ドラえもんではなくそのすぐ後ろでした   作:ひよっこ召喚士

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四月馬鹿とただの馬鹿

 

『レディース&ジェントルマン!!特別クラスがお送りするスペシャル企画……エイプリルバトルの時間がやってきました!!』

 

 うおおおお、イエー、ヒューヒューとノリの良いクラスメイト達が司会の声に合わせて空気を盛り上げていく。

 

『エイプリルフールにちなんだ嘘を交えたトークで戦ってくれるのはこの4人だ!!』

 

 舞台の上には4つの座布団が置かれており、そこには誰も座っていないが、クラス内に姿が見えない事から何事だた様子を見に来た他クラスのロボットもなんとなく察しがついている。

 

『エントリーナンバー1、スタートを決めるのはこの男!!特技は早撃ち西武のガンマン、笑い話に混ぜ込んだ嘘という凶弾に観客は気付けるのか?!ドラ・ザ・キッド!!』

 

「やってやるぜ」

 

『エントリーナンバー2、二番手だからとなんのその!!ひらりと躱す身の熟し、観客の疑惑の視線も避けて力強い話を聞かせるぜ!!怪力闘牛士、エル・マタドーラ!!』

 

「座布団ってのも悪くねぇな。これはこれで眠くなりそうだ」

 

『エントリーナンバー3、その引き出しには何が隠されているのか?!口から溢れるその言葉さえ皆を引き込む魔性の響き!!魔術士ドラメッド三世!!』

 

「ズルはしないであるが、そこまで言われたら魔術師の本気を見せるであ~る」

 

『エントリーナンバー4、何でもこなすスーパーロボット!!繰り出す話も嘘も超級なのか?!最後を飾るのはこの人だ!!ハイドラ!!』

 

「まぁ、これも一興ですかね」

 

 謎のイベントに参加するドラえもん達とハイドラ、そして何故かその中に混ざっていないドラニコフ、何故この様な展開になったのかは前日に遡る。

 


〜前日〜

 

「よっしゃ明日はエイプリルフールだぜ」

 

「そっか、もう四月になるんだね」

 

 呑気に時間の流れを思いつつ、もっと暖かくなってきたら何をしようかなんて考えるドラえもん。そして、そんなのほほんとした空気に似合わないギラついた目で嘘を考えるキッド。

 

「へへ、どんな嘘をついてやるか」

 

「去年って何をしたっけ?忘れちゃったけどボクも何かしよっと」

 

 そしてキッドと同じく嘘を考えるエル・マタドーラと去年の記憶もないのに面白そうとノリで参加を表明するドラリーニョ。

 

「今年こそ騙されませんよ」

 

「言っておくであるが人の善意につけ込むような嘘は止めるであ~る」

 

「バウバウ…」

 

 頭の良い王ドラや情報収集に余念のないドラメッドもあの手この手で騙されイライラし、騒ぎに巻き込まれるドラニコフもこの時期には辟易している。

 

 イベントごとは大好きなドラえもんズであるが互いに仕掛け合う事になるエイプリルフールの前後では喧嘩沙汰になる事も少なくない。

 

「ドラえもん達も懲りないわね」

 

「まぁ、そこも含めて彼らの良いところだろう。しかし、純粋に楽しめないメンバーは不憫か……よし」

 

 そんなドラえもんズを見守って笑っていたハイドラとノラミャーコであるが、ハイドラが何かを思い付くと既に口論になりつつあったドラえもん達の所へと顔を出した。

 

「やぁ、みんな。私から面白い提案があるんだが聞くかい?」

 

「ハイドラ、面白い提案とはいったい?」

 

「まさか、適当な嘘じゃないだろうな?」

 

「エイプリルフールは明日だろう? 今から疑ってどうするんだ。私からの提案と言うのは……嘘付き大会さ」

 

「「「「「「「嘘付き大会?!」」」」」」」

 

 ルール無用で嘘をついたりするから問題に発展するのだ。ある程度の競技性を取り入れて制御すれば他の面々も楽しめるだろう。

 

「あぁ、君達にはそれぞれ何かしら話を用意してもらう。最低で三つぐらい、短めの話になるかな。そしてその中に一つだけ嘘を混ぜるんだ」

 

「嘘を当てられたら負けって事ですか?」

 

「そういう事だね。詳しく言うと評価はクラスのみんなにしてもらう。話す側の一人毎に嘘だと思う話に投票するんだけど、当てられたらマイナス一点、当てられなかったらプラス一点、話し方や用意した話の順番はそれぞれの自由、話す側の順番はクジで決める」

 

 話が本当か嘘かは後で道具で判別し、それ自体に嘘が発覚したら反則負けで失格。厳正な審査のもとで行われる噓つき決定戦。

 

「へぇ、本当に面白そうだな。俺は参加するぜ」

 

 迷う事なくキッドが参加を決めて、何を話そうかとブツブツと何かを呟き始める。

 

「話を聞くだけだと眠くなるから俺様は参加側だな」

 

「うぅん、話せる話なんてないからぼくは遠慮しとくよ。評価側?見破る側?も面白そうだしね」

 

