また、以下の要素にもご注意ください。
・ジョジョの奇妙な冒険ネタ
・異世界転移チート系主人公
・独自設定キャラ崩壊
(はぁ……今日もお天気は最悪ね)
ボクは幻想入りした20代の人間の女であること以外は、記憶がない。
ただ、家事をこなしたり、買い出しをしたり、という日常の生活にはなんの支障もないので十分だった。
幻想郷という世界であることは最初に
この霧は一体なんなのかしら。
そんなことを思っていたある日のこと。買い出しをしていたところ、妖怪に押し倒されてしまった。
妖怪は人間よりも強いので、振りほどけない。
こんなやつに
「ここは……?」
見たこともない風景。どうしてここに落ちたのだろう。
なんてか、この空間、開いた扉からいろんな景色が見える。おまけに春夏秋冬の自然の風景って感じ……。
そして、金色で髪が長く、冠のような帽子をかぶり、前掛けには北斗七星がデザインされた道士服を着た女性がボクの目の前に現れる。
「いやぁ、危なかったね」
「……あなたは?」
「あぁ、自己紹介がまだだったね。私は摩多羅隠岐奈という」
摩多羅隠岐奈……?
えーと、射命丸文が出してるとかいう新聞に書いてあった秘神?
なんでそんな人がただの人間のボクを?
「えーっと……。どうして人間のボクをこんな世界に引きずり込んだんですか?」
「引きずり込んだは、ちょっと人聞きが悪いな。幻想郷を久しぶりに覗き込んだら、妙な霧は出ているわ、二人はその瘴気に触れてポンコツになるわで、大変なことになっていてね」
「あー……。それでなんの影響もなかったボクをここに?」
「そうだね。さてと、少し背中を失礼させてもらうよ」
そう言って、隠岐奈さんはボクの
「な、なにを!?」
――次の瞬間。
「……なるほどねえ。君の潜在能力は実に面白いな。……でも、後継者には不向きだね。うーん、残念」
「そうですか。すいません」
「いや、君が謝る必要はない。それはまた別の機会に……。で、今回は瘴気の霧の問題さ。あれをどうにしかしてほしい。彼奴のお気に入りである、博麗の巫女も行動不能になっているらしいしな」
博麗の巫女……?
「それに、この世界ならば、瘴気の影響を一切受けない。そういうこともあって、しばらく手を出すことができないからね」
「……なるほど」
「霧は人妖関係なく、幻想郷の土地にいる生命体全員をおかしくさせている。それに気がついたからこそ、私は素早くこの世界に戻ってきたわけさ」
「それで、なーんの影響もないボクに、その、博麗の巫女に変わって、異変を解決してほしいと」
「察しがいいね。私は嬉しいよ。――潜在能力は解放した。あとは、君がどう扱うかだ。……幻想郷を作った一人としてお願いしたい。瘴気を含んだ霧を晴らしてほしい。私が依頼しなくとも、君が彼奴にも会うのであれば、同じことを言うだろうね」
「彼奴? ……えーと、ともかく、ボクが隠岐奈さんに開いてもらった能力でなんとかしてほしい、ということで、いいんですね?」
「あぁ、その通りだよ。それじゃ、元いた場所に帰すよ」
………気がついたら、幻想郷の人里にある自分の家に戻っていた。
(潜在能力……。空間の静止……。まさか、外の世界の時間操作能力がボクに眠っていたというの?)
隠岐奈さんのいた空間で背中を開かされて、空間が静止したことを
止められるかを試すため、時間が止まった雰囲気をイメージして念じると。
――風や柱時計の音が聞こえなくなった。
そして、自分の目に映る世界がグレー一色に染まったのだ。
「時が……止まっている……? そして、時は動き出す! ……なんちゃって」
瞬間解凍するかのように、止まっていた物事がすべて動き出し、カラフルな色合いに世界が戻った。
(そうか……。やっぱり、ボクの能力は時間を操る程度の能力! そんな、時間を止める吸血鬼じゃねーんだから……。ってなんでこーゆーことは覚えてるんだろうかね?)
自分の名前を思い出せないのに、そんなことは覚えている。正直自分自身に呆れた。
(でも、このままじゃ、どうしようもない。……けど、隠岐奈さんの言っていた『彼奴』って誰だろう……)
はぁ、と、ため息をついていると、今度はなにかに引っ張られるように穴に落ちた。
(またぁ~~~!?)
引っ張られたのは、自分の家と内装が似ている場所だった。
「手荒な真似をしてごめんなさい。事態は一刻を争うの」
「……霧の異変、ですよね」
「あら、知ってたの」
「はい。摩多羅隠岐奈っていう秘神に解決してほしいと頼まれまして」
「………あ~~~、あいつかァ……」
特徴的なリボン付きの帽子をかぶった道士服を着ている、隠岐奈さんよりは体格の大きい女性が言う。
あと、結構おっぱいでかい。びっくり。
「それなら、私が言わんとしていることもわかりますね?」
「博麗の巫女が異変の影響で動けない。かといって自分が手を出してすぐ解決できるものでもない。影響を受けないボクに白羽の矢が立った。……そうですね?」
「ご明察。まさか、先んじられるとはね。それで、貴方はどうしたいの?」
「ボクの背中につけられた扉で、潜在能力が解放されて、時間と空間を静止させられるらしいんですけど、異変解決の役に立つのかさっぱりわからないんです」
ナイスバディの女性に背中を見せる。
「……なるほどね。貴方の背中の世界は時計だらけだわ」
「だから、時間と空間を静止させられる……」
「そうね。紅魔館のメイドと同じ能力を持っているとは、ホント面白い人間ね」
「それで……えーと、あなたは……? ボクは名前がないただの女の子です」
「私は八雲紫。幻想郷を誰よりも愛している妖怪よ。……名前がないというのは不便ね」
「仰るとおりなのですが、別になんの不自由もしてないので……」
ボクが言うと、紫さんはボクの背中の世界に手を突っ込んだ。
「なっ、なにを!?」
「……あら、何かしら、この書物」
紫さんはボクの背中から取り出したなにかを取り出してなにかを読み始める。
「ねえ、貴方」
「はい?」
紫さんの方を向くボク。
「うさぎの物語が好きなの?」
その表紙に見覚えがあった。
「……『ウォーターシップダウンのうさぎたち』!? 八雲さん、それをボクに見せてもらってもいいですか!?」
「え、ええ、いいわよ。あと、紫でいいわ」
紫さんに手渡してもらった書籍をパラパラとめくる。
「紫さん。……ボクのことは『ハイゼンスレイ』と呼んでください」
「それじゃ、そう呼ぶわね。……それで、ハイゼンスレイは自分の能力を異変解決に役立てたいのね?」
「もちろんです!」
「それなら、ここで修行なさい。ここなら、幻想郷を包んでいる霧の影響は強くないから」
そうしてボクは自分の能力を拡張するために、修行に励むことにした。
☆★☆★☆★
――時間と空間を静止させられるから、納得の行くものにするのに、そんなに期間はかからなかった。
時間と空間を静止する他、少しだけの先を予測する力、数石前から数秒前を消し飛ばしたり巻き戻すことができるようになった。
背中の扉は紫様がスキマのシールで封をして閉じられている。
「……ありがとうございます、紫様。それではボクは異変を解決しに行ってきます」
「ええ、気をつけて頂戴。……でも、その前に、霊夢をなんとかしてほしいの」
「はい。ボクが触れた人妖は正気に戻れる。そして、ボクの周りにいれば霧の影響を受けない……でしたね」
「その通りよ、ハイゼンスレイ。私からもお願いするわ。この霧の異変の解決を」