このクラスは一部の量産型ではないロボットやドラえもんや私の様に他の同型のロボットたちと規格がずれてしまっているロボットなどが集まっているようだ。何ロボットなのかも多種多様で建築、画家、検察官や裁判官、弁護士などの法務、スポーツや先生など殆どがバラバラである。
製造目的がまったく一緒のロボットは1人でも居れば珍しいようで、まったく同じ型のロボットがいる事はまずないらしく、私とドラえもんの例はかなり珍しいようだ。そして既にジャイベエやスネキチはもちろん、未来のドラえもんズとも交友関係が出来ている様で時間がある時にそれぞれ紹介された。先に紹介されたのはジャイベエとスネキチだった。
「よう、俺様はジャイベエ様だ」
「僕がスネキチだ」
「ああ、薄暗くて不気味な奴だがよろしく、キミもこの『色々カラーパレットと筆』で薄暗くしてあげようか?」
「ゲッ、聞こえてたの……そんな、冗談じゃないか。ねっ、ねっ?」
「あっはっは、面白い奴だな。だけど調子に乗ってるようなら俺様がぶん殴るぞ」
「やれるならやってみると良い。こっちで好きに対処させてもらうよ」
ドラえもんの世界観には合わないが殺気とでも呼べるような物をぶつけて睨みつけてやると少したじろぎはしたが未だにジャイベエも此方を睨んでいる。スネキチはヤバいと感じたのか少しずつ私達から距離を取っている。
「クソッ、これでも喰らえ!!」
「フッ、『痛み跳ね返りミラー』」
「ぎゃぁ痛ぇ!?」
こちらも攻撃してしまえば流石に先生に怒られてしまうだろうからな。正当防衛とは言っても評価が落ちかねない行動は避けるべきだろう。となれば何かを言われても自業自得だと言い張れるものにした。避けたり、衝撃を吸収する系を選ばなかったのはあえてだけどね。
「なぁ、ドラえもん。あの道具はなんなんだ?」
「あれは『痛み跳ね返りミラー』って言ってその名前の通り、あれを持ってると2倍の痛みが攻撃した人に跳ね返るんだ」
「ハイドラって結構容赦がないのか?」
「う~ん、怖いことを言われたことはあるけど、基本的には優しいから仲良くしてれば大丈夫なはず……」
小声で震えながらドラえもんに私の事を訊いているスネキチの姿が教室の端、何ならすぐにでも逃げれるようにかドアの近くに見えた。やるからには徹底的に、完璧主義とは少し違うが自分の考えを貫く感じでやっていこう。その結果で他のロボットから少し容赦なく映ってもそれは勘違いである。
「冗談だからそんな端に居ないで、これは本当に殴ってきたから防いだだけだよ。他愛も無い小さな蔭口で何かするほど心は狭くないつもりだ」
「そ、そう。でも本当にごめん、だから許してね」
「だから何もしないと言ってるだろ。それにしてもドラえもんはこの二人と仲がいいのか?」
「えっ、あー、いじめられたのが最初だけど、それがきっかけで他の友達とも出会えたし、授業でも一緒の事が多いからね。二人も大事な友達です」
「そうか……やはり不具合はあったようだし、クラスが一緒の頃は遠巻きに様子を見ていたが、このクラスに変わってから楽しいのなら良い事だ。他にもこのクラスで過ごしてきて思い出はあるだろ?時間がある時に教えてくれ」
「は、はい!!」
これは嘘ではなく、実際の授業だとドラえもんが大変な事が他にもあるのではないかと気にかけてはいた。『タケコプター』の授業では飛び方が不安定なだけでなく危険な場所に墜落しかける事などもあったし、危ないと思った際には密かに助けていた。本来の世界ではどうやって助かったのか、それともこの世界のドラえもんの方が原作世界よりも故障が酷いのか?まぁ、分からない事で悩んでも仕方がないだろう。
「それではこの問題をハイドラ」
「はい、そこの答えはε+47・θ√45・deusです」
「正解だ。流石は学年首席だな」
人より、いや他のロボットより長く勉強しているんだからこれ位は出来ないとダメだろう。しかし、まだドラミちゃんも製造されてない時期に王ドラの秀才の称号を奪ってしまったので一時期物凄い敵対心を持たれていた。というかドラえもんに紹介されてからも時折睨まれている気がする。
