ホワイトルーム生による殺し方   作:かさん

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はい、タグにも書いた通りヒロイン正式に決定しましたことを報告します。
ヒロインは神崎になりました。これからは、恋愛要素も組み込んでいきます!
今回ちょっと長めです。途中で区切るとかできないんで…
あと原作改変(ボソッ


修学旅行の時間

 

中間テストを終え、目標が定まった俺たちE組には、新たなイベントが控えていた。

 

「なぁ零斗、どこの班に入るか決まったか?」

 

クラス委員の磯貝が俺に声を掛ける。

 

「班って…修学旅行のか?」

 

「あぁ、決まったら俺か片岡に言ってくれ」

 

修学旅行か…。そうか、妙にクラスが賑やかだと思ったがそういうことか。

というか班で行動するんだよな、アブレなきゃいいんだが…。

 

「カルマくん、一緒の班になんない?良かったら零斗くんも」

 

どうやらその心配はいらなかったらしい。潮田が誘ってくれた。

やはり持つべきものは友達だよな。

 

「ん、オッケ〜」

 

「俺もいいぞ。むしろ、こっちから頼みたいぐらいだ」

 

断る理由もないのでもちろん了承する。

 

「零斗はいいとして…、カルマは大丈夫かよ、旅先で問題起こしたりしないだろうな?」

 

リストバンドをした男子、杉野が言う。

 

「へーきへーき、旅先の喧嘩はちゃんと目撃者の口も封じるし、表沙汰にはならないよ」

 

「喧嘩をする前提なのかよ…」

 

「でメンツは?俺と零斗くんでしょ、渚君と杉野と茅野ちゃんと?」

 

「あ、奥田さんも誘った!」

 

「あと一人女子が欲しいな。さすがに男4人だと肩身が狭い」

 

「へっへ〜、この時のためにだいぶ前から誘っていたのだ」

 

杉野が自慢げに言うと、黒髪ロングの女子を連れてきた。

 

「クラスのマドンナ神崎さんでどうでしょう?」

 

「おぉ〜異議なし!」

 

「よろしくね渚君、零斗君」

 

神崎か、いかにも人気がありそうだな。世の男子の理想を具現化したみたいな生徒だ。

 

「う、うん」

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

しかし、こうしてみるとあまり話したことのないやつばかりだ。

杉野は男子だから兎も角、女子との接点なんて今のところ矢田としかない。

この修学旅行で交友を広げるとするか…。

 

そして、もちろん暗殺教室の修学旅行はただの旅行ではない。

先程の烏間の話を聞くところによると、国が狙撃のプロを手配したらしい。

俺たちはその手伝いとして、暗殺向けのコース選びをすることになっている。

 

「ひとり一冊です」

 

俺たちがコース決めに熱中する中、殺せんせーがやってきた。

なんか辞書みたいのを持ってるけど…。

 

「それなんですか?」

 

「修学旅行のしおりです」

 

「重っ!!」      「辞書だろこれ!!」

 

殺せんせーがマッハで配る。少し遅れて俺の手にも重量感が加わる。

いやホントに重い、これを持ち歩くのかよ…。

ちゃっかり索引まであるし…。

 

どうやら殺せんせーもテンションが上がっているらしい。

かく言う俺も初めての修学旅行ということもあり、テンションが上がっているのかもしれない。

 

 

◇◇◇

 

 

そして修学旅行当日。俺たちは集合場所である新幹線のホームに集まっていた。

当然のことながら、誰一人遅れることなく、新幹線に乗り込むことができた。

途中でハリウッドセレブのような格好をしたイリーナが烏間に叱られたりしていたが…。

 

「……結構揺れるな」

 

「そうかな?ていうか、もしかして零斗くん新幹線乗るの初めてなの?」

 

「あぁ、あまりそういう機会がなくてな…」

 

「へー、今どき珍しいな。ってあれ?そういや殺せんせーは?」

 

そういえば新幹線内に殺せんせーの姿は見えない。

 

「うわ!!なんで窓に張り付いてるの殺せんせー!!」

 

潮田の声と同時に俺も窓に視線を移す。

 

「いやぁ、駅中スイーツを買ってたら乗り遅れまして…次の駅までこのままいきます。ああご心配なく、保護色にしてますから服と荷物が張り付いているように見えるだけです」

 

「それはそれで不自然だよ!!」  

 

誰一人遅れることなく、と前述したが訂正する。

ただ一人遅れていた。

 

そんなこんなありつつも、俺たちは旅館に到着した。

なお、本校舎の生徒達は高級ホテルに泊まるらしい。修学旅行でも、E組への差別待遇は健在だな…。

 

「にゅう〜……」

 

殺せんせーがぐったりしている。

 

「…1日目ですでに瀕死なんだけど」

 

「新幹線とバスで酔ってグロッキーとは…」

 

普段からマッハで飛んでいる癖して、三半規管は弱いのか。

…というか殺せんせーに三半規管とかあるのか?