 エル・マタドーラはある意味納得な理由で参加を決める。ドラえもんは聞き取り方次第では悲しくも取れる理由で棄権を表明した。

 

「面白そうですがやはり嘘は苦手ですし、見破る方が私には向いてそうです」

 

「ボクもやるやる〜」

 

「ドラリーニョ、話を覚えてられ無いのであるからやめとくのである。吾輩は演出も含めて魔術や占いの練習も含めて参加するであ~る」

 

「……ワウゥ、ワウワウ」

 

 ドラリーニョは保護者からストップが入り、その保護者ことドラメッドは意外と乗り気な様子、そしてドラニコフは話せないし、道具を使うのも面倒になりそうだからと棄権する。

 

「そうなると三人ですか? 四月に合わせて四人くらいと思ってたんですが…仕方ないですかね」

 

「それならハイドラが参加側に回ったらどうかな?」

 

 ハイドラがまぁ三人でも短くなるだけでやる分には問題はないかと思っていると思いがけない提案が飛んできて、少し驚きの表情を見せた。

 

「そりゃ良いな。ハイドラなら面白い話が色々ありそうだ」

 

「それって参加者からすれば不利なんですが…確かに面白そうな話には興味があります」

 

「へへ、ハイドラ相手とはいえ負けねぇぞ」

 

「それすっごく楽しそう。やろうよハイドラ」

 

「チェックなら事前に参加しない面々の誰かに道具を渡せば解決であ~る」

 

「ワウワウ」

 

 話がどんどん進んでいき、参加出来ないほど忙しいと言う時期でもない為に問題はないハイドラはドラえもん達の提案を了承し、こうして同じ舞台に座るのであった。

 


 

『なお、公平をきすために大会中に話が嘘かどうか調べる行為は全て禁止でございます。そして参加者の順番の前後で影響が出過ぎない様に投票は話が終わって直ぐですが、真偽の判定は結果発表と共に最後に行います。それでは一番からどうぞ!!』

 

 付け足す様にルールが語られると早速一番目であるキッドにバトンが渡されて、口を開いた。

 

「いきなり始まるな。っと自己紹介は既にされてるから省くが俺の一番目の話を始めるぜ」

 

「俺様はまぁ見た目からも分かるがガンマンで銃の腕前、それも早撃ちにはかなり自信がある」

 

「長期休みなんかには更に腕を磨く為に武者修行に出掛ける事もあるんだが、安いツアー旅行で未開の星に出向くのが中々ちょうど良いんだ」

 

「安全が確保されていない環境に身をおいた方が自身を高めるには持ってこいだ。だけど流石に安いツアーに頼ってばかりだと困った事態になる事もまぁあるんだ」

 

「そん中でも一番肝を冷やしたのはその着いた惑星に置き去りにされた事だ。迎えの宇宙船が来る筈の時間になっても影も形も無くて、何かの手違いかなんて初めは考えてたんだか、料金が先払いだった事を思い出して騙されたなって思い至った」

 

「そこからは未開の星でのサバイバルの日々よ。分解してエネルギーに変換できる物を探したり、原生生物と戦ったり、助かったのはそのツアー会社の奴が捕まって警察が探索に来てくれて保護してくれたからだ」

 

「厳しい自然の中で過ごした期間はなんと一ヶ月、あの日々を思い出せば大抵の事は乗り越えられるってもんだぜ」

 

 何かを思い出すかのような表情を浮かべるキッド、その雰囲気からはそれが確かな事の様に感じるが、果たして……

 

「っと時間も無いからどんどん行くぜ。二つ目の話は武者修行とは違う純粋な旅行に出かけた時の話だ。まぁこっちも格安ツアーなんだけどな」

 

「ゆっくりするなら温泉だろうと思ってツアーに申し込んだんだ。人気の温泉だと聞いてたんだが、かなり安かったからこりゃ良いと思ってな」

 

「そして現地に着いてから説明を受けたらびっくりしたんだ。格安の理由を聞かされたんだが、その旅館と言うのは秘湯と呼ばれる様な温泉がうりなんだが、結構な場所にあってな」

 

「最寄りの空港に降ろされたらその場からは自力で向かってくださいと言って宇宙船は帰っていった。整備されてない道一つない森とその奥に連なる険しい山々、その上の方に旅館があるって言うんだ」

 

「そんなのワープ系の道具を使えば良いって思うだろ。その星の中には持ち出し禁止の植物があって、密輸を防ぐ為に正式な許可が無いと使えないんだ。そう、格安なのは許可を取らなくて済むから格安だったって訳だ」

 

「せっかく来たのにここで泣き寝入りして帰るキッド様じゃねぇ。気候は悪くなくてある程度動いても問題はなかったからな。森を抜け、山を登る覚悟を決めた」

 

「森の中では原生生物に襲われないかとヒヤヒヤしたもんだが、そこでは問題もなか通り抜ける事が出来たんだ。だがまぁ山の方は問題だった」

 

「その旅館を建てるのにもワープ系の道具は使われてる。だから旅館までの道なんてものは存在しない。そんな中で自分で道を探しながらアタックする必要があった」

 

