ドラえもんではなくそのすぐ後ろでした   作:ひよっこ召喚士

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なんか書けたので投稿しちゃいます。


はちゃめちゃボランティアで大忙し?!  後編

 

 施設の付近にはバリアが張られており、この台風の中でも外の影響がなく安全になっている。こちらには異常がパッと見で見られないので、周囲を確認しつつナキチさんを下ろす。

 

「ようやく一息つけます……ハァ、怪我はしてないし、途中から背負われてただけなのにどっと疲れた気がします……」

 

「悠長にしてる暇はないですよ。セキュリティカードを早く出してください」

 

「分かってますよ……」

 

 道中で無くしてしまわないように厳重に結びつけたカードを扉についている認証装置にかざすと、第一認証が解除され、その後に続いて職員の声紋等の登録されている情報が判別され、扉はようやく開いた。

 

「にしても本人認証だけで十分なんじゃねぇの?」

 

「私達も持ってるひみつ道具対策ですよ。『モンタージュバケツ』や『声のキャンデー』なんかもあるから少し調べられれば意味がないですからね」

 

「職員も自衛を命じられてます。ですが犯罪者の手口も多様化して、年々厳しくなってるんです。ちなみに常に職員がいる施設でもないので許可証もその都度発行されているんです」

 

 そんな事を駄弁りながらも無事に開いた扉をくぐり抜けて施設の内部に入り込む。操作を受け付けない施設がどれほどのものか把握出来ていないので警戒は続けている。

 

「『危ないしゃがみなさい!!』ッ!?何が……」

 

 『ミチビキエンゼル』の指示に無理やり身体を動かし、従うと先程まで自身の頭があった位置にピュンと音を立て光線が通り抜け、後ろの壁をジュッと焼いた。その発生源らしき球形の機械が通路の先に幾つもふわふわと浮いていた。

 

「警備システムまで誤作動しているんですか?!あれは指名手配犯やテロリスト対策のガードロボです!!」

 

「つまりどういう事だよ!!」

 

「危険な武装がいくつか積まれています!!人間も半殺しレベルは堅いとか……」

 

「ロボットなら問答無用で処分ですか……」

 

 視線をもう一度向けると依然としてその数を増やしてこちらの方をカメラが捉えている様だ。残念な事に挨拶をして仲良くなれるような相手ではないみたいだ。3人で顔を見合わせると、そおっと後ろに向き直る。

 

「「「逃げるぞ!!」」」

 

 合わせるでもなく正面突破は難しいと揃って駆け出す。後ろから容赦なく飛んでくる光線は大半をはね返し、確実に機械を壊しているがまだまだ増援は止まらない。いくつも通路を曲がっていると1つの小部屋を見つける。

 

「ナキチさん!!」

 

「部屋のロックはカードだけで可能だ!!先に持っていけ!!」

 

 そう言って投げ渡されたカードを受け取るとエル・マタドーラにナキチさんの守りを任せ、通路を一気に駆け抜けると扉のすぐ横にカードを叩きつけるように翳す。

 

「認証出来ました!!ナキチさん!!エル・マタドーラも!!」

 

「ヒラリ!ヒラリ!うおぉおおおお!!セーフ!!」

 

 殿を引き受けてくれていたエル・マタドーラが部屋に入るとすぐさまロックをかけて周囲を確認し、ガードロボットがいないのが分かるとその場にへたり込んだ。

 

「あ、あんなのを政府は各所に置いてんのか?!」

 

「ハァ、ハァ…テロ対策って言っただろう……今回みたいな嵐でも作られればヤバいから警備や防衛はそれなりに厚いんだよ……」

 

「…………ナキチさん、いくつか聞きたい事があるんですけど良いですか?」

 

「……唐突になんだ?」

 

「いえ、少し休んでからにしましょう。焦り過ぎと疲れからか口調が崩れてますよ?」

 

