瘴気の霧異変   作:鳴海真央

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※この作品は東方Projectの二次創作です。原作をできるだけ尊重しつつ、自由な解釈発想で描いています。
また、以下の要素にもご注意ください。

・ジョジョの奇妙な冒険ネタ
・異世界転移チート系主人公
・独自設定キャラ崩壊


Stage2. いざ、紅魔館へ

 霧の湖。

 紅魔館へ行くためには、瘴気の霧も含んだ霧の中を進むしかないらしい。

 そして、霧のために視界がすごく悪いという。

 湖自体はそこまで広くないらしいが、霧のせいで、広く感じるらしいとのこと。

 

 ……が、その湖が凍っている。

 

「……妖精にも影響を及ぼすらしいわね」

 

 さっきから酔っ払ったようにテンションの高い妖精がこっちを攻撃してくる。

 霊夢曰く、妖精はザコなので、そこまで問題にならないらしい。

 

「――おそらく、チルノが霧の影響で暴走しているのかもしれないわ」

「チルノって?」

「氷の妖精。その辺の妖精よりも無駄に知恵があるせいで、バカ扱いされちゃってる奴だけど、憎めない妖精なのよ。いたずら好きなのは少し困りものだけどね」

「ふぅん。……仲良くできます?」

「できるわよ」

 

 突然、氷弾が飛んできた。

 

「うわっ」

「――やっぱりね。いるんでしょ、出てらっしゃいな。……隠れているつもりかもしれないけど」

 

 出てきた氷の妖精も顔を赤らめている。

 他の妖精と同じようにテンションが上って、暴走しているようにも感じる。

 そこで未来予測が発動。

 ””スペルカードで攻撃してくる!””

 

「氷符「アイシクルフォール」!」

 

 未来予測は正しかった。氷の弾幕が飛んできたのだ。

 

「うおっ、やっべ。やっぱ、予測したとおりだった」

 

 予測は弾幕の軌道も見せてくれていた。いわゆる安地で回避する。

 

(くっそ。時間静止、未来予測、時間の巻き戻しだけで満足した自分がバカだった。チルノをバカにできない。これじゃ、攻撃できないじゃないか)

 

 また、予測が脳裏によぎる。

 

(こいつ、また、スペカを!? つか、ボク狙いかい!)

 

 予測は、””でっかい氷の塊がボクめがけて飛んでくる!””

 

「くっそ……ここまでか……」

 

 その時、大きな陰陽玉がボクの両脇を通り抜け、チルノに直撃してふっとばした。

 

「はぁ……。ぼさっとしてないの。弾幕勝負だからといって、あんたが死ぬかもしれないのよ」

「ご、ごめん……」

 

 ちなみに予測で見たでかい氷の塊は生成途中だったせいか、当たることはなかった。

 

「……うーん。あたい、どうしてたの?」

「気が狂ったように攻撃してきたのよ、私達に」

「そっか。悪いことしたな。ごめん」

「いいのよ。どうせ、このクソ霧が悪いんだから。さてと、先に進ませてもらうわよ」

 

 さくっと先に進むボク達だった。

 

 ☆★☆★☆★

 

 霧の湖を抜けた先が、紅魔館らしい。

 見た目は立派な洋館だとわかった。――でも、昔の日本のような雰囲気が多い幻想郷にはなかなか似つかわしくないな、とボクは思っていた。

 

「ここが紅魔館よ。……さて、門番はっと」

 

 背が高くて、腰まである赤くて長い髪の毛。前の方をお下げでまとめて下げている。

 チャイナドレスっていうのかな、あれを。……そういう衣装を身にまとっている、スタイルのいい女性だった。

 

 ――少し残念なのは、間抜けな顔で船漕いでいるってことぐらい。

 

「寝てる……」

「ってか、こんなクソ霧ン中、よく寝れるわね……感心しちゃうわ」

 

 呆れた霊夢が言う。

 

「おい、門番」

「……んあ」

 

 立ったまま寝ていた女性が目を覚ました。

 

「あ、あぁ、霊夢さんじゃないですか。どうしたんですか?」

「あんたのとこの主に会いに来たのだけど、大丈夫かしら」

「それはいいですけど、前もって約束とか……してなさそうですね」

「しょうがないわよ。急なんだから。……というか、この頭おかしくなるような霧が立ち込める中、平気でいてられるわね」

「なんででしょうね? それは私もわからないです」

 

 マジかよ。

 

