出来ればアニメ9~10話くらいまでからのほうが分かる事が多くておもしろいかもしれません。
---五条side---
「ふぅ、こんな感じかな」
自分……五条新菜はちょうど作業に切りが付いたので休憩をしようと寝っ転がる。
先日喜多川さんと一緒に喫茶店に行き次のコスについての話題になった。作品のタイトルはパルフェ ~ショコラ second brew~……のリメイク版らしい。
シリーズの2作目にあたるが1作目をやっていなくても分かるとの事で、今回は1作目をやらずにやっている。元々かなり古い作品という事もあり手に入れる事が難しい。だが2作目は人気が高い事もあってか最近の絵柄にリメイクされ販売されている。
コアなファンなら1作目からやる人もいるかもしれないがきょうび古い作品がリメイクされるというのも珍しくないらしい。
1作目がリメイクされないというのならばメーカーもそれで受け入れられると考えているのだろう。
ストーリーだがこのゲームは過去喫茶店で働いていた主人公が、また何かの縁で昔の店を復活させる機会を得た。そうして復活させた店とライバル店のチーフ『花鳥玲愛』らと出会い物語は進んでいくというわけだ。
このキャラクターの特徴といえば何といっても『ツンデレ』らしい。こういったことに疎い自分でも聞いた覚えがある。普段ツンツンと冷たい態度のキャラクターが時折見せる優しさ、つまりデレを見せることらしいが。
「……分からないっ!」
五条新菜は悩んでいた。
「普段優しくない人が急に優しくなる?えぇ……なんだそれ、怖くないか?」
友人の数が少し前まで0人だった五条新菜はごくごく普通の考えに至れない。
メリットデメリットがあるのならそれは分かりやすい。だがこういった感情の機微の部分はまだ難しかった。
「少し頭を冷やそう」
寝っ転がっていても頭を使っていては休まらない、喉も乾いたしと思い台所に向かうとじいちゃんがいた。
「おう、お前もか?」
そういって渡された麦茶を受け取る。
「ありがとう、じいちゃん。そうだ、じいちゃんちょっと聞きたいんだけど……」
「ん?どうした」
「自分の会社のライバルが突然優しくなってアドバイスしてきたらどう思う?」
「……詐欺じゃねぇか?」
やはりそう思うようだ。難しい。
「何だ、困ってんのか?そういう事でもあったのか?」
「あぁ、いやそうじゃないんだけど。喜多川さんが次にやりたい衣装の作品をやってみたんだけど、どうしてもその作品のキャラクターの事がうまくわからなくて」
「小説か何かみたいなもんだったか」
しかし祖父もううんと唸る。
「だがなぁ、俺もそういうのが詳しいわけじゃないからなぁ」
じいちゃんがそう言って頭に手を当てていると何かに思い当たったように
「こういう時は分かる人に聞くもんだ。まりんちゃんなら知ってるんじゃねえか?」
それはもちろん1番最初に考えた。だが、うん、何だか聞かない方がいい――とまでは言わないが――自分である程度調べたり他の人に聞いてみてからのほうがいいんじゃないかと思う。
「うん、もう少し考えてみて分からなかったらそうするよ」
ありがとうと伝え部屋に戻る。
「うーん、ツンデレっていう言葉は調べてもいくらでも出てくる。でもこう……ストンと腑に落ちるものが見当たらない」
でもなあと思い喜多川さんの顔を思い浮かべる。今更だけどもこのツンデレという言葉はアニメやゲームから広まっているようで非常に有名だ、それを知らないというのも少々恥ずかしい。知らないのはしょうがないかもしれないが、少しは調べたうえで聞く方が自分としてもスッキリするし筋ではないだろうか。
「最近そういったキャラクターが出る作品もあるのかな」
調べてみると思いのほか情報が出てくる。
「この前喜多川さんと行ったナニメイト*1にもあるのか」
まだ時間は午前中、せっかくだし見に行ってみるのもいいかもしれない。
喜多川さんに連絡しようと悩んだが急な思い付きだ。予定もあるだろうしやめておこうと思いなおす。
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電車に揺られ少し歩いたところで目的の『ナニメイト*2』が見つかる。