 丁寧な喋り方から一変してしまっている。この喋り方の方が素なんでしょうが、それだけ余裕が無かったって事ですね。とりあえず、荷物から水筒と携帯食を取り出して全員に配る。我々も電子頭脳を酷使してますから補給をしておきましょう。ナキチさんも黙ってそれを受け取るとそのまま口に放り込んでいた。

 

「ングング…ぷはぁ……政府職員として口調はキチンとしたもので無いといけないんですよ。さっきのは忘れてください。それで質問というのは?」

 

「メインシステムと警備システムって連携してるんですかこの施設?」

 

「どうでしたかねぇ……正直全ての施設について知らされてる訳ではありませんが、制御の関係上無関係ではないかと……」

 

 メインシステムの異常がそのまま警備システムにまで回った?仮に回ったとしても通常の防備ではない警備ロボットが現れるものなのでしょうか?

 

「いえ……どっちにしろ気は引き締めるべきですね。所でロボ達は室内には侵入しないのですか?」

 

「機器やデータ等が置かれてる場所でレーザーを撃たれる訳にはいきませんからね。緊急通報がなされてからでないと侵入許可が伝達されないんです」

 

 そう言ってナキチさんは部屋を見渡して何かを探すと、あったあったと何かを見つけ、見てくださいと私達を呼んだ。彼が手をかざすと壁の近くにホログラムで何かが表示された。

 

「これが通報システムですね。今はオープンにして見せてますけど本来は見えないようになっててこっそりと通報出来るんですよ」

 

「そんなとこにあったなんて全く分からなかったぜ」

 

「登録者だけに見えるようになる仕組み、もしくはその逆ですか」

 

 おそらく他の場所にも置かれているだろうが流石に教えてはくれないだろう。仕組みなども気になるが流石に解明している時間はない。

 

「通報システムが作動する条件は職員が起動する以外にありますか?」

 

「室内の損傷度合い、施設によりますが他の部屋からの一定数の申請、後は室内で死者が出た際ですね」

 

 となると壁に穴を開けるなどは出来そうに無いでしょう。これなら『通り抜けフープ』を持ってくるべきでしたかね。いや、あれもバリア内では使えませんか。

 

 とりあえず部屋の中まではガードロボットが入り込めないのであれば部屋を転々としながら進むことも出来るでしょうが……正直その作戦は厳しいですね。

 

「この施設の部屋の数はどうなって居ますか?」

 

「えぇっと言えない場所もあります。今私達が居る様な小部屋も少しあります。ここは紙媒体の資料室ですかね。小部屋は全部で三個、主要な部屋はメイン、データ、ジェネレーター、ジャンプ、ストレージ、レスト、そしてウェザー」

 

 詳しく聞くと、メインが施設全体の管理がされており、異常の確認や各部屋の制御を試すために目指している場所だ。ガードロボットの停止も壊れていなければ可能らしいが、施設の二階の奥の方らしく、まだまだ遠い。

 

 データは情報を蓄積している場所で問題解決が出来たら原因究明に利用するだろう。逆に問題が解決出来なければ来ることになるかもしれない場所でもある。施設の入退出や防犯カメラの映像等もここで確認出来るそうだ。こちらも二階でメインからそう遠くない位置だと言う。

 

 ジェネレーターは発電とエネルギーの貯蓄だが今のところは用はない。施設は問題なく稼働しているからな。ガードロボに回されてるエネルギー供給を止めれるかとも思ったが供給を止めても一日は保つそうなので意味はない。これは地下に置かれている。

 

 ジャンプは本来ここに直接来るために使われる部屋だが人を呼べる様に出来るか分からないので後回しだ。呼べたとしてもこの状況では犠牲者が出かねないから役には立ちそうにない。荷物の搬入等の事情から一階のエレベーター付近にあるそうだ。

 

 ストレージはまんま倉庫であり、通路にいるガードロボットもそこに居たらしい。他にも整備などに使える道具やスペアのパーツ等もあるらしい。修理が必要になった際はここも必要になる場所だ。こちらは地下にあり、一番大きな部屋になっている。