「ま、とにかく、通してもらいたいのだけど」

「……ええ。その代わり……」

「……ハイゼンスレイ。あんた、時を止めれたわよね? してもらえるかしら?」

「かしこまり~~~」

 

 時空静止「ザ・ワールド」を発動。

 ボクの周りの空間がすべて静止して、グレー一色になる。

 構えをとっている門番。扉ギリギリに浮遊している霊夢。

 

(霊夢が時を止めて、中に入れさせろってことっていうのはわかってたし)

 

 ちょんと押して、霊夢を門の上に立たせた。

 

「そして、時は動き始めるの」

 

 ぎゅーんっ。

 凍っていた時間と空間が瞬時に解凍されていく。

 霊夢は、紅魔館の敷地に入っていた。

 止まった時の中でジャンプしていたボクは、そのおこぼれにあやかって、入ることができた。

 

「あーっ! そんなことをしたら、私がお嬢様や咲夜さんに怒られちゃいますよーっ!」

「ごめんなさい、門番さん!」

 

 門番の女性が気がついた時には、私達は紅魔館の敷地に足をつけていたのだ。

 

 ☆★☆★☆★

 

 そして、紅魔館と呼ばれている屋敷を目の当たりにする。

 改めて見ると、立派な洋館で、幻想郷の雰囲気にはミスマッチだった。

 

「さて、行きましょうか、ハイゼンスレイ」

「かしこまっ」

 

 紅魔館エントランス。

 ……しかし、なにか違和感を覚える。侵入者がいるのに、誰ひとり出てこようとしない。

 

「霊夢、不用意に踏み込まないで」

「どうして? 先に進まないと」

「……足元にピットがあるかもしれない」

「ピット?」

「落とし穴って意味、だったと思う」

 

 落とし穴、と聞いて、試しにと霊夢が片足を踏み込んだ。

 ガコンッ! という音がして、踏み込んだ床が抜け、正方形の暗闇が見える。

 

「あー、なるほどね。これで地下に真っ逆さまってことか。けど、こんなのビビって先に進めないのは、どうにもシャクよね」

「まあ、わかりますけど。……とりあえず、予測を立てますね」

「予測~? ハイゼンスレイ、あんた、時を止めるだけじゃないのね」

「はい。攻撃だけできません」

「へー……。安全に探索する向けの能力ね」

 

 まあ、褒められてもあんまり嬉しくないけど。いざという時に自分を守りきれるか不安だし。

 予測を立ててみると、このまま真っ直ぐ進むと落ちる。でも、右に避けると落ちる。

 

「正解は……左!」

 

 セーフ。

 でも、次は””どう踏み込んでも落ちる!””という予測。

 

「……どうしたの、ハイゼンスレイ」

「霊夢……。この罠、めちゃくちゃ巧妙……。次は左だろーが右だろーが踏み込んでも落とし穴トラップにかかって地下送り」

「……なら、もう観念して落ちましょうか」

「それも一興……ですね」

 

 ガコンッ!

 

 落とし穴トラップが見事に作用して、地下に落ちるボクと霊夢。

 落ちた先は、本棚が大量にある部屋だった。

 

「……まだ、安全だったわね」

「安全?」

「あぁ、レミリアに妹がいてね、フランドール・スカーレットって言ってたかしら。あの妹は危ないわ」

「どう危ないんですか?」

「簡単に言えば、あらゆるものをぶっ壊すやばい女なのよ」

 

 ゾッとした。

 

「形あるものだったら、造作もなく壊してしまうのよ」

「ひえっ……」

「だから、ここが――。……あれは」

 

 ボクと霊夢の目の前に、浮遊している女の子と、ボロボロの黒い服を着ている金髪の少女がいる。

 

(……というか、この世界の女の子、金色の髪の毛多すぎ。何人いるんだよ……)

 

「ふふっ、魔理沙。もう限界かしら」

「くっ……」

「まあ、無理もないわね。()()()()()()()使()()では、瘴気に包まれたままじゃ、本来の実力も発揮できないでしょうね」

「う、うるさ――。うわっ」

 

 水色の弾幕に押し飛ばされる魔法使い。

 

「――! 魔理沙じゃないの! どうしたの、一体!」

「あ、あぁ……霊夢、か。ははは、死中に活を求めるってか?」

 

 ふっとばされた彼女を受け止める霊夢。

 魔理沙と呼ばれた少女は、ボロボロな上に、顔が赤い。

 

「……ごめんなさい」

 

 瘴気の霧を浴びたせいだとわかったボクは魔理沙に断りを入れて、身体に触れた。

 

「ん? なんか、身体が軽くなったな?」

「まさか、魔理沙があのクソ霧ン中をここまで」

「あぁ。空高く飛び上がって、ここまで来たんだ。まあ、そのせいで、こんな目に遭っちまったけどな。

 霊夢とそこの女、今のパチュリーはやべーぜ。絶好調すぎて、私の魔法がてんで効かねえ。おまけに、こっちが絶不調でな。笑うことしかできねえんだわ」

「わかったわ。あんたは少し休んでなさい」

 

 ――時空静止(ザ・ワールド)!!

