂に時は訪れた。

 

「時空間固定化…通路確立…ドラメッド!!」

 

 計器が物凄い勢いで振り切れている。入り口は作られたが小さく、空間ごと揺れて不安定な姿を見せている。頼りない一人が通るのがやっとの大きさのそれにドラメッドは迷わずに飛び込んだ!!

 

 


 

 

 7日の航海を終えようとしている船は悲鳴を上げていた。エンジンをフル稼働させ、流れに逆らい、一帯から降り注ぐ攻撃に耐え続けていた。

 

 ハイドラが6人を導くために流れを作り出したその場所は水平線にあり得ない大穴をあけ、全てを呑み込む様な大渦は船やモンスターの巣窟と化していた。

 

「また後ろから来るぞ!!ドカン!ドカン!」

 

「集まり過ぎです!!アチョー!!空からの敵を捌ききれませんよ!!」

 

「ワォーン!!」

 

「シュート!!シュート!!」

 

「ひらり!ひらり!横からだと砲弾の当たりが広がって間に合わねぇ!!」

 

「舵が持ってかれる!!ぐうぅう…フルパワァァァ!!」

 

 大渦の中心にはゲームのボスなのだろうか立派な風体をした大蛸が居座っており、これ以上近付けば船ごと握り潰される事は間違いない。

 

 海からも空からもモンスターは襲いかかり、降り注ぐ砲弾は数えるのも馬鹿馬鹿しい量だ。少なからず被弾し、その度に船は航行速度をおとしていく。

 

「大蛸が動き出したぞ!!」

 

「怯ませれば良いんだろ!!狙ってくださいって言ってる様な場所があるだろ!!ドラニコフ、アイツの目に炎を!!」

 

「ワォワォワゥ?!」

 

「距離があって届かない?!」

 

 炎を喰らわせる事でこれまでの敵の様に動きを止めてくれることを期待して、明らかに弱点、そうでなくても攻撃の通りやすそうな部位をドラニコフに攻撃する様に頼むが遠過ぎで届く前に炎が崩れてしまうと言う。

 

「ならドラリーニョのサッカーボールに火をつけるんだ!!ドラリーニョ、アイツの目に向けてボールを蹴っ飛ばせ!!」

 

「分かった!!いっくよ~!!それっ!!」

 

「ワォーン!!」

 

 ドラリーニョがボールを蹴った瞬間に合わせてドラニコフが炎を吹きかけ、燃えるボールが完成した。ボールは勢いをおとすことなく真っ直ぐ吸い寄せられる様に大蛸の目に向かっていき見事に命中した。

 

「よし、動きが止まったぞ!!」

 

「今のうちに急いで立て直しましょう」

 

「ちょっと待て大蛸の攻撃が届くようになってから砲撃が止んだぞ?!」

 

「なに?!どうしてだ?!」

 

 砲撃を殆ど一人で捌き続けていたエル・マタドーラが急に砲撃が止まった事とそれが大蛸の攻撃とほぼ同時である事をみんなに伝える。

 

「ゲーム由来の敵ならボス限定のエリアとかあるんじゃねぇか!!」

 

「なら、ギリギリの距離で居たほうが安全だな!!ドラえもん!!」

 

「うん、聞こえてたよ!!でもボロボロで逆走しても少しずつ近付いちゃう!!」

 

「船を渦に合わせて動かしてください。速度が乗れば付かず離れずで航行出来ます!!」

 

「分かった!!」

 

 周りからの妨害が無いというのであればむしろ大蛸を相手取る方が集中出来る。だが大蛸を倒せばまた周りの敵が動き出すだろうし、渦に完全に呑み込まれれば逃げ出すことは出来ない。

 

「大蛸を倒さずに相手取ります!!」

 

「それしかないか!!!」

 

「舵は任せて!!」

 

「やるぞー!!」

 

「ワゥ!!」

 

「全力でいくぜ!!」

 

 巨大な脚を叩きつけるという大蛸の基本的な攻撃のパターンである。単純だがその巨体を考えると一撃でゲームオーバーだ。

 

 これだけでかい奴がそう簡単に倒せるとは思えないが万が一、倒し切ってしまわないようにこちらからの攻撃はしない。

 