「ぐぬぬ、少し前まではわたしが1番だったというのに」
「はぁん、修行だなんだといってる間に唯一の取柄を失ってりゃ世話ないね」
「なんですと!?その侮辱は聞き捨てなりませんよエル・マタドーラ!!」
「こらっ、そこ煩いぞ!!」
また昼休みになったら二人での追いかけっこが始まりそうだな。王ドラとエル・マタドーラの戦いは見ていて面白いから大歓迎だ。見ていて勉強になる事も多いからな。王ドラのカンフーやエル・マタドーラの『ひらりマント』はまだまだ真似できない。
それと王ドラには漢方医学の知識があり、私は医師の免許を持っている。ああ、もちろんロボット用だけでなく人間用も持っている。それ故に敵視される事もあるがお互いに研究についてだと話が弾む事も多いので仲は悪くないはずだ。
エル・マタドーラに関しては真面目なキャラで通している為シエスタの邪魔をする事があるので邪魔に思われている事も多い。頼られる時なんてナンパなどに行く際に誘われるくらいである。成績優秀で先生からの評判も良いために私は多少人気であり、女性型ロボットからモテルらしく、だしにしようとしているのが簡単に分かるがたまにプライベートなら手伝っている。が成功した試しがないので諦めた方が良いと思う。
「はあ~、ようやく授業が終わった。ハイドラも一緒にご飯に行こうよ」
「相変わらず食べるのが好きだねドラえもん。ノラミャーコ君やいつものメンバーも誘うんだろ?私は早めにいって良い席をとっておくからみんなで後からくると良い」
「ありがとう、それじゃボクみんなを呼んでくるね!」
さて、それではタンクから『チーターローション』を排出、準備完了。それでは食堂に向けて全速でいくとしよう。もちろん周りに迷惑を掛けてはいけないのでぶつかったり、無駄に風を起こさないように足運びには気を付けている。
液体系の道具を体内に保管していつでも排出出来る様にしたのは中々悪くないかも知れない。『どこでもじゃぐち』などの液体輸送の道具を活用して組み込んだが今のところは問題なさそうだ。液漏れもしなければ不要なタイミングで作動するなどもない。複数種類を使っても混ざったりしている感じも無いので成功で良いだろう。
「ふぅ、席の確保は出来たが、遅いですね。っとアレはドラリーニョ……?」
「あっ、ハイドラ!!」
「一応訊きますが何をしてるんですか?」
「アレ?ボク何しに来たんだっけ?」
「それを思い出してください」
「あっそうだ!!王ドラとエル・マタドーラの喧嘩が長引いて遅れるって聞いて伝えに来たんだった」
「連絡ありがとうございます。しかし、私達には通信系の道具もありますからそれを使ってください。いつもの事ですから話を聞いて一人で納得してここまで走って来たんでしょう?」
「その通りであ~る」
気づいていたが後ろを振り返ると魔法のじゅうたんに乗っかっているが急いで追っかけたからか少し疲れた様子でドラリーニョのことを見ているドラメッド三世の姿があった。
「あっ、ドラメッド!」
「あっ、ドラメッドではないであ~る!!ワガハイたちが待つように伝えるより先に走り出しおって、どうせ伝達事項も一度忘れておったのあろう。まったく少しは落ち着いて行動するであ~る!!」
「ごめんごめん」
「それでドラメッド、みんなはどうしたの?」
「そうであった。それが二人を止めようとしたキッドが攻撃を受けて怒りに任せて『空気砲』を撃って喧嘩に混ざり始めたのであ~る。『ひらりマント』で弾いた攻撃が照明を壊して降って来た照明がぶつかってドラえもんは気絶、ノラミャーコが保健室に連れて行ってるところであ~る。ジャイベエとスネキチはノラミャーコに言われてドラえもんを運ぶのを手伝っておる」
「はぁ、彼らもこりませんね。また先生に呼び出されるでしょうね。今度はなんのバツが与えられるか、掃除か用具の整備かどっちにしろまた放課後は遊べそうにないですね」