 

 突然、なにかの殺意のような邪悪な意思を感じて、とっさに時間を止めた。

 霊夢と魔理沙の背後から、小さくとも悪魔の翼の生えた女の子が尖った爪を突き立てようとしていたのだ。

 

「ふぅ。悪いけど、そんなことは許さないよ」

 

 明らかな殺意を感じたボクはその女の子を蹴って、位置をずらした。

 

「時間よ、動け」

 

 凍った空間が、解凍されていく。

 

「あれーっ!?」

 

 空振りに終わったせいで、疑問の声を上げる少女。

 

「あっ」

「なるほど、闇討ちってわけか」

「――作戦は失敗だったわね、小悪魔」

「申し訳ありません~」

「しっかしよ、パチュリー。恨まれるってぇのはわかるけど、ここまでするこたぁねぇだろ?」

「――それぐらい私は怒っている、そう思ってくれればいいわ」

「はぁ……。定期的に借りた本は返してるだろ」

「それはそれ。これはこれ、よっ」

 

 弾幕が飛んできた。

 でも、その弾幕はボク達を直撃しなかった。

 

「結界を張れる巫女、舐めんじゃないわよ」

「そうだった……」

 

 霊夢は博麗の巫女であり、博麗大結界を調整することもできる巫女だった。

 そりゃ、結界はお手の物ですよね~という気持ちになった。

 

「さて、どうするか、よ。動かない大図書館があんなに活発に動くなんて」

「……失礼かもですけど、そのパチュリーさんって魔法使いなんですよね」

「あぁ、そうだぜ」

「じゃあ、身体能力はお察し……ですよね」

「まあ、そう、なるな。……ってか、お前、結構ズバズバ言うのな」

「だから、失礼かもって言ったんですよ、魔理沙さん」

 

 ボクは無謀にも絶好調のパチュリーと呼ばれた少女の前に立つ。

 紫色の長く伸びた髪。ダボッとした衣装をしているように見える。

 そして、瞳も同じ色をしている……と思ったけど、それがとても濁った色をしているように見えた。

 

(この人は金髪じゃなくてよかったァ……。金髪地獄かと思っちゃったわよ)

「あら。見たこともない人間ね」

「はい。ボクはハイゼンスレイという()()()()()です」

「そう。……()()()()()が咲夜のように()()()()()()なんてできるのかしら。油断させようという魂胆?」

「そう思っていただいても結構です。――でも、ボクの時間停止は……空間すらも凍らせます」

「へえ……。面白いことを言うのね、貴方。なら、少し試してみようかしら」

 

 パチュリーは弾幕を飛ばしてきた。

 そのタイミングで時空静止(ザ・ワールド)を発動させる。

 

(……! 誘われた!)

 

 空間すらも凍らせられる時間静止の中でも、()()()()()()()()

 

「チィッ!」

 

 なんとか避ける。

 未来予測(フォーレキャスト)で、()()()()()()()()()()()を得るボク。

 

 ””時間静止解除直後に別の弾幕が飛んでくる””

 

(なんだこの予測!? ……仕方ない!)

 

 自分が打った時間静止する前の時間へと()()()()()

 

「へえ……。面白いことを言うのね、貴方。なら、少し試してみようかしら」

 

 パチュリーが弾幕を飛ばすタイミングまで戻ってきたか!

 軌道は読めているから、グレイズするボク。

 

「あら。時間を止めなかったのね」

「いや、時間は止めました。でも、回避できなかったので、時間停止したことを()()()()()()にしました」

「……フフッ。本当に面白いのね、貴方って人間は。じゃあ、これは……どうかしら!」

 

 別の弾幕を飛ばしてきたパチュリー。

 なるほど、さっきの予測はこれだったのね!

 上と左右から飛んでくる弾幕。

 時間を切り取れるなら、空間も切り取れるんじゃないかしら、と考えたボクは、空間を切り取ることをイメージした。

 

 ――ガオンッ!