 船を進める手伝いをしたり、振り上げられた脚を時には『空気砲』で時には『ひらりマント』で弾いたり、炎のボールを当てて怯ませて、そんな動きを繰り返して大蛸の周りをグルグルと回る。

 

 何度も繰り返しているうちに炎は効果がなくなり、ボール自体も届く前に脚で弾き始めた。上から振り下ろすだけだった脚は船の行き先目掛けて斜めに下ろしたりと明らかに学習している。

 

「通常の敵とはシステムが違うのでしょうか!?」

 

「なんかさらに変な動きしてねぇか…?」

 

 急に脚の動きが止まったかと思うと船をじっと見つめて口をすぼめている。

 

「ドラえもん舵をきれ!!」

 

「えぇ?!とりゃあぁぁ!!うひゃあ?!」

 

 何をしてくるのか気付いたキッドの声が届き、ドラえもんは渦に内側に入り込むのを承知で舵をきって船をずらした。その瞬間、大蛸の口から何かが飛び出した。

 

「アイツ、スミ吐きやがった!!」

 

 口から飛び出てきたの大量のスミ。少し船の後方にかかってしまったが壊れた様子はない。おそらく攻撃用ではないのだろう。

 

 ダメージこそないものの当たった場所は真っ黒に染まっており、かかってしまえば視界が遮られてしまうだろう。

 

「ただでさえ面倒だっていうのに!!」

 

「もう一発来ます!!」

 

「スミだけなら…みんな集まれ!!ドラニコフ合わせろ!!ドカン!!」

 

「ガォオー!!」

 

 スミの量はかなりのものだが、脚による攻撃と違って形がなく、軽い。中心で『空気砲』と炎が合わさるようにぶつける事で爆発を起こして無理やり吹き飛ばす。

 

「ふぅ、なんとかなって良かった…」

 

「船にも少しはねてるので足元気をつけてください」

 

「口をすぼめたらまたいくぞ!!」

 

「ガゥ!!」

 

 スミにはキッドとドラニコフの二人で対応するようになり、どうにか新しい攻撃も捌けるようになってきた頃、何度もスミを弾いた影響が出てきていた。

 

「辺りの水が真っ黒だぜ」

 

「心なしか船の速度が遅くなった気がする」

 

 スミは直接当たらなくても多少はデバフのような効果があるようで航行速度が遅くなり、少しずつ渦の内側へと引き込まれている。そして、さらに変化が訪れた。

 

「なんだ?出した脚を引っ込めたぞ?」

 

「いったい何がしたいんだ?」

 

「まさか?!ドラえもん!!どちらでも良いので舵を!!うわぁ、しまった?!気付くのが遅かった!」

 

「ふ、船が?!」

 

「下からの攻撃か?!」

 

「がうう?!」

 

 海面が黒く染まったことで気付くことが出来ずに脚が船に直撃し、そのまま船ごと六人が空中へと運ばれる。

 

「だ、脱出だ?!『タケコプター』!!」

 

「に、にげろー!!」

 

「ひぃ~、高いところは怖いが背に腹は代えられないぜ」

 

 船体がミシミシと悲鳴を上げて崩れていく。このままでは残骸と共に水面に叩きつけらてスクラップになってしまうと慌てて逃げ出した。

 

「『救命イカダ』はエンジンがないし、出したところでただの的だな。ってうわぁ?!」

 

「ガォオ!!」

 

「鳥の敵が動き出した?!」

 

 大蛸の攻撃が届かない高さまで来てホッと一息ついているエル・マタドーラにいきなり後ろから鳥が突撃を仕掛け、体勢を崩したところにドラニコフがフォローに入りなんとか立て直す。

 

「空に逃げられたらゲームとして成り立たねぇからか!!」

 

「高度を下げてみましょう!!」

 

 船に乗っていた時と同じ高度にまで下げると鳥は少しずつ距離をとって大蛸の付近からも離れていった。

 

「船が無ぇとダメってわけじゃなくて良かったぜ」

 

「範囲内でどうにか耐えましょう!!」

 

 迎えが来ない限りは此処から出られないのであれば待つしか無い。船がなくなっても大丈夫だと判断しそのまま耐え続けた。

 

「うわぁっ?!」

 

「わりぃ!!ってあぶねぇ?!」

 