 

 レストは作業員が長時間居座る際の休憩室らしく、ソファやベッド、ドリンクサーバー等が置かれているらしいが休んでる場合では無い。こちらは一階と二階にそれぞれ置かれているらしく、一階のはここからそう遠くないそうだ。

 

 ウェザーは気象を生み出す機構が備えられている場所であり、メインからの操作も受け付けない場合に向かう場所だ。さらに言うのであればこの施設の屋上部分が丸々がウェザーだ。

 

 今いる部屋も入れた小部屋の内訳は一階に二個、二階に一個らしく、ウェザーがあるだけの屋上を除き、二階に部屋が四個、一階に部屋が四個、地下に二個となる。

 

「ガードロボの入室に必要な申請数は?」

 

「既に稼働している状況なら5で可能です」

 

「それを利用してガードロボを誘導することは出来ませんか?」

 

「……可能かもしれません。ジェネレーターは無理ですが地下のストレージに集めれば多少は動きやすくなるかと……」

 

 階段への道も塞がれている状態であるが一階だけでは申請が足りない。そもそも一階の通路だけでもけっこう命懸けだというのに……

 

「私たちだけでも通報は出来ますか?」

 

「室内のコントロールパネルが誰の目にも見える通報装置になってます。そこにカードをかざせば操作可能です」

 

 カードが必要なら一箇所ずつでないといけませんね……面倒ですがナキチさんに待ってて貰い、私が部屋を回るのが一番でしょう。

 

 引きつけるだけならここから遠い部屋で暴れれば良いですが、流石に許可のない破壊活動は問題がありすぎますからね。ガードロボットは正当防衛でいけますが部屋を荒らすのは流石にアウトでしょう。

 

 稼働しているならエレベーターで地下に向かえば階段や通路のガードロボットを避けてストレージかジェネレーターに辿り着ける。

 

 最後にこの部屋で申請をすれば良いのだから順番は考えなくて良いでしょうか?いや、他の部屋に向かう通路を通りやすくするために先にエレベーターで地下に向かい、その後で一階の部屋を素早く回るとしましょう。追尾してくるということは自力でも多少は引き付けられる筈ですからね。

 

「すみませんが『イナズマソックス』を貰っても良いですか?少しでも速いほうが振り切り易いので」

 

「俺も行くか?」

 

「いえ、一人で一気に回るほうが効率的です。それに万が一の場合を考えてナキチさんの守りをお願いします」

 

 そう言うとナキチさんに貸していた『イナズマソックス』を自身の足に装着し、少し室内で動いて具合を確かめる。そして問題が無いのを確認すると借りたカードを手にして部屋の外へと飛び出した。

 


 

 部屋の外に一歩踏み出すとその時点で私の居る位置めがけてレーザーが飛んでくる。それを走って回避しますが通路がそこまで広くないのに加えて数が如何せん多い。

 

 『ミチビキエンゼル』は外すべきだったか?と一瞬頭に過るが余計な事は後に回して思考を対処の方に向ける。

 

 幸いと言ってはなんだがこれまで通ってきた通路にはエル・マタドーラの『ひらりマント』ではね返したレーザーによって壊れた残骸が転がっている。

 

 通路を押し通りながら『ナゲー投げ縄』でその残骸を拾い上げると『技術手袋』を用いてレーザーの発射機構だけを使える様にするとそのまま手袋をはめた手で握り込んでガードロボットに撃ち放つ。

 

 空気砲も使い方によっては危険であることに変わりはないですがレーザーの方が空気砲より威力がある事にもかわりはない。空気砲と違って反動が少ないのは良し悪しがありますがね。反動で避けるなんて事は出来ないので使い分けには頭を使う必要性があります。

 

 レーザーでロボットを壊しながら順調に進んでいくと利用する予定のエレベーターが見えた。すかさず『ナゲー投げ縄』を伸ばして扉を開けると付近にいるガードロボットを退かす為にドカン!!と空気砲を放ち、風で動きを阻害させ、滑り込むように入り込むと直ぐにドアを閉めた。

