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転移された竜護達の目の前には、全長十メートル級の魔物が現れた。
竜護達が、巨大な魔物に唖然としていると、
「GAAAAAAAAA!!」
「「っ!?」」
その咆哮で正気に戻ったメルドが指示を飛ばす。
「アラン!生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ!」
「待ってください、メルドさん!俺達もやります!あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう!俺達も……」
「馬鹿野郎!あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ!ヤツは六十五階層の魔物。かつて、”最強”と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ。さっさと行け!私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」
メルドの鬼気迫の表情に一瞬怯むも、「見捨ててなど行けない!」と踏み止まる天之河。メルドが再度天之河を説得しようとしたとき、ベヒモスが咆哮を上げながら突進してきた。
「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さず、”聖絶”!!」」」
障壁魔法によって、ベヒモスの突進を防ぐ。王国最強戦力が張った全力の多重障壁。張った障壁はベヒモスの突進を止めた。障壁とベヒモスの衝突したさいすさまじい衝撃波が発生し、ベヒモスの足元は粉砕し、石橋だというのに大きく揺れた。撤退中のクラスメイトらは悲鳴をあげ、中には転倒する者もいた。
「おら!ハジメ!」
「うん!錬成!」
その中、竜護はトンファーでトラウムソルジャーを橋の端まで飛ばしハジメが錬成でトラウムソルジャーの足場を急斜面にして橋から落としていた。
ほとんどのクラスメイトは、階段からくるトラムソルジャーに加え、後ろから迫る恐怖に全員が半ばパニック状態に陥る。隊列など無視して我先にと階段を目指して進んでいく。アランがパニックを抑えようとするも、目の前に迫る死の恐怖により耳を傾ける者は誰もいなかった。
「きゃあ!?」
竜護達は少しでもトラウムソルジャーを減らしていると、竜護の目に後ろの1人に突き飛ばされ、転倒する優花を見つけた。そんな優花に1体のトラウムソルジャーが剣を振り上げていた。
「!?」
キン
「え?」
「は!」
パン!
「錬成!」
優花とトラウムソルジャーの間に割り込み剣をトンファーで止め、その隙に竜護がトラウムソルジャーを蹴り飛ばし数体のトラウムソルジャーを巻き込み飛ばした後、錬成でハジメと同じ用に足場を急斜面にして落とした。
「大丈夫か?」
「え、ええ」
「そうか」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして」
「……」
竜護は、優花の方を向き手をさしのばして立たせた。
優花は、助けてもらった竜護にお礼を言った。その時の優花の顔は少し赤かった。竜護はその事には気づいてないようであったが、
「園部、こいつらは数は多いが戦闘能力は大したことない、お前らのステータスなら大丈夫だ。悪いが、お前のパーティーだけでもいいから、みんなを落ち着かせてくれ、頼む」
「わかった。やってみる」
「悪いな」
竜護は、優花にトラウムソルジャーの情報を伝え少しでも周りを落ち着かせるように頼んだ。それを承諾した優花は自信のパーティーの元に向かった。
「(くそ!数もそうだが、ほとんどが、まともに対処していない、このままなら死人が出る!)」
竜護は、パニックになって滅茶苦茶に武器や魔法を振り回している一部を除いたクラスメイトを見て顔をしかめる。率いていたアランが必死に纏めようとしているが誰も耳にも届かず、いずれ死者が出るだろう。更に魔方陣から続々と増援が送られきており、全滅もあり得る。
「(この状況を打破するには、あいつの力が必要だな、しかたない)」
「おい!ハジメ!?」
「(ハジメ!?あいつ)」
竜護がこの状況を打破できる人物を考えていると、浩介の大声が聞こえたため声の方を向くと、ハジメが、天之河達の方に走っていた。ハジメも今誰が必要なのか考えて行動したのだ。
「浩介!幸利!恵理!鈴!」
「「「「!?」」」」
「俺は、少しあの
「「「「了解!」」」」
竜護は、浩介達にこの場を任して、天之河を呼びに行くため走った。
「ええい、くそ! もう持たんぞ! 光輝、早く撤退しろ! 龍太郎も早く行け!」
「嫌です!メルドさん達を置いていくわけにはいきません!絶対、みんなで生き残るんです!」
「くっ、こんな時にわがままを」
今だ自分の指示を聞かず、残っている天之河と坂上にメルドは苦虫を噛みつぶしたような表情になる。この限定された空間でベヒモスの突進を回避するのは難しい。その為、逃げ切るためには障壁を張り、押し出されるように撤退するのがベストだ。その微妙な匙加減はベテランだからこそ出来るのであって。今の天之河達には無理なことだ。その説明をかいつまんでだが、何度も説明してるも、光輝は“置いていく”っと言うことがどうしても納得でず、また、自分ならベヒモスをどうにかできると信じてやまない目をしていた。そんな時、
「「天之河/君」」
「ハジメ君!?」
「赤木くん!?」
「南雲!赤城!」
「お前達まで!?」