 

 ボクの目の前で()()()()()()()()()()()()()

 

「フフッ……。本当に面白い……本当に面白い人間ね!」

「…………やべぇ、あいつ、狂ってやがる」

 

 魔理沙が言う。

 

「え」

「パチュリーはあんな雰囲気をして喋るヤツじゃないんだよ。……で、お前、名前は?」

「ハイゼンスレイというの。自己紹介が遅れてごめんなさい」

「いいって。……あ、私は霧雨魔理沙だ。魔理沙でいいぜ」

「それで、魔理沙。本来のパチュリーっていうのは?」

「かなり大人しくて、落ち着いた喋り方をするんだよ。どこか気だるそうでな。……でも、今のパチュリーは何者かに操られるかのように喋ってやがるから」

「あぁ、なるほど。……魔理沙の道具って借りれる?」

「あぁ、こいつか? 魔力がないと使えないぜ。ハイゼンスレイに使えるか?」

「ダメでもともと、だから」

 

 魔理沙からミニ八卦炉を拝借するボク。

 

「ふふっ……魔理沙の八卦炉を借りただけの人間になにができるというの?」

「さてね。……でも、ボクはむざむざやられたくないの!」

 

 外の世界で見たことがある。魔砲少女の伝説を。

 イメージしてできることがあるのなら、ボクはそれに賭ける! 分の悪い賭けは……嫌いじゃないの! でも、なにか出なきゃ負けちゃうんだから、お願い……!

 

「なんでもいいから出て―っ!」

 

 強く念じたボクの手にした八卦炉からごん太のビームが放たれる。

 ……というか、これ、マスタースパークではなく、本当に魔砲少女の必殺技なのでは……と思うほど、色合いも威力も違うけど、怯んだ狂気のパチュリーには有効打だった。その直撃を受けた彼女は気絶。

 

「あぁ、ごめんなさい。大丈夫?」

 

 八卦炉を返して、パチュリーの手を掴むボク。

 

「……ええ。貴方こそ、大丈夫なの?」

「まあ、ボクはそこまで。それよりも、パチュリーさんが正気に戻ってくれてよかった」

「は?」

「もしかして、狂気になっていた時の記憶ないんですか?」

「狂気……? 私が?」

 

 パチュリーの言葉に頷くボク。

 

「そうだぜ。んで、私をこうになるまでボコボコにしてきたんだぜ」

 

 魔理沙が言う。

 

「……あー。まあ、でも、魔理沙の場合は自業自得だから」

「ゔっ……。ま、まあ、そう言われるとなんの反論もできねえわ……」

「そう……。私が狂気……ね……。あぁ、そう言えば、門番の美鈴はなんともなかったの?」

「ええ。私とハイゼンスレイが来た時は、正気だったわよ。まあ、強行突破しちゃったけどね」

「なるほど。美鈴は無事……。って、待って。外はここよりも霧が濃かったはずなのに」

「そうよ。パチュリーが言うように外はクソ霧がすごかったわ。ハイゼンスレイがいなかったら、私だっておかしくなっていたかもしれないし、ここまでの道中で気が狂ったりおかしかったりしたヤツを見てきたわよ」

「………人妖を狂わせる原因が、確実にあるはず。小悪魔は?」

「ここにいます~。パチュリー様、ご無事ですか!?」

「ええ。貴方にも迷惑をかけたみたいね」

「いえ、滅相もない!」

「それでひとつお願いがあるのだけど、いいかしら」

「なんなりと!」

「……私がおかしくなる前に、なにか本を触っていなかった?」

「えーっと……。これでしょうか?」

 

 小悪魔がテーブルから持ち出したなにかの本。

 それはピンク色であり、なにやらやらしいことが書いてありそうな雰囲気があった。

 

「……うっ!」

 

 思わず拒絶反応を見せるパチュリー。

 

「……でも、これではっきりしたわ。私が狂気に溢れた表情をしていた原因は」

「とすると、この魔力、というか、瘴気に触れてしまって……」

「それは十分にありえるわ。……そして、この瘴気が原因で発生して、紅魔館にも溢れているとするのなら……。――霊夢、ハイゼンスレイ」

「レミリアをまた、懲らしめればいいんでしょう?」

「貴方にはそういう言い方がわかりやすいかもしれないわね。……お願い、レミィを」

「ええ。あんたの友人だったっけ、レミリアは。……わかってるわよ」

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