 

「どう神崎さん?日程表見つかった?」

 

何やら神崎がバッグを漁っている。どうやら困り事のようだ。

 

「…どうした?探し物か?」

 

俺は見兼ねて声を掛けてみた。

 

「日程表が何処かいっちゃったみたいで…、確かにバッグに入れてたのに、…落としちゃったのかなぁ」

 

こうして修学旅行一日目が幕を下ろした。

 

そして2日目は班別自由行動となる。

 

「次は八坂神社…ですね」  

 

「え〜、もういいから休もう〜。京都の甘ったるいコーヒー飲みたいよ」

 

「飲もう飲もう!」

 

京都巡りも順調といったところだ。

だが1つ気になるのは、後ろからの気配だ。足音からしてどう考えても付けられている。

 

「今更なんだけどさ、零斗くんってけっこう背高めだよね。カルマくんと同じくらいだし」

 

考え事をしていたら、茅野が話してくれた。

 

「ん、そうか?あまり気にしたことはないが…」

 

「いいなー、羨ましいよ。僕も身長なんか気にしたくなかったんだけどなぁ…」

 

潮田は自分の小さい背丈がコンプレックスらしい。

だが実際、自分の身長なんて今まで気にも留めなかった。

 

ホワイトルームが、食事の栄養バランスや睡眠時間を管理していたためだ。そういう意味では有難いのかもしれない。当然、戻りたいとは思わないが…。

 

「へー、祇園って奥に入るとこんなに人気無いんだ」

 

「うん、一見さんお断りの店ばかりだから。目的もなくフラッと来る人もいないし、見通しが良い必要もない」

 

「なるほどな、暗殺に打って付けな訳だ」

 

「うん、だから私の希望コースにしてみたの」

 

「さすが神崎さん下調べカンペキ!じゃ、ここで決行に決めよっか」

 

「マジ完璧、なんでこんな拉致りやすい場所歩くかねぇ」

 

すると前の方から学生服を着た男が数人連れてこちらに向かってくる。

付けて来ていたのはこいつらか…、後ろからも来ている。

 

「何おにーさん等?観光が目的っぽくないんだけど」

 

「…おい赤羽、あまり挑発するな」 

 

俺が声を掛けた直後に赤羽が仕掛ける。

 

だが、前にだけ気を取られ過ぎだ。後ろで神崎と茅野が抑えられてしまった。

 

「わかってんじゃんか!」

 

その間に主犯と思われる男が赤羽をダウンさせる。

 

「カルマくん!」

 

「おいやめ…」

 

杉野も相手からの蹴りを喰らって倒れる。

 

「おい、車出せ!」

 

はぁ…、いよいよ本格的な問題になってきたぞ。

どうするか…、俺が潰してもいいが、今やると後々面倒になる。

それに神崎たちが連れ去られた今、下手に手を出すべきじゃない。ここはスルーだな。

 

ドスっという鈍い音が聞こえる。どうやら潮田も殴られて気絶してしまったらしい。

奥田は……隠れているな。良い判断だ、この後の動きもスムーズにできる。

 

「てめぇもちょいと寝んねしてもらおうか!」

 

俺も殴られた………痛い。だが好都合だ。

こいつ等が立ち去る瞬間に車のナンバーやら車種でも確認するか。

 

………今だな。俺は素早く立ち上がり、曲がり角を曲がってスマホのカメラ機能を起動する。

白いワゴン車、ナンバーは隠してあるがこれだけの情報があれば十分だ。

 

「奥田、もう出てきても大丈夫だ」

 

恐る恐る奥田が顔を覗かせる。

 

「あ、あの…す、すいません!私、咄嗟に隠れちゃって…。ま、真宮くんは無事なんですか?」

 

「あぁ、たまたま当たりどころが良くてな。気絶するには至らなかった。それより、赤羽たちを頼めるか?」

 

「は、はい!ところで、真宮くんはどうするん…ですか?」

 

「俺はちょっと、野暮用を済ませに行く」

 

 

◇◇◇

 

 

「ツレに招集掛けといた、記念撮影の準備もな。ここなら騒いでもだーれも来ねぇ」

 

車で廃墟のような場所に連れ去られた神崎、茅野は両手を拘束されていた。

 

「おめぇ、どっかで見たことあると思ったんだけど、これさぁ、おめぇだろ?」

 

ケータイを操作して画面を見せてくる。

 

「…………」

 

そこに表示されていたのは、ゲームセンターにいる神崎の写真だった。

髪の毛は金色で、服装はチャラく、今の神崎とは似ても似つかない。

 