「ワープだけが禁止なら空を飛べば良いって?俺様が高い所がダメなのはお前らも知ってるだろ。能力を補助する様な物は使ったがとにかく地道に登った」

 

「良い感じに登れると思ったら岩崩れで塞がってたり、草や木に阻まれてたり、どうしても崖を登らないと行けなかったり、順調とは言えなかった」

 

「それでま俺はなんとか登りきって旅館に辿り着いた。ボロボロのヘトヘトで日は沈んでたが予定日になんとか倒れる様にな」

 

「そこで温かくて美味い食事を楽しみ、念願の温泉にゆっくり浸かってリラックス出来た。道中は大変の一言だったが旅館は最高としか言い表せない」

 

「これで終われば苦労が報われた良い話で終わりだろ。だがな旅館に行ったって事は帰りもある訳だ。下りなんて険しい山だとキツイだけで、休んだ分だけ辛く感じてな帰る頃には旅行前よりもヘトヘトになって、なんとも本末転倒な旅行だったよ」

 

 武者修行とは違う筈の旅行で疲弊しているのだから中々に笑えない話だが、一部からは馬鹿にする様な笑い声も聞こえる。そんな声を気にせずにキッドの話は続いていく……

 

「さて、三つ目もさくさく行くぞ。これはボランティアの話だ。あれはそれぞれで全然違う場所に行ったが一つや二つ苦労した事があるんじゃないか?」

 

「俺様が苦手とするものはみんなもう知ってるだろ。そう高い所だ。高所だけはキッド様でも克服は出来ねえ」

 

「そんな俺様はボランティアでは警備関係や害獣駆除とかの特技を活かせるものを選んだんだ。そしたらなんと害獣駆除の方で出向いた先がまぁまぁな高所だったんだ」

 

「その害獣っていうのが蜘蛛みたいな奴でな。ビルとビルの間に巣を作っちまう様などでかいのを退治する手伝いだったんだ」

 

「まだビル自体は壊れちゃいねぇし、綺麗で設備とかも問題なかったんだが、エレベーターが外が見えるタイプだったのが地獄だったぜ」

 

「配置とかは何処が良いかとか聞いてくれたんだが相手が上の方に陣取ってるから屋上か隣のビルへの連絡通路の二択でな。上から下を見る方が怖いのと、少しでも下が良いと連絡通路を希望して問題なく受け入れられた」

 

「絶対に下を見ないようにしつつ、駆除の開始を待って、上の人達が倒した奴が通路にぶつからないように撃って決められた場所に飛ばしたり、下から巣を壊して援護したりと始まると大変でな」

 

「それでも高所な事は忘れられなくて、足も声も震えてたけどな。我ながら情けなくて嫌になるぜ。それでも技術面でかなり褒められて良い評価を貰えたから全体的にはわるくなかったって感じだな」

 

「っとここまでで俺の話は終わりだな。さてと、『俺はここまでの話で一つしか嘘の話をしていない』」

 

 キッドがそう宣言すると『◯✕占い』の◯の方が高らかに上がり、キッドがルールに則って話をした事が確認された。

 

「えぇ、どれも嘘くせえ〜」「前二つは系統が似てるから何方かが嘘か?」「逆に話が全然違う奴じゃないのか?」「う~ん、キッドはあれでも銃の腕は確かだしな…」「プライベートからしておかしいな」「話し方はどれも自信満々だったから口調からは分かんねぇな」「どれが嘘か以前に格安とかおかしいと思えよ馬鹿か?」「ボランティアとはいえあいつが良い評価…それが嘘か」「いや、流石にあいつもそこまで惨めな嘘はつかないって」

 

 キッドのどの話が嘘が混ざっているのか、どの部分が嘘なのか、そしてハチャメチャなプライベートに対する苦言や微かな笑いが広がり、程なくして投票が終わり次の参加者の番がやってきた。

 

「ふわぁああ…もう俺の番か?……やっぱり話を聞いてるだけだと眠くなるな。起きれなくなる前に出番が回ってきて良かったぜ」

 

「さてさて、このエル・マタドーラ様が語るのは得も言われぬドラマチックな話ばかりだと宣言するぜ」

 

「まず初めは運命的な出会いを果たして出会った女性との話だ。休みの日に俺は散歩でぷらぷらと歩き回り、気付けば街の外れの方まで来てた」

 

「一応古臭い、自然を売りにした公園はあったが、他に店なんてものもなくて人の姿なんて道中で見られなかったん。ただ、公園の奥に視線を向けると困った表情で何かを探しているその人に出会った」

 

「女性が何か困っているのに声をかけない俺様じゃあない。何かお探しですかお嬢さんと薔薇を片手に問いかけた」

 

「するとお嬢さんはキョトンとしていたがクスクスと笑いながら薔薇を受け取り、声を掛けられてしまう程度には心配させる姿だったかしら?と照れくさそうな表情を浮かべた」

 

「落とし物か何かですか? お邪魔でなければお手伝い致します。ロボットの猫の手で良ければご遠慮なくと伝えた。すると、ありがとう…でも良いのよと悲しげな表情で女性は断った」

