「ごじょーくん、おはー♡」
「……あ、喜多川さん、おはようございます」
朝、席に着くなり喜多川さんが近くに来て挨拶をしてきた。
「何か眠そーだね?何かあったの?」
「いえ、またちょっと面相描きをやっていたらなかなかキリがつかなくて」
「あー、まれによくあるよね。やめどきが分からないってやつ?フラワープリンセス烈の時にあったあった~」
「確かにシオンたんがブラックリリィになった時は時間を忘れて見入りましたね」
「そうそう!あの時のネオンおねーたま、まじクールすぎてつら~♡」
朝一からアニメやゲームの話をするのは今までの自分では考えられなかった。だが実際に見てみると実によく考えられており回を増すごとにストーリーに引き込まれていった。
「あ、そーだ!ごじょーくん、また考えてるのがあってさ~。ちょっち放課後時間ある?」
「はい、大丈夫ですよ」
そういう喜多川さんは楽しみでたまらないといった表情を見せる。
やはりコスプレの事だろうか?不思議とそんな予感がした。
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「ここここ~、ちょっと見つけづらいんだよね~」
そう言って喜多川さんが扉を開け続けて店に入っていく。
「わぁ……」
自然とそんな声が出た。
「でしょ!ヤバくないめちゃめちゃオシャレでしょこの店!!」
普段よりもより一層テンションが高く見える喜多川さんとやってきたのは少し古風な、アンティークな喫茶店というのだろうか。あまり自分は専門的な事は分からないが……というよりも喫茶店にほとんど入ったことが無い。
だがそんな自分でもすぐにわかった、この店の雰囲気はとてもいい。
「すごくいい雰囲気ですね。このお店」
「うんうん!調べたら割と近くにあってさーんでこの前乃羽と一緒に来たんだけどめっちゃそわそわしてたんですけど笑」
乃羽さんとはよく喜多川さんと一緒にいる人だ。菅谷乃羽さん。よく目立つ赤色のツインテール?をしておりカラオケが好きらしい。
「そうなんですか?こういったおしゃれで落ち着く店は特に女性が好むかと思っていましたが」
「人それぞれじゃない?乃羽は次からいつものスタバにしよ~って言ってたし。あたしは全然こういうのも好きだけど~」
なるほど自分の勝手な思い込みだった。確かにここは少し静かすぎるし、苦手と思う人もいるだろう。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
そこに店員さんが注文を取りに来た。……随分個性的な服だ。メイド服というものだろうが実物は初めて見た。
「あっ!ごじょーくん何にしよっ!?この前来た時はパンケーキセットにしたけどマジ美味だった♡」
メニューを開くと思った以上にコーヒー、紅茶、ケーキ、軽食等種類が豊富だった。
「そうですね……あまり甘すぎないものがいいんですが」
「でしたらこちらの和菓子セットがおすすめですよ」
悩んでいると店員さんが気を利かせてくれてくれた。和菓子ならあまり甘すぎないしいいかもしれない。
「あ、いいですね。じゃあこれで、飲み物は……おすすめのダージリンで」
「私はどーしよっかなー、えちょっと待ってこのパンケーキ数量限定のやつあるじゃん!これにしよっ!」
まだありますかと確認しながら注文する喜多川さんは実に嬉しそうだった。……スモークサーモンとクリームチーズのパンケーキかまぁまぁボリュームが……。
「……ごじょーくん、学校終わってからすぐによく食べるなとか思ってない?」
読まれていた。
「っんらぁいですよっ!」
「うそ下手か!噛みすぎ!」
何だろう、以前にもまして喜多川さんに考えが読まれている気がする。
「んんっ!まーそれはともかく?ごじょーくん、ここの制服めっちゃ可愛くない?」
少し顔を赤らめた喜多川さんが惚れ惚れとしたように言う。
確かにそれは思った。メイド服らしくというのか派手ではあるが店の雰囲気とうまく調和しておりとても自然だ。
「そうですね、以前にも作った――」
「お待たせしまs」
「
「っした……! した!?」
「あ、ありがとーございます!そうそう、太ももにメニュー書くときめちゃくすぐったかった~♡」
「……ごゆっくり」
何事も無いようにサービスをした彼女はプロ精神に実にあふれていた。だが最近の高校生ってと呟く彼女を常連は何事か心配したそうだ。
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「お茶もお菓子も美味しいですね。ここ」
「次はパンケーキとかも食べてみ~?スモークサーモンとクリームチーズの相性ヤバ♡」
こんな喫茶店だったらまた来たいなぁと思わせる喫茶店だ。……うん?
「あれ、そういえば喜多川さん。ここに来るのって何かきっかけがあったんですか?」
「あ゛っ!」
いかにも忘れていましたという声を上げ、喜多川さんが立ち上がる。
「そう、したいコスプレがあったんだけど、調べてたらちょーどそんなイメージの喫茶店があってー」
なるほど、そういうことか、恐らく喫茶店が舞台のアニメかゲームなのだろう。
「も~まじで可愛いの♡ パルフェ 〜ショコラ second brew〜の
「カトレア?」
めちゃくちゃ怒られた。
パルフェの花鳥玲愛は今も昔もぐう好き