 限られた狭い範囲内を飛び回って攻撃を避け続けると言うのは中々に難しく、攻撃を避けるのに集中すれば味方にぶつかったりもする。

 

 逆に味方を気にしていたら攻撃を避け損なったり。攻撃や味方は大丈夫でも今度は範囲外に出てしまい鳥に集られたり。

 

「わー?!」

 

「ガゥガゥ!!ワゥ?!」

 

「ドラリーニョにドラニコフ?!くっ、数が多過ぎます……」

 

 一人が捕まると空間は広くなったが一人当たりの攻撃の頻度は増えるので捕まりやすさは五分五分、いや少し分が悪い位かもしれない。

 

「くっ……うおぉ『タケコプター』が?!」

 

「うわぁああ?!っ…助かった……」

 

「捕まってるのを助かったと言っていいのか?」

 

 逃げ惑う内に範囲外に出てしまい鳥に『タケコプター』を外されるが落ちる途中で脚に捕まり事なきを得た。

 

 海面に叩きつけられて粉々に砕けるよりはマシかもしれないが身動きが取れなくなってしまえばおしまいである。

 

「ぐぐぅ…出れねぇ……」

 

「このままじゃ……スクラップです……」

 

「クソォ……」

 

 もう駄目かと諦めかけたその時、一瞬にして雲ひとつないこの空間が薄暗くなった。大蛸の真上から光を遮るその巨大な影は降ってきた。

 

 

「友達に何をするであ~るか!!わがはい怒ったであ~る!!」

 

 

「「「「「「ドラメッド!!」」」」」」

 

 空から落ちながらも真っ直ぐに大蛸目掛けて腕を伸ばし、そのままの勢いで一撃をいれるドラメッド。あまりの衝撃に目を回して大蛸は脚から力を抜いた。

 

「た、助かったぜ!!」

 

「ドラメッド、サンキュー!!」

 

 タケコプターが壊れてしまった面々はドラメッドの手のひらに載っけられてお礼を言っている。無事な面々もドラメッドの近くに集まって飛んでいる。

 

「ドラメッド、水は大丈夫なんですか?!」

 

「あれ〜ドラメッドの周りに水がないよ!!」

 

 ドラメッドが大の水嫌いである事は周知の事実、なのにどうしてと王ドラが不思議に思っているとドラリーニョがその絡繰りをみつけた。何の道具を使ったのか聞こうとするが、ドラメッドが待ったをかけた。

 

「話は後であ~る!!みんな速くあそこの出入り口に飛び込むであ~る!!後3分もしないで閉じてしまうであ~る!!」

 

「なんだって?!」

 

「急ぎましょう!!」

 

 ドラメッドも3人を抱えたまま出入り口を目指すがそれを良しとしないのが大蛸である。脚を伸ばすとドラメッドの足に巻き付けて捕まえようとする。

 

「くっ、放すであ~る!!いでよ魔法道具たち!!」

 

 空中にいくつもの道具を取り出すとそのまま道具が動き、大蛸を攻撃する。怯んだ隙に抜け出して出入り口まで辿り着くと『タケコプター』の無い面々を先に降ろす。

 

「ドラメッドもはやく!!」

 

「分かってるであ~る!!いま小さくなるであ~る!!」

 

 みんなを助ける為に大きくなったがこのままでは通れないと身体を小さく戻し、いざ潜ろうとしたその瞬間、ドラメッドにスミが吹きかけられた。

 

「な、なんであるか?!見えないであ~る?!『カサイラズ』をつけた筈であ~る?!」

 

 『カサイラズ』ではスミは防げなかったのかそれともゲームのシステムで防げなかったのかは分からないがいきなりスミをかけられたドラメッドは慌ててしまい、視界が悪い中でもがいた所為で出入り口から落ちてしまった。

 

「うわぁ、ドラメッド?!」

 

「マズイ救けに、ってうわぁ?!」

 

「あれは?!」

 

 『カサイラズ』によって嫌いな水に落ちる心配はないが結構な高さである。それに加えてもう残り時間も少ない。

 

 慌てて救助に向かおうと動く六人の横を何かが飛んでいった。それは道具を幾つも抱えた【潔白セイレーン】だった。

 

「彼女に任せて大丈夫です」

 