 

「そんな顔を見てそのまま帰る事は出来ない俺様は図々しいが理由を訊ねた。するとその落とし物とやらはこのご時世には珍しい紙媒体の手紙で落としたのは何日も前だと言うんだ」

 

「その時の情報を聞くと、手紙の送り主との思い出の場所である公園で見ようと思ったら思いがけない強風で手紙が飛ばされてしまったらしく、その後に天気コントローラーの不具合の速報もあって帰らざるを得なかったそうだ」

 

「それでも公園に足を運んでしまうのは諦めきれないからだろうと俺は言ってちょいと強引になるが手伝いを改めて申し出た」

 

「雨の日とかもあり、手紙自体がダメになってるかもしれないしと遠慮されたが欠片でも見つかればひみつ道具で復元も難しくないと手紙に何か特徴はないかと聞いた」

 

「折りたたまれた表紙に自分の名前が書かれ、その名前の由来である花のシールが貼られていたと教えてもらった俺は公園やその周辺を探して回った」

 

「あちこち駆け回りながら、右へ左へ、上へ下へと回ってもそれらしい物を見つける事は出来なかった。もうダメなんじゃないかと情けなくも諦めかけた時に知り合いにあった」

 

「その知り合いが言うにはここらで飛ばされた物は自然保護区の方に飛んでいくらしい、山の置かれている位置の関係で風の通り道がだいたい決まってると教えてもらった」

 

「とは言っても保護区には入れない。手がかりを見つけてもそれじゃ意味もないと肩を落としたが、少し前に自然保護区の方で大雨が降った事を思い出してその知り合いの人が蜘蛛の糸程度の可能性をくれた」

 

「山全体で雨だったから、川の流れに乗ってればうちの農業用水路の方に手紙が来てる可能性があると、そして下流側のゴミを排除する網の張られてる場所に案内してくれた」

 

「まだ十分に掃除出来てないと嘆く水路は流れ着いたゴミだらけだった。そのゴミを全部引き上げてくまなく探しても目当ての物は見つからない」

 

「やっぱりダメだったかと諦めかけたその時だ。視界の端にキラキラと光る物を見つけた。そう教えられてたシールが日の光を反射してたんだ」

 

「慌ててそれを手にして、当たりを見たが手紙は何処にも見つからない。網をすり抜けたか、溶けてなくなったか、と肩を落としたその時だ。シールの粘着面に薄っすらとだが紙が引っ付いてるのが見えた。そうシールの貼られてた手紙の一部だ」

 

「縋る思いで復元を試みると見る見る紙が再生され手紙が元の姿を取り戻したんだ。それを手にした俺は走りながら知り合いに例を叫び、公園へと戻った」

 

「手紙を見せるとお嬢さんはとてもびっくりしていたが、涙をポロリと一粒流してありがとうと両手で受け取り、震えた手で読み始めた」

 

「その手紙の内容はその日の日付と共に思い出の場所で会いたいと書かれてたんだ。そう、手紙を読み終えたすぐ後にお嬢さんの名前を呼ぶ声が響いた」

 

「幼馴染であると言う男がお嬢さんに駆け寄ると、お嬢さんも男の名前を呼んで二人は抱き合った。そのお互いの表情を見た俺はそっと足音を消して立ち去った。二人がその後にどうなったかは知らないが、感動の再会を果たしたんだきっと幸せに過ごしてるだろう」

 

 自信満々にそう言い切ったエル・マタドーラの表情は何処か暖かく、優しげなものに見えた。教室内の雰囲気も思いがけない本当にドラマチックな話に茶々も入れずに静まりかえっている。

 

「さぁて、お涙頂戴な話ばかりだとせっかくの四月馬鹿が湿っぽくなっちまうか。ここらで少し面白い話もしていかないとな」

 

「俺は見ての通り闘牛士だ。ひらりと軽い動きで牛を制して魅せるのが俺の生き甲斐みたいなもんだ」

 

「普段から身に着けてるこのマントは最早身体の一部と言っても良いくらいに馴染んでいるんだが、流石にずっと着けてると汚れも目立つ、牛をさばけても日々の汚れまでは弾けないってわけだ」

 

「となると汚れたら洗うのが道理と言える。ひみつ道具を洗っても良いのかと少し疑問もあったが布っぽいし大丈夫だろうも適当に旧型の洗濯機に突っ込んだんだが、それが大失敗だった」

 

「内部でぐるぐる回される度に水と洗剤を弾き回すもんだから普通ではあり得ないくらいに泡が立ち、洗濯機の内部に溜まっていった。そんな事も知らずにシェスタを決め込んでた俺は爆発音と部屋に溢れかえった泡で飛び起きた」

 

「ついには暴れまわる水と溜まりに溜まった泡の圧力に耐えられなかった洗濯機が壊れて部屋中が泡だらけになって、マントは汚いままで助け出されるまでの間で俺が丸洗いされちまったってわけさ」

 

 どんな物にも危険はあるからきちんと調べてから行動に移さないといけない。一種の教えとしてエル・マタドーラの学びの詰まったエピソードである。

 

