ホワイトルーム生による殺し方   作:かさん

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2話目です。 
時系列はカルマが来たあたりです。


対面の時間

目の前にタコ型の化け物が現れたというのに、俺の脳は意外と冷静に事態を飲み込むことができた。 

 

「えっと…、つまりあんたが月を三日月にした正体で、来年は地球も爆破するからそれまでに

このE組の生徒と協力して暗殺しろってことですか?」

 

「えぇその通りです、真宮くん。理解が早くて助かります」

 

いや理解はしたけど納得はしてない。なんだぁ?俺はせっかくあの施設から抜け出せたのに、

あと一年でみんな仲良くおさらばってことぉ? 俺まだやり残したことがありすぎて困る。

 

「思うところもあるだろう。だが、困っているのは政府側も同じこと。こいつの瞬間最高速度はマッハ20、本気で逃げられれば我々は手も足も出ない」

 

「しかし、それでは理不尽だろうと思いまして、私から国に提案したのです。椚ヶ丘中学校3−Eの担任ならやってもいいと。簡単に言えば私から人類への慈悲です。あぁちなみに、君をはじめとする生徒には一切危害を加えませんのでご安心を」

                              

……よく言うよ。超生物との約束なんて全く信用できないし、生徒には、ということは裏を返せば生徒以外には手を出す可能性があるということ。

 

「正直、使える戦力は一人でも欲しい。そこで、改めてにはなるが君にこの超生物を暗殺してはもらえないだろうか?」

 

烏間が俺に問う。だが、もう答えは出ているも同然だ。これからの俺の平穏な日々のために、俺はこの超生物を殺す。例えどんな手を使ったとしても。

 

「………えぇ、殺りましょう。」

 

精々、俺がクラスの連中を役立たせるさ。だってそうだろ?全ての人間は駒でしかない。

 

「ヌルフフフフ、いい顔ですねぇ。私としても良いアサシンが来てくれて喜ばしい限りです。それでは、これからは私のことを殺せんせーとお呼びください」

 

少なくとも、俺はあの白い部屋でそう教えられた。

 

「わかりました。これからよろしくお願いしますね、殺せんせー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだったよな、清隆?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

「では、これからHRをはじめるので先生が呼んだら教室に入ってきてください。軽い自己紹介をしてもらうのでそのつもりでお願いします」

 

色々と話を済ませた俺はなんやかんやあって、朝のHRの時間となっていた。これがクラスメイトとの初対面となる。そこで重要になってくるのは自己紹介だ。第一印象が良くないと、暗殺はおろか、人間関係の構築すら失敗するだろう。そうなると駒がどうのこうのとかの問題じゃなくなってくる。

 

だが、思い出して欲しい。俺は生まれたときから

ホワイトルームにいたのだ。対人コミュニケーションなんてしたことない。

つまり、俺のコミュ力はうんち=コミュ障 Q.E.D. 証明完了

え、お前理事長とかと話せてただろって?マンツーマンならまだ許せる。

だが、大人数はまじで勘弁。

ざっけんなよ天才作り出したかったらコミュ力を磨けるようなカリキュラムにしやがれ

こん畜生(泣)

 

と、俺がホワイトルームもといあの男に悪態をついていると、教室内から銃声が聞こえてきた。

といっても本物ではなく、エアガンのような発砲音だ。HRの暗殺が始まったらしい。

暗殺しながら出席取るのか…。よく声を聞き取れるな。

 

「…すごいな。朝っぱらからこんなに……。というかマッハ20ってのはほんとだったんだな。 

見たところ一発も命中していないぞ」

 

俺が教室の窓をのぞいていると、

 

「はい、遅刻なしの全員出席。すばらしい!!先生とても嬉しいです。さて、ここで一つ皆さんに良いお知らせがあります」

 

おっと、どうやら俺の話題になったようだ。

 

「なんと!このE組に転校生がやって来ます!!」

 

「「「おぉ〜!」」」

 

「まじかよ!?女子か?女子なのか?!」

 

いや違いますけど…

 

「え〜、どんな人だろう?」

 

えっ…

 

「かっこいい人がいいな〜」

 

いやちょっ…

 

「せんせ〜、転校生もういるんですか?」

 

まっt…

 

「えぇ、あんまり待たせるのも悪いのでそろそろ入ってもらいましょうか。では、零斗くんどうぞ入ってきてください」

 

なんか…めっちゃ期待されてるんだが?ハードルがバカ高いんだが?

まぁいい、お前らが俺に対して素敵な幻想を抱いているのだとしたら、まずはその幻想をぶち殺す!!(俺の絶望的なコミュ力で)

 

はぁ…めっちゃ憂鬱だ。とりあえず入るか。自己紹介なんてもういい() 

 

ガラガラと扉を開く。クラスにいる生徒が俺に目を向ける。

や、やめろぉ。そんな目で俺を見るなぁ(泣)

 

教卓の前に立ち、覚悟を決めて自己紹介をする。

 

「えー…、本日付より椚ヶ丘中学校に転校してきた真宮零斗です。えーっと、わからないことだらけですが皆さんと暗殺を楽しめるようにがんばります。一年間よろしくお願いします」

 

どうだ?俺としては悪くない自己紹介だと思うのだが…

 

「はい、零斗くん。みんなで楽しい暗殺にしていきましょう」

 

クラス全体が拍手で包まれる。ふぅ…どうやらうまくできたようだな。

 

「では、零斗くんの席はカルマくんの隣でいいですね?」

 

カルマ…あぁ、赤羽カルマのことか。

 

「はい、問題ないです」

 

「じゃ、これからよろしくね。転校生クン」

 

席につくと隣の赤羽が声を掛けてきた。

 

「あぁ、こちらこそよろしく頼む。赤羽」

 

軽く挨拶を済ませると

 

「さぁ、これにて朝のHRを終了します。日直の人、号令を」

 

ようやく、今日から俺の青春がスタートした。

 

 

 




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