また、以下の要素にもご注意ください。
・ジョジョの奇妙な冒険ネタ
・異世界転移チート系主人公
・独自設定キャラ崩壊
ボク達は、地下から再び、紅魔館エントランスへ。
ピットトラップは機能していなかった。どうやら、パチュリーが狂気に囚われていた時に仕組んだらしかった。
先へ進んでいくと、空間が凍りつく感覚を覚える。
ボクが時を止めたときに感じるモノだ。……つまりは。
「……!」
真っすぐ飛んできたナイフを
「あら、動けるのね。私が時を止めた世界で……」
「こっちも、時間を止めることができるから。……あなたね。紅魔館のメイドの十六夜咲夜って」
「御名答」
時間が解凍していく。
確かに霊夢の言っていたとおりの見た目をしている。
ただ、目の色は赤く、濁っていた。
パチュリーも狂気に包まれていたときも、目の色が濁っていた。
……咲夜も狂気に包まれているか、瘴気の霧を浴びてしまったか……。
「あなた達。悪いけど、ここから先は行かせないわよ」
「ふん。そう言うだろうと思ったわよ。……でも、あんたが時を止めるのなら、ハイゼンスレイにやらせるしかないわね」
「霊夢が珍しいことを」
「シャクだけどね、今回の異変はハイゼンスレイがいないと、私だってまともに動けないのよ」
霊夢……。
「ってことだから、これ、使ってみなさいな」
霊夢はボクに「博麗」と書かれた札を渡した。
「ハイゼンスレイが、魔理沙の八卦炉を持ってマスパの真似事をしたみたいに、と思ってね」
「あぁ、あのチートまがいの……」
「攻撃手段を持たないって言ったわよね。それを変わりにしてちょうだい」
「わかった。ありがとう、霊夢」
「さて……それじゃ、行くわよ!」
早速、時間が止まった。
「時が止まった世界で動けるのは、あなたと私だけ。霊夢の助力は借りれない。さあ、どう戦うつもりかしら?」
「そうね……。この札、どう使うのか聞きそびれちゃったけど、……!?」
渡された札のひとつがヒトガタを型どり始める。
「この姿を見せるのは久しぶりかしら」
そのヒトガタは、今の霊夢のような変形した巫女服ではなく、ちゃんとした(というのも変かもしれないけど)巫女服を着た少女の姿だった。
髪の色はパチュリーのように紫色をして、霊夢と同じ大きなリボンをつけている。
「えーっと、あなたは?」
「私? 私は博麗靈夢よ」
「えっ、霊夢!? え、どうして!?」
「さて、なんででしょうね? じゃあ、あなたに質問。『あっち』の霊夢が『こっち』の霊夢と同一人物だとしたら?」
「――あぁ、そっか。ともかく、時の止まった世界で動けるなら、力を貸してほしいの」
「いいわよ。『あっち』もそのつもりであなたにお札を渡したでしょうから」
「……ッ! まさか、そんなことがっ! でもっ!!」
ナイフを投げる咲夜。向こうが時を止めてきたので、ボクは時を止め返すしかない。
「時空静止「ザ・ワールド」!」
時間を止め返す。紫霊夢は、こちらの霊夢と同じように札と陰陽玉を咲夜に向かって放っている。
ナイフの挙動はそれである程度逸れる上に、静止している霊夢に当たらないようになっていた。
ボク自身へのナイフも弾き飛ばせたけど、相手の時間静止の中を動いている。反発する力で時間静止を制御できない。
(ここが限界、か……)
「ふふっ……。時間を止め返したとは言え、持続時間は私のほうが上なわけね……。そして、時は動き出す」
紫霊夢は札に戻ってしまった。彼女が放った札と陰陽玉のおかげで、霊夢にはダメージはない。
ただボクにはナイフが何本か身体に刺さってしまった。
「――ふんぬっ!」
カラン、と、ボクの血がついたナイフが転がる。
深く突き刺さっていないから、少し気合を入れるだけで抜けた。
痛いことは確かだし、血も出ている。
「っ、く……。しこたま投げてくれちゃってぇ……もうっ……」
「立ち上がれるのね。ふふっ」
「当たり前よ。ボク達はあなた達を懲らしめるために来たのだから!」
出血は続いているが、これしきの痛みでへこたれるわけにはいかない。
「それじゃ、『一回休み』になってもらうわよ! 幻世「ザ・ワールド」!」
時間が凍りつくのを感じた。
それは
時間を止める吸血鬼に対して、同じ能力を偶然獲得した人間のようにね……!
そして、咲夜は雨あられとナイフを投げつけてきた。
(動ける動けない関係なしに処刑する方法、ってか……! なら、ボクは『空条承太郎』のように動くだけよ……!)
……なんでボクは自分の真名だけしか思い出せないんだろうね。こんなことは覚えているっていうのに。
「そして、時は動き出す」
咲夜が時間停止を解除したが、凍った時は戻らなかった。
「……なぜ!?」
「――教えてあげますよ、十六夜咲夜。あなたが解除を口にした瞬間に、ボクが時を止め返しました」
「く………。身体の動きが……ッ」
「では、ナイフはすべて弾かせてもらいますね。靈夢さん」
「任せてちょうだい」
凍った空間に陰陽玉が跳ね回る。
すべてのナイフがその衝撃で明後日の方向に飛んでいく。
「それじゃ、っと!」
吹き飛んだナイフをいくつか投げ返した。
「そしてェ時はァ動きィ始めるゥ」
たったひとつのセリフでその人だと認識できるような声を出しながら、時間停止を解除すると、色と時間が戻っていく。
投げ返したナイフが咲夜に突き刺さる。
「くっ……! 申し訳ありません、お嬢様、旦那様……ッ」
「さてと、それじゃ、ごめんね、咲夜さん」
掴んだナイフの柄で咲夜を思いっきり殴った。その場に倒れ込む彼女。
「……っ」
「気がついたらしいわね、咲夜」
「……ええ。ところで、私はなにを?」
「あんたも瘴気の霧とかいうクソ霧でおかしくなっていたのよ」
「霧でおかしくなっていた……のね」
「そうよ。自分がおかしくなる前になにか起きなかったかしら」
霊夢が言う。
「なにが起きていた、か……。お嬢様が悪魔の羽をはやした男と一緒に私のところに来て、までは覚えているの」
「じゃあ、その男が悪いってことになるわね。……見えてきたわね。この異変の背中が!」
「霊夢?」
「そうと決まれば、咲夜、レミリアのところに案内してちょうだい。ハイゼンスレイから離れないようにね」
「ええ、わかったわ」