「ハイドラ!!でも…」

 

「彼女は機能上かなり高度な電子頭脳が搭載されています。判断を間違える事はありません。それに荒事の仲裁に入ったって問題ないような性能になっているんです」

 

 【潔白セイレーン】はドラメッドに追い付くと見掛けによらないパワーで落下を止めて支える。構造の問題で服を足で掴んで支えているので少々苦しそうであるが仕方のない事だ。

 

『ラララ〜もう大丈夫よ〜』

 

「うぅ……こ、この声は【潔白セイレーン】であるか?」

 

 地面に激突しないようにと空中で支えたのは良いがそれを確認した鳥達が襲いかかってくる。

 

『ラララ〜「ドラメッド」〜』

 

「な、それは?!」

 

 それを見た【潔白セイレーン】が取り出したのは嫌な思い出のある【ころがしや】だ。なんの意味があるのかと思うと起動した【ころがしや】はドラメッドに今にもぶつかろうとしている鳥を撃ち落としていった。

 

「なんで【ころがしや】がドラメッドを守ってるんだ?!」

 

「危険な転び方の際は助けると言いましたが他にも対象が危ないと判断すると防衛するようになってるんですよ」

 

「中身を知ってる人からしたら最早ガードロボの一種ですね」

 

 飛んでくる鳥を撃ち漏らすことなく仕留めていく【ころがしや】、その腕前は中々のものだ。しかし、次の攻撃を察知すると慌てた様子で【潔白セイレーン】に伝える。

 

 大蛸が狙いをつけてドラメッド達を狙っていたのだ。流石の【ころがしや】も巨大な脚を弾くほどの威力は持ち合わせていない。

 

『ラララ〜これを〜』

 

「これは【ヤドカリハウス】、えっとこうであるか?」

 

 ドラメッドに【ヤドカリハウス】を装着させて防御する。その硬さは『でんでんハウス』と同水準であり、なんなく大蛸の攻撃を受け止めた。

 

「凄いぜ!!」

 

「でももう時間がないよ?!」

 

 ドラメッドを回収して攻撃を回避している間もどんどん時間は過ぎている。真っ直ぐ飛んでもギリギリになるだろう。

 

『ラララ〜こっち〜』

 

「な、何を?!」

 

 【潔白セイレーン】にドラメッドは【ヤドカリハウス】の中に押し込まれ、ドラメッドが入ったのを確認するとそのまま大蛸の近くまで飛んでいく。

 

『ソレ〜』

 

 脚を躱しながら口の前まで飛んでいくと持ち込んだ最後の道具を全て放り込んだ。

 

「あれは……」

 

「【食べるクラッカー】だ〜」

 

「10箱以上纏めて放り込んだぞ……」

 

 許容量を大幅に超えるクラッカーを放り込まれた大蛸は初めはキョトンとしていたが徐々に身体を赤くしながら膨らんでいき、風船の様にパンパンになった。そして……

 

 

 

 

パン

 

 

 

 細い口から破裂したかの様な轟音が響いたかと思うとその勢いに乗って一気に【潔白セイレーン】が出入り口まで飛び込んで来た。

 

「お疲れ様です」

 

『ラララ〜もうまんたい〜』

 

 なんとか無事出入り口が消える前にドラメッドと共に戻ってきた【潔白セイレーン】に『耳バン』を外しながらお礼を言うハイドラ。

 

 そして出入り口を隔てても轟いた轟音のショックで白目をむいて倒れる6人。どうしたものかとハイドラが首をひねってるとちょうどよくドラメッドが【ヤドカリハウス】から出てきた。

 

「み、みんな?!何があったであるか?!」

 

「……悲しい事故でした」

 

 自分だけしっかりと対策をしながらそうのたまうと命に別状はないと説明してからドラメッドと協力して物で散らかった研究室ではなくロボットマンションの部屋へとみんなを運び込むのであった。

 

 


 

 

 程なくして順次全員が目を覚まし、怪我などがないか健康チェックを行って問題が無いのを確認した。

 

「無事帰ってこれて良かった〜」

 

「水遊びはもうしばらくしたくないぜ」

 

「流石にくたくたですね」

 