「話してみるとけっこう早く終わっちまうもんだな。次で最後の話だが、あいつと被るのはしゃくだがボランティアでの話だ」

 

「流石に闘牛士関係のボランティアなんてのはなかったから俺様の特技と言えば良いかドラえもんズの中でも随一のパワーを活かしたボランティア先を選んだんだ」

 

「建築関係の場所で建材運びが主な仕事だった。現場まではワープを使った方が結果的に安上がりになるが建築作業中の移動なんかはまだまだこういった手が必要になる」

 

「便利な機械や道具も増えているが、何から何まで全自動で元が取れるのはよっぽど大規模な建物か、雇い主の金払いが良いかのどっちかだって現場の監督さんが教えてくれたよ」

 

「そういう事で力自慢の社員に交じってあっちへ運び、こっちへ運びと頑張ってるとまぁ結構褒められたんだ。パワー系のロボットは見た目がデカい事が多いが俺なら狭い現場でも働けるとスカウトの話まで出る活躍だ」

 

「流石にスカウトまでは受けないが人手が足りてなくて困ってる別の現場に言っくれないかと頼まれて次の日のボランティア先が変わったんだ」

 

「地下での作業で、一度に建材を運べないからワープだと割高になっちまうてんで俺がこれまた大活躍、専用の通路を行ったり来たりを繰り返して運び込み、まぁ単純作業はちと退屈だったけど頼られるのは悪くない経験だったぜ」

 

「最後の話は殆ど盛り上がりもないただの思い出話になっちまったな。さてと『俺もここまでの話で嘘の話は一つしかしてない』」

 

 エル・マタドーラが話を終えると流れる様に『◯✕占い』に声を掛け、問題なく◯が上がったのを見てまたクラスが騒がしくなる。

 

「エル・マタドーラのナンパは有名だし最初の話はそんな違和感ないな」「とは言っても流れが出来すぎな気もするぜ」「ひみつ道具に関する話は正直分からねぇな」「ハイドラならそういった仕様も詳しそうだけどあいつも参加者だしな」「ボランティアの話だけ短いのが怪しいな」「むしろ膨らませてないんじゃないか」

 

 それぞれドラマチックな話、失敗を含んだ面白い話、そしてボランティアでの思い出話と傾向の違う話であり、これまたみんな悩みながら投票している。

 

「ようやくワガハイの出番であるか。さてさて、魔法を用いた演出も含めてとくと味わってもらうであ〜る」

 

 そう言うとドラメッドの周囲に魔法の光が浮いたり、部屋が暗くなったりと怪し気な雰囲気が漂い始めた。

 

「さてワガハイは少し変わった方向から話をするぞよ。これまでの二人は自分の経験的な話が多かったであるがワガハイは嘘か本当か分からない皆からすればオカルトに思える話を用意したであ〜る」

 

「まず第一に魔法と呼ばれるものを始めとする非科学的な力は確かに存在しているであ~る。非科学と言うのは科学の法則に則っていないと言うだけであり、それぞれのルールに基づいた確かなものという点は科学との差はないのであ〜る」

 

「しかし、科学的なものと共通点があったり、実は科学と全く同じ事をしているだけのものもオカルトには存在しており、その代表が占いであ〜る」

 

「占いは多岐にわたる種類で溢れておるがその中には数学的や宇宙学、心理学等の分野と関わるものもあるぞよ。科学的根拠のある占いと言う意味ではそこの『◯✕占い』だって科学であり占いと言う非科学のあいの子と言える」

 

「ワガハイだって科学技術で作られたロボットでありながら魔法を使い、ひみつ道具も用いているぞよ。では科学と魔法は何故相容れないとされているのかが焦点であ〜る」

 

「第一に挙げられるのが管理出来るか出来ないかが重要だとワガハイは考えているのであ〜る。科学と言うのは研究し、共有し、高め合うのに適した法則であるが魔法はそうではない」

 

「魔法に限らず非科学分野と言うのは皆が使えるものではなく素質に左右されてしまう技術であ〜る。それ故に科学と比べて発展させるのは難しく、広まらないのも当然といえば当然。そして非科学の中でもそれぞれで扱い方も素質もバラバラともなれば科学と比べて便利さという点では見劣りするのも仕方ないこと」

 

「そして異質なものはどの時代でも嫌われるか排除されるのは自然の摂理。となれば便利さを盾に科学が優れていると非科学を敵視するものもおり、そうして溝は深まっていったというのが通説となるぞよ」

 

 ここぞとばかりに自身が扱う魔法についての歴史、考えなんかを語り切る姿は演出でいつの間にか薄暗くなってる教室とも合っており、妙に引き込まれる空気があった。

 

 それがなければ好きな事だけ饒舌になるオタクと対して変わらないが、実力が伴っている為に問題はない。また、迫力はあっても興味がなく、一部に寝ている者もいる。

 

「さて、二つ目は科学的な魔法についての話であ〜る。これはさっき話した科学に基づいた魔法とも内容が科学的な魔法とも違い、科学によって生み出されました魔法についての話であ〜る」

 