「あ……シオンたんの特集がされてる」
(あれはすごく勉強になった)
一見して関係が無さそうな事でもやってみると意外な発見につながる事を再確認した。
「じいちゃんも色々やってみろって言ってたし、新しい事も始めてみようかな」
ふと思いつくのは喜多川さんのオススメなところへ外食――食べ歩き――だ。
やはり最近で特に記憶に残ってるところといえば
「ニンニクベリアルアブラマシマシアブラカラメオオメ凄かったなぁ」
「……そっち!?え?は?」
「あ、すいません」
思わず声が出てしまっていた。
「あなた……」
「え?」
「五条新菜じゃない」
有名なレイヤーさんであるジュジュさん――乾 紗寿叶さん――がいた。
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「珍しいわね、あなたがこんなところに1人でいるなんて」
「思い付き……ですね。最初はちょっと調べもので来たんですが」
「あら、もしかして新しいコス?相変わらず研究熱心ね」
「いえいえ、まだまだ知らない事ばかりなので」
「何て作品なの?」
乾さんが興味を持ったように問いかけてくる。
「パルフェってゲームですね」
「それ私の記憶違いでなければ……その、えっと、そういうゲームなんじゃないかしら…」
「……?あぁ!そうですね!エロゲーです!」
「声が大きい!」
乾さんの声もかなり大きいと思うのだが……乾さんが大声を出すなんて珍しいな。珍しいか?そうでもないか。
「ま、まぁそういうゲームをあまりこういったところで話すのはやめなさい」
「そうなんですか?喜多川さんとはよく話しているのでそれが普通かと」
「絶対に妹の前で変な事言うんじゃないわよ……」
そう言って少し疲れた様子でカップに口をつける。
「紅茶が好きなんですか?」
「どちらかといえばね、コーヒーは少し苦手だけど紅茶の香りは好きよ」
「にしても突然ね」
「いえ、とてもおいしそうに飲まれていたので」
「まぁちょっとアルバイトで飲む事もあるせいかしらね」
はっとした顔でこちらを見る乾さん。何かまずい事があったのだろうか?しかしバイトしているのか、まぁバイトくらいするか。どんなバイトだろうか。喫茶店とかの服装はよく似合いそうだ。
「と、ところでそのキャラクターってどんな子なの?私あまりそのゲームは詳しくないのよ」
「俗に言う『ツンデレ』というらしいんですが」
「……あなたまさかツンデレが分からなかったの?」
「お恥ずかしながら……ゲームもプレイして他のツンデレで有名なキャラクターも調べたりしたんですがどうにもしっくりこなくて」
「まぁアニメとかに疎いって言ってたものね、ならしかたないわ」
「でも確かにそのシーンだけを切り取ると理解できない事も多いわ」
「そうなんですか?」
「そもそもそのキャラクターがツンデレだから魅力的というよりも、そのキャラクターが素敵だからツンデレのような個性、魅力が際立つんじゃない?」
「なるほど!!何だか凄くしっくりきました。ありがとうございます!」
「……でもストーリーを読んでいて理解は出来ているんですが、こう喜多川さん達のようにこのキャラが好きっていうのが明確に無いんですよね」
「最初はそういうものじゃない?私だって最初からこのキャラが1番好きとか決まっている方が稀よ」
「例えばそうね、印象深かったシーンとか何度も見返したシーンとか無かった?」
「そうですね……やはり雫たんの衣装は複雑だったので何度も見返しました。特に雫たんが主人公と結ばれるときに普段は草食系な主人公がこう後ろから……」
「そっちじゃないわよ!?」
しまったパルフェの方だった。
「そうですね、主人公をライバルと思いつつも悩んでいるときには手助けしてくれるところはぐっときました」
「そういうシーンの事を言うんじゃないかしら?本当に困っているところに助けてくれる人っていうのは物語上でも案外少ないものよ。まぁちょっと素直になりきれないギャップもあるんでしょうね」
「なるほど!ちょっと乾さんっぽいですね!」