天之河の元に竜護達が、来たことに、皆驚いていた。
「君たち、何でこんな所にいるんだ!ここは君たちがいていい場所じゃない!ここは俺達に任せてすぐに……」
「「そんなこと言っている場合か!!」」
「っ!?」
今まで見たことのない乱暴な口調で怒鳴るハジメと鬼を連想させるような顔と気迫を出す竜護。二人の気迫に光輝は硬直する。
「あれが見えないの!? 皆パニックになってる。リーダーがいないからだ!!」
「お前言ったよな!仲間を守るって!今しないでどうするんだよ!それとも、お前が言ったのは口先だけか!!」
光輝の胸倉をつかみ、ハジメはトラウムソルジャーに襲われ、右住左住しているクラスメイト達を指さし、竜護は召喚された日に天之河が言った言葉を使い説得させる。
「一撃で切り抜ける力が必要なんだ!皆の恐怖を吹き飛ばす力が!それが出来るのはリーダーの天之河君だけでしょう!前ばかり見てないで後ろもちゃんと見ろ!!」
「今仲間を守らないでいつ守るんだ!!」
「……。あぁ、分かった。直に行く! メルド団長、すいませ……」
「下がれーー!!」
呆然と混乱に陥り怒号と悲鳴を上げるクラスメイトを見ていた光輝は頭を振るうと頷き、メルドに“すいません、先に撤退します”。そう言おうとした瞬間、メルドの悲鳴と同時に障壁が砕け散った。
「ハジメ!」
「わかってる!」
「「錬成!」」
暴風のように荒れ狂う衝撃波が竜護達を襲う。咄嗟に竜護達が前に出て錬成により石壁を作り出すがあっさりと砕かれ吹き飛ばされた。
竜護達に迫り来るベヒモス。そんな時、竜護は、
「(こんなところで死ぬのか、まだアイツとの約束を果たせてないのに)」
『竜護』
「(アグモン)」
『また会えるよ』
「!?(そうだ、こんなところで、)」
「こんなところで、死ねないんだよ!!」
竜護は、死を覚悟したが、夢で見たアグモンの言葉を思い出した。竜護は、大声を出して無我夢中で迫り来るベヒモスに殴り掛かった。本来では、拳をぶつければ腕は失くなり死んでしまう。
「うおおおおおおお!!!」
迫り来るベヒモスに竜護の拳が触れたとき、目を疑う事がおきた。
ドゴン!!
「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」
「は?」
竜護の拳で、ベヒモスを殴り飛ばしたのだ。それには、ハジメ達や殴った竜護も驚いていた。
「竜護!?今何したの!?てかその拳のオーラみたいのはなに!?」
「いや、俺も何がなんだか……ん?(オーラ?)」
ハジメは竜護のしたことを驚きながら聞いてきた。竜護も訳が分かっていなかったが、ハジメの最後の一言に疑問に思い恐る恐るベヒモスを殴った拳を見た。
「!?こ、これは!?」
竜護の拳には赤に近いオレンジ色のオーラが纏っていた。
だが、竜護が驚いたのは、拳に纏っているものを竜護は知っていたのだ。正確には、竜護にしか分からないものだった。それは、
「(これって、間違いなく)デジソウル!?」
そう、竜護が纏っていたのは、デジモンセイバーで出るデジソウルなのだ。竜護もこれにはかなり動揺していた。
「(何でデジソウルが、だがこれはありがたい!)」
竜護は、デジソウルの事を知っているためその力を引き出す方法も知っている。
「(デジソウルは人の願いや感情によって強さを増す。なら)」
「Grrrrrrrr」
竜護がデジソウルの事で思考していたら、殴り飛ばしたベヒモスが起き上がったのだ。だが、ベヒモスは竜護を警戒してか、一歩も動いていなかった。それは竜護にとって好機だった。
「(ベヒモスが動かない今なら!)」
「(今の状態なら成熟期クラスの力はある。こいつを足止めするにはもう一つ上になるべきだな。)」
竜護は、ベヒモスを倒すのではなく全員が逃げ切るための時間稼ぎを考えていた。その理由は、橋が戦闘中に崩れてしまったら助からない事とクラスメイト達を早く地上に戻すべきと考えたからだ。
「(思い出せ!あのときの感覚を、ブルーカードを出すときの感覚を!!)うおおおおおおお!!!」
「俺はこんなところで死ねないんだ!俺は仲間と相棒と誓ったんだ!だから、俺の進む道を邪魔するなら例え神だろうが魔王だろうが、
ぶっ飛ばす!!」
竜護は、デジモンを完全体に進化させるのに必要なブルーカードを出す感覚を思い出しながら、自分自身の誓いを言葉にした。その結果、拳に纏っていたデジソウルは、竜護の体全体に纏えたのだ。
「(これなら!)メルドさん!」
「!?」
「ここは、俺が何とかします!その間に他の皆を!」
「竜護!?」
「「「「赤木/君!?」」」」
「し、しかし……」
「しかしもカカシもあるか!今やらなければならないのは全員を地上に帰還させることでしょうが!団長なら今するべき事を優先してください!」
「!?……わかった」
「「「「「メルドさん!?」」」」」
竜護がデジソウルを全体に纏えたことで、足止めが出来ると確信をもちメルドに竜護だけを残し全員を残すように言った。ハジメ達は、その言葉に驚きメルドも渋ったが、竜護の言葉に決心を決め承諾した。ハジメ達は、メルドの決断に驚いていた。
「お前達竜護が時間を稼いでいる間に避難するぞ!」
「メルドさん!でも……」
「安心しろハジメ」
「……竜護」
「俺は、死なないからさ」
メルドの指示にハジメは反論しようとしたが、竜護がそれを止めて安心させる言葉を言いハジメを説得させた。
「GAAAAAAAAA」
「お前達急ぐぞ!」
痺れを切らしたベヒモスは溜めの体制にはいた。それに気づいたメルドはハジメ達に撤退を急がしハジメ達は撤退を始めた。
「悪いが!もう少し寝てろ!!」
ドン!!