 

 部屋の扉の開閉や通報機能がいきているのでエレベーターも動いているだろうと安易な予測で動いていたが無事に乗り込むことが出来て良かった。

 

 このまま地下に向かう訳だがジェネレーターは整備の時くらいしか用がないので少し遠くにあるとの事だが、必要な申請数は5 で、一階の部屋の数は4、そしてもう1つは集める予定のストレージで申請は出来ないのでジェネレーターに行く必要がある。

 

 まぁ、ストレージが広く、いくつか出入り口があるそうなのでずっと戦い続けるのは必要はないのだ。落ち着いて行こうと深呼吸を行うとエレベーターの扉が開いたと同時に飛んでくるレーザーを姿勢を低くして避けるとそのまま通路に飛び出した。

 

 そのまま向かいの部屋がストレージだが流石にガードロボットが多く、カードをかざしている余裕がない。少しまき、違う入り口から入る事に決めるとそのまま通路を走り出す。

 

 ガードロボット同士は互い認識しているようで同士討ちをそのまま狙う事は出来ないが塊になっている所に空気砲を打ち込むと狙いがズレてけっこう巻き込んでくれる。

 

 進行方向はレーザーで対処、後ろは空気砲で片付け、距離を少し離すことに成功する。落ち着いてる暇はないがストレージの出入り口にカードをかざす時間は稼げた。認証を済ませるとストレージに入り、扉を閉めて一息つく。

 

 観光に来ている訳でもないので中をキョロキョロと見渡す事はせず、ジェネレーターの方向を確認してあるき出そうとしたその時、何かを踏んづけたのを感じ、ガードロボットの残骸か?とふと視線を足元に向けるがそれはガードロボットの部品とは明らかに毛色が違っていた。

 

 不思議に思い、当たりを見渡すと施設を飛び交っているガードロボットとはまた違う、通常時の警備を担当しているであろうロボットや荷物を運ぶのを補助する機械系のロボットが軒並み破壊されていた。

 

「これは?!…ロボットの暴走による被害ではなさそうですね……ガードロボットも識別機能はいきていましたしね……だとするとこれは一体…?」

 

 これが誰かの手によって行われたのだとすると、一連の事件も全て、その何者かの企みということになる。畑を狙った犯行という線は正直薄い。考えるとすれば街へのテロ行為、止められない様にガードロボットを引き出して暴走までさせたのであれば相当な計画犯です。

 

「……合図を出さなくては……それに施設内にまだその犯人がいる可能性もあります。急いで合流しましょう」

 

 


 

 

 ストレージ内を走り、通路を走り、ジェネレーターで申請を済ませると行きと同じ手順でエレベーターに乗り、一階の各部屋を回って二人の待っている資料室まで戻りました。そして、ストレージの状況からこれがただの不具合ではなく大規模テロの可能性があることを伝えました。

 

「マズイですね……悪い言い方をしますがテロによって被害が出れば()()()()()()()()()()()問題視されます。もちろん施設不備なんかよりも重く扱われるでしょうね。なんとしてでも嵐を止め、この情報を伝えなくては……」

 

 逆に解決できればテロに屈することなく対応したと言える訳ですからね。天気局職員としての立場もあるんでしょうが、政治的な話はどうにも……いえ、これ以上はやめておきましょう。

 

「これが人為的なものだとすると犯人はどう動いてると思いますか?単独犯なのか複数犯なのか、それとももっと大掛かりな組織だったものなのか、前提によって変わると思いますが予想できる限りで良いので」

 

「……操作がきかないのはメインを抑えられてるか、ウェザーを直接操作してるかの二択です。移動を封じられてる事からもおそらくメインに一人は居るはずですが、それ以上は分かりませんし、メインに道具を置いてウェザーで遠隔操作している可能性もなくはないですから……」