「魔法的な事象を発生させるひみつ道具ではなく、科学によって生み出された魔法が今回の対象である。ややこしい話であるが順番に話すであ〜る」

 

「魔法的な事象を発生させるひみつ道具の代表は『魔法辞典』になるぞよ。したいことと呪文の組み合わせ次第で何でも出来るであるが、これは魔法的ではあるがあくまで科学でしかないのであ〜る」

 

「これはあくまで『魔法辞典』と言う科学が発生させている事象でしかないからであ〜る。しかし前提から書き換えて魔法が使える様になった場合はまた話が変わるのであ~る」

 

「それを可能とする代表となると『もしもボックス』が分かりやすいである。例えば『もしもボックス』で魔法の世界を望んだとする」

 

「その世界で魔法を覚えた場合は科学的に作られた世界における本当の魔法を覚えた事になる。世界を作り出したのは科学であるが、事象を生み出してるのは世界なのであ〜る」

 

「これが科学が生み出した魔法であり、科学が発生させている魔法とは根本的な部分から違うのであ〜る」

 

 ややこしい話という語り手の言葉通りで成績を下から数えた方が早いグループはちんぷんかんぷんと言った様子で頭から煙を出しそうになっている。その様子を確認する事なく、語るのに夢中になっているドラメッドの話は続いていく。

 

「それでは最後に魔法と科学は別物と言う話をしたであるがそれでは魔法と科学の双方を用いて事象を起こした場合にその事象は科学的か魔法的かどちらに当たるかと言う話をするであ〜る」

 

「どちらを先に使ってどちらを後に使ったかの差、それとも使用者の意思か、色々と議論は古来よりされてきたであ~る」

 

「そして最終的に結論付けられたのは単純明快な答えであり、使用された魔法と科学の割合であ〜る」

 

「簡単に説明する為に事象を花を咲かせるに絞るであ~る。例えば魔法で杖の一振りで花を出せばそれは魔法であり、『花咲か灰』を使えば科学であ~る」

 

「そして『花園ボンベ』で種をまき、『ラジコン雨雲』で肥料入りの雨を振らせてから、促成させる魔法をかけたとする。それぞれ科学は二回、魔法は一回なのでこれは科学のなるであ〜る」

 

「だけど気を付けないといけないのは例えば『ラジコン雨雲』をいたずらに何回も使っとしても一回は一回となるであ~る。きちんと効果があると判断されない限りは使われても割合には換算しないのであ〜る。さて『ワガハイはこれまでの話で嘘の話は一つしかしてないであ~る』」

 

 最後まで魔法についてを語りきったドラメッドは何処か満足そうな表情で『◯✕占い』を起動させると当然と言った様子で◯が上がった。

 

「これで嘘を当てろって無茶だろ」「いや、分野は違うが法則があるんなら理論的におかしい部分を探せる」「一貫して同じ話題を語ったのは初めてだな」「とは言ってもオカルトには詳しくねぇし見逃しそうだ」「それにしてもどうやって部屋を暗くしてたんだ」「ひみつ道具は展開されてないしそれこそ魔法だろ」「笛で蛇を操ったりと不思議なやつだよな」

 

 話題がある意味難題であったために前の二人と比べて投票までに少し時間が掛かっていたが評価者達もそれぞれの考えの基で投票がなされた。

 

「さて、最後は私ですね。飾るほどの話が出来るかは分かりませんが語らせてもらいます。」

 

 ハイドラが口を開くと待ってましたと言わんばかりに拍手が鳴り、みんなの視線が集まる。期待の差が如実に現れてるがハイドラに臆した様子は見られない。

 

「第一の話から語っていきたい所ですが、何かと私は手掛けてる事が多くて何を話したら良いのか迷ってしまいました。そんな訳で私の普段の過ごし方をまずざっと語らせて貰います」

 

「まず第一に起きたら事前に立てていた予定を確認します。そして寝ている間に優先しないといけないお誘いが入っていないか確かめてからその日の準備を始めます」

 

「準備と言っても大抵の物はこのポケットに入ってますから何かを探して詰めたりする必要はありません。普段からよく使うものは取り出しやすい様に整理もしてますので足りてない物がないかの最終確認だけです」

 

「そして栄養補給を済ませてまず向かうのが病院です。基本的にまだ学生ですし、資格を取ってますが就職してるわけではないのであれこれ指示される事はありませんが、どうしても助けて欲しいと言われて請け負った患者さんは経過観察まで責任を持ちます」

 

「次に向かうのは研究室です。患者さんを抱えてない場合に一番に向かうのも研究室です。こちらは修理を頼まれたり、レポートの提出を命じられてるひみつ道具で提出する物を確認したり、軽度の作業を進めたりする為です」

 

「そして次はみなさんも知っての通り、ここロボット学校に向かいます。そして学校側への報告内容がある場合は校長室に届け出し、それから教室に向かいます」

 

「授業中はよほどの大事な要件がない限りは普通に授業を受けますし、昼食の時間もみなさんと過ごしてます。課後についてもある程度余裕を持ったタイムスケジュールを組んでますので遊びに着いていく事も多々あります」

 