「めぼしい女報告するようダチに言っててよ、攫おうと計画してたんだが見失っちまったって訳。まさかあの名門中の生徒だったとはね〜。でも俺にはわかるぜ、毛並みの良い奴等ほど、どっかで台無しになりたがってんだ。これから夜まで、俺ら10人ちょい相手してもらうからな」

 

「ふ、ふざけないで!あんたみたいな最低野郎に…」

 

茅野が悪態をつくと、主犯格の男が首を絞めあげる。

小柄な茅野は地に足がつかず、苦しそうに藻掻く。

 

「何エリート気取りで見下してんだ、あァ!?おまえもすぐに同じレベルまで堕として…」

 

その時、ピッという電子音が響き渡った。

 

「修学旅行の旅先で高校生が中学生に乱暴か。特ダネだな」

 

俺は扉を閉め、スマホを仕舞いながらゆっくりと歩を進める。

 

「ッこいつ、さっきの!?」

 

「てめっ…いつの間に居やがった!」

 

ガヤがうるさいな。

 

「あ…、れ、零斗くんが…なんで?」

 

「れ、零斗君!どうして…ここが?」

 

茅野と神崎が俺に問うてくる。まぁ不思議に思うよな。

 

「殺せんせーにもらったしおりに載ってる拉致実行犯潜伏マップがあってな。お蔭で迅速に位置を特定できた」

 

「無視してんじゃねぇぞコラァ!そもそも、見張りの奴はどうしたってんだ!」

 

「ああ、外に居た奴なら寝させてやったぞ。寝不足っぽかったからな」

 

「くそがっ、たかがチューボーにやられやがって…。はん、まぁいいや。俺らが立場ってもんを分からしてやんよ!」

 

こいつ等は一体何を勘違いしているのだろう。

 

「そっちこそ、立場を弁えて発言したらどうだ?俺の行動一つであんたらの人生が決まるんだからな」

 

「何を言って…」

 

「なんだ、察しが悪いな。俺がさっきなにをしたと思ってるんだ?」

 

「ま、まさかさっきの音って録画…」

 

「その通りだ。それを警察に提出すれば、書類送検か身柄の拘束、家にはマスコミが殺到。あんたらは高校生だろうから少年法は効かないぞ」

 

多少の誇張はあるが、警察やら身柄の拘束やらの言葉のインパクトが強くて、そんなことを考える余裕なんてないはずだ。

 

「ど、どうすんだよリュウキ!俺たち捕まって…」

 

「っせぇな、黙ってろ!第一、先に仕掛けてきたのはてめぇらだろが!」

 

「そうだったか?あそこには監視カメラなんてなかったし、あれは過剰防衛が過ぎる。その上、中学生の誘拐、車は盗車、無免許運転、ナンバーの偽装。挙げれば切りがないな」

 

残念ながら、その反論は想定済みだ。お前等に有効打なんて存在しない。

 

「ッ…!?」

 

「それに、もし証拠がなくとも、ここでのことを訴えたら世間はどう捉えるんだろうな。名も知らない底辺高校の証言と、全国有数の名門中学校の証言。火を見るよりも明らかだ」

 

「お、俺は御免だぜそんなの…!」

 

「はっ、そう焦んなよ。こいつを黙らせればいいだけだろ?その後、コイツ等でじっくりと遊んでやるぜ」

 

主犯格の男、もといリュウキが言い、不良共が拳を鳴らして俺の前に立ち塞がる。

やっぱりこうなるのか…。

警察を出した時点で素直に引き下がって欲しかったんだがな。

 

「あ、あぶないよ!零斗くん!」

 

「助けを呼んだ方がいいんじゃ…」

 

二人からそれぞれ心配の声が上がる。

 

「心配ない、二人共。すぐ終わる」

 

俺の発言が気に喰わなかったのか、不良の1人が突っ込んでくる。

 

「イキってんじゃねぇぞガキが!」

 

なんの捻りもない右ストレート。それを俺は左手で受け止め、鳩尾にパンチを入れる。

 

「がぁ…!」

 

1人がダウンする。

大した訓練を受けていない一般人の意識を刈り取るだけなら、鳩尾に一発叩き込むだけで良い。

 

「なッ!」

 

俺が倒したことに納得いかないのか、不良共は動揺している。その隙を俺は逃さない。

もう一人に狙いをすまし、再び鳩尾に拳を入れる。

後ろからの攻撃を下に屈んで避け、懐に入り込み飛び膝蹴りを決める。無論鳩尾に。

万が一もあるので、外傷は与えない。

 

「ちっ、この…!」

 