「ケンカ売ってるの?」
「い、いえちょっとですよ。ちょっと見ようによってはぐらいで」
「どこがよ!私は思ったように行動してるだけよ!」
「でも妹さんが写真とかコスのこと好きって言われた時凄い照れてましたよね」
「~~っっ!!……っ!!」
乾さんの顔が怒と恥でころころと変わっている。何か失礼な事をいっただろうか。
それから乾さんが落ち着く間にせっかくだからとスコーンのクリームセットを頼んでみた。なるほど本格的な喫茶店にはこういったものがあるのかとまた勉強になった。
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「ありがとうございます色々と教えてもらって」
「別にいいわ、喫茶店とかは好きだけどあまりこういった事を話す機会は無かったから。……私も楽しかったわ」
「それなら良かったです。またよかったらぜひ教えてください」
また少し様子がおかしかったように思えたが乾さんも楽しかったようなら何よりだ。教えてもらうばかりも何だな……こちらから何か出来る事があればいいんだけど。
駅で乾さんと別れ電車に揺られつつ今後の事を考える。
またユサワヤ*3の店員さんへ相談してみよう。雫たんの時と近いものは多いが逆に言えばあの時に出来ていなかった事を改善し喜多川さんに実感してもらういい機会だ。
「……楽しいな」
自然と呟いてしまう。様々なコス衣装を作ってきたが最初は力になりたいと思う部分が多かった。
だが今では技術を覚え実際にやってみると新しい発見ばかりで毎日が新鮮だ。
多くの人にお世話になりっぱなしで恵まれていると実感する。
ただ……その中でもとある人を思い浮かべると自然と言葉が零れてしまった。
「喜多川さん、本当にどの衣装を着た時も綺麗だな……」
「っ!?」
思いのほか大きな声が出てしまっていたかもしれない。さて帰りにまたスーパーへ寄っていこう、喜多川さん何が喜ぶかな……。
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---海夢side---
「ごじょーく、~っ……はぇ?ちょ……え……?」
今日は読モがあってごじょーくんちに行くのが遅くなりそーかなと思たが、思いのほか早く終わりごじょーくんに連絡してみたが反応がない。
どーしよーかなと思ったところで歩いているごじょーくんを見つけた。
(お出かけ中だったか~)
また一緒に買い物出来るんじゃね?と考えながらごじょーくんの肩を叩こうとする。が
「喜多川さん、本当にどの衣装を着た時も綺麗だな……」
息が止まった。
いや本当に息できなかった。
思いっきり深呼吸をして気持ちを落ち着け――られるはずがない。
「い」
(いや~……はぁ~~~!?急に何!?え?いやでも!!ごじょーくんがまた……綺麗…って
は??♡え無理♡顔にやける笑♡♡ヤバい♡♡不意打ちはまずいって♡♡♡ごじょーくん♡♡
はぁ~どうしよ。顔あっつー……感度3千倍かよ。ちょっと冷ましてからじゃないと行けないしこんなん……)
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「あ、喜多川さん。ちょうど連絡しようかなと思ったとこでした。今日は遅かったですね何かありましたか?」
「え~っと……うん♡……ちょっとね、ご、ごじょーくんも今日どっか出かけてたの?」
「そうでした!すいません、さっき連絡に気づいて……。はいちょっとナニメイトに」
「へ~ごじょーくんがナニメイト行くなんてめずら……」
「行ったらばったり乾さんと会って喫茶店について色々教えてもらえたんですよ!いやぁ今度活かせるか楽しみだなぁ」
「え?」
「え?」
「2人で?」
「はい!2人です!」
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「ねぇ、
「うん、あ、いやソウカモシレナイネ」
「ちょっと!?」
いやぁ……乾先輩はイジりがいがあって楽しいですね……。
五条君がボケに回った時の切れ味鋭いツッコミが刺さる。