「ですが少し日が傾いた頃には自宅に戻ります。そして課題などを終わらせると即座に研究室に向かって、終わらせる必要性の高い作業から順次進めていきます。寝る少し前の時間まで作業を終わらせると明日の予定をもう一度確認してから就寝します」

 

「基本的に学校以外は仕事が殆どと言う事ですね。それでも別に問題はないんですけどこう言うと大変そうに受け取られがちですが、趣味の面もありますし全体的に楽しい毎日ですよ」

 

 そう締めくくるハイドラの笑みは綺麗でとても整って見えるがその完璧さも一部のクラスメイトには不気味に映り、ややひかれている。

 

「さて、私の私生活なんてそこまで面白い話でもないですから本題と言いますか、次の話に移りましょう。忙しい私が特に手を掛けているひみつ道具の話です」

 

「私は独自でひみつ道具を開発する事もしていますが、基本的には改造する事の方が多いです。そちらの方が得意だからと言うのと、自分が使う事を考えてですね」

 

「もう少し軽ければ、もう少し強ければ、もう少し早く使えれば、そう言った少し手の届かない部分を補っているのが私の改造の基本です」

 

「ひみつ道具としての規格的に厳しい物や他の部分を削らないといけない物、他にもお金がかかってしまう物など商品とするには難しい一品物が私の持つ道具の中には数多くあります」

 

「そんな中でも大衆に受けた物はデザインも合わせてオリジナルにする事で売り出し、一種のブランドを作ってますが、使う人を選ぶ事には変わりません」

 

「そして中には個人的にひみつ道具を調整してほしいと頼む人も現れてきており、一部の層に向けて新しいサービスとして展開しています」

 

「ただ、細かい所まで要望を聞いて調整するのは時間も費用も掛かり過ぎてしまう為に本当に一部だけのサービスになってます」

 

「武器系の道具に例えますが、射程や攻撃回数、威力等の弄る項目を此方で決めて、どれをどうして欲しいと聞いていく方式が始まってます」

 

「細かい作業の方が好きな職人や研究費を稼ぎたい職人にちょうど良い仕事になっていて、フルオーダーメイドよりは安くておすすめですので機会があればサイトを覗いてみてください」

 

 自分の好きな事を語り尽くしたドラメッドとは違うが、話をする舞台を上手く使って宣伝をしてみせたハイドラに今度は感心と呆れが広がる。

 

「さて、最後の話にいきましょうか。最後はちょっとした冒険の話になり、長いですがお付き合い頂けると幸いです」

 

「私は危険な事に飛び込む質では無いのでドラえもんズのみなさんとの話になるので、他のみなさんよりは当てやすくてズルいかもしれませんが許してください」

 

「その冒険は三日間の連休でした。以前から何処かに遊びに行こうと約束していましたが前日まで予定は確定してなく、あーだこーだと行く場所を言い合ってましてね」

 

「誰の意見が選ばれても角が立つとある意味結論が出て世界中からランダムに決める事になり、その結果選ばれた旅行先がまさかの砂漠」

 

「ワープを使えるので時間的な問題はないですが引くに引けず全員が意地になって特に興味もないのに砂の山を見に行きました」

 

「やけになって体力が持ってかれるのも気にせずに駆け出す面々と慌てて追いかける面々、どちらが誰かは私の口からは言いませんが、止められなかった私も含めてまぁ馬鹿な状態でしたね」

 

「ピラミッドやオアシス等の観光出来る場所をスケジュールなんて無視して回っている内に砂嵐に巻き込まれました」

 

「怪我こそしてませんが飛ばされた結果で全員がバラバラに逸れました。そこからはもう大変なんてものじゃなかったです」

 

「各自で仲間を探して動き回ってるせいで合流も中々上手くいきません。中には流砂に埋まって動けない方もいたりもしました。まぁ、遭難したのが初日で探す時間があったのは不幸中の幸いと言えるのかもしれません」

 

「ただの旅行でも彼らの手にかかると一瞬で大冒険に変わります。今日の様なイベントの時期でも彼らはまず一番に騒いで賑やかしてくれますが、そこからいつも騒動に繋がるんですよ」

 

「最終的にはなんとか丸く収まっていますが、新しく何かが起こる度に今度は何だと少し呆れたりもしますが、なんやかんやで私はドラえもんズのそう言う所が好きなんですよ」

 

 話の終わりは笑顔でしめていたハイドラだが、そう言い切って笑うその表情は一番目や二番目とはまるで違う何処か優しいまなざしをしており、聞いていた者達がみな聞き入って静かであった。

 

『結果発表の時間となりました!!みなさんもうお疲れの様子なのでぱぱっと順位を伝えたいと思います!!』

 

 四人がそれぞれ話をしたのでそれなりに時間は掛かっており、投票結果の集計も含めるとかなりの物だ。それでも結果が出るとなると注目はされている。

 

『最下位からの発表となります。残念ながら一番嘘を見破られてしまったのはドラメッド三世だぁ!!それでは嘘の話と嘘の部分を簡潔に教えてください!!』

 

「ビリであるか…雰囲気では乗り切れなかったぞよ。嘘なのは三番目の話であ〜る。科学と魔法の境界線はまだ曖昧なのであ~る」

 