 内部でかなりの時間を過ごした事を考えると疲労は相当なものだろう。あれだけ水と共にある生活をおくれば普段から水を見たくないドラメッドの気持ちが少しは分かるというものだ。

 

「とは言っても明日は学校ですからね。休んでる暇はそんなに無いですよ」

 

「そんなぁ〜」

 

「ワゥワゥ……」

 

「少しでも身体を休めるしかないか」

 

 帰って来れたのは嬉しいが結局休みは殆ど無駄に使ってしまった事で六人が項垂れている。そして、救出に当たって弊害が一つ発生していた。

 

「ハイドラ、スミが落ちないであ~る?!」

 

「えっ、水洗いすれば落ちると…あっ……『カサイラズ』の効果は一日でしたね。とりあえず、『色々カラーパレットと筆』で上から塗り直しましょうか」

 

「うぅ、あんまりであ~る」

 

 表面は蛸スミでベッタリな事に変わりはないが上から色を塗り直すことで傍からは普段と変わらないように見える筈だ。

 

「まぁ、無事帰って来てくれて本当に良かったです」

 

 


 

 

 働きっぱなしであったハイドラも疲れてはいたがなんとか学校を終えて家に帰ってきていた。

 

 あの日に使われた道具の確認やメンテナンス、そして監視は続けるが空間ごと破棄予定である異空間の情報を纏めている。

 

 作業の傍らでカタカタとパソコンを弄くりあの日の時空間の異常について情報収集も行う。キーワードを変えながら検索を続けていると大きく見出しで書かれたニュース記事をクリックする。

 

「……『時空間系の道具の一斉不具合、原因は時空間の異常?!タイムパトロールから公開された情報では自然発生したものではない疑いが…?!』」

 

 読み込んでいくと昨日の時空間異常は広範囲に影響を与えていたらしく、タイムパトロールだけでなく他の公的機関も厳戒態勢だった等の情報もある。

 

「知っていて狙われた可能性は低いですね……いえ、相手が未来人ならなくはない話ですが、今回は偶然の産物ですね」

 

 未来から過去へのプライバシーの配慮なんて殆どない。調べようと思えば簡単に調べる事が出来る。ただ、調べておいてやることが数十分の足止めと言うのは考えにくいと言うのがハイドラの考えだ。

 

「近い時代で何かがあったのは確かでしょうが……」

 

 違いを知れない立場なら探るだけ時間の無駄。特異点であれたとしても何が変わったか手作業で探るのは厳しい。

 

「とりあえず流石に一休みしますか」

 

 ハイドラは心の底から自分に関わる厄介事でないことを祈りながら横になるとそっと目を閉じるのであった。

 

 

 


 

登場した道具

 

 

『四次元ペットボトル』

 

目測1メートルぐらいの大きさがある巨大なペットボトル。てっぺんにあるボタンを押すと、何でも吸い込む。なお、この道具は未来犯罪者のDr.ストームが使用している。

 

 

『絶対安全救命いかだ』

 

どんな大嵐になっても、これに乗っていれば必ず助かる。

 

 

『ほどほど海賊船』

 

見かけは立派な船だが、実はモーターボート。ボタンを押す事により、相手には当たらない「ほどほど大砲」が発射されたり、レースモードに切り替える事もできるが、故障すると実際に当たったりして程々ではなくなる。

 

 

『タイムワープリール』

 

ある時間から先の時間へ、一気に進ませる事ができる。分や年単位でレベル調節でき、回した分だけその時間が進む。カットした分はちゃんと過ごしているため、再びその時間を過ごす事はできないが、無茶な使い方をして壊れると使う前に戻る事もある。

 

 

『約束先取り機』

 

これで予約すれば、その結果を先取りすることができるが、約束したことは後で必ず守らなくてはいけない。

 

 

『ヒーローマシン』

 

未来のゲーム。好きなゲームカセットを入れると、そのゲームの主人公になって遊べる。

 

 

『探検ごっこ用蒸気船』

 

未来の子供が探検ごっこに使う、遊び専用の船。

 

 

『スモールライト』

 

このライトの光を浴びせると、どんな物でも小さくなる。縮小スイッチと、元の大きさに戻すことができる復元スイッチが付いているが、逆の効果を持つ『ビッグライト』で元の大きさに戻す事が多い。電源は普通の1.5Vアルカリ電池を2本使用。たった3Vの電圧でエネルギー転換装置が作動し、電気を縮小ビームに変える。効力には時間制限があり、いったん小さくした物も時間が経つと元の大きさに戻る。

 

 

『空気砲』

 

空気圧を利用する武器。腕にはめて「ドカン」と言うと発射される。ドラえもんズの一人、ドラ・ザ・キッドが使う武器。

 

 

『ひらりマント』

 

目の前に迫ってくる物に対してこのマントを振りかざすと、跳ね返す事が出来る。跳ね返せるのは物体だけでなく、光線などの不定形なものにも効果がある。電磁波の反発を利用している。ドラえもんズのエル・マタドーラはこの道具を使うのが得意。また、怪盗ドラパンの普段付けている黒いマントもひらりマント。

 

 

『時空震カウンター』

 

時空間の流れの波動をキャッチして、漂流物などがどこから来たのか調べられる。※今回は時空間の調査が出来るという設定で使用。

 

 

『通りぬけフープ』

 

通り抜けたい所に当てると、どんな扉や壁でもフープをくぐって反対側へ抜けられる。次元を操作すると、通り抜けられなくしたり、全く違う所へ通じさせる事も出来る。壁に当てると自動的にスイッチが入り、空間原子分解装置が動き出し、そこから電波が出る。空間原子分解装置同士が電波で共鳴し合い、通り抜けられる物の原子を揺らして穴を開ける。ドラえもんが普段使っているのは1人が潜って通れる位の大きさだが、映画「ザ☆ドラえもんズ・怪盗ドラパン謎の挑戦状!」では、「通り抜けフープLLサイズ」というドラえもんズとドラパンの8体が余裕で同時に通れる大きさの物が登場している。

 

 

『タケコプター』

 

気軽に空を飛ぶ事が出来る道具。体のどこにでも取り付けられる。吸着の方法には万能吸着盤とけん引ビームの2種類がある。超小型の電池を内蔵。時速80kmで連続8時間の運転が可能。休み休み飛ぶと、電池も長持ちする。頭に付けてスイッチを入れると、反重力ボードと呼ばれるプロペラが回りだし、反重力場が体の周りにでき、地球の重力を遮断して浮上する。方向やスピードを思い浮かべるだけで、脳波がコンピューターに伝わり、プロペラの回る速度が変わっていく。その回転速度の変化によって重力場の方向が移動して、前後・左右・上下と自由自在に飛ぶ事が出来る。

 

 

『救命イカダ』

 

使わないときは小さいが、いざというときに水に浮かべると大きくなる救命イカダ。

 

 

『カサイラズ』

 

このガスを体に吹き付けると、水を近づけない。ひとふきで1日は効き目がある。

 

 

『色々カラーパレットと筆』

 

何でも好きな色に塗り替えることができる道具。赤、青、黄、緑、黒、白の6色のなかから、パレットで好きな色を混ぜ合わせて他の色を作ることができる。色を着けた筆を、異なる色に変えたいものに向けて筆を走らせると、その色に塗り替えることができる。白色を塗ると、その対象物は目に見えなくなる。使い過ぎると、あらゆる物が真っ黒になって意思を持つようにうごめきながら襲ってくることがあるが、水で洗い流すことができる。

 

 


 

 

【水平線テープ】

 

『地平線テープ』の改造品。テープをくぐった先は波一つない静かな海が永遠と広がっている。海と称したが設定次第で水は変更可能である。

 

 

【潔白セイレーン】

 

半身半獣のロボット型の道具であり、鳥型と魚型がある。無実の罪で疑われている人を歌を歌いながら擁護してくれる。また歌声自体に鎮静効果が備わっている。罪を犯しておきながら『潔白セイレーン』に頼むと、そのことが暴露され、他の罪も次々に歌われる。擁護ロボットに見せかけ尋問用ロボットではないかと一部では言われている。※たまに変換ミスで潔癖セイレーンになってる事がある。

 

 

【ころがしや】

 

『ころばしや』の改造品。『ころばしや』と同じような形状をしており、名前を告げながらお金を入れることで起動する所までは同じである。腕につけられた銃を撃ちながら呼ばれた者を追いかけるが転ばせる事はせずに、逃走者にギリギリで対処できていると錯覚させて、延々と逃げさせる。その名の通り相手を手の平で転がす、悪戯道具。ころばし屋が有名だからこそ成り立つ、見た目を利用した半分ジョークグッズである。そのため、『ころばしや』だと勘違いして逃げた結果、勝手に転んだりしても『ころがしや』には関係の無い話である。ただし、危険な転び方の場合は助けてもくれる。※毎回やを屋と一度間違えて入力してから確認時に直している。

 

 

【ヤドカリハウス】

 

『でんでんハウス』から着想を得た道具である。『でんでんハウス』と違う点はあまり無い。ただおしりではなく、背中にくっつくようになっている。外的排除にイソギンチャク型のアームをつける予定だったが重くなりすぎて辞めたという開発秘話がある。

 

 

【食べるクラッカー】

 

食べる事で発動させることが出来るパーティ用のクラッカー。見た目は普通のクラッカーであり、少し甘じょっぱい味で、付随品でクリームなどが何種類か存在する。食べるとお腹の中に何かが溜まっていく感覚があり、口を開くと口の中から火薬に似た音と共にテープや紙吹雪が飛び出る。音の大きさやテープや紙吹雪の量は食べた量に比例し、食べすぎると自分が発した音にショックを受けて気絶する可能性があるので注意が必要。一箱が許容量の限界であり、何箱も食べると命に関わる。

 

 

 




久しぶり過ぎで何かミスがあっても全然おかしくないです。変なところあったら報告お願いします。

いつも報告してくれる皆様には大変助かっております。本当にありがとうございますm(_ _)m

それと前回のお試しとそれに関するアンケートにご協力頂きありがとうございます。そして、結果を顧みたところ、アレは止めにします。人数増えまくってもなんとか分かるように書き上げていけるよう努力いたします。

次はちょっと長いのばかり書いてたので短い話を持ってくる予定です。(と言いつつ書き直したりチェックをしてる最中に延ばすのが私の悪い癖)

気になる事がある場合やこれおかしいんじゃないの?といった点がありましたら感想でもメッセージでも送ってください。送られると嬉しいです。いつも励みにさせてもらっています。

ひみつ道具の効果とかは曖昧だったり、どこまで範囲なのかとかを考えさせられるものが多いんですよね。今回、『約束先取り機』を後でお話するから今伝えさせてといった形で使用した事になるんですが、あれいけますよね?

正直、この道具もなんでもあり寄りの道具だと思います。後で出来るのであれば今に結果が現れる。逆にいえば結果を持ってこれない事象であれば未来でそれは絶対に行えないということになるのでできるできないの調査にも使えそう。今と未来で矛盾さえなければなんでも出来るのは強すぎる。

直接的なものとか、後で出来なくなるものは難しいかな。後で倒すから今倒してとかは無理かな。今倒した時点で後で倒す対象がいなくなるから約束が果たせない。だから今は倒せない。うぅん、文字だけだとややこしいな。

話が少しそれましたが道具の範囲の話ですが他にも『カサイラズ』を水だけを弾く道具と私は完全に限定させました。

なので勢い次第ではありますが泥水をかけたとしたら水分が取り除かれて土だけが身体にかかると思ってください。全てではなく一部は止められた水に溶け直して落ちるかもね。

水だけと言っても何処までを水とするかとかも難しい。純粋にH2Oだけなのか、多少の不純物を許容するのか、そこいらへん次第では使い道に差が出そう。

本当に水だけを弾けるのであれば水に溶け込んだものを取り除くのにも使える便利な道具になる。


『通りぬけフープ』も穴が空いたのとは違うから船に貼っても直ぐに沈みはしないでそこを通った水が入り込むといった。細かい仕様とかを考えて書いてるけど、通るって何をもって言うのか、意思をもって通ろうとすればなのか、それとも物だろうとなんだろうとフープに対して勢いをもって入れば通るなのか。

ひみつ道具の性質とかって考え出すと止まらなくなりそうです。大きな事よりも小さな部分が気になる質でして、それにたぶん他の人とは気にする場所はズレてると思います。またなんか変な事語りだしたって思っても温かい目で見守ってください。

と無駄な所でここぞとばかりに話しましたがそろそろお開きにさせていただきます。

それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。

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