どうにもこのメンバーは血の気が多いというか我が強いというか、一日一回は何かしらの言い争いが発生し、三日に一回くらいのペースで問題に発展する。巻き込まれないように気を付けるのも結構大変なので流石に庇う気にもなれません。
「ところで名前が出てきませんでしたがドラニコフはどうしました?」
「ああ、落ちて来た照明が丸くて野獣に変身しおった。落ち着いたらこっちに来るはずじゃからそろそろ……」
「ガオ、ガオ!」
「あっ、丁度来たようであるな」
「ガオ、ガオ!!」
「ああ、壊れた照明とかを直していて遅れたんだね」
「それはご苦労様ですね。それでは今日は少ないですが4人で食事としましょう。食べ終わったらドラえもん用に取り分けてお見舞いもかねて差し入れでもしましょうか。あと付き添いの3人にも、騒いでいた3人は放っておきましょう。食事を抜くくらいのバツが無いと反省もしないでしょう」
「まぁ、更に騒ぐであろうが良い薬であ~る」
「それではみんな手を合わせて」
「「「いただきます!」」」
「ガオ、ガオ!」
学校の設備を壊し、他の生徒に迷惑をかけたという事でキッド、王ドラ、エル・マタドーラの三人は奉仕活動という事で花壇や鉢植えなどの世話が言い渡されていた。
「まったくお前らの所為でひどいとばっちりだぜ」
「何を言ってるんですかキッド。貴方が『空気砲』なんて撃たなければこんなことにならなかったんですよ」
「そうだぜ。まったくシエスタの時間が丸つぶれだ!」
「何言ってんだ。初めに喧嘩してたのはお前らじゃねーか。止めようとして逆切れして殴られた正当な仕返しだ。なのに王ドラが喰らったのに一人だけ喰らいたくないってひらりマントを使ったエル・マタドーラが悪いだろ!!」
「なにぃ!!」
「なんですか!!」
「なんだよ!!」
「コホン、お前たちまったく反省をしていない様だな」
「「「あっ!?」」」
言い争いに熱中してしまい近くまで来ていた先生に気付かず、作業を放り出してまた喧嘩をしている所を見られてしまった。
「反省している様ならもう終わりにしてやろうと思っていたが、そうもいかないようだな」
「ちょっ、先生そりゃないぜ」
「言い出したのはキッドです」
「俺は手はちゃんと動かしてたぜ。ほらっ」
「喧嘩をして迷惑をかけたのが問題なのに、未だに喧嘩を続けている者を見逃せるか!!おまえ達、この階だけでなく、この建物内全部の植物の世話をするんだな」
「「「そんな~」」」
流石に見かねたのでドラえもんたちにしっかり謝り仲直りするのを条件に他のみんなも手伝ってどうにか植物の世話は終わらせることが出来た。途中で植物たちが自分で世話をすれば良いんじゃないかと『植物自動化液』を持ちだそうとしたアホが居たりもしたが、今日も最後は問題なく終わる事が出来た。毎日騒がしいが、やはり楽しい世界である。
登場した道具
『色々カラーパレットと筆』
何でも好きな色に塗り替えることができる道具。赤、青、黄、緑、黒、白の6色のなかから、パレットで好きな色を混ぜ合わせて他の色を作ることができる。色を着けた筆を、異なる色に変えたいものに向けて筆を走らせると、その色に塗り替えることができる。白色を塗ると、その対象物は目に見えなくなる。使い過ぎると、あらゆる物が真っ黒になって意思を持つようにうごめきながら襲ってくることがあるが、水で洗い流すことができる。
『痛みはね返りミラー』
この鏡を持った人を殴ると、2倍の痛みが殴った人に跳ね返る。
『チーターローション』
これを足に塗れば、目にも留まらぬ速さで走ることができる。
『どこでもじゃぐち』
この蛇口を好きな所に付けると、いつでもどこでも、自由に飲み物が飲める。これを頭に取り付けると、水道の水をまるで鼻水のように鼻から出すこともできる。
『植物自動化液』
この液を植物にかけると、足が生え、知能を持ち、自由に動けるようになる。