声を出しながら攻めてくるが、それでは俺に位置を知らせることになる。

…所詮は高校生、何もかもが甘いな。

俺は鳩尾にパンチを繰り出すフェイントを入れ、左手の手刀を喉に突く。

 

「な、なんなんだよてめぇ…!なんでそんな…」

 

「無駄口をしている場合か?」

 

遠心力を利用して回し蹴りを脇腹へ喰らわせる。

また一人、そしてもう一人と地面に倒れ伏していく。

 

「もうあんただけだ。それでもまだやるのか?」

 

「…ッ!バケモンが!」

 

何処から取り出したのかわからない空き瓶を振りかぶって向かってくる。

…単調な攻撃だな。最後もこんなんでは拍子抜けだ。

躍起になった相手に負けるほど、ホワイトルームはぬるくないし、俺も落ちぶれちゃいない。

身体を捻って攻撃を躱し、振り向いたところを右フックで鳩尾を穿つ。

 

相手が膝から崩れ落ちたのを確認し、俺は二人の拘束を解いた。

 

「えーと、大丈夫か、神崎、茅野?」

 

「うん、ダイジョブ。それより、すごい…んだね。零斗くん…いつも静かな雰囲気だったのに…」

 

「あぁ、まぁ…な。火事場の馬鹿力ってやつだ。神崎は?」

 

「………」

 

「神崎、どうかしたか?」

 

神崎の反応が無かったので、少し顔を近づける。

 

「えっ、あっ、うん。私も大丈…夫///」

 

「…あ、悪い」

 

…しまった、接近し過ぎた。

 

「う、ううん。平気だから気にしないで」

 

「あと、ここでのことはオフレコで頼めるか?あまり目立ちたくないんだ」

 

「あ、うん。それくらいなら全然いいよ!」

 

茅野が元気よく返事をしてくれる。神崎も頷いてくれたため、肯定してくれたのだろう。

視線を足元に下ろすと、ケータイが目に入った。

おそらく、リュウキとか言う奴の物だろう。その画面に表示されていたのは…

 

「なぁ、これって…」

 

「……私が遊んでた頃の写真。家の父が肩書きに厳しくてね。そんな肩書き生活から離れたくて、椚ヶ丘の制服も脱いで、格好も変えて遊んで、そうして得た肩書きがエンドのE組。自分の居場所もわからなくなっちゃって…」

 

「…………神崎さん」

 

なんと声を掛けるべきかわからない茅野は黙り込む。

 

「俺がどうこう言えることじゃないが、肩書きなんて気にしなくても良いと思うぞ」

 

「…え?」

 

「エリートでも、落ちこぼれでも、今居る場所でどう生きるかが大事なんじゃないか」

 

「今居る…場所…」

 

 

◇◇◇

 

 

その後、潮田達との合流ができ、殺せんせーも同伴していた。

 

「いやぁ、一時はどうなるかと思った…」

 

杉野が思わず呟く。

 

「ホントにね…。やっぱり零斗くんはすごいなぁ」

 

「別に特別なことはしていない。囮になっただけだしな」

 

神崎と茅野には、俺が囮となって奴等の注意を引き付け、その隙に逃げたということにしてくれるように口裏を合わせてもらっている。

 

「いえいえ、囮になることだって立派な戦略ですよ。神崎さんたちを助けるために勇気ある行動を起こした君は誇っても良い。しかし、今後このような場合には必ず先生に伝えてください。どんな状況でもこの触手で助けだしますので」

 

殺せんせーは俺の頭に触手を乗せながら忠告してくる。

 

「…善処します」

 

「はい、そうしてください」

 

「ん〜でもなぁ…俺一人ならなんとかなったと思うんだよねー」

 

頭の後ろで腕を組んでいる赤羽が言う。

 

「おや、どうかしましたか神崎さん?ひどい災難にあったというのに、何か逆に…迷いが吹っ切れた顔をしてます」

 

「……えぇ、どうかしちゃったのかもしれません」

 

神崎が俺の方を見つめて言う。え…俺?

 

「じゃあ、行きましょ、零斗君」

 

そう言って俺の手を握る。

俺は半ば神崎に引っ張られような形で歩を進めることになった。

 

「あ…おい、神崎」

 

…あんまりそういうのは勘弁願いたい。

さっきから杉野がめちゃくちゃ睨んできてるんだ。若干殺気も孕んでいる気がする。

 

「ヌルフフフフ、青春ですねぇ」

 

心なしか、夕焼けで彩られた神崎の足取りは、軽いように思えた。




執筆中、リュウキくんたちボコボコにし過ぎたかなと思ったんですが、
アニメ見返すと殺せんせーもっとえぐい攻撃してたし、鈍器(修学旅行のしおり)を頭に叩き込んでいないのでまだ零斗くんの方が優しいです()

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