「GA!?」
竜護はベヒモスの頭上に跳びベヒモスの頭にかかと落としを食らわせ地面に叩きつけた。
「錬成!!」
竜護は、地面にめり込んだベヒモスを錬成を使ってベヒモスを拘束しようとしたが、
「(くそ!魔力に余裕が有ってもスピードが遅い!)」
竜護の錬成速度が遅いためベヒモスを拘束が出来ないでいる。そんな時、
「錬成!」
「ハジメ!?」
「私もいるよ!」
「白崎!?なんで!?」
ハジメと香織が、竜護の元にやって来た。
「なんで来た!!」
「ごめん、でもここで見捨てたらきっと後悔するから」
「私は、ハジメくん守るって誓ったから」
「……お前達」
竜護は、二人が来た事を怒ったが、二人は自分の意思を伝え一歩も引かなかった。
「二人ともありがと」
「「どういたしまして」」
「ハジメ!俺の錬成に干渉して錬成速度を上げてくれ!」
「わかった!」
「白崎!ハジメの魔力の回復に専念してくれ!」
「わかったわ!」
「向こうの準備が終わったら先に戻れ!数秒後に俺も戻る!」
「「了解!」」
竜護は、二人にお礼を言い、二人に指示を出した。二人は、竜護の指示で、ハジメは、竜護の補助を、香織はハジメのサポートを指示した。
二人のサポートのおかげでベヒモスを抑えることが出来ていた。ベヒモスを押さえ続けているとき、
「三人とも戻れ!!」
「二人とも戻れ!数秒後に戻る!」
「「わかった!」」
メルドの声に竜護は、ハジメ達に撤退させた。
「(よし!俺も!)」
竜護は、二人が撤退した数秒後竜護も撤退を始めた。
さらに数秒後、拘束していたベヒモスの拘束が外れ竜護に襲いかかってきた。その時、
「今だ!撃てっ!!」
メルドの指示に、クラスメイト達の攻撃魔法がベヒモスに殺到した。
攻撃魔法によるダメージはないものの、足止めにはなっていた。
竜護はベヒモスの方を見ながら走って様子を見ていた。
「(よし!これなら)」
竜護は、足止めに成功したと確信した。
そのためか少し気が緩んだのだろう、突然の事に対処できなかったのだ。
竜護が、前を見たときハジメと香織がベヒモスの方に飛ばされたのだ。
「!?ハジメ!白崎!」
なぜ二人が飛ばされたのかと言うと、空を駆ける数多の魔法の中で、一つの火球が軌道を曲げたのだ。その火球は、ハジメの眼前に、その火球は突き刺さった。
着弾の衝撃波をハジメはモロに浴び、香織を巻き込んで吹き飛んでしまったのだ。
だが、不運はまだ続いた。竜護が錬成した場所が形を変えたことによってその場の強度が脆くなっていたのに加え、多数の攻撃魔法の衝撃で、ベヒモスを中心に橋が崩壊してしまったのだ。そして、ベヒモスは奈落に落ちたのだ。
魔法によってベヒモスの方に飛ばされたハジメと香織も一緒に、
「ハジメ!!白崎!!」
赤木竜護 17歳 男 レベル:7
天職:錬成師・デ■■ンテイマー
筋力:280(X)
体力:270(X)
耐性:220(X)
敏捷:240(X)
魔力:190(X)
魔耐:190(X)
技能:言語理解・錬成・■■・デジソウル・■■■■■■■作製・■■■の加護
いかがだったでしょうか?
後、1~2話でデジモン出します