 

 便利な道具に溢れた世の中というのも考えものだな。仮定の話をすれば何処までも際限がない。私達の目標から行動指針を決めていった方が良いだろう。

 

「第一目標は嵐を止めること、第二目標がこの施設で起こってる事を知らせる事で良いですか?これはもちろん命は守ること前提です」

 

「犯人と戦わねぇのか?」

 

「仮に全滅でもすれば何も分からず迷宮入りです。無理はしない方が良いです」

 

 人間であるナキチさんを殺される訳にはいきませんし、ドラえもんズの一員であるエル・マタドーラが死ぬ様な事もあってはいけません。こればかりは譲るわけにはいきません。

 

「第一目標はウェザーに向かうのが一番です。第二も合図を送るだけなら屋上に出る訳ですから出来るでしょう。揃ってウェザーに向かうで大丈夫ですか?」

 

「……はい、タイムパトロールが動けば正規のバリアは問題ないでしょうからね」

 

 超空間を封じるバリアは手順を踏めば解除することも可能である。張ることが出来れば剥がすことが出来るのは自然なことである。

 

 タイムパトロールは正規手段で張られたバリアは問題なく突破できる。逆に非正規の方法で作られたバリアも見つけさえ出来れば時間はかかるがなんとか出来るだろう。だからこそ時間犯罪者は封じるよりも見つからない事を前提に動くのだ。

 

 行動指針が決まれば直ぐに動く準備を開始する。ナキチさんに『いなずまソックス』をまた貸し出し、この部屋でストレージに向けてガードロボットの立ち入り許可の申請を送る。

 

 扉に耳をくっつけ、外の様子を伺う。少しして明らかにガードロボットの気配が減ったのを確認すると全員で一気に飛び出し、階段を目指した。

 

 ガードロボットが明らかに減っている為、無理に応戦することもなく、階段まで辿り着く事が出来た。そのまま上へ上へと登っていき、ウェザーがある屋上にたどり着いた。

 

「先に合図を送らなければ……エル・マタドーラ、これを思い切り上に投げてください」

 

「これは……花火か?」

 

「『安全花火』の一種で打ち上げ型の物です。バリアの外まで飛ばせばそこからさらに上に上がり向こうに報せてくれます」

 

「よっしゃ、オレ様に任せとけ…オラッ!!」

 

 エル・マタドーラが全力で投げた『安全花火』は直ぐにバリアを突き抜け、それでも止まることなく上に上がり、花火自体の推進力も相まってかなり上まで飛んでいった。

 

「これで伝わったはずです。私達はウェザーに乗り込みましょう」

 

 


 

 

 

「ガウ!!ワォーーーン!!」

 

 少しでも被害を減らすために休まずに作業を続けている面々の中でも、走り回る為に狼化していたドラニコフが一番にそれに気付き、遠吠えでみんなに報せる。

 

「ムッ!あれは……ドラメッド!!」

「わがはいも確認したであ〜る!!あの色は事件性ありの合図、直ぐに通報するであ〜る!!」

 

 


 

 

 いよいよウェザーに入る訳だが、今回の事件の犯人がこの中に居る可能性がある。私達が先に入り安全を確認していくのが一番だろう。

 

 扉をナキチさんに開けて貰うとそのまま二人で入ります。奥に見える気象操作用であろう機械等も特に変な様子はなく、物音一つしない部屋の中を進んでいく。

 

『キケンデス!!』

 

「なっ!?うぐぅ……」

 

「ハイドラ!!??誰だ!!何処にいる!!」

 

「エル・マタドーラ、落ち着いてください。私は大丈夫です」

 

 何もない部屋に事件を起こした犯人は別の場所か、既に逃亡した後かと思って油断しました。『ミチビキエンゼル』が無理に腕を動かしてくれたお陰で直撃を避けることが出来ましたが飛んできた攻撃で『ミチビキエンゼル』は壊れ、『ミチビキエンゼル』をつけていた腕も破損しました。

 

 壊れた腕からオイルが漏れ出ていますが、内部に組み込んである『復原光線』を起動させる事で映像を巻き戻すかのように再生させ、応急手当てとします。本当は精密検査をするベき状態ですが今すぐに動けないと意味がありません。

 

「そこに居るのは分かっています。出てきなさい!!」

 

 ガードロボットから作ったレーザー銃を向けながらそう言い放つとゆっくりと攻撃を放った犯人が姿を見せます。

 

「小手調べの挨拶だったがこうも効かないとは……してやられた気分だよ」

 

「人間か……まずいな……」

 

 犯罪者相手とはいえロボットが人間に攻撃するのは中々に難しく、力加減を間違えれば殺してしまう可能性すらあるロボットの行動はかなり制限される。レーザーも構えてはいるが撃つ事は出来ないだろう。

 

「既に外へ連絡しています。大人しく投降する事を提案します」

 

「それは出来ない…が君たちがここに来た時点で今回の計画は遂行された。ここらでお暇させて貰うよ」

 

 そう言うと彼は開けない筈の超空間を背後に出現させた。時間移動で逃げる気だと急いで詰め寄ろうとするが流石に距離がある。

 

「あぁ、そうだ。私はDr.ブレンド、君とはまた会うかもしれないね。その時はよろしく()()()()()()?」

 

「待て!!」

 

 腕を伸ばし、『ナゲー投げ縄』を飛ばすも一歩及ばす、相手はそのまま超空間の中へと消えていった。職員の移動用の出入り口を自分の脱出用に使っていたのだろう。探れば逃亡先が分かるか?とも考えたが道具は取り出せないし、後はタイムパトロールに任せるしかないな。

 

 その後はウェザーのシステムにアクセスしたナキチさんが嵐を制御して消し去ることに成功した。そのままメインにも向かい、ガードロボットを緊急性停止させ、職員が来れないようにされていた細工を解除し、事件は終わった。

 

 


 

 

「おう!!お前ら、お疲れだなぁ」

「事情聴取は終わったのかい?」

 

「えぇ、武雄さんやナキチさんが口利きしてくれたお陰で思ってたよりすんなりと」

 

 有名企業であるジャイアンズの関係者である武雄さんはやはりそれなりに顔が利く様で変に追及されることがなくて良かった。

 

 学校に戻ったらまた報告とかは別でしないといけないだろうがそこいらへんは仕方がない。

 

「なに、お陰で被害はかなり抑えられた。少し大変だがこれならまだ取り戻せるからね」

 

 畑は土の方にダメージはあるが、作物達はどうにか死なずに済んだようで、急いで整えればこのまま続けられるそうだ。

 

「お礼にと爺さんから作物を預かってるで、帰りに持ってけ」

「ただのボランティアの予定だったのに大忙しだったからね。うちからも君たち宛に何か贈るから楽しみにしとくと良いよ」

 

「そんな私たちに出来る事をしただけなので」

「悪いであ〜る」

 

「そう言わずに受け取ってくれ」

 

 御礼の品をを押し付けられるというのは中々に珍しい状況だが、断り続けるのも失礼に当たるので作物を受け取り、後で届くという品を楽しみにして帰ることになった。そうして私達の短いようで長い、はちゃめちゃなボランティアは終わりを迎えたのだった。

 

 


 

「使用した道具等の確認も取れた。君たちの証言から犯人を捕まえて見せるよ。協力ありがとう」

 

「いえ、それでは失礼します」

 

 ボランティア先で巻き込まれたという学生さん達から得た情報を纏め報告書を作る。これからさらに忙しくなるだろう。

 

「先輩、ようやく手がかりが掴めましたね」

 

「あぁ……しかし、どうにも不思議だ」

 

「えっと、何がでしょうか?」

 

 こいつは真っ直ぐで期待できる後輩だがどうにも純粋過ぎるのが玉にキズだな。俺は連続時間破壊テロに関するデータを表示しながら説明する。

 

「始まりは22世紀後期、この時代よりも先の時代で行われ、民間への被害は()()()()()()()()()。その時点で異例の事態だ」

 

「公安部が動いているって事ですよね?」

 

 何らかの問題が発生して歴史を改変しなくてはいけない事態が起きたということだ。22世紀で解決出来るのか確証が得れず、過去干渉以上に厳しい未来干渉が試まれるのではないかと噂が上がるほどだ。

 

「だが奴は確かに犯行を行い、タイムパトロールの追跡を確認すると直ぐに姿を消している。そのまま21世紀、20世紀、19世紀と多くの時代で事件を起こし、これまで手がかり一つ残してこなかった。そんな奴が姿を見せるだけでなく、偽名とはいえ名乗りを上げたんだ……」

 

 遊びのように犯行を行う愉快犯ならば気まぐれという線も考えられるが、一貫性のある犯行から何らかの意志に基づいた思想犯であると推測されている。そんな奴が無関係な学生に名を伝えるだろうか?俺の考え過ぎならば良いのだが、もしかしたら彼が何らかのキーになるのかもしれない。

 

「トーキョーマツシバロボット工場製、型番号R-01 FR001-MKII、子守用猫型ロボット、個体番号MS-904、個体名、ハイドラ……念のため目をつけておくべきだろう」

 

 

 


 

 

『モンタージュバケツ』

 

色々な人相を合成して、別人を作り上げてしまうバケツ。

 

 

『声のキャンデー』

 

声を録音すると飴玉になる。その飴玉を食べると、録音した人と同じ声になる。効き目は30分。

 

 

『ミチビキエンゼル』

 

手にはめて相談すると、一番良い答えを出してくれる。自分からは取れず、他人に取ってもらう以外、外す方法が無い。

 

 

『通り抜けフープ』

 

通り抜けたい所に当てると、どんな扉や壁でもフープをくぐって反対側へ抜けられる。次元を操作すると、通り抜けられなくしたり、全く違う所へ通じさせる事も出来る。壁に当てると自動的にスイッチが入り、空間原子分解装置が動き出し、そこから電波が出る。空間原子分解装置同士が電波で共鳴し合い、通り抜けられる物の原子を揺らして穴を開ける。ドラえもんが普段使っているのは1人が潜って通れる位の大きさだが、映画「ザ☆ドラえもんズ・怪盗ドラパン謎の挑戦状!」では、「通り抜けフープLLサイズ」というドラえもんズとドラパンの8体が余裕で同時に通れる大きさの物が登場している。

 

 

『いなずまソックス』

 

『けんかマシンセット』のひとつ。目にも留まらぬフットワークが身に付く。

 

 

『ひらりマント』

 

目の前に迫ってくる物に対してこのマントを振りかざすと、跳ね返す事が出来る。跳ね返せるのは物体だけでなく、光線などの不定形なものにも効果がある。電磁波の反発を利用している。ドラえもんズのエル・マタドーラはこの道具を使うのが得意。また、怪盗ドラパンの普段付けている黒いマントもひらりマント。

 

 

『ナゲー投げ縄』

 

この縄に命令すると、どこまでも縄が伸びて何でも取り寄せる事ができる。

 

 

『技術手袋』

 

指先が色々な工具になっていて、どんな工作でもできる。

 

 

『安全花火』

 

水につけると反応して光を出す。水性火薬の発明で実現した燃えない花火。

 

 

『復原光線』

 

壊れた物にこの光線を当てると元通りになる。「復元光線」が正しいと思われるが、現在の単行本では「復原光線」とされている。

 

 

 




なんか、書き進められたので投稿しちゃいました。次の話はネタのストックはあるけど進捗はほぼ0です(断言)

私は話したがりなので説明しだすと何から何まで話してしまいそうになるので後書きではあまり語りませんが、Dr.ブレンドは今後も出てきますとだけ。

それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。

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