 ある種の学問の話である為に考える事でおかしな部分を当てられた者が多く出た結果のビリである。

 

 それでも懲りずに境界線が曖昧な中でも有力な説とされているのはどちらがより事象に対しての決定打になったかだとドラメッドは語り、落ち込んだ様子で下がっていった。

 

『続きまして、ドラメッドに続いて多く嘘を見破られ三位になってしまったのはドラ・ザ・キッド!!同じく嘘の話と部分をお願いします!!』

 

「ちくしょう、結構自信があったんだけどな。三番目にわざとらしく高い所の話をしたのがいけなかったか? 嘘の話は二番目の話だ。やらなきゃいけないボランティアならまだしも、自分で来た旅行で高い山や崖なんか登れるかってんだ」

 

 ヤケクソになりながら嘘の話を語ったキッドはその時の事を思い出してか更に悔しそうな顔を浮かべている。

 

 ドラメッドよりも順位が上だったのはどの話も非日常的なもので、嘘くさい部分があって票がバラけたからである。

 

『一位を争い、多くの人を騙す事に成功しながらも惜しくも二位となってしまったのはエル・マタドーラだぁ!!前二人にならって嘘の話と部分をどうぞ!!』

 

「二番か、順番と同じで二番手に甘んじる事になるとはな。ひみつ道具について知ってる奴がいたのか?俺の話で嘘なのは二番目の洗濯した話だな。汚れてる事を伝えたら業者や技術者に預ける様にハイドラに言われたから泡で溢れた話は丸々嘘だ」

 

 一番目の話が出来すぎていた為に嘘なんじゃないかと票が集まり、下二人と比べてかなり点を稼げたがエル・マタドーラよ予想通り、ひみつ道具の仕様を知ってる者が二番に投票した事で惜しくも二位となった。

 

『さてさて、最下位から二位が発表され、誰が一位なのかはみなさんもお分かりでしょう!!このエイプリルバトルをせいしたのは、企画者でもあるハイドラだぁ!!』

 

「勝ちましたか、嘘なのはもちろん一番目です。趣味の面もありますが流石に忙し過ぎると私でも嫌になる事はありますからね。最近はやらなくて良い事は回せる所に回して楽出来るように整えてますよ」

 

 直ぐに三番目の話はないだろうと除外されたが、一番目の話は実際にハイドラが授業を抜けて仕事にいく姿を見てきたが故にあまり投票されず、二番な票が集まり一位となった。

 

『それでは急遽行われたこのエイプリルフール企画はここで終了となります。みなさんお疲れ様でした!!』

 

 司会役の挨拶と共に帰る見学者達と運営側やその手伝いで片付けに回る者で教室はがやがやとしている。

 

「ハイドラお疲れ様、あと優勝おめでとう!!」

 

「お前、中々に嬉しいこと言ってくれるじゃないか」

 

「そんな絡んで、内心三番目が嘘だったらとヒヤヒヤしてたんじゃないですか?」

 

「ハイドラに限って俺らを見放すような事はねぇよ……ねぇよな?」

 

 何柄にもなく不安ななってるんだとキッドをからかう声をあげつつもじっさいに迷惑を掛けた覚えがある面々は少しドキドキしたのを覚えてる。

 

「大変な目にはあってますが賑やかなのも事実ですから、みなさんの事は好きですよ。私はドラえもんズが大好きですからね」

 

 そう言って片付けに向かい出すハイドラに皆が安心して手伝いを申し出ながら追いかける。その手の中にある『◯✕占い』がどちらも上がろうとしているのには誰も気付かない。

 

 


登場したひみつ道具

 

『◯✕占い』

 

どんな質問にも、○か×ではっきり答えてくれる。

 

『魔法辞典』

 

中には何も書いていない。自分でこの事典に、したい事を書き、続いてどうすればそれが起こるかを書くと、その通りの事を実現させる事ができる。例えば、「ほうきで空を飛ぶにはスーイスイと唱える」と書けば、「スーイスイ」と言うと空を飛ぶ。効果をなくすには、逆に「イスイース」と唱えればよい。

 

『もしもボックス』

 

「もしも、こんな世界になったら」と電話で話すと、本当にその通りの世界になる。例えば、団地の1部屋をのび太達が住んでいる世界とすると、もしもボックスはその団地の中の空き部屋に、音声を入力した人の世界が作られるのだという。つまりこの道具で実現される架空世界は、一種のパラレルワールドであるとされている。まず、受話器に向かって自分が望む世界を話す。すると、ダイヤルセレクターが点滅してパラレルコンピューターが生まれてくる空間を探し出す。ジリリリリンとベルが鳴ったら、望んだ世界が出来上がったという合図。「元の世界に戻して」と受話器に向かって言うと元に戻る。

 

『花咲か灰』

 

この灰をまけば、どんな場所にでも花を咲かせる事ができる。

 

『花園ボンベ』

 

小さな種がガスのように飛び散って、一面お花畑にしてくれる。

 

『ラジコン雨雲』

 

肥料入りの雨を降らせる